昔の日記をめくるように、切り取る。何気ない日常の「本音の一瞬」
——–まずはリリースおめでとうございます。
全員:ありがとうございます。
——–今回のアルバムはどういう経緯で作り始めたんですか?
大島:周りの方々が、そろそろ自分たちの楽曲をまとめてもいんじゃない?って言ってくれて、じゃあやってみましょう!って作ったアルバムですね。
元々、一貫したテーマを持って制作した訳ではなくて、自分たちの中でもやもやしてる部分を形にしてみようって感じでやってきたので、今回は強いて言うなら、僕らの心の中身を集めてみましょうっていうテーマです。それで「keyword」という名前にしてます。
——–選曲はどういう感じで行われたんですか?
大島:今ある楽曲の中から、いいものを選んでいきました。結構内側に向けてバンドをやっていたので、これ人前で見せて伝わるかなーっていう曲も中にはあったんですよね。それでも誰かと向き合うなら、ここまではちゃんと見せなきゃねっていうのを選んだつもりです。沢山の人に届けるには!っていうところを色んな人に相談しながら決めました。
——–レコーディングはどういった感じでしたか?
長弘:初めて7曲っていう曲数を録ったんですが、朝起きて録って、また朝起きて録ってっていう繰り返しの日々が「ああ、音楽やってるなー」って思えましたね。今まで、バンドマン!みたいな4人じゃなかったから新鮮でした。
吉武:2回に分けて半分半分で録ったんですが、1曲録るごとに、この曲はこういうアプローチで行こうとかやり取りがあったり、そういう形で音楽が出来たので楽しかったです。
——–今回はメンバーのやりたいことを結構詰め込めた感じですか?
大島:今回一緒にやっていただいたプロデューサーのMETAFIVEゴンドウトモヒコさんが、僕らの話を尊重して下さる方で、一度も否定もされることもなく、話を沢山聞いてくれたんです。口に出して主張するの得意じゃないんですが、わがままをいっぱい聞いていただいて思いっきりやれました。
松隈:わがまま聞いて下さったし、自分のテイクに関しても納得いくまでやらせてもらえたので凄く楽しかったです。
大島:アレンジの時に、僕が抽象的な言い方をしてしまって伝わらない時がよくあったんですが、今回はそういうところまで深く聞いてもらえたなって思ってます。
——–「九月の月」これはどういうコンセプトで書いた曲なんですか?
大島:今回のアルバムが「keyword」ということで、曲自体がバラバラでキーワードを散りばめたって感じなんです。その曲達を結びつけるための曲です。
本来は入れる予定じゃなかったんですが、以前ライブでお客さんに自分たちの曲が入っていく様にって思いでこの曲を作って一回だけやったことがあったんです。それをこのアルバムでもう一回やれたら、お客さんも入り込みやすくなるんじゃないかなって。
長弘:そのライブの時も、「四月の彼女」の前にやったんです。幕開けの導入曲みたいな感じで。で、今回「四月の彼女」録るなら「九月の月」を頭に持ってこようって話になったんです。
大島:ライブのセトリを活かす為につくった曲ですね。本で言ったら「目次」みたいな。
——–そこから繋がってくる「四月の彼女」。印象的なギターフレーズのイントロですね。
松隈:最初スタジオでやるって時に、イントロ全然思いつかなくて、家に持ち帰りました。2パターン作ったうちの一つなんですが、もう一つは絶対聴かせられないです。
大島:最初もっとチープなアニソンになりかけたんですけど、嫌だ嫌だ嫌だって言い続けてやっと今の形に辿り着けたので、こういう形で残せて嬉しいです。
——–これはいつ頃の曲なんですか?
