ー11/5に初のライブアルバムがリリースされましたが、今回リリースすることになったきっかけを教えてください。
藤井樹(Vo&Gt):3月のWWWでのライブは自分たちにとって節目となるイベントだったので、それを形に残したかったんです。まだ僕たちを知らない人にも、Broken my toyboxのライブの空気感を知ってもらいたいと思い制作しました。
ーライブでのアレンジや歓声・手拍子などをそのまま音源で聴く事ができますが、“ライブならではの音”の魅力はどのようなものですか?
藤井:たくさん披露して慣れた状態のライブ音源を聴くと、当たり前かもしれないですけど、レコーディングした音源とは別の魅力が出ると感じました。伝え方の幅が広がって、同じ曲でも受け取る印象が全然違うというのは発見でしたね。レコーディングした時よりも歌が上手くなった気がするし、ライブならではの良い粗さが前面に出ているので、普段の音源とは別物として楽しんでもらえたら嬉しいです。
高田:M3「椿の歌」の落ちサビにあたるところで手拍子を煽ってるんですけど、その音がめちゃめちゃ大きいんですよね。それにすごい感動しちゃって。ステージからの景色も思い出すし、客席から自分たちを見ているような気分にもなれる音源だなと思ってます。
ーこのアルバムの中で「ここを残せてよかった」と思う箇所はありますか?
藤井:WWWでのライブが「Float」から始まってるんですけど、今回のライブアルバムも「Float」から始まっていて、ライブが始まる瞬間の緊張感を聴いていて思い出すんですよね。「Float」が終わって”ここからライブが始まるぞ”っていうテンションが上がっていく感じもちゃんと収録されていて、ここを聴くとやっぱライブならではの盛り上がり方を感じることが出来るなと。
高田:M4「メロディーメーカー」は元々「Up to」っていう前奏みたいな曲が入ってるんですね。そこを削らずにそのまま「メロディーメーカー」として一緒に入れているんですけど、ドラムの破裂音に近いビートの臨場感は絶対に崩しちゃいけないなと思って、そこから流れていく「メロディーメーカー」がすごく美しいので、削らなくてよかったなと改めて実感しています。
郷間直人(Ba):M5「幸福のすべて」やM6「Fantasia」も、お客さんの声が入っていて、特に「幸福のすべて」はお客さんが全力で声を出してくれて、イヤモニを貫通して声が届いてびっくりしました。普段だったら聞こえないはずの声が聞こえてきて、それをまた聴く事ができるのは嬉しいですね。
ー12月に「NONVERVAL」、1月に「鱗」と、2ヶ月連続で新曲がリリースされますが、それぞれの楽曲のテーマや制作の背景を教えてください。まず「NONVERVAL」は“言葉にならない想い”がテーマのようにも感じましたが、どんな気持ちを込めて制作されたのでしょうか?
藤井:まさしく、“nonverbal”という言葉の意味は”言語化しない”というもので、タイトルの“val”は本来のスペルとは違うんですが、”勇気”とか”価値”とかそういった意味も含んでいて、「言葉にしたいけど、したらあっけない。でもそれを伝える勇気もない」そういうところからタイトルを考えました。この曲に関しては“やりきれなさ”、”めちゃくちゃ感”みたいなものが欲しくて、ある程度決められた音楽のルールは一旦全部無視して、入れたいものを全部入れようという気持ちでアレンジしました。結果、 “気持ちの整理がつかない”というところが前面に出ているのに、なぜか踊れてしまう、そんな不思議な曲になったと思います。
高田:いつもは各々でアレンジすることが多いんですけど、今回はスタジオで皆で顔を突き合わせて作っていきました。ギターに関しては藤井が弾く瞬間もあったりして、パートごとの境目を超えてお互いのエッセンスが入り混じったアレンジになったと思います。そのいびつさがダンサブルに響いている曲になったと思います。
藤井:普段はデモの段階で大体詰めてからメンバーに渡すんですけど、今回はデモにみんなが持ってきたアイデアを加えて、更にレコーディング中に「ごめんこれ入れたい!」みたいな提案をその場で出していきました。良い意味でバタバタしながら作った感じでしたね。
郷間:野外ステージがすごく合う曲になったかなと思います。ビートを聴いていると、お客さんがうねるのが見えるというか。
藤井:デモの段階ではドラムは全部打ち込みの予定だったのですが、ひろぽん(サポートDr)に叩いてもらったドラムが良すぎて全採用になりました。ライブを楽しみにしていてください!
