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ЯeaL interview
- SPECIAL -

ЯeaL interview

ЯeaLがまた名盤を生み出した。仮に大型タイアップというのを抜きに考えても間違いなく名曲と思われる表題曲に加えて、それに負けないどころか上回るんじゃないかと思えるようなパワー感をもったカップリング2曲。今のЯeaLの充実感がそのままパッケージされた1枚。そんな彼女たちの今を切り取ったインタビュー。

インタビュアー:ブッキングマネージャー窪田

-今回、リリースされる『未来コネクション』ですが、テレビアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』新オープニングテーマということで最初に話を聞いた時どうでしたか?

Ryoko(Vo,Gt 写真中央 以下…R):去年の秋頃に大阪から上京してきたんですが、上京後最初の打ち合わせで、そういう話がでているというのを聞いて、時間の無い中で候補曲をいくつか出さなければいけないという状況だったので、決まるかもしれないという喜びよりは、今回のお話を決定にできるだけの曲を書かなければというプレッシャーのほうが大きかったですね。
Fumiha(Ba,Cho 写真左 以下…F):私たちからのプレッシャーもあったよな(笑)。
Aika(Dr,Cho 写真右 以下…A):Ryoko頑張れ!みたいな(笑)。
R:いや、ほんまになかなかのプレッシャーやったよ。
A:悩みまくってたもんな(笑)。

-最終的に決まったと聞いた時どうでしたか?歓喜だったんじゃないですか?

R:もちろん本当に嬉しかったですが、決まってよかったという安心感のほうが大きかったのと、大きなお話すぎてなんか実感が湧きませんでした(笑)。
F:ドッキリじゃないよねみたいな感じで。
A:初めて放映されたときもそれぞれ家で観ていて、自分の家のテレビだけ電波ジャックされているんじゃないかみたいな(笑)。
R:ほんまにみんなの家でも流れてる?ってLINEグループでやり取りしましたね。

-強いプレッシャーの中での制作だったとのことですが特に苦労した部分はありますか?

R:歌詞はすごく悩みました。Fumihaが元々熱狂的なポケモンファンだったので、Fumihaが歌詞を書いた方がいいんじゃないかと思った時もありましたし、自分が書いた歌詞がポケモンファンのみなさんに受け入れてもらえるのか、愛してもらえるのかどうかという不安はすごくありましたね。

-歌詞のテーマはどうやって決めたのですか?

R:ポケモンの担当者の方と打ち合わせをさせてもらって、今回から出てくるべベノムというポケモンの話を聞いた時に、自分たちとリンクする部分を感じたんですよね。上京直後で新しい一歩を踏み出すЯeaLと。

-タイミング的にすごく良かったんですね。

R:去年リリースした『19.』(ナインティーンピリオド)という1stアルバムで自分たちの中では一つ区切りがあって、全員10代から20代に突入しての新しいЯeaLを見せられるすごく良い機会をいただけたなと思っています。

-ЯeaLの曲としては、このテンポ感の曲は珍しいと感じる方もいるんじゃないかなという印象です。

R:実は結構こういう楽曲多いんですよ。まだリリースしていないだけで。こういうタイプの曲作るの好きなんです。
F:でも演奏面というところで言うと苦手なテンポ感ではありますね。
A:勢いだけじゃいけへんからな。特にライブでは攻めてないと不安みたいなところがあったし。
R:そうやね。こういう楽曲ってしっかり聴かせなければいけないし、バンドのグルーヴ感とかもすごく大事で。以前だったら25分とか30分のライブでこの曲をセットリストに入れるのは不安だったと思いますが、今の私たちならいけるなという手応えはあります。こういう楽曲があると表現の幅はすごく広がりますし。

-結成5年、メジャーデビュー2年という経験値が成熟度を高めたということですかね?

R:それもあるとは思いますが、メンバーの脱退があって以降この3人でのグルーヴが高まりましたね。ぶっちゃけた話をさせてもらうと、それ以前はみんなЯeaLというバンドのメンバーではあったし、もちろん真剣にバンドに取り組んではいたものの、それぞれどこかバラバラな部分があったというか、一緒のところを見て進めてはいなかったかなと思うんですよね。それが今は同じところを見て進んでいるからこそ、同じ楽曲をスタジオで練習していても違う感覚があって。すごく近くなった感覚。だから今こういったタイプの曲をやっても違和感を感じずに自信を持ってやれるバンドにようやくなれたかなと思います。
F:やはりメンバーの脱退というのはすごく大きかったですね。
R:それこそバンドどうする?ってなった瞬間もあったけど、それが故に3人でもやっていくぞという結束は強くなりましたね。
A:あとは上京も大きい要因かなと思います。3人とも初めての一人暮らしも始めて、物理的に一緒にいる時間が増えましたよね。
R:ほんまにずっと一緒(笑)。
F:プライベートも一緒におるからな(笑)。
A:バンドを頑張るために上京したから自然にバンドへのモチベーションだったりとかも高まった部分もありますしね。
R:そう思うと去年は本当に激動の1年で、全員二十歳にもなったし、ЯeaL第二章のスタートという感覚があるので、そのタイミングでこうやって「未来コネクション」をリリースさせてもらえるというのは本当に嬉しいことですね。

-このタイミングで“未来”という言葉があるのがすごく良いですね。今のЯeaLのモードがすごくわかる1曲。そしてこれも今だからこそ書けた曲だと思います。カップリングの「光になれない」。

R:まさにそうですね。今までのЯeaLは自分たち主体で、強がりだったんですよね。でも去年自分たちの弱さを感じたときに、支えてくれるみなさんがいたから私たちには居場所があって、私たちはそんなみなさんにとっての居場所であり続けたいと思うようになったんです。今の等身大。ライブでもずっとやっているんですが、反応もすごく良くて。

-僕もこの曲を初めてライブで聴いた時を鮮明に覚えています。楽曲のパワーがすごい。この曲ができたというのはRyokoちゃんにとってはすごく大きい出来事だったのでは?

