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ねごと interview
- SPECIAL -

ねごと interview

今春、全員大学を卒業し、晴れてミュージック社会人となった ねごと から約10か月ぶりとなるシングル「シンクロマニカ」が届いた。今作をねごと第二章のスタートと話す彼女たちからは今までとは違ったパワーが発せられているように感じた。新たな挑戦が詰まった今作に込められた想いとは・・・。たっぷり語っていただきました。

nterviewer:ブッキングマネージャー窪田

―ミュージック社会人になってから初めてのリリースですが、今の気持ちはどうですか?

蒼山幸子(Vo&Key 以下…幸):前作のリリースから10か月も間が空いていてその間みんな大学を卒業して、音楽に対して100%時間を使うことができるようになったという環境の変化もありますが、気持ちの部分でも変化してきていて、4人で自由にねごとという船の舵をきることができている感覚があります。そういったタイミングで今作を出せることがすごく良いなと思っていて、結果的に今の自分たちを全て詰め込むことができたかなと思います。

沙田瑞紀(Gt 以下…瑞):前作のリリースツアーが卒業旅行というタイトルで全26か所というねごと史上最大規模のツアーで、5月にZEPP TOKYOでファイナルを迎えたのですが、その日にツアーで積み重ねてきたものすべてを出し切ることができて、そこがねごと第一章の締めくくりだったのかなと思っているんです。そして今作がねごと第二章の始まりかなと思えているので、今までよりもっと自由にもっと真摯に音楽にメンバーみんなで話し合いながら向き合えていますね。

藤咲祐(Ba 以下…祐):今、瑞紀が言ったように5月のZEPPまでが第一章で、いろいろなことを試してきた期間で、制作面以外でもライブでのMCだったりとか試行錯誤の連続だったかなと。第二章が始まった最近は、すごく固まってきたなと思う部分も初めて出てきて、さらにやりたいこととかの欲がでてきて、すごく楽しく活動できていますね。

澤村小夜子(Dr 以下…小):少し前まではロックバンドとはこうあるべきだ!みたいな固定概念や縛りを持っていたし、私たちって良い意味でも悪い意味でも真綿でくるまれて守られていた環境の中で音楽をやっていたと思うのですが、今は大学卒業して住んでいる場所も変わったり、より自分たち発信で物事が進んでいくことが増えたので、楽しいしでも責任感は増したし、すごく良い状態でバンド活動ができていると思います。

-ミュージック社会人になってなにか変わった事はありましたか?

小:純粋に睡眠時間が増えました(笑)。

瑞:それは大きいね(笑)。常になにかに追われていた感覚だったしね(笑)。

祐:朝から学校行って深夜スタジオ入ってそのあとまた朝から学校行ってという生活が多かったので、そこもだいぶ変わりましたね。音楽に100%に打ち込めています。

瑞:いろいろライブにも行けるようにもなったね。刺激を受けることが増えたから視野も広がった気がする。

祐:あっ!あとはバンドの友達が増えてきました(笑)。

-そんなねごとがリリースする今作「シンクロマニカ」はシンクロとロマンを掛けたタイトルだということですが、このタイトルの由来は?

幸:シンクロするとか気持ちが繋がること共鳴することとか、そういったことって目に見えないことばかりで、こうしたらシンクロするという方法論があるわけでもないので、難しいことだと思うんです。ただ、目に見えないし、方法論もない、難しいことだからこそその過程にときめきがあるし、シンクロしたときの気持ち良さって格別だと思うんです。それを楽しみたいなと思ってこのタイトルにしました。

-これは完全な造語ですか?

幸:そうですね。繋がるというメッセージを曲にしたかったんですが、それの言葉を直接使ってしまうと耳にポンッと飛び込んでくる感覚で聴ける音楽にはならないかなと思ってシンクロという言葉にたどり着きました。そこから膨らませてこのシンクロマニカという言葉が出来上がりましたね。

-ねごとの曲はカタカナのイメージがあるのですが、それは意図している部分ですか?

幸:特別意識しているという訳ではないですが、自然とそうなっている部分はあるかもしれないです。カタカナってわかりやすいし、先ほどもお話しした耳にポンッと飛び込んでくる感覚に近いかなと思います。今思えばデモの段階で仮タイトルをつけるときもカタカナを使うことが多いかもしれないです。

-新しい一面を感じつつも、ねごとらしさも感じました。制作のコンセプトは?

瑞:実はこの曲は1年前くらいから制作していて、シンクロという言葉を表す以上、私4人の演奏のアンサンブルもきっちり合わせていかなければいけないので、そこは意識しましたね。あとはお客さんともシンクロしていきたいなと思ったので、クラップを入れてみたり、キメをわかりやすくしてみたりシンプルにしつつも凝った作りになっているのでいろいろな音を感じつつじっくり聴いてほしい曲になったかなと思います。

-1年前くらいからあったということはオープニングテーマとして使用されているアニメを意識した作りではないんですね。アニメの世界観とマッチしていたので、そのくらい前から制作していた楽曲というのが意外でした。

瑞:自分たちでもびっくりするくらいハマっていますね(笑)。3姉妹が登場しているんですが、それぞれのキャラクターが私たちの誰かに当てはまるんじゃないかと思えるくらいで、すごくマッチしていると思います。

-終盤の構成が非常に面白いなと思ったのですが、これはこだわった部分ですか?

瑞:聴いていただいた方にそう言っていただくことが多いのですが、自分たちの中では特別意図した部分ではなくて、こうきたらこうだよねというのがメンバー内ではすごく自然でしたね。以前ライブでやったとき、もう一回サビが来るんじゃないの?というお客さんの反応が多かったみたいで、リリース前だったので音源にはサビをもう一回入れることも物理的には可能ではあったんですが、入れませんでした(笑)。

-僕も聴いていてもう一回サビがくると思いましたもん(笑)。

祐:あそこで終わるのがねごとの良さかなと思いまして。1曲だけループして聴くとまた面白いかもしれないですね。

瑞:この曲はこの3分半いかないこの形が一番濃密なんです。

-そういったことが自然に出来上がるのはメンバー4人が同じ方向性を向いているからなんでしょうね。

瑞:この曲を作っているときにこの終わり方に疑問を持ったメンバーは1人もいなかったですからね。ねごとという船が出来上がりつつあるんだと思います。

-今作の初回盤3枚には、アニメとの連動で「ガリレイドンナになってみた」や幸子さん以外のメンバーが歌う「メルシールー」が収録されていますが、体験してみてどうでしたか?

祐:バンドだからやってはいけないことって一つもないなって思えていて、こういったチャレンジをして、ねごとのことを知ってもらえるきっかけが少しでも増えたらいいなと思い、いろいろチャレンジしