―今作のアルバムタイトルの由来は？今までの作品は英語タイトルの物だったので新鮮さを感じました。
KANA：前作が『∞COLORS』という無限の色を表現したアルバムだったんですが、今作では白っぽい色をコンセプトにしたかったんです。１曲目に収録されている「マグノリア」のイメージがアイボリーだなと思ってそこから膨らませていきました。あとは私たち自身が１０年バンドをやってきていろいろなことを経験して既に薄い色はついている状態ではあるけど、改めてこのアルバムをHEAD SPEAKERのスタートラインにしてアイボリーのキャンバスにみんなで色をつけていきたいなという想いを込めました。
－『君歌』の君は聴いてくれるみんなの事を指しているんですか？
KANA：そうですね。この５曲を私たちだけの物でなく、みんなの歌にできたらなと思ってつけました。聴いてくれたみんながそれぞれの感覚で捉えてアイボリーから色を変化させてほしいですね。
－そんな今作は久しぶりのリリースとなりますが、完成してみての今の率直な感想を教えてください。
KENTA：前作を出してからこの２年半は正直すごくもがき苦しみましたね。新曲を作ってもCDにすることが出来ず、モヤモヤする日々もありました。でもようやくこうやってCDという形で世の中に届けることができて本当に嬉しいです。CDを出せていない間もバンドは進んできましたし、ライブはもちろん続けて新曲を披露したりしてきましたが、ライブに来ることができていない人たちにとっては僕たちのイメージは前作で止まっているわけで、やっと今の僕たちを世の中の方々に届けられるので受け取ってほしいですね。
KUN：自分たち言うのもアレですが相当変わりましたからね。久々に僕たちのCDを聴く人たちがいたらびっくりすると思います。作る曲も歌詞も変わりましたし、年齢を重ねて大人になった部分もありますしね。下手したら同じバンドと思わないかもしれないくらい。でも自分たちがその変化に対して本当に自信を持って今作を完成させることができたので、みなさんに是非聴いてほしいです。
HIDETO：自分たちでライブの曲構成に困ってしまうくらい、幅広い性質を持った５曲が収録されているのでそこを楽しんでほしいですね。
－この５曲全部入れてライブ作るのは難しそうですもんね。
HIDETO：これからのツアーで悩みまくります（笑）。聴く人によって好きな曲が変わるとも思うのでそれぞれの感想も聞いてみたいですね。
KANA：完成版が手元に届いたときはとにかく嬉しかったです。自分たちのCDをこうやって手に取った瞬間の想いは本当に格別です。
－先ほど話にでましたが本当にやっとって感じですもんね。
KANA：そうですね。前作から時間が経っているのもそうなんですが、実はレコーディングしたのは去年末で、こうやって手元に届くまでにも時間が経ってるんですけど、毎日のように聴いてるんです。私が一番HEAD SPEAKERを愛している自信がありますね（笑）。自画自賛になってしまいますが本当に聴きやすいアルバムです。
－HEAD SPEAKERの持っているポップ性を最大限に活かして切り取った感じのアルバムですよね。
KANA：ライブハウスに普段来る習慣がないような方々にも聴きやすいはずなので試聴とかだけでもいいから一度聴いてみてほしいです。
－では収録曲を１曲ずつ掘り下げていこうと思います。１曲目の「マグノリア」は今やヘスピの定番曲と言っても過言ではないくらいの曲ですね。
KANA：世の中に終わりがない物なんてないし、人だっていつかは死んでしまうのはもちろんわかってはいるんですが、私はワガママなので自分が好きな人や好きな物は消えてほしくないんです。忘れなければ消えない物があると信じることを大切にしたいなと思って書いた曲です。震災があった時になにも出来ない自分へのいら立ちや虚無感などなんとも言えない感情が溢れた時の心情をリアル描いた歌詞なので、歌詞カード見ながら聴いてもらえたらより伝わるかもしれないですね。
KENTA：ライブではもう２年くらいやり続けている曲ですし、この曲をやらなかったライブはほとんどないくらいです。
KANA：この２年間ライブでみんなと一緒に育ってきた曲ですね。
KUN：リリース前にこれだけライブでやった曲って今までなかったので、これからCDという形でみんなの手元に届いてからも一緒に育てていきたいです。
KENTA：サウンド面でもストリングスが入っていたり、新たな挑戦をしているのでこの曲がこのアルバムとHEAD SPEAKEを引っ張っていってくれる。そう信じることができる曲が完成したと思います。
KANA：MVもすごく良い出来になっているので楽しみにしていてください！！
－２曲目の「THE RULER OF MY BRAIN」は思わず身体を揺らしたくなるようなポップでハッピーな曲で、僕の中では今までのヘスピのイメージに一番近いかなと思いました。
KANA：正にその通りのポップでハッピーなライブを意識した曲ですね。こうやってCDを出せたことはもちろん嬉しいんですが、私たちの活動のメインにあるのはやっぱりライブなので、この曲でみんなで盛り上がって楽しみたいです。
KENTA：「マグノリア」と「THE RULER OF MY BRAIN」はスッと自然に出来たので、僕の作曲の根底がこの２曲に表れているのかもしれないです。
KANA：この２曲がHEAD SPEAKERの根底でもあるということになりますね。
－打って変わって３曲目に収録されているKUN作曲の「Slow Mellow」はオシャレな曲で、今までになかった新しいヘスピ像が見えますね。
