―eggmanには先日出演していただきましたが、このフリーペーパーに掲載するのはちょうど1年ぶりですね。
カタヤマ:今作についてのインタビューの一発目なんで緊張してます(笑)。
-まぁそんなに固くならずでいきましょう(笑)。今作はどういった時期に制作された物なんですか?
カタヤマ:去年の5月にフルアルバムをリリースして、ツアーを回って、そのツアーのファイナルは7月に行ったんですけど、それからもひたすらライブをやっていたので、なかなか制作に集中する時間がとれていなかったんですね。そんな中でライブで感じたことを表現したいという気持ちや今こんな曲を作りたい、ライブでやりたいという気持ちが高まってきて制作に集中してとりかかったのが今年の初めくらいのタイミングで。
そこからレコーディングして今に至るという感じですね。
-かなり直近のタイミングで制作を行ったんですね。
カタヤマ:そうですね。ライブと並行して制作をするのがすごく苦手なんですよね。ライブ続きの時期はすごくポジティブにテンション上がっていられるんですけど、制作時期に入るとネガティブモードに陥っちゃうんですよね(笑)。だから制作をするときは制作をするときと決めて取り組んでいます。
-荒金くんも同じ感じですか?
荒金:僕も似ていますね。さっきヒロキが言ったように、ライブ続きの時期でもその時に感じたことなど曲作りのネタになりそうな物はいくつか持ってはいるんですが、それをまとめてしっかりと1曲にまとめあげるというのはライブ続きの時期だと難しいですね。
-そんな中の今作はどういったコンセプトで作られた物なのでしょうか?
カタヤマ:ちょうどその時期くらいにポストパンクのバンドをたくさん聴いていて、それに影響されたのがすごく強いですね。そういう音楽を作りたいと思った気持ちとライブ続きの時期に感じたものを掛け合わせた感じです。
-今作は前作で感じたDroogというバンドの完成度は維持しつつ、よりバンド感やライブ感が増している感じがしたのですがそこは意図している部分でしょうか?
カタヤマ:特に意識してライブ感の強い音源にしようと思って制作したわけではないですが、先ほど話したライブで感じたことやこういう曲がライブにあったらいいなという物を今回曲にしているので、そういった部分はあるかもしれないですね。
荒金:前作が今まで自分たちが挑戦したことのないような楽曲や、シンセなどの音を入れたり、閃いたアイディアはすべて詰め込もうくらいの気持ちで挑んだ1枚で、それこそレコーディングしながらその時に閃いたアイディアを試してみたりして制作を進めたんですね。そのアルバムを引っ提げてのツアーで、正直4人の音色だけじゃ表現しきれなかったんです。CD音源とライブが違うのは普通にあり得ることだし、それに対してネガティブな想いはないんですけど、今回の音源はライブに近い物、4人の音色で成立するものにしたいという気持ちがあったので、それは今作に表れているかもしれないですね。あとはさっきも話がでたようにこういう曲があったらDroogは今よりもっとライブ映えするかなという想いがあったので今回のこういった曲作りに至りました。前作が聴覚を刺激する1枚だとしたら今作は直感や動物的というか動きに直結する感覚を刺激する1枚かなと思います。
-その感覚わかります。前作はアルバム1枚を通していろいろな音色が楽しめて次の曲どんな曲なんだろうとワクワクしながら聴ける感覚だったんですが、今作は聴いているうちについつい身体揺らしたくなっちゃって1回イヤホン外しちゃう感覚(笑)。シングルという曲数が少ない形だからこその疾走感もあって、今作はこの形が合っていると感じました。
カタヤマ:ありがとうございます!そう言っていただけるとすごい嬉しいです。今までシングルという形でリリースをしたことがなかったので不安もプレッシャーもあったので。
-アルバム制作とシングル制作は感覚に違いはありました?
カタヤマ:やっぱシングルだとアルバムの中に入れる変化球的な曲を入れている余裕はあまりないし、聴いた後にシングルだと物足りないなって思われたくなかったので、3曲すべてリード曲くらいの感覚で挑みました。
-1曲ずつもう少し詳しく聞いていきたいと思います。まずはリード曲の「In A Ghost World」
荒金:実はリード曲でありながら、3曲の中では一番最後に出来た曲なんですよね。制作を進めていく中でこの曲ができて完結できたという感じですね。
カタヤマ:そうだね。この曲が完成して、今回はシングルでいけるという感覚になれましたね。
-Droogらしさは残しつつもGhostという単語通りというかなにか掴みどころが難しいユラユラとした楽曲で、今までとの変化を感じたのですが、制作のコンセプトは?