ー「鱗」の歌詞を読むと、自分を削りながらも誰かに届くことを願うような切実さを感じました。どんな想いを込めた楽曲なんでしょうか。
藤井:言ってしまえば現代版の「ヘンゼルとグレーテル」のようなものかもしれません。家があってもその先に道がない、何がゴールかわからないまま生きていくのが人間だと自分は思っていて。この曲は歌い手として、自分がどう迷っているのか、どんなことで悩んでいるのかを伝えたいという気持ちが強いので、聴いた人が自分の仕事や生活に置き換えて共感してくれたら嬉しいです。「自分の生きている時間」を改めて価値あるものとして大切にできるように歌えたらという思いで作りました。
高田:「聴いていてね」というサビ前の一節があって、その部分に藤井の覚悟や歌い手としての真髄のようなものを見た気がしました。サウンド面では「誰でもできる」を誰よりもやり切った結果というアレンジに仕上がっていると思います。今回のレコーディングでは“とめ・はね・はらい”のような基本的な細かいニュアンスを誰よりも徹底して突き詰めました。なので、まさしく(細かいところまで)聴いていてねって感じですね(笑)
郷間:バラード寄りに聴こえるけれど、個人的にはすごくロックだと思っています。ギターのリードがものすごく男臭くて、力強い。
高田:男臭くて、爽やかさもあって。ただ爽やかさだけではない、人の心の奥に深く残るような曲になっているので、その重みや深さに比例する演奏を目指しました。
郷間:ベースが「逆」になる瞬間があって、音楽って「表」と「裏」があると思うんですけど、「逆」もあるんです。これについては言葉では伝わらないので、「逆」とはなんなのかをぜひ聴いて確かめてほしいですね。
ーそして、12月27日の大阪公演から始まるワンマンツアー『箱庭へようこそ~メラトニン~』が始まります。三箇所全公演ソールドアウトという事で、おめでとうございます!
一同:ありがとうございます!
ー 今の率直な気持ちを聞かせてください!
藤井:これまでの企画は、WWWワンマンはこれまでのブロークンの総決算、セロトニンツアーだったらミニアルバム「THERAPY」の発売記念、のように最初から目的が決まっていたライブだったんですけど、メラトニンに関しては良い意味で何もそういうレッテルがない状態でやるので、逆に言うと今1番最新の状態のブロークンをそのままお届けできるんですよね。今まで知ってくれていた方にも、最近知ってくれた方にも、幅広く知ってもらえる・更に好きになってもらえる、そんなライブに出来たらなと思ってます。ソールドもしているし、好き勝手やらせてもらいますね(笑)
郷間:各地ブロークンにとっては最大キャパの会場なんですけど、全公演ソールドということで本当に嬉しいです!
高田:セロトニンツアーでワンマンをたくさんやったんですけど、ライブの体感がすごく短く感じるんです。あっという間にすぎていく感覚ですが、多分それは我々のワンマンライブがかなり練り上げられてきてる証拠だと思うんで、楽しみにしていて欲しいです。
ー 3月22日のサーキットイベント『箱庭へようこそ-SHIBUYA GARDEN CIRCUIT-』では、第一弾アーティストとして「Broken my toybox(2023~)」と「Broken my toybox(~2022)」が発表されているのが印象的です。
藤井:この2つは旧体制と新体制の違いなんです。これは1つの過去の精算だと思っていて。最近のライブでは新しい曲をやることがやっぱり多いのですが、もちろん過去の曲たちも大切にしているので、楽器や衣装もその当時使っていたものを持ってきて、違いを楽しんでもらえたらなと思います。とは言え、今が1番良いと自負しているので、全てを背負い込んだ今のブロークンは素敵だなって観てもらうためにも過去を知ってほしいので、どっちもちゃんと観てほしいです!
郷間:でも勝負だよね。過去の俺たちと。そっちが良いって思われちゃったら悔しいし。
高田:過去の俺たちは俺たちで、未来の自分たちに絶対に負けたくないっていう精神でやってたので、かなり激アツな戦いになると思います。
郷間:今回サーキットイベントという形で、たくさんのバンドを呼べるようなバンドになれたのも嬉しいんですよね。対バン解禁も楽しみにしていて欲しいです!
ー 6月の渋谷CLUB QUATTRO公演は、バンドにとってどんな位置づけのライブになりそうでしょうか?
