―まずはリリースおめでとうございます!相当ジャンルレスですねー!1曲1曲の着地点が全然違うというか、5曲でアルバムを作るんだなって言うのが最初の感想なんですけど。
ツネ:いやー何も考えてないからですよねー、どういうのを作ろうとか(笑)
muradpitt(以下mu):”テーマが無い”のがテーマみたいな。出来たもの、かっこいいなと思えたものをそのまま出しちゃえって。バンドスタート時に決めてたものをずっと続けてやってっていう感じなので。
―メンバーさんのルーツは、一人一人違うんですか?
全員:みんなバラバラですねー。
mu:ハードコア、デスメタル、グラインドコアとかですね。Megadeth神!みたいな(笑)
ツネ:僕は、ブルースが好きだったりとか…
マツダコウスケ(以下マツ):僕はちょうど、Thee Michelle Gun Elephant/Blankey Jet City世代と、メロコア世代だったので、そこがドハマリした音楽ですね。
―インタビューに際してPinpointsさんをしっかり調べようと思って、紹介してくれた知人にジャンル的にはどんなバンドなんですかって聞いたら「説明が難しい」と言われたので(笑)
ツネ:そうなんですよね、どっちもやれるというかジャンルレスなんですよね。
―それから音源聞かせてもらった時に「あっ、俺の質問悪かったな」って(笑)
一同:(笑)
mu:対バンとかも、ほんとジャンルレスなんですよ。
―ほんとどっちもやれるというか、シャウトも入ってたり、4つ打ちの曲もあるっていう…
ツネ:シャウトは結構ネタみたいな感じで、たまたま「ここどうする?」みたいになったときに…初めてやったんだよね!とりあえず何かデスボイスやってみない!?みたいな。
mu:そういうパート作ってみようってことになって。デスボイスなんて使った事無いので、レコーディング中に誰が一番上手く出来るかの選手権開いたんですよ!みんな1発ずつ録って。
―「かっこよければなんでもあり」っていう文章読んだ時に納得したし、そういう思いでこの5曲が集まったのかなーっていうのはすごく感じたんですよね。逆に、「純粋にこういう音楽やりたい!」っていうのバンドとして根本にあったりするんですか?
ツネ:その時に自分の中のブームみたいなのあるじゃないですか。それをずっとやりたいなっていうのはありますね。だから色んな音楽聴きたいし、色んな音楽やりたいし、でも作ってるのは僕らだしっていうので、別にジャンルとかは無くて。言葉通り「やりたいことをやる」っていう感じですね。
mu:ひとつルールを設けてるんだとしたら、全部にキャッチーな部分を残そうっていう事ですかね。メロはキャッチーに残して、あと後ろの音は遊んじゃえーみたいな。
―お客さんも、その時の流行だったり、根本にある好きなバンドは追っかけてたりしますからね。
ツネ:作る曲がいい意味で普遍的なので、それをどう壊していくかみたいな作業が多いですね。
マツ:メロディー考えて、メロディーだけで持っていく感じなんですよ。それをメンバーに聴いてもらってアレンジを広げてもらうというか。なので、このメロディーにはこのアレンジがいいんじゃない?みたいなものが、結果的に5曲バラバラになっていって。自分の中では、例えば「この曲、4つ打ちで歌ったら気持ちいいだろうなー」みたいな感じでただ弾き語りで聴かせると、すげーメタルになったりするんですよね。
一同:(笑)
マツ:割と人それぞれメロディーのとらえ方って違うと思うので、それがやってて楽しい部分なんですよね。一人だったら絶対こういう風にはならないだろうなって。
ツネ:いつもシンプルな方がいいって言ってるもんね。だけどそれを何か変えてあげたいなーと思ってやってます。
―今作、この5曲集まって、「キケン」というミニアルバムが出来て、まずどんなお気持ちですか??
ツネ:変な言い方ですけど、今回はほんと僕の好きにさせてもらったというか。なので前回よりも僕の頭の中が可能な限り再現されてるなという感じがして。だからすごく嬉しいですね。この5曲、そんなに長くないんですけど、未だに自分でも聴き応えがあるので、聴けば聴く程「聴けるかも」って思えてくる感じです。だからすごく嬉しいですし、リリースが楽しみです。
―今作は、ツネさんにやりたい音楽をやってもらうって話があったんですか?
mu:曲作る時は基本的にセッションなので、皆のやりたい事は詰まってるんですけど、仕上がりに一番テンション上がってたのはツネだったので、もちろん全員が手応え感じてるんですが、彼が一番感じてました。
ツネ:コーラスとかすごく入れたくて、それが今回出来たので広がりがすごくあるなーと。今までPinpointsではそんなに力入れてなかったので。自分たちの中で新しい事への挑戦はしてるかなーって思いますね。
―「キケン」というタイトルなんですが、これはどうして「キケン」なんですか?
mu:このご時世に、これだけ好き放題で…、セルアウトとかトレンドとか全く追ってないんですよね。バンドと現場で楽しめるものっていう一点だけしか見てなかったりもするので、何の迎合もしてないような音楽を出すのって結構危険だなという大きな柱がイメージとしてあって。でも、それこそが自分らがやりきってる形かなとも思ったので。音は前回より激しめというか、ゴツめに仕上がったっていう意味での「キケン」という意味がみんな感じるところではあるかもしれないですけど。色んな活動の中で、バンドの新しい動きの中に未来があるのか、とか、危なくないかなーという危険度を感じる中で、それでも自分たちで出していくという勝負的にも危険度を感じるという意味も込めてこのタイトルにしました。結構安直な感じのタイトルに思われがちなんですが、バンドとしては色んな事を込めてます。
―「キケン」ってぱっと見たら、「どんなアルバムなんだろう!」って思いますもんね。曲について聴いていこうと思うんですが、まず1曲目ですが、シャウトの話もでましたけど1曲目に相応しいなと。この「Countless」はどういう思いで作られたんですか?
マツ:曲自体は、前作のリード曲を超えるような疾走感のある楽曲を作ろうと思って。自分の中での課題は、推し曲とかを超えるようなメロディーの意識は持ってるので。ツネがあの楽曲のギターのリフをたまたまスタジオで弾いてたんですよ。それかっこいいじゃん!ってなって、そこから曲作るよってなって。そこからメロディーが出て来て。
―おもしろい作り方ですね。
mu:やっぱり基本がセッションなんですよね。こんなのどう?から始まって。だから作曲のクレジットってバンドなんですよ。皆で作ってるっていう感覚がすごく強くて。
―Pinpointsらしさというのはこういう曲にあるんですか?
マツ:サビ感というかそこのキャッチーさというか、それがらしさだと思ってます。メタリックなサウンドではなく、さびにいった時にすごく気持ちよくなれる感じがPinpointsらしさだと思ってます。
マツ:最近カバーブームじゃないですか。みんないい曲かけなくなっちゃったのかって思うんですよ。いい曲って誰が歌ってもかっこいい。そういうみんなが歌いたくなるような曲があるからカバーブームってあると思うし。だからメロディーは誰が歌ってもどんなアレンジでもかっこ良くなるようなイメージを持ってたいなと思ってます。今回はこういうアレンジがハマって。歌詞も、突き抜けるような、皆を引っ張っていけるようなイメージでいます。
―ありがとうございます。2曲目「Break Down
はベースラインがめちゃくちゃかっこいいなって思ったんですけど。
ツネ:これ最初スラップで作って来て。(muと)二人で作るって言ってて、「スラップでかっこ良さげなのが出来たんだよ」とか言ってたんだよね。
mu:結構手グセで弾いてるので、作ったって言う感覚はあんまりないんですよね。それを皆でコード付ける感じで。とりあえず、ド頭がインパクトのあるスラップでバシッとしたやつ一発弾いてみようかーから、コード何にする?みたいなところをそれだけ決めてスタートして、そっからはセッションでばーっと作っていって。ほんと一欠片のアイデアだけで。完全に手グセでいって、レコーディングも直しも何もしてないくらいそのままです。
マツ:muradpittに、今まで聴いて来た曲の中で一番キャッチーだと思う曲なに?って聴いて、その意見が近かったので、そういうイメージだなって思ってメロディー付けて。
Dr.佐藤光氏登場:「遅れてすみません!!」
―この流れからの3曲目「NEW WORLD
の入り方が全然違うのが印象的で。ジャンルレスなところが歌詞でも表現されてる感じなのかなと、タイトルからもみても思ってるんですけど。
マツ:これはほんとにJ-POPというかJ-ROCKというか、今まで僕が聴いて来た好きなアーティストさん達の流れがあるようなイメージですね。歌詞も今まで割と抽象的な歌詞が好きだったりするんですけど、最近はメッセージ性とかも考えて書くようにはしてるんですけど。それが曲の雰囲気にも合ってるのかなと。
ツネ:僕ギターソロ、ビートルズみたいに弾いてるんです。ギターソロの2まわし目でポーンって不協和音入っちゃったんですけど、それもかっこいいかなって。
マツ:おんぼろいギターで録ったもんね。(笑)
ツネ:すごく安物なんですけど、古いギターなので、喋ると話し声をピックアップが拾うんですよ(笑)
佐藤:そのまま歌えるくらいのレベルで。
―なんかそういう雰囲気を感じたんですよね。ビートルズの話も含めて。
ツネ:シンプルだからなんですかね。サビとか開ける曲だったりするし。
―共有できた気がしました(笑)そして4曲目「おわり」。これは、TSUTAYAのコンピにも収録されてた曲ですね。この曲だけ、日本語のタイトルなんですが、意味とかあるんですか?
