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Czecho No Republic interview
- SPECIAL -

Czecho No Republic interview

ニューシングルで人気アニメ「ドラゴンボール」シリーズ最新作「ドラゴンボール超」の主題歌を担当、7月にはバンド史上最大規模となる新木場STUDIO COASTでの主催ライブ「ドリームシャワー 2016」の開催を発表する等、去年の日比谷野外大音楽堂ワンマンSOLD OUTや、COUNTDOWN JAPAN 15/16、GALAXY STAGEのカウントダウンライブ成功に続いて、バンドの注目度を形容するような熱量あるニュースが続くCzecho No Republic。 自分らしい表現の整合性が元々高い武井 優心(Vo/Ba)が、そのやり方を踏み外さずにいながらも大舞台の経験を重ねて自身の許容範囲を広げていく様が、バンドの活動ひとつひとつから伺える。 このバンドにとって今はどんな時期? 始まりは至ってミニマムで、旧エッグマン事務所内の狭いスペースでメンバー同士試行錯誤しながら、超簡易的な録音環境でのデモ制作をしたり、ジャケットデザインもメンバー自ら描いた絵だったり。 それでもその時自分達にあるセンスに忠実に、ものづくりを進めていく実直さがいつもあった。 いまでもそのこだわりは変わらず備え持っているが、今は少しずつ表現が外へも向き始めたのは話しを聞いていても感じられる生身の感覚。 無意識くらいの自然な流れで、音楽の可能性を一層引き上げている一過程が今作の『Forever Dreaming』に強く反映されているように思える。

Interview & Text : 鞘師 至

もっとやっていかなきゃ、っていう自覚。

 

— 今作の表題曲「Forever Dreaming」は「Oh Yeah!!!!!!!」に引き続き、アニメ・ドラゴンボールシリーズの主題歌ということですが、これはこの為に書き下ろした曲ですか?

■ 武井 優心(Vo/Ba 以下、T): まさしくそうですね。 曲を提供する先が見えてる状態で書き下ろす作業って、普段から慣れてる訳ではないんですけど、「Oh Yeah!!!!!!!」と比べたら今回は短時間で作れました。

— バンドの個性とアニメのイメージ、どちらもぴったりハマってる感がすごいですね。

■ T: 頭のどこかでは “あぁ、ドラゴンボールだよな” ってイメージしてたんだと思うんですけど、それを上手く具体化できる程器用でもないんで、どう作用してこのマッチングができたのか自分でも分かってないんですよね(笑)。 作ってみたらこうなりました。

— 普段は曲のコンセプトを決めてから作り始める?

■ T: ”こういう曲を作りたいな”っていうアイディアから作り始めるんですけど、最初にあった軸がアレンジしていくに連れて取っ払われて変化していく事が多いですね。 そういう意味では今回の「Forever Dreaming」は違って、最初の狙い通りに、しかも一瞬で出来ました。 一番最初にギターでコードを引いた瞬間からもうこの形だったんですよ。 歌のキーもフレーズも一番最初のまんま。

— 音的にはアコースティックギターが背景で全編鳴ってるのが新鮮でした。

■ T: アコギいいですよね。 アコギって使ったことなかったんで今後取り入れていきたいな、とちょうど思ってたんですよ。 今回ハマってよかった。

— ドラゴンボール超ver.収録の「ロマンティックあげるよ」では、あの歌謡曲世代らしいメロディーをタカハシさんが歌うっていうギャップが素敵だな、と。

■T: この曲はそれこそドラゴンボールファンに捧げる感じでやりましたね。 タイアップをさせてもらうようになってからは、ちょくちょく知り合いから”いとこの子供がこの前歌ってたよ”とか、子供世代にもCzecho No Republic(以下、チェコ)の事を知ってくれてる人が出始めたのを聞くんで、この曲もそういうきっかけになってくれたらいいな、っていうのもあって。 そのうちライブにも遊びに来てくれるようになったらいいですね。

— チェコのライブに子供が沢山(笑)、7月の新木場STUDIO COAST(以下、コースト)のライブでその光景だったらって考えると夢ありますね。

■ T: それやばいですね(笑)。 そう、そのライブ、会場の規模で言えばこれまでで一番大きいんで、どうなる事やら不安もあるんですけど、非常に楽しみなんですよ。 元々自分が所属していたバンドとかも呼べたら呼びたいな、とか。 色々考えて夢広がってます。 ちなみに今回の「Forever Dreaming」ではそのバンドVeni Vidi Viciousの良介(※)がコーラス参加してるんですよ、サビのところ。 別々のバンドになってから初めて絡みました(笑)。 記念すべき1曲。 元々ずっと同じバンドで聞いてた声だったんで期待通りの、狙ってた声を入れてくれてすごく良かったです。

– あのコーラスは武井さん、良介さん、タカハシさんの3声?