藤井:タイトルの通り、”ECLO”の創立1周年と、ブロークンが所属してから1周年を記念したイベントです。今年春のWWWワンマンがそれまでの1つの総決算だとして、今回のメラトニンツアーWWWXが2025年のブロークンの総決算になるのかなと思っていて。その後にあるのがクアトロワンマンなので、いよいよ本当に後には戻れない、ここまで来たんだからちゃんと皆一緒に行こうねっていうのを改めてお客さんと一緒に確かめ合う日にしたいですね。最大キャパの会場でやる時は、ここからがスタートだと思って毎回毎回臨んでいます。クアトロも自分たちにとっても、来てくれる人にとっても、ここからが新たなスタートだと思ってやりたいです。
郷間:タイトルも”eclore”・フランス語で“孵化”を意味する言葉で、”ECLO”の由来にもなっている言葉なんです。このクアトロから、さらに大きなフィールドを目指して“孵化”したいんですよね。フライヤーもぶろうくん(Broken my toybox公式キャラクター)が卵を抱えてチラッと顔が見えているデザインが可愛いので、皆さんチェックしてください!
ー2026年に向けて、バンドとして挑戦してみたいことや目標はありますか?
藤井:フェスに出たいですね。急にどんと現れて「なんなんだ彼らは?!」と思ってもらえるような瞬間を作れるように、今は着々と準備をしているような感覚です。
高田:「歌ものロックバンドといえばこれ」と言われるような金字塔となる作品を出したいです。2026年はさらに加速する1年になると思うので、見てくれている、聴いてくれている皆さんと少し先を見据えて一緒に動いていけたらと思っています。
郷間:俺たちは無限にチャレンジしていくので一緒に頑張っていきたいです!
ー最後にファンやリスナーの皆様にメッセージをお願いします。
藤井:活動している中で、僕たちをたくさんの方々が追いかけてくれるのは本当に嬉しくて、なんだか申し訳なくて、でもやっぱり嬉しくて。そういう皆さんに支えられて今、音楽が出来ています。もっと大きなところで、皆さんと一緒に最高の景色を見たいです。そのためにも僕たちは気を緩めず、このスピードを落とさずにいくので、わがままですが、ぜひ着いてきていただけたら嬉しいです!
高田:ECLOというレーベルに入って、2025年を駆け抜けています。応援してくれるみなさんにも、俺たちを追い越すくらいの熱量でついてきてもらえたら嬉しいし、俺たちもトップスピードで進んでいくので、ECLO、Broken my toybox、そしてBrocks(Broken my toyboxファンの総称)の皆さんと背中合わせで“三つ巴”で戦っていけたらと思います!
郷間:Brocksの皆さんは本当に良い人が多いんです。僕ら各地でたくさんライブをしていて、それについてきてくれているのは本当にありがたいんですけど、みなさんにはまず、自分を大切にしてほしいということも忘れないでほしいです。SNSでは最近”1日1レッドオーシャン”というタグがファンの方々から自然発生していて、MVもたくさん回してくれていて……本当に愛を感じています。その愛に、無限に恩返ししていきたいと思っています!
【リリース情報】
2025.11.05 RELEASE
LIVE Album「2025.03.20 SHIBUYA WWW ONEMAN LIVE
箱庭へようこそ〜桃源郷のつくりかた〜」

1.Float
2.コピーライト
3.椿の唄
4.メロディーメーカー
5.幸福のすべて
6.Fantasia
2025.12.03 RELEASE
Disital Single「NONVERVAL」

2026.01 RELEASE
Disital Single「鱗」

【ライブ情報】
Broken my toybox [Live Tour 2025-2026 winter]
箱庭へようこそ~メラトニン~
◾️2025年12月27日 (土) 梅田BANGBOO
◾️2025年12月28日 (日) 名古屋ell.FITS ALL
◾️2025年1月11日 (日) 渋谷WWW X
全公演SOLD OUT!!
Broken my toybox presents
箱庭へようこそ-SHIBUYA GARDEN CIRCUIT-

◾️3月22日(日) shibuya eggman / TOKIO TOKYO
<開場/開演> 12:30 / 13:00
<adv.> 4,500円(+1Drink)
第一弾アーティスト:Broken my toybox(2023〜) / Broken my toybox(〜2022)
ECLO 1st Anniversary
箱庭へようこそ-eclore-
◾️6月8日(月) 渋谷CLUB QUATTRO
<開場/開演> 18:00 / 10:00
<adv.> 4,000円(+1Drink)
Broken my toybox ワンマン