マツ:アルバムに入れるって言う意識は無くて、あとから入れようってなったので、たまたまですね。この曲を作った時に4つ打ちが流行りだしたというか、今世の中4つ打ちだらけだとは思うんですけど…まあ一応やっとくかと(笑)
マツ:一応やっとっかってことで、キャッチーなのを作ろうと思ったときに、フレーズが出て来たので。
―サビが未だに耳に残ってるなっていうのがすごい。「おわりおわりおわりのない」っていうのが。
mu:唯一かもしれないですね、ライブで育った曲を入れさせてもらったっていうのは。コンピ収録で終わらせようかとは思ったんですけど、反応がすごくよくて、お客さんともすごく共有できてた曲だし、自分たち名義で出していなかったので。コンピとは違う新録なんですよ。ドラムも変わってるので。
―これはライブで盛り上がる一曲ですもんね、絶対。想像ができます!
mu:だいたいツネがオタ芸を踊ってるので。
―(笑)見たい!
mu:最後、ギター弾いてないんですよ。
ツネ:ギターはそっと置いて。
―え、置くんですね!?(笑)
ツネ:置いて、ライトもって、オタ芸を…
(爆笑)中略
―最後の曲「One Two Step」ですが、また違うの来たって感じだったんですが。これはどんな感じで作られたんですか?
マツ:これスパッとできたんですよ。一回目でほぼ。
―印象ないくらいすっと?
マツ:こんなん作ろうよーって言い出すんですけど、こーしてこーしてこんな感じでやってみようってやってみたら、ほとんどこの形が出来て。
ツネ:で、口ずさんでたら「ワンツーステップ ワンツーステップ」ってのが出て来て、それサビでいいじゃんってなって。雰囲気ものだけどビートが利いてる曲を作りたくて。で、ちょうどレゲエとかが好きなので、その雰囲気も出しつつ。したら意外といいじゃんってなって。
―レゲエも好きなんですね。
mu:僕はベースなので、レゲエとかダブとか好きですね。仮歌詞がもそのままタイトルになっちゃって感じなので、ある意味一番キャッチーかもしれないですね。口ずさんだのがそのまま歌詞になってるっていう。サビいってAメロとかに戻らないので。そのまま終わっちゃうっていう恐ろしい構成の曲でもあるんです。
ツネ:最後泣きそうになるもん、自分で聴いてて。
―最後に相応しいですよね、これは。
mu:ありそうであんま無いような感じもできたかなという感覚もあるんですけどね。
―この曲聴き終わって…最初に戻っちゃうんですけど、ほんとにジャンルレスだなって。もう1周聴きたくなる感もあって。最初に聴き飽きないという話もありましたけど、5曲だからちょうどいいというのも感じたので。
mu:5曲だからこその濃さっていうのもありますよね確かに。とにかく濃くいきたかったですね。短い時間の中でどれだけ詰められるかっていう。
―ありがとうございます。ツアーに関してですが、どんなツアーにしたいですか?
マツ:「キケン」が濃い感じの作品になっているので、その濃さは伝えていきたいなと。あとはタイトル通り、危険なスリリングな中にもキャッチーで面白い部分も持たせて、楽しめるようなツアーにはしたいですね。
mu:リリースも2枚目で、まだまだ知名度とかそういった部分ではまだまだなところもあり、初めて見る人も多い状態で、そういう方に少しでも聴いてもらえるようなパフォーマンスは残していきたいですね。
―最後に、eggmanのマンスリーを読んでいただいてる方に一言頂きたいんですが、せっかくなので、佐藤さん!(遅刻のため←)
一同:(笑)
佐藤:前ドラマーさんとは人間からプレイスタイルまで全く違う人間なので、自分になったから今作はがらっと変わった作風になっただろうと思っていまして。僕が入ってからはカラーもがらっと変わったので、全国回った時に、今までのお客さんにはよくなったなと思ってもらいたいし、初めてのお客さんには今まで出来なかったアプローチが出来て、届く物があればいいなと思ってます。
一同:……
佐藤;eggmanを見てる方々にですね…
一同:(笑)
佐藤:……。
<しばらくお待ちください>
―松田さん最後に一言を!(笑)
佐藤;やば、なんも出てこなかった…。
マツ:ツネも言ってたんですが、今回のミニアルバムを覚悟して聴いてもらいたいなと。5曲バラバラでジャンルレスで、Pinpointsってこんなバンドなんだよって形容しがたいので、覚悟して聴いてもらって、気に入ってもらえたらライブにも足を運んでいただけたらなと思います。
mu:eggmanさんでまだライブやれてないんですよね。見に行くことはあるんですが…
―是非出て欲しいです!今日はありがとうございました!
全員:ありがとうございました。