–まずは、8年ぶりのリリース本当におめでとうございます。
茂木(Vo):8年ぶりです。ありがとうございます。
–僕からしたら本当にレジェンドと呼ばせて頂きたいくらい大好きなバンドで待ちに待ったという感じですし、そういうお客さんは多いと思います。リリースを控えてみてどうですか?
茂木:8年前こんな事やってたんだな。って思い出す感じですね。リリースってこんなに忙しかったっけ?って言うのが一番の印象ですね。
–何が一番忙しかったんですか?レコーディングとか?
茂木:そうだね。レコーディングに関しては、すごいスケジュールで近々でやったから大変だった。でも、今まで味わった事のない感覚で良いものが出来たなって感じですね。
–初めて聞いた時は、本当に鳥肌が止まらなくて。
茂木:マジで?ありがとうございます。
–500円という価格設定にもビックリしました。
茂木:2曲なら500円だろっていう感じですね。それ以上の価格はないって言う事も話し合って決めました。でもリクープラインを計算したら天文学的な数字が出てきた(笑)。一応してみよっかって。
–どこも儲からないですよね(笑)。
茂木:誰も笑えないよね。極めてわがままな作品になってます。
–でも手に取りやすいですよね。初めての人も今まで聞いてくれてる人も。曲についてもお聞きしたいのですが「EVEN」は震災後に作られたんですよね?この曲はどんな曲になっているんですか?
茂木:これは完全に詞から出来たものなんだけど、震災が日本に起こって俺たちは、さほど痛手を被ってない場所で暮らしが普通に出来てる。で、当然その当事者の人達の事とか、計り知れない心境とか絶対に分かるはずがないんだけど、置き換えてみようって思えるチャンスはある。それを歌にしようかなって思ったんです。実際、大なり小なりいろんな人の悩みとか葛藤がある中で本当に当事者じゃないと分からない、誰かにとっては虫けらみたいな悩みとかもその人にとってはとんでもなく大きかったりするわけで、そういう事をもう一回、面と向かって見れて、自分はちゃんと出来てんのかっていう葛藤とかを歌に出来たらいいなって思って。すごくリアリティーにはかけるかもしれないけど、俺にかける曲はこういう曲だなって思って作りました。
–聴き終わった後に、今をしっかり生きなきゃなって思いました。もしも目が見えなくなったらってリアルな言葉というか…すごく伝わってきました。
茂木:でも見えるんだもんね。見えるからどうする?って。本当に見えなくなっちまってもおかしくない環境にいるわけで。本当に”今”。未来とか過去じゃなくて今どうするかって事が問われてるんだよね。
–G-FREAK FACTORYとしては、8年前も今も伝えたい事っていうのは変わらずにあるんですか?
茂木:かなり変わったと思うよ。昔はパンクとかレゲエに憧れて世界の戦争とか情勢を変えるって言ったら大袈裟だけど、そこにすごく重きを置いてたけれども、全然遠い所の何かみたいな、もしかしたらどうでもいい事をどうでもよくしないようにしたいなっていう歌を歌ってた。今は、何とかなる事を何とかしたいっていう極めて身近な仲間、家族、愛する人とかに向けてどんどんベクトルが変わってきてる。たぶん年齢とともにね。最近は、みんなの気持ちを歌に出来たら良いなって思ってる。俺はこうだ!っていうのも大事だけど、みんなが言えない事を曲にして、みんなが思ってる事をたまたまその時間だけ代表して叫びますって出来たらいいかなって思ってますね。
–「チャンダンの香るこの部屋から」についても聞かせてください。これは、セルフカバーで第2章という事ですけど、今回のシングルに入れる事になったのは何故なんですか?
茂木:これは、今の世の中に対して8年前に書いた曲が今、ハマるかなっていうのとサウンド的に「EVEN」だけのG-FREAK FACTORYじゃないよというか、もう一面を出したいなって所からですね。
–そうなんですね。前回の雰囲気もちゃんと残ってるけど新しさもしっかり表現されてるなって思いました。
茂木:リリースに向けてもう一回考えようみたいな時間が短かったけど出来て、最後のリアレンジが出来ましたね。
–すごく怒りを感じる曲ですよね?
茂木:そうだね。デタラメに対してなんでみんな怒らないのかなって思って。「チャンダンの香るこの部屋から」に関しては政治的な意味合いもあるけど、それだけじゃなくて会社、学校なんでも良くて、おかしいと思ったら声出さないとおかしいままだぞって曲ですね。もったいないと思うし。
–GUNMA ROCK FESTIVALも開催されますね!G-FREAK FACTORYも15周年本当におめでとうございます。
茂木:ありがとうございます。上毛新聞の125周年記念事業と打つ術がなかったCOLOSEUMというギラギラした団体があって折り合いがついて出来たって感じですね。
–最高すぎるメンツですよね。あとこの間、前橋まで行って来たんですけど思ってるより遠くないですもんね。全然行きやすいと思います。
茂木:良い事言うね〜(笑)!東京からも1時間くらいで着いちゃいますからね。
–最後に再び動き出したG-FREAK FACTORYから一言頂けますか?
茂木:本当にリリースも出来なくて音源も世の中にない、名前だけ一人歩きしてたバンドの名前をずーっと守ってくれた人がたくさんいて、今のG-FREAK FACTORYを語る上で絶対に外せない、shibuya eggmanもCLOSEUMという仲間もバダスという家族も。みんなが今の俺らにしてくれたから、これからは、時間がかかってしまうかもしれないけど恩返しをしていけるような活動をしたいですね。本当にいろんな事があったけど、ゴキブリみたいな生命力を持ってるバンドだと思うんで、死にかけて仮死状態の所にまた誰かが息を吹きかけてくれるというか、これからも精進して頑張っていくので是非ライブに来てください。