R:もう5年くらいは書けないかもですね(笑)。この曲が出来たときに自分の殻を破れた気がしたすごくすごく大切な曲です。
A:この曲を聴いて歌詞を読んだ瞬間からグッときましたね。
R:初めてライブでやったとき泣きそうやったよね。
A:めっちゃこらえたよ(笑)。気抜けなかった。

-演奏がかなり難しいから泣ける余裕がなかったんじゃないですか?

F:もっと簡単な曲だったら確実に泣いてたな(笑)。
R:「スタートライン」とか「HOME」とかも曲の立ち位置としては近いところにいるとは思うんですが、意味合いが全然違うんですよね。誤解を恐れずに言うと、初めてみんなとしっかりと向き合って、リンクできた曲なのかなと。繰り返しになってしまいますが、「未来コネクション」もこの「光になれない」も今でなければ完成していなかったし、リリースできなかった曲だと思います。ЯeaLとしてなにを伝えたいか、勢いで攻めるだけじゃなくなって、バンドとしての明確な意思が見えたかなと思います。

-そんな2曲を経ての3曲目はバッチバッチに攻め攻めの「リスキーゲーム」。3曲の中では一番ЯeaLっぽさを感じました。The ЯeaL、The Ryokoと言えるような曲かなと。

A:午前二時な(笑)。
R:歌詞にでてきがち(笑)。確かに一番ЯeaLっぽい曲だとは思います。でもブースターがかかった進化版のЯeaLっぽさ。演奏面という意味ではこの曲こそ今の私たちじゃないとできない曲ですね。去年だったら演奏できなくてバンド辞めてたかも(笑)。アレンジ決めてメンバーに送ったらめっちゃキレられました(笑)。
A:できるかい!ってなったからな(笑)。
F:いや、ほんまに。
R:今回3曲ともそうなんですけど、ギターのレコーディングも全部自分で弾いたんですよね。ライブではサポートギターを入れてやっているけど、レコーディングに関しては全部自分でやろうと思って。最終的にこんな難しい曲誰が弾けんねん!誰が作ったん!ってキレてました(笑)。
F:お前や!ってなるからな(笑)。
A:最終的に3人ともキレてるというレコーディング(笑)。

-どんなレコーディングですか(笑)。でもこの曲と「光になれない」をカップリングにできてしまうЯeaLは恐ろしいですよ。

R:そこはこだわりですからね。カップリング曲だけのアルバムを作りたいんですよ。今は8曲あるのでもうちょいでいけますね。

-それだけでのライブとか楽しそうですね。

R:それめっちゃ楽しそう!
F:メンバー誰か倒れますよ(笑)。
A:お客さんもやな(笑)。

-でもそのくらいЯeaLのシングルはカップリング曲も素晴らしい。

R:リード曲を凌駕するようなカップリング曲を入れたいんですよ。その方が逆にリード曲も際立ちますし。毎回言ってますけどほんまに最高傑作ができたと常に思えているので。
F:できちゃったよね。

-それは僕も感じます。

R:しかも以前より難産な感じがないんですよ。精度が高まっていると思います。
F:レコーディングはしんどかったけどな(笑)。
R:でもレコーディングの時間もかなり短くなったよ。
F:確かに。成長できてるんかな。
R:バンドとしての平均点はここ最近急速に上がっていると思います。

-Ryokoちゃんの無茶ブリにもどんどん慣れてきたんですかね。

F:慣れてきたんじゃなくて諦めやで(笑)。
R:諦めって(笑)。確かにずっと無茶ブリし続けてるけど。
A:結成当時からRyokoは見ている視点が私たちとは違って、年間計画とか立てていて、すごく大人だったんですよ。当時の私とFumihaは言っていることが全然理解できなくて。でも今はだいぶ理解できるようになりました。そういった部分でも3人の結束が強くなった理由ですかね。

-バンドとしての完成度がどんどん高くなっているのが伝わりますね。それに伴ってライブもすごく良くなっていると感じています。今回のリリース記念の東名阪ワンマンツアーはすごいことになるんじゃないかと。

R:まずは「リスキーゲーム」がライブでできるかどうかですよね(笑)。
A:そこに注目してほしいです(笑)。
F:めっちゃピンポイント(笑)。あとは使っているアンプとかも含めて音作りも変わっていってるからそういう部分も注目してもらえると嬉しいですね。
R:まぁでもとにかく今のЯeaLが入っているモードでやるワンマンは絶対良い物になると思うので、楽しみにしてほしいです。自分たちとしてもどれだけのワンマンができるのか挑戦でもあるし、楽しみでもあって。ヤバいことになりますよ。来なかったら絶対損します。そのくらいのライブができる自信があるので!

-楽しみしています。