■ T: それに砂川さんと、あと家の近くに住んでる友達の声。

— なんですかそれ(笑)。

■ T: ほんとただの近所の幼なじみにもコーラスしてもらいました(笑)。 なんか良い感じになるだろうな、と思って頼んだらこれもまたしっくり来たんです。

自分達ならではのものにしたい。

 

— 7/3、コーストでのチェコ主催イベントは、どんなライブになりそうですか?

■ T: やっぱり僕らの仲良くしてるアーティストを呼んで一緒にやりたいですね。 せっかく自分達でやる訳だから、今までありそうでなかった組み合わせの対バンにしたいな、っていう。 お客さんが喜ぶのが簡単に見える組み合わせ、お客さんが沢山来るのが容易に分かる組み合わせ、これって既に他で沢山やって実現してるじゃないですか? せっかく僕らでやるなら自分達ならではのアーティストに出てもらうっていうのがやりたいですよね。 それをお客さんに伝わって楽しんでくれる範囲内の一番攻めた内容でやりたい。 狙いってなかなか伝わらない事もありますけどね(笑)。 まぁそれでもそこにこだわる事に意味はあるな、と。

— 独自の追求と、お客さんと一緒に楽しむ事の照合点ですかね。 このバンドは初めは前者が強かった気がしますが、『MANTLE』以降くらいからかな、後者も自然な心持ちでやっている感じがします。 結果的に今作の「Forever Dreaming」みたいなキャッチーな曲に繋がっている、と言うか。

■ T: まだまだ内にこもってる方ですけどね(笑)、昔よりは聴いてくれる人の事も考えるようになったのかもしれないです。 ライブではみんなで歌って、ギターソロでは砂川さんで楽しんで、みたいに要所要所でお客さんと一緒に遊べる曲になっていってると思うし。 何がきっかけで変わっていったか分からないですけどね。 なんだろう、どんどん先へ進んでいかなきゃ、っていう自覚が出てきたのかもしれないですね。 このまんまだったらダメだ、っていう気持ち。 このバンドを始めた時から、やるんだったらとことん自分で良いと思えるところまでやろう、って思ってましたからね。

ー ちなみにサウンド面に関する感覚について。 チェコのシンセサウンドとはまた別のもので、今シティーポップ/ドリームポップみたいなバンドって流行になってますが、武井さんはこの流れどう見てますか?

■ T: うーん、やり切ってるバンドはやっぱりかっこいいですよね。 だけどそれっぽいバンドがどんどん増えてきててどの音がどのバンドか分からないのも事実ですかね。

— 以前Wikiki Beatをお勧めしてくれましたが、注目され始めてすぐ海外活動メインになっちゃいましたよね。 今現役で活動していて最近気になるバンドって他には?

■ T: 最近でもないですけど、The fin.とかはずっと好きです。 あのバンドも海外活動がっつりですね。

やりたい事、やるべき事だらけ。

 

— 前身バンドの頃から武井さんは洋楽派な印象だったんですけど、チェコでは海外でやりたい希望とかはあるんですか?

■T: めちゃめちゃやりたいですよ、海外旅行も好きだし。

— 今回「Forever Dreaming」の英語詞ver.が収録されているのは、そういう気持ちもあってなのかな、とふと思いました。 全編英詞っていうのがとっても斬新。

■ T: あ、あれはそういう事は意識してなかったですけど、でもやれたら良いな、と思いますね。

ー 例えばどこでライブやりたいですか?

■ T: そうだなぁ、、、やっぱりチェコ共和国?(笑) でも本当にどこでもやりたいです。 実際ドラゴンボールって海外でもめちゃくちゃ人気じゃないですか、そのアニメとコラボできてるっていうのもあるし、好機かもしれないですね。

– ヨーロッパでの日本のアニメ人気とか、日本の音楽人気も今注目されてますからね。

■ T: そうですね。 あ、なんか今見えてきました。 ヨーロッパツアー。 それ絶対やった方が良いですね、やります。 久しぶりに明確にやりたい事が新しくできた。 今までもいつかは海外でもやりたいな、っていうくらいの現実味を帯びてない感じでは思ってたんですけど、今見えました。

– それは本当に楽しそう。 いつやりましょう?

■ T: 今年の冬。

— めっちゃ早いですね(笑)。

■ T: よし、やりたいってバンドのLINEグループにもう流します。 まぁその前に日本でちゃんとやらなきゃですけどね。 ひとまずシングルはリリースできたんで、7月の企画をちゃんといいライブにして、成功させてからまた色々考えます。 今回の曲とか、コーストのライブまでに覚えてきてもらって、みんなで歌えたらいいな、とか今目の前にある事でやりたい事が全然ありますからね。 走り続けなくては。


※「良介」… Veni Vidi Viciousのメンバー入江良介(Vo/Gt)。