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Czecho No Republic interview
- SPECIAL -

Czecho No Republic interview

Czecho No Republicの4年振りのフルアルバム「Mirage Album」が完成した。始まりから終わりまで彼らのアイデンティティが余す所なく詰め込まれた本作は、4人が持つ多彩な音楽表現が存分に詰め込まれた名盤だ。いよいよリリースを迎え、年明けからはリリースツアーと15周年イヤーへと突入する彼らに、今の想いを語ってもらった。

Interview&Text:渡邊直人

― 9枚目のフルアルバムリリースおめでとうございます!前作「DOOR」から実に4年ぶりのフルアルバム、どんなアルバムになりましたか?

武井優心(Vo/Ba):やりたいことがはっきりと見えた、迷いのないいいアルバムができたと思います。

― チェコにとってどんな4年間だったんでしょうか?

武井:正直、次にこのバンドでやりたいことが見つからないみたいな状況になってしまって、ちょっとした活動休止みたいな状態だったんです。次に何やるべきかが見つかるまで、あまり活動的にはなれなくて。それから1からチェコに何ができるかっていうことを考えるようになって。サポートメンバーを入れてライブをしていく中で、自分たちが何をすべきか、何が得意で何がアイデンティティなのかみたいなものがゆっくり見えてきて。そうして改めて自信とかやる気を取り戻していった時期でした。だから今、新しく生まれ変わったみたいな感覚があって。昔からの延長というより、15年目にして第2章じゃないですけど、 違うテンションでまたこのバンドをできる状態にたどり着いたんです。その1つの形として、このアルバムができました。

― 今、改めてめちゃくちゃバンド楽しいんじゃないかなって、今作を聴いて感じました。

武井: そうですね、1回休んだ時とは今全然テンションが違くて。本当、生まれ変わったじゃないんですけど、初期衝動みたいなものも感じつつ、ただどう考えても組み立てのバンドじゃないので、初期衝動とはまた違うフレッシュな感じがしています。ちょっと寝かしたから、改まって逆にフレッシュみたいな(笑)

― 「Mirage Album」というタイトルにはどんな意味が?

武井:この4年間、全く新曲も作ってない、今後どうなるか本当にモヤがかかっているような不透明な時期がまずあって、そこからいよいよギアが入って曲を作り始めてアルバム出そうってなっても、やっぱり先の見えないモヤの中にいるような感覚だったんです。でもそれなら、孤独な真っ暗闇も、希望を見据えたモヤの中も、全部合わせてファンタジックなキラキラしたものにして楽曲で消化できたらいいなって。そんな曲がいっぱい集まって1つの作品になったら面白いなって思って、このタイトルにしました。ポジティブな切り口で行くか、ネガティブな切り口で「Bad Dreams」で行くか、みたいなところは迷ったんですけど、ポジティブなメッセージ性も込めて「Mirage Album」にしました。

― サイケなジャケットも楽曲とマッチしてますね。

武井:ジャケットはnico itoさんっていう、3Dと組み合わせたイラストで、POPなんだけどちょっと怖いというか気持ち悪いような表現がすごい素敵だなって思う方がいて、お願いしました。今作に対して、一見可愛いんだけどなんかおどろおどろしいような、”悪い夢”っていう雰囲気が出したかったんですよ。そういう表現をしたいと思ってお願いしたら、望んだもの以上の素晴らしいジャケットが上がってきて感動しました。

―「Bad Dreams」(M-2)の幕開け感、始まった感最高ですね!

武井:改めてチェコってどんなバンドか、聴いた瞬間に”チェコっぽい”って思えて、みんなで歌える1曲を出したいっていうのがメンバーやスタッフチーム一致の意見だったので、そこに向かって作った曲ですね。今まではどちらかといえば過去に出したのとは違うものを作ることを意識してきたので、自分たちでチェコらしさを意識するってあんまりしてこなかったんですよ。でも、この曲やこのアルバムに関しては、改めて過去にやってきたようなものも取り入れて、「やったことあるけど、別にいいじゃん!それが俺らの良さだし!」って感覚で形にすることができました。

―「Psychedelic Night」(M-4)もチェコらしい楽曲と感じました。

武井:この曲はアルバムの曲が出揃ってきた最後の最後にできた曲なんですけど、チェコらしいアルバムを作ろうっていうメンバーの思いがあって収録曲が完成していく中で、意外と明るい曲少ないねっていう話が出て。その中で生まれた曲ですね。この曲、夢で見た曲なんですよ。夢で鳴ってた、みたいな。朝起きたらもうあったみたいな感覚で、簡単にできちゃったんです。サビのメロディと歌詞があって、それに合わせて言葉遊びで歌詞は書きました。「山手線」とか現実的なワードを入れてみたり、”週末にちょっとぶっ飛びたい”みたいな割と普遍的なメッセージで、いい意味でバカみたいな曲になったと思います。

― メンバーそれぞれのお気に入りの曲を教えてください!

砂川一黄(Gt):「HOPE」(M-8)です。今回のアルバムを作る前に武井さんがあげてた曲で、元々は収録曲の候補には入ってなかったんですけど、昔の曲も一通り聴いてたら、やっぱこの曲めっちゃいいなと思って。アルバムに入れたら奥行きが出るんじゃないかなと思って、提案させてもらいました。イントロのフレーズが象徴的で、1回聴いたら忘れられないし、後半の展開もすごいサイケデリックな感じで気に入ってます。

山崎正太郎(Dr):「Wonderland」(M-12)ですかね。レコーディングの時に、何回もやったら熱量なくなっちゃうから「1発で決めたいね!」ってめちゃめちゃ集中して、よいドラムが叩けました。1発では録れなかったんですけどね(笑)

タカハシマイ(Syn/Vo):「Psychedelic Night」(M-4)です!この曲は、最初は私1人で歌うか武井さんと歌うかの2択になっていて。自分で歌う曲は、私が好きなようにメロディを考えさせてもらうことがあるんですけど、今回AメロやCメロで考えたメロディに歌詞が乗ってきた時に、すごいはまりが気持ちよくていい形で完成したなって思うんです。あと、ライブをイメージした時に映えるというか、いいライブができそうな曲だなって思って。完成する前から、ダンスやりたいなとかミュージックビデオの世界観とかも想像して、とにかくいろんなイメージが湧いてくる曲で、個人的に思い入れの強い曲になりました。

― そして東名阪ワンマンを含めたリリースツアーが2025年1月から始まります。どんなツアーにしたいですか?

武井:この4年間の間に、サポートを入れて5人でライブ活動するようになって。特に何か以前と変えたような意識はなかったんですけど、ライブが良くなったって言われることが増えてきているんです。機は熟しているというか、僕らのライブの精度はいい具合に上がってきたところに、自信を持って出せるアルバムができたので、もう楽しみでしかないというか。この曲たちを使ってどこまで突き抜けられるか、とにかく楽しみです。

― 更に2025年は15周年イヤーですね。意気込みを教えてください!

武井:この4年間を取り戻すじゃないですけど、できることは全部やっていくつもりなので、楽しみにしていて欲しいし、自分も楽しみたいです。いろんなところでライブをやって、新曲を出して。そんなバンドとして当たり前なところを改めて大事に、ステップアップしていきたいです。

タカハシ:活動を全然していなかった時期があったけど待っててくれてるファンの子とか、とにかくチェコを好きな気持ちが伝わってくる事務所スタッフの応援してくれる感じとか、お礼みたいな感じになっちゃってかっこよくないかもしれないけど、改めてそういう人たちの力によって、今の私たちがあるなって最近すごく感じるんです。なので、そういう人たちにもっともっとチェコいいねって思ってもらえるように、15周年はさらにやっていきたいと思います!

砂川:しばらく活動できてなかったのもあったし「チェコって今何やってんの?」って思っていた人たちも結構いたと思うんですよ、正直。でもやっと久々のアルバムを出して、そういう人たちにも、チェコが帰ってきたじゃないけど「前よりも全然いいじゃん!」みたいに思わせられるようにしたいので。今までで1番いい1年にしたいなと思ってます。

山崎:止まっていたりゆっくりだった時期もあるし、地続きで15年やれたかって言ったらちょっと怪しいところではあるとは思うんですが、それでも今、最高のアルバムができて、チェコはすごくいい感じなので。15年を皮切りにもっと最高の活動をしていきたいなと思ってます。