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高橋まこと interview
- SPECIAL -

高橋まこと interview

シーンの頂点を極めたドラマー”高橋まこと”(ex. BOØWY)が
『過去と現在』、そして『故郷・福島』を語る、eggman独占インタビュー!

interviewer:志賀正二郎

― 高橋さんは様々なライブハウスに出演されてきていますが、今と昔とライブハウスの違いなどはどう感じますか?

高橋:商売ありきではなかったんじゃないかなと思いますよ。当時は音楽を大音量で演奏できる場所がほとんどなかったんで、純粋に音楽を演奏する場所としてスタートしたんじゃないですかね。今はアンプ類やドラムセットなども揃ってますが、当時は機材も全然なかったから基本的には全部持ち込みだったんで、搬入が本当に大変でしたよ(笑)

― ライブの度に毎回全部持ち込みというのは大変ですね(笑)

高橋:あとはシステムも全然違いますよね。ワンマンでライブというのが多かったですからね。今は4バンド、5バンドで持ち時間30分とかでしょ?30分なんてあっという間じゃないですか。なんか寂しいなーと。まぁ今はバンドをやっている子が増えたんでしょうがないですけどね。あとは今って基本的にはノルマがあってという形でしょ?だってお金を払えばライブができちゃうということじゃないですか。僕はノルマがあるライブハウスは絶対出ないんです。何でお金払って出なきゃいけないんだって思っちゃって(笑)お金を払ってライブをさせてもらっているっていうのは音楽に楽しさを伝えるという部分に関してそれはなんか違うんじゃないかなーと思うんですよね。僕がライブハウスをやるとしたらそういったシステムのところは作りたくないなと思います。もちろんライブハウスも経営だからそうは言っていられないのは分かってはいるんですけどね。そのくらいの強い気概がなきゃミュージシャンはダメだとは思います。

― 高橋さんのドラムを叩いている姿を見るとその楽しさを伝えたいという気持ちがすごく分かります。

高橋:とにかく楽しむことが一番だと思ってますからね。
笑顔でドラムを叩いてステージから発信することでお客さん楽しさが伝わりますから。

― 先日エッグマンで演奏をしていただいた時も、昔と変わらずパワフルなドラムで、観ていてすごく楽しかったです。そして伝説的な逸話にもなっている、カウントの大きさも間近で見ることができて感動しました(笑)

高橋:カウントが大きすぎて松井(常松)が笑っちゃってベースが弾けなかったというのは今でも語り草ですからね(笑)ライブハウス規模なら小さくてもいいですが、やはりもっと大きい規模になると、カウントを大きくしてメンバーに伝えないと演奏が始められないですから、心がけて意識的にやっているんですよ。でも武道館でのライブの時にはついにカウント用のマイクが用意されてました(笑)コーラスマイクにしては随分変な位置にあるなーと思ってスタッフにこのマイクは何?と聞いたらカウント用です!って言われました(笑)

~一同爆笑~

― 今音楽を頑張っている若手バンドに何かメッセージやアドバイスなどあったらお聞かせください。

高橋:やはり音楽を楽しむのが一番ですかね。あとは自分たちがこれだ!って思う道は信じて進んで欲しいですね。時代が求めるものだったり、流行りは常に変わっていくけど、自分の信じる道は突き進まなきゃダメですね。さっきも話しましたけど、ライブハウスも増えたし環境も良くなってるし、今の若い子たちは音楽をやれる状況が昔より格段に整ってますから。

― なるほど。今の若い子たちに伝えていこうと思います。

高橋:その音楽の楽しさを少しでも震災復興に役立てたいんですよね。

― 確かに高橋さんは自分の音楽・ドラムを通じて震災以降、非常に活発的にチャリティー活動などをされていますよね。

高橋:そうですね。震災前はそこまで地元である福島に根付いた活動をしていたわけではないんですが、やはり震災の影響で原発のことがクローズアップされるようになってからは、福島のことをすごく考えるようになりました。辛い現実ではありますが皆さんが少しでも楽しい気持ちになれるようにしたいんです。僕がずっとやってきた音楽というもので少しでも支援することができたらなと。

― 僕も福島の出身なのですごく気持ちがわかります。

高橋:東京にいる元気な奴らが頑張らないとですからね。今はこの活動に賛同してくれる方がすごく多くてありがたいのですが、大事なのは今回の震災のことを忘れずに脈々と長く活動を続けることだと思います。津波の影響による家屋の倒壊などは人間の知恵と力があれば徐々に復興していきますが、やはり原発というのは数年で解決するようなものではないですからね。だからこの先ずっとずっと長くこういった活動は続けていかないといけないんですよ。あとは東京という土地だけでチャリティーをやり続けてもしょうがないですよね。やはり被災した土地で実際にライブをやったりだとかチャリティー活動をしていかないと。その土地でなにか買い物するだけでも小さいことですが経済活動ですからね。

― 僕も福島出身の一人として少しずつでも活動していこうと思います。今日は貴重なお時間ありがとうございました!

高橋:ありがとうございました。