—–元々、歌を歌うきっかけはどういう経由で?
有輝香:高校の文化祭で先輩に誘われたのがきっかけですね。歌を歌う事は嫌いでは無かったんですが、人前で歌う事は好きじゃなくて興味も無くて、先輩に強引に頼み込まれて初めて人前で歌ったんですよ。そしたら楽しくて(笑)その後すぐにギターを買って自分でも曲を書くようになって、他校の高校生と一緒にバンドを組んだんです。月に1、2回ライブをしてたりもして、高校3年の文化祭では自分の歌を歌ってましたね。
—–高校3年生の時は自分で曲作ってたんだ。
有輝香:そうですね。もう自分で作詞も作曲もしてましたね。学園祭の時はまだコピーも何曲かやってましたけど。
—–歌に関しては誰かアーティストに衝撃を受けて始めたとかでは無いんですね。小さい頃アイドルに憧れてとかも無いんだ?
有輝香:全く無かったですね。
—–元々音楽は自分で始める前から好きだったの?
有輝香:好きでしたよ!中学2年生の時にアヴリル・ラヴィーンを聞いて凄い好きになって、あとはステイシー・オリコとか声が好きで。最初は洋楽にのめり込みましたね。特に女性シンガーが好きになりましたね。
—–なるほど。本格的に活動し始めたのは?その頃から?
有輝香:本格的に音楽やりたいと思って東京に行こうと思い東京の大学を選んで上京したんですけど、全く知り合いもいないし、伝手も全くなくてライブハウスも知らないし。自身のライブ活動としては1、2年間ぐらい全く活動してなかったですね(笑)スポーツに夢中でした。
—–全然活動してなかったんだ。
有輝香:でも詩を書く事は大好きだし詩はずっと書いていて、そんな時期にも色々な人とのきっかけで、いきなりNHKの「天才テレビくん」のエンディングの歌詞を書く事になったんですよ。
—–いきなりなんだ。凄いね!本格的にライブ活動などしだしたのはいつ頃から?
有輝香:大学3年ぐらいからですかね。もっとライブやった方が良いよって周りにも言われてたし、色々紹介してもらったり活動の幅が広がっていきましたね。eggmanと出会ったのもその時期ですね。
—–今回の音源の前に自主制作で1枚出しているけど、それはどういう形で?
有輝香:自主制作の作品は自分で形に残したいというよりは、聞いてくれる人たちがCDで欲しいと言ってくれる人が沢山いてくれて
地元の宮崎で録音して発売したんですよ。ちゃんとした作品としては初めてですね。
—–今回の作品「鼓動の先」はどんなアルバムにしようと思って作ったのですか?
有輝香:石原彩が本名なんですけど、有輝香ってこんなに変わったんだよ、成長したんだよという所を見せたかったですね。色々な音楽が好きなので色々な音楽にチャレンジしようと思って作りましたし、バラードだけじゃなくて、アコースティックの曲や激しい曲など色々挑戦してみました。
—–元々自分で作った曲をバンドアレンジにした感じ?
有輝香:そうですね。色々と曲のイメージを話し合いながらアレンジしていきましたね。KTタンストールとか大好きなんですけど、KTタンストールの雰囲気にこの曲はしたい!とかアレンジする前にイメージを伝えたりして。
—–何を基準にバンドアレンジとアコースティックアレンジを選んだ感じ?
有輝香:歌詞や曲調で選んだのもありますけど、まずイメージを真っ正面からアレンジしてみて取り合えずやってみる!微妙だったらまた考え直す!って感じの流れでしたね(笑)
—–レコーディング苦労話とかありますか?
有輝香:苦労という苦労は無かったんですけど、タイトなスケジュールだったので、良い経験になりましたね。歌取りも含めてレコーディングはほぼ3日間で仕上げた作品だったので。BODYって曲に関しては演奏も歌もは完全に1発録りでしたしね。
—–レコーディング中に言われて印象になった事とかありますか?
有輝香:”鼓動の先”が本当に良い曲だねって言ってくれたりして、サビへの盛り上げ方とか、そこを意識して作った訳ではないんですけど、評価されて嬉しかったですね。
—–なんで”鼓動の先”をタイトルにしようと思ったの?
有輝香:震災を自分なりに感じ取って作った曲でもあるし、自分の中でも一番感情も込められるし曲だからです。表向きは震災を前に出してる訳では無いんですが、アルバムの中でも新しい曲だし気持ちも入る曲ですね。
—–昔やってた事と、今とでは何が一番違うと思う?
有輝香:歌詞や表現の仕方ですかね。歌詞って1曲の中で使える言葉数っていうのはある程度制限されるじゃないですか?最近はその中で歌詞の使い方、表現の仕方は一番大きく変わったと思います。歌う時の気持ちも大きく変わったし、好き嫌いが無くなったというか、昔は声を張り上げてただ歌えば良いとか思っていて歌詞に対して感情を込めきれてなかったんですけど、最近は言葉に思いを乗せて歌えるようになりましたね。
—–自分が思った事を正直に歌いたい?
有輝香:私正直過ぎる歌詞はあまり好きではなくて、ただ素直な歌詞は凄い好きで”、正直”と”素直”は違うと思うんですよ。
やっぱりファンタジーとかも好きだし一見解りにくい表現とか、何度か読み直さないと見えてこない歌詞っていうのも凄い好きで。
日記みたいな歌詞はあまり好きではないですね。
—–有輝香さんの中で、こういう歌が”良い歌”という定義とかってありますか?
有輝香:解りずらいかもしれないですけど、バラードでもテンポの速い曲でもその人の痛みだったり温もりだったり、その人の感情のバックグランドが見えてくる音楽が好きです。色々な環境や考えがあってこういう曲が出来たのかな?っていう背景が見える音楽が好きですね。日本人だと秦基博とか凄い好きです。
—–有輝香さんは普段とても明るいですけど、曲を聴くと切ない曲が多いですよね。
有輝香:実は根暗なんですよ!(笑)自分と曲のギャップには最近自分でもビックリしてるんですよ。
—–凄い歌声が素敵だと思うし、周りからも声が良いとか言われてると思うんだけど、その辺は意識して曲を作ったりはしてますか?
有輝香:音域は広いので、声に対して曲を決めたりはしないですね。やっぱり歌っていて気持ち良いという点で決めてますね。
良いって言われるのは本当にありがたいんですが、実は自分の声って自分ではそんなに良い声だとは思ってなくて、良い声の人なんで世の中に沢山いるじゃないですか?その人達の事を考えると申し訳ないです(笑)
—–こういうアーティストになりたいってある?
有輝香:ありがちな発言だと、みんなに愛されるアーティストになりたいです(笑)あとは色んな人の色々な環境とか思いとかを解ってあげられるアーティストになりたいですね。色んな物が見えて色んな表現で書けてくるんじゃないかなと思います。良い意味で環境が大きく変わっても常に自分でいたいし、普通でありたいです。
—–今後の展開とかありますか?
有輝香:キャラ的にアーティストっぽい事って試したんですけど中々出来ないんですよね(笑)お仕事は歌でも歌詞でもMCでもある程度の殻を破らなければやっていきたいし。あとは地元宮崎が大好きなので宮崎を盛り上げたいっていうのはありますね。口蹄疫とかインフルエンザとか火山とか宮崎もここ数年本当に苦労してるし石原有輝香が宮崎に対して出来る事もやりたいですね。