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Poet-type.M selfreview
- SPECIAL -

Poet-type.M selfreview

1年を掛けて四季4部作で表現されてきた『A Place, Dark & Dark』がついにクライマックスを迎える。4枚目となる冬盤『A Place, Dark & Dark -永遠の終わりまでYESを-』のリリースを控え、本誌では2ヶ月に渡って掲載。今月号では自らセルフレビューという形で今までの3部作を振り返って頂きます。
“Poet-type.M”という芸術家がつくりだす”夜しかない街”を舞台にしたお伽噺(おとぎばなし)をどうぞお楽しみ下さい。

昼間の賑やかさは自分の心の呟きを埋もれさせ、自分と他の誰かの境界線を曖昧にします。明るさは時に「他人と同じことで在る事」を求めます。
僕らの生活は明るすぎる地下鉄の中で下品な中吊り広告を読まされ、PCを開くと関係無いアファリエイト広告に監視され、何が面白くて、何がつまんないかをトピックサイトに押し付けられます。そしてそれを学校や会社で話すことで確認する。まるでSF小説に出てきそうな暮らしです。
管理を超えた監視の度合い(既読とか)同調。共有は「いいね」や「シェア」という名の軽さを纏い、吹けば飛ぶような価値観が蔓延しているように思えます。
だからたまに忘れたことも忘れてしまうのです。
僕らの優しさは人の気持ちを解ろうとして、だからこそ自分の気持ちが一番解らなくなっています。
それは音楽にも言える事、テーマを忘れたアルバム、表現の源を何処かに置き忘れたミュージシャンが多い。別に良いけど、多すぎる。
僕は夜の静かさや寂しさ、美しさが子供の頃から大好きでした。
街の灯が語りかける心の脆さ、理由もなく見上げた夜空の星の数に嬉しくなったりする事。遠くの街から聴こえてくる花火の音や、音も無く降る雪。
そして闇。
見えない。ということはみんなと同じお面を取っても誰も気にしない。ということです。ちゃんと1人が独りであることを認識させてくれる時間と空間。
僕が「A Place, Dark & Dark」という4枚のミニアルバムで切り出そうと考えているのは、恐らくそういう事です。本当は他人の価値観に寄りかかるほど弱くない人たちの音楽、自分の好きな配役を選んで生きる一人、独りの群青劇です。


● 春盤『A Place, Dark & Dark -観た事のないものを好きなだけ-』
2015.04.01
¥1,620(税込)/PtM-1030
「唱えよ、春静か(XIII)」
未来、「これから」への全肯定。
「痛いな、この光(Ticket To Nowhere)」
別れ。慰めない事。理由が無いなら笑わないでいい。
「観た事のないものを、好きなだけ(THE LAND OF DO-AS-YOU-PLEASE)」
再び未来に対する全肯定。一匙のセンチメタルと生きる事の遊戯性について。
「救えない。心から。(V.I.C.T.O.R.Y.)」
音楽の想像力をバカにしている人たちへ。
「泥棒猫かく語りき(Nursery Rhymes ep3)」
正義と決意の童話。
「楽園の追放者(Somebody To Love)」
一人が独りである事の気高さ。日和らず。許さず。絶対無敵。
● 夏盤『A Place, Dark & Dark -ダイヤモンドは傷つかない-』
2015.07.01
¥1,500+税/PtM-1031
「バネのいかれたベッドの上で(I Don’t Wanna Grow Up)」
聖なる性。ドキドキするビートの魔法。
「その自慰が終わったなら(Modern Ghost)」
絶対正義化された「共有」へ。SNS。さて、誰が幽霊か。
「窮屈、退屈、卑屈(A-halo)」
無意味さを詰め込んで大げさに街は嗤う。お前も加害者。病名は鬱。
「神の犬(Do Justice To?)」
Dark&Darkの異端審問官。正義の名の下で没個人。海亀が乗り遅れた箱舟の行き先。
「瞳は野性、星はペット(Nursery Rhymes ep2)」
悪い女性。何年後かの13かも。
「ダイヤモンドは傷つかない(In Memory Of Louis)」
レクイエム。慈しみ。慰めではない「まぁ、いいか。」個人的に好きな曲。
● 秋盤『A Place, Dark & Dark -性器を無くしたアンドロイド-』
2015.10.21
¥1,500+税/PtM-1032
「だが、ワインは赫(Deep Red Wine)」
Dark&Dark版サイケデリック感覚。鮮血のストリングスと此処には居ない誰かの為の音楽のはじまり。はじまり。
「あのキラキラした綺麗事を(AGAIN)」
「ありがとう」が言える美しさ。綺麗事でも、守ると決めたらそれが真実。
「ある日、街灯の下(Farewell, My Lovely)」
是も非もなく選ばれた別れ。さよならだけが人生さ。とは言わないが、出会えばいいってもんじゃない。
「双子座のミステリー、孤児のシンパシー(GPS)」
思い出や追憶によって確認する現在地。見えるもの全てがGPS。
「プリンスとプリンセス(Nursery Rhymes ep4)」
童話の終わり。ハッピーエンド。夜空の神聖さと童児的ロマンティシズム。
「性器を無くしたアンドロイド(Dystopia)」
メンタルって何処にあるんだろう?ありもしない破損パーツを探し続ける哀しさ。此処には居ない私の為の音楽のおしまい。おしまい。
● 冬盤『A Place, Dark & Dark -永遠の終わりまでYESを-』
2015.10.21
¥1,500+税/PtM-1032
次回3月号掲載のロングインタビューでたっぷり伺ってまいります。
「God Bless Dark & Dark」
2016/4/17(日)
Mt.RAINIER HALL
16:00/17:00
チケット ¥4,300-(+D代)
Poet-type.M オフィシャル先行
1/30(土)12:00~2/7(日)23:59   http://w.pia.jp/t/ptm/
一般発売日 3/18~