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HaKU interview
- SPECIAL -

HaKU interview

現実というフィクション、幻想というリアル。
2012秋、EMIミュージックより初のフルアルバムでメジャーデビューする事を発表した”HaKU”。メジャーデビューを前にして、インディーズ最後のシングルを発売。コンピューターやシンセなどを一切使用せずに音源を制作し、ライブでも人力のみでその音源を表現するオルタナティヴ・ギター・ダンスロック。
浮遊するギターのプリズムと、中性的で透明感溢れる孤高の歌声が、アグレッシブなバンドサウンドとクロスオーバーし、ライブでは卓越した技術とアンサンブルがロックファンに圧倒的新衝撃を与え続けている。

Interviewer:森村 俊夫/eggman

–“HaKU”は本誌での掲載は初ですね。宜しくお願いします!

Vocal & Guitar:辻村 有記(以下、辻村):お願いします!

–早速ですが、”HaKU”というバンド名の由来から聞かせて下さい。

辻村:真っ白の白(ハク)。何にも染まらずに自分たちの好きな事をどんどんやっていくという意味や、一音一拍の拍(ハク)。息を吐く(ハク)ように歌い続けたい等の音楽的な要素を含めたバンド名になっています。

–10月にメジャーデビュー。そしてアルバムのリリースが決まっている”HaKU”ですが、それを先行してプレデビューシングル『Simulated reality”decoy”』が7/18にリリースされましたね。『Simulated reality』はメジャーデビューアルバムのタイトルですよね。その後に”decoy”と付いた今回のタイトルはどういう意味があるんですか?

辻村:”decoy”とは”おとり””誘き寄せる”という意味があります。 今回のシングルには10月に発売するアルバムを彷彿させる様なネタも仕込んであって、そのアルバムに誘うという意味もあります。

–そのシングルの1曲目に入っております「1秒間で君を連れ去りたい」という曲ですが、どういった曲ですか?

辻村:去年の夏ぐらいにできた曲なんですが、今の”HaKU”を表しているというか、ライブバンドでありたいという部分と、自分達がいかにお客さんと繋がれるかという部分を音で表した時にできた曲です。音も結構スマートにソリッドにっていう風に今まであんまり突き詰められなくて、こうガスッと尖った様な音楽は創ろうと思ってもなかなかできなかったので、それが自然にできたこの曲は自分達の壁を1つ越える事のできたモノになったと思います。

–2曲目の「novel decoy ver.」ですが、この曲はメジャーデビューアルバムの全10曲を1曲にマッシュアップしたとの事ですが、マッシュアップってよくDJが2つ以上の曲を混ぜて1つの曲を創る手法の事ですよね?

辻村:そうですね。アルバムの10曲を切ってバラバラにして、それを再構築して1曲にまとめました。この曲のここのギターフレーズを持ってくるとか、この曲のドラムを持ってきたりとか、ここのベースの一部分だけを抜き取ってくるとか。この曲に関しては全く演奏せずにアルバムの曲の音だけを使って創りました。

–前代未聞ですね!すごく面白いですね。他にも”HaKU”というバンドは”LIVE Stalking”という普段観る事の出来ない様な様々な角度からライブを映した映像を公開していますよね。終始、足元でエフェクターを踏んでいるだけの映像が映っているのを観た時はビックリしました!

辻村:自分達はコンピューターやシンセを使わずに、楽器の”生音”だけでライブをやっていて、でもそれが観てくれている人にはちゃんと伝わっていなかったりする事があって、ちゃんとそれを見せておきたかったですし、自分達はこういう事ができるというのを見せたくてこの企画が始まりました。観てくれた人が何か引っかかって、興味を持ってもらえる事が大事だと思うので、面白い事をどんどんアピールしていけたらと思っています。

–新しい伝え方ですね。”HaKU”というバンドの見せ方にすごくこだわっていますよね。

辻村:見せ方はすごく意識していますね。時代によって変化していく事ではあると思うんですが、自分達が納得いく形での表現方法を自分達自身で編み出して、それを音にしてライブにしてというのはすごく考えて取り組んでいます。

–10月10日にメジャーデビューが決まっている”HaKU”ですが、意気込みはありますか?

辻村:これから”HaKU”を聴いてくれる人が多くなると思うんですが、面白い事をやっているバンドだと言う事を世の中の人にもっと知って欲しくて、頭とか心のどこかに引っかかって離れない様なバンドである事をすごく伝えたくて、それをブレずに自分達の音楽でちゃんと届けられると思っているので、このデビューのタイミングで思う存分出し切りたいと思っています。

–11月にはアルバムを引っさげたワンマンツアーが始まりますね。

辻村:自分達は作り込んでいくタイプのバンドなので、空気感や間や世界観をワンマンの方が表現しやすいですし、11月にはもっと成長できていると思うので、より明確な”HaKU”を見せることができると思っています。

–このインタビューを読んでくれている人の中にも”HaKU”を初めて知った人もいると思います。初めて”HaKU”に触れた人達に対して、伝えておきたい事はありますか?

辻村:”HaKU”というモノはすごく実験的なバンドです。すごく自分達で自分自身を苦しめて、それが実験となっていろいろなモノを生み出すバンドなんですが、それを面白く見てもらえるバンドだと思うので、長い間付いて来てもらいたいです。

◉1秒間で君を連れ去りたい