KUN：僕たちの楽曲の作曲はほとんどKENTAがやっているのですが、違うアプローチの楽曲を入れることでアクセントをつけたいなと思ったのでそこは意識して作った部分ではあります。
－前作もそうでしたがKUN作曲の曲が入ると良いアクセントになりますよね。
KUN：ギタリスト目線というかKENTAでは作れない僕なりの曲が作れて良かったです。コードとかもこだわったのでそこにも注目してもらえたら嬉しいですね。
HIDETO：初の４つ打ちですしね。
KANA：この曲はまだライブでやったことがないのでみんながどういう反応をするか楽しみです。
－歌詞の世界観も今までのKANAちゃんとはちょっと違う目線じゃないですか？
KANA：大人な世界観ですかね。ラストサビ前の歌詞の中でガイジュウナイゴウって出てくるんですが、これは実は四文字熟語で、外見は穏やかでやさしそうだが心の中は何事にも左右されない強い意志をもっていることを意味する『外柔内剛』という言葉で、そんな強い女性をイメージした歌詞です。レコーディング直前まで歌詞も定まっていなくて不安だったんですけど、完成してみてすごく好きな曲になりました。
－４曲目の３曲目からの流れを引き継いで新しいヘスピ像を表現している「ONE」。
KENTA：Aメロ・Bメロとサビを違った構成にしたくて、サビには今までの僕たちのポップさを残しつつAメロ・Bメロは違った雰囲気にして制作しました。
－確かにこのAメロ・Bメロからこのサビにいくんだ！？って思いました。
KANA：今までのヘスピと新しいヘスピの融合って感じですかね。
－でも歌詞はKANAちゃんっぽさが一番出ているかなと思いました。
KANA：そうですね。だいぶ自由に言葉遊びなんかも入れて書かせてもらいました。私の人生テーマに近いですかね。
KENTA：僕もこの曲の歌詞すごく好きです。
－そしてこのアルバムを締めくくるのはヘスピ史上初めてとなる壮大なバラード「愛する人よ」ですね。
KENTA：これは今作一番の挑戦でしたね。こういったバラードを自分たちがやるようになるとはバンドはじめたときには想像つかなかったですね。
HIDETO：実はこの曲の原型は前作の制作段階で候補曲の一つだったんですよ。
KENTA：でも当時の僕たちではまだ表現しきれないなと思って一度封印したのですが、今の私たちでならようやく表現できるかなと思い制作を進めました。
KANA：でも結局はめっちゃ苦労して朝までレコーディングしてたんですけどね（笑）。歌詞の内容は今度結婚する親友に向けて書きました。
KENTA：今までバラードはやってこなかったので苦労しましたが、新しい僕たちの挑戦としてはすごく有意義な物になったと思います。
－作品全体と通して今までのヘスピのイメージとは変わった部分が多いと思いますが、どうでしょうか？
KENTA：変わったとは思いますが、今の僕たちも昔の僕たちもHEAD SPEAKERであることは変わりないですし、成長したが故の変化なので今のHEAD SPEAKERを一度聴いてみてほしいです。
－このアルバムを引っ提げてのレコ発ツアー、そしてツアーファイナルとなるワンマンが決まっていますが意気込みを教えてください。
KANA：まずはレコ発初日となる9/22は本当に豪華なメンツを集めることができて今からワクワクが止まりませんね（笑）。めっちゃ楽しい日になること間違いナシですし、CD聴いて予習して臨んでほしいです。
HIDETO：最初の方にもお話ししましたが、ライブの曲構成に困ってしまうくらい幅広く最高な楽曲が５曲加わったので今から試行錯誤しながら最高のライブ作れるように頑張ります。
KUN：この作品で様々な挑戦をして新しい僕たちを見せることができる環境は整ったと思うので、是非見に来てほしいです。レコ発ツアー、そしてワンマンで全て爆発させます！
KENTA：今年は１月から毎月eggmanに出させてもらっていて、レコ発初日もファイナルのワンマンもeggmanでやれることが本当に嬉しいです。５年前からお世話になっているこのeggmanというハコで成長した今の僕たちを見せたいなと思いますし、ワンマンではツアーの集大成というのはもちろん、HEAD SPEAKERとしての１０年間の集大成としても挑むつもりなので絶対見に来てほしいです。
KANA：ツアーで何十本もライブをやりますが、その時のハコ、その時にいるお客さん、その時の対バン全てが同じ景色になることって二度とないはずなので一本一本大事に大事にライブをしていきたいと思います。
－最後に読者の方々にメッセージをお願いします。
KANA：枠組みに捉われることなく本当に自信を持った５曲を収録した自信作です。是非みなさま聴いてみてください！！そしてライブにも遊びに来てください！！！
3rd Album『君歌アイボリー』
1.マグノリア
2.THE RULER OF MY BRAIN
3.Slow Mellow
4.ONE
5.愛する人よ
UXCL-55
PLUM STAR RECORDS
2013.8.21 発売
￥1,300-(tax.in)
ライブインフォメーション
9/22@eggman
『君歌アイボリー』Release Party!!!
HEAD SPEAKER/アイラビッツ/Gacharic Spin/Draft King
DJ：工藤マサヤ(MusicThanks)
10/26@eggman
11/15@eggman
12/22@eggman
ツアーファイナルワンマン!!!