長弘:2年以上前です。このアルバムの収録曲の中では一番古い曲ですね。
大島:全然四月に作ってないんですけど…(笑)
長弘:YouTubeにライブ映像があるんですが、それも含めて、この曲で僕たちのことを知ってくれた方達は多いですね。
大島:お別れとか、いつかは終わってしまうっていうような曲が多かったんです。今少しずつお客さんと触れあいながら歌っていく歌も変わってったりしてるんですが、2年前って本当に純粋な頃だったんで、そういう気持ちがのっかってます。先日PVもこの曲で撮らせていただきました。
——–「雀の涙」についても聞かせて下さい。
大島:必死さとかが少しなくなって、大人になって、日々のゆるい感じを歌にしました。悲しいこととか極端なことしか歌にしたことがなかったんですが、それ以外の普通の毎日もちゃんと今なら歌えるんじゃないかって、少し背伸びもして。メンバーにもそれに寄り添ってほしいって話をして、今までで一番コーラスを録ったりもしました。歌詞だけじゃなくて、色んな角度から綺麗な曲になればいいなと。
——–そして「シャドー」。
大島:これはバーでこういうのやれたらカッコいいなって作りました(笑)
吉武:元々違うリズムで叩いてたんですが、ゴンドウトモヒコさんからの提案もあって、ダブやレゲエを意識した新しいビートにしてみました。それで凄く良くなったのでより一層好きになりました。
大島:かっこつけようと思って作った曲なんですが、それを「かっこつけるんだったらちゃんとかっこつけようぜ」って大人な自分らを演じる事が出来たって感じです。もう一人の自分と向き合うって曲なんですが、本当にもう一人の自分を全員が出せたなって。
——–そして「コールドスリープ」
松隈:レコーディングで大事にしてたのが、「気持ちが届くかどうか」ってところで、そこを出すのが難しいギターだったので結構苦労しました。
大島:この曲はツイッターをバカにした歌なんです。僕が暗く沈んじゃってた時期に現実逃避の手段でツイッターを選んだんですが、依存しちゃって、そういうとこで気持ちを吐き出してもなんにもなんないのに、データとして残してしまうんで、そういうのは違うんじゃない?そんなことやってる暇あるの?気持ちの賞味期限切れちゃうよ?みたいな歌です。
「シャドー」で一回心の深い所まで落ちて、暗い所をバカにしながら上がってくるってイメージで。アルバムの曲順というかストーリーはもって考えました。
吉武:最初のドラムでジャングルビートで入るんですが、、、そこが自分の見せ場です(笑)
長弘:アレンジの段階で近未来だったり電子的な部分からゴンドウトモヒコさんが新しい提案をしてくれたりして、ライブとは違ったコールドスリープになりましたね。
大島:ライブはエネルギーを出していくんですが、CDは少し無機質な感じにしたかったので。
——–6曲目の「vista」。
大島:昔極端にアイツ変わっちゃうんだーとか、へこんで独りよがりになってしまった時に、好きな人を置いてけぼりにして自分一人でうわーってなっちゃったことがあって。ぎゃくにそういうときって見せられないくらい汚いけど本音だなって思って、そういうイメージで歌いました。
長弘:今までもこれからもないくらい荒い曲で、ライブでもまだ2回しかやった事ないんですが、善くも悪くも僕ららしくない曲だなって。
大島:アレンジやミックスでかなりクリアにしてもらって、こういう形なら作った曲として残してあげられるなっていうのを思えたので。混沌とした部分もちゃんと残しておきたくて。
——–「バンドマン」素敵な曲ですね。
吉武:普段、歌詞に対しての理解が行き届かなかったりするんですが、この曲は歌詞がストレートで届きやすいので聴いてほしいですね。
大島:散々僕の心が、、、想いが、、、って言っておいて、「こんな人間もいるんですよ、あなたも大丈夫ですよ。バンドマンとして最後に一言いわせて下さいね。聴いて下さい。」って終わる曲です。
——–そしてこのアルバムをもって各地にライブに行く訳ですが、意気込み等を聞かせて下さい。
長弘:今までの僕たちを集めた作品になっているので、僕たちのことを知らない人はこのアルバムを通して知ってもらって、知ってくれてた人たちにも新しい一面だったりもっと深く知ってもらえたらいいなと思います。
松隈:自分たちの色んな面を知ってもらえる作品になっているので、ぜひ聴いてほしいと思います。この中に入ってない曲もライブでやったりするので、それも楽しみにしててほしいです。
吉武:各地に行くと思うので、key poor diaryの良さをいっぱい知ってもらえると思うので、遊びにきてもらって知ってほしいですね!
大島:このアルバムには心をそのままつめ込んでいるので、それを持って色んな人に会いたいです。こんな人間もいるんであなたも大丈夫ですよって、沢山の人に知ってもらえたらなって。ライブハウスに来たことない人でも僕らに会いにきてほしいです。そのきっかけにこのアルバムがなれればなって思います。
——–最後に、この作品を漢字一文字で表現するならなんですか?
大島:「心」です。
key poor diary
1st mini album 「keyword」
2016.3.23 release
1.九月の月
2.四月の彼女
3.雀の涙
4.シャドー
5.コールドスリープ
6.vista
7.バンドマン
■ FGCH-14 ¥1,944(tax in)
<ライブスケジュール>
3/6@周南RISE
3/12「天神ONTAQ」
3/25@大名Queblick
3/26@大分CLUB SPOT