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the quiet room interview
- SPECIAL -

the quiet room interview

各コンテストで優勝したりと話題になっているバンド「the quiet room(ザ・クワイエット・ルーム)」が、初の全国流通盤「Life is wonder」をリリース!その激しくも優しい、そして今しか書けない美しく儚い青い歌詞を持つ珠玉の6曲に込められたパワーが心に響く。その音楽の作詞作曲者であるボーカル・ギターの菊池遼に詳しく今回の作品の話しを聞いた。

―初の全国流通盤「Life is wonder」のリリースおめでとうございます。

菊池遼(以下、菊池):ありがとうございます。

-以前にもこの誌面「eggman」で語っているとは思いますが、もう一度結成の経緯を教えてもらってもいいですか?
菊池:茨城県水戸市で17〜18歳の高校生の時に受験シーズンで周りのバンドが活動休止になるタイミングで、バンドを続けたくて無理矢理集めたのが初期メンバーです。そして高校卒業と同時に上京して、一年目の19歳ぐらいの時に「閃光ライオット」に出演しました。

-それに出演するまでバンドの名前を知られるまでに苦労したのでは?

菊池:ただその前に「TEENS ROCK IN HITACHINAKA 2011」というイベントに出ていて、そこに出演していたバンド達が2012年の「閃光ライオット」にほとんど出ていたんですよ。でもそこにthe quiet roomだけ出ていない状況で(笑)。ただ翌年に出演することになるんですけどね。そのバンド達のイベントに誘われるようになって、認知されるようになり動員が増えてきたという感じです。

-今作にも収録されていますが、コンスタントに自主盤を制作していますよね?
アルバムではなくてシングルとかEPとかリリースしてますが、これには意図が?

菊池:これは「Life」三部作という、意図的に三枚出すという計画が当初からありました。もちろん予算的な問題もありましたけど、曲をコンパクトにまとめて三枚に分けで出すというところに意味があるかなと思いました。もうこれで「Life」とかはタイトルに付けないです(笑)。

-そんな中で今作収録されている6曲を選んだ理由は?
今回は良い曲を出し惜しみせず入れたという感じです。「閃光ライオット」に出した曲も勝負曲を出してきたし、こういったチャンスの時に出し惜しみしちゃいけないって思っているんです。リスナーの皆さんに一番良いthe quiet roomの音源を聴かせたいと思っているだけかもしれませんね。あと、自主盤で出したものがほとんど廃盤になっていて、買えなかった人にも今までの総復習として作ったということもありますね。

-今まで行った事のない土地の人にも響くような強力な6曲だなと思いますよ。これがデビュー盤で良かったと思っています。
菊池:ありがとうございます!

-今回のエンジニアさんのセレクトを吟味したとお聞きしましたが。

菊池:はい。今までもいろんなエンジニアさん、レコーディング場所を転々としてたんですけど、今回も新しい場所に挑戦しようと思いまして。一番最初にコピーしたバンドが「アジアン・カンフー・ジェネレーション」ということもあって、その1stアルバムを録っていた方にお願いしました。

-だからサウンド的にも前にくるような音になっていますよね。特にギターの音とかが特徴ありますね。the quiet roomの特徴として、菊池くんの落ちついた歌声と、弾きまくるギターのフレーズというのが印象に残りますが、これは自身でもバンドのアイデンティティーと思っていますか?

菊池:そうですね。歌が中心にあるというのは、バンドを始める時の揺るがないテーマというか、もう水戸でバンド結成したときに「メロディーを大切にするバンド」って言ってたんですよ。もちろん技術的に足りないものもあるんですけど、自分が作るメロディーに自信があって。むしろそこでしか勝つところがないというか。東京に来てメンバーは変わりましたけど、それを理解してくれるように話合っています。でも最近は歌を邪魔しないでどれだけできるかっていう事に二人のメンバーは挑戦してくれていますね。彼等がキャッチーなフレーズを作ってくると負けたくないと思います(笑)。

-そのフレーズも含めて耳に残るといった印象を受けます。今来ているお客さんの年齢層が低いじゃないですか?このサウンドは突き刺さると思います。あと、歌詞なんですが、乱暴に言ってしまうと「青い」と感じました。勿論まだこれから熟していろいろ世界が広がっていくとは思いますが。

菊池:むしろ、今回は「青く」した感はありますね。昔はアジカンが好きで、文学的且つ哲学的な歌詞を好んで書いていたんですけど、「閃光ライオット」とか出演してやりたい事が変わってきたこともあるし、お客さんが求めているものはこれではないなと思ったし。

-今の気持ちを投影しているのかな?と思ったのですが。むしろ自分はまだ「青い」って主張しているのかなと思いましたけど(笑)。

菊池:そうですね。あっと言う間に21歳になって、今のうちに書けることは書いていこうかなという思いもありますね。

-今作で一旦今の感情を終わりにして、また次回作で次のフェーズに行くというか、そういうのが楽しみでもありますね。

菊池:出し惜しみしなかった理由にそれもあって、まだ全然良い曲をかけるよと自分に言い聞かせる為にも、一回空っぽにしたかったというがありますね。
これで曲が書けなかったら終了というつもりで今作を作りました。
「表情を豊かに生きる」というテーマで今回は作ったので、また違うテーマで作品を作ると思います。

-今回のリリースするきっかけとなった、ロッキング・オンのコンテストで優勝した訳ですけど、あの大きな舞台に立ってどんな感想でした?

菊池:話は逸れてしまうんですけど、その前に「閃光ライオット」で日比谷野外音楽堂に出ていて、その時は感動して泣いちゃったんですよ(笑)。それでまともに演奏出来なくて、何がしたかったんだろうという思いになってしまったんですね。それとは逆にROCK IN JAPAN FES.(以下、RIJF)に出た時は、「今日はモノにしたい」という気持ちで臨めましたね。意外に冷静で、ただのオープニングアクトじゃなく、「今日のthe quiet room良かったね!」って言ってもらえるように演奏しなきゃって思いでステージに立ちましたね。

-そこは成長したってことなんですかね?

菊池:「閃光ライオット」よりは良い演奏出来たんじゃないですかね。勿論緊張はしましたけど。前日寝れなくて、実家が会場に近かったので、そこにメンバーと泊まって枕投げして、興奮して一睡もしませんでした(笑)。

-そういった大きな舞台に立って、バンドと共にメンバーも成長しているという実感はありますか?

菊池:実はうちのギターはthe quiet roomが始めてのバンドなんですよ。今年60本近くライブをやっていまして、ギターをバンドに慣れさせる為もあったし、中途半端な状態でRIJFに出たくなかったんです。自分も多少は上手くなったかなという気持ちもありますし、他のメンバーも成長したと思います。ライブはメンバーが良ければ何本でもやりたいです(笑)。

-このリリースツアーの初日がeggmanですが、初ワンマンなんですよね?体力的なことや持ち曲の問題とか出てきますか?

菊池:持ち曲は実は沢山あって、バンドの体力的には二時間くらいのステージなら行けると思っています。

-このライブをこうしようかな?っていう作戦とかはありますか?

菊池:先にも言ったのですが、今回のアルバムは今までの総集編といった感じなんですけど、ライブは今後のthe quiet roomを観せるようなものにしたいですね。かなり新曲は多くやりたいし、この日始めて見にくる人もいると思うので、今までのも見せつつ、こうなっていくんだよという進化形も観せたいですね。

-この後もツアーが続くと思うのですが、初めて行く場所とかありますよね?

菊池:仙台は初めてですね。大阪も2〜3回ぐらいです。大体電車か夜行バスで移動しているので、あまり広範囲に行ってなかったんですよね(笑)。今までは東京で3本、茨城で2本とかのライブの多さだったので、移動距離が多いツアーは初めてなんですよ。なので気を引き締めて臨もうと思います。体調管理が大切かなと。

-今後の野望は?

菊池:分かり易い目標で、地元茨城で開催しているRIJFの一番大きいステージ・グラスステージのトリをやれるバンドになることが最終目標です。普通に出るんじゃダメなんです。トリじゃなきゃダメなんです。
あと最終目標でない近いところで言えば、このCDをめちゃくちゃ売るということですね(笑)。着実に売って新しいものに繋げられればなと思います。

-最後の読者に一言もらっていいですか?

菊池:とりあえず全力投球の6曲を入れたCDだし、ジャケットの中身も全部絵を描いてもらって、かなり凝ったデザインとなっているので、買ってそちらも楽しんでもらいたいです。それに伴って初ワンマンライブもやるので、そちらも是非観に来ていただけたらと思います。

-ありがとうございました!