カタヤマ:コンセプトというほどではないかもしれないですが、歌詞の部分で今まで違う要素は入れました。今まで僕が作ってきた歌詞って言葉を詰めて情報量が多く、足し算の感覚だったのですが、今回は引き算にしてみようと思い、今までの作品とは違う雰囲気の歌詞の世界観になったと思います。なのでそういう感想を持ってもらえて嬉しいです。
-その引き算という結果にたどり着いたきっかけは?
カタヤマ:先ほどポストパンクを良く聴いていたというのはお話ししましたが、それと並行して歌謡曲もよく聴いていたんですね。いわゆる日本語の美しさ的な。
-すごい雑食ですね(笑)。
カタヤマ:客観的に見るとそうですよね(笑)。でもそうやって歌謡曲を聴いていた影響は強いかもしれないです。僕はその時に聴いていた音楽が制作に反映されるタイプなんですよね。それは昔からずっと。
-2曲目の「BORN TO DANCE」はDroogが提示するロックンロールのダンスナンバーかなと。Droogがこれをやったらカッコイイよねって納得される曲でした。コンセプトはやっぱタイトル通り踊れるというところですか?
カタヤマ:まさにその通りです(笑)。直球で。わかりやすくしたかったんですよね。歌詞も含めてすべて。この曲を感じてお客さんには純粋にフロアで楽しんで踊って欲しいし、自分たちももっと楽しく乗っていたいという気持ちで作った曲なので、ライブでどんどんやっていきたいです。
-3曲目は今作の中で1番最初に出来たという「BAND ON THE ROAD」
カタヤマ:この曲の原型は去年からあって、ライブでもやったことはあるんですけど、今年に入ってアレンジを変えて今の形になりました。
-3曲通じて今作のレコーディングはどうでしたか?
荒金:今作は極力4人で表現できる世界観で完成させたかったので、どんどん音を重ねていくということはせず、「In A Ghost World」の歌詞と同じようにここでも足し算ではなく引き算でしたね。
カタヤマ:そういった意味でも周りの物をそぎ落としてDroogの芯の部分を残した作品かなと思います。
荒金:Droogというバンドを伝えたいという気持ちが最近強いので、自然とそういった形になっていったのかもしれないですね。
カタヤマ:わかりやすく、直球でロックンロールを提示していきたいんです。バンドや音楽に対するモチベーションは年々増していますし、ライブやれることもCDを出せることも当たり前じゃないということをすごく実感していて、今こうやってDroogをやれている以上はもっと伝えていきたい。
-伝わるという部分ではDroogのライブは相当直球で投げ込んでいると思うんですね。先日のeggmanでのライブも衝撃的でした。なにかライブで心がけていることなどありますか?
カタヤマ:むしろライブ中はなにも考えないように心がけています。雑念が入ってくると中途半端になってしまうので。すごく難しいんですよね。でもその分ライブ中じゃない時にライブに対してのことはすごく考えていますし、突き詰めようとしています。
荒金:僕は最近Droogとしてのライブのクオリティは上がってきていると思っていて、自分たちがやりたいライブという物に近づいてきている感覚は少しずつですがあります。でもまだ理想とするライブにはまだ届いていないので突き詰めていきたいですね。
-今よりもっとすごいライブが見られると思うと鳥肌モノですね。Droogのライブを見てなにも感じないのはおかしいと思えるくらいのライブをやっていると思うので。
カタヤマ:ありがとうございます!そう言ってもらえて本当に嬉しいです。ただ、僕たちはまだまだですよ。もっと上にいけるはずだと信じています。
-前回のインタビューでDroogはロックンロールを知らない人たちのロックンロールの入口みたいなバンドという話を聞きましたが、もっともっと広まって欲しいと強く願います。
カタヤマ:広めたいですね。5月からツアーもありますし、ツアーのラストには大阪、大分、福岡、東京でワンマンもあるので、ぜひみなさんに一度でいいから僕らのライブを見てほしいです。Droogがロックンロールを伝えます。
-楽しみにしています!これからも応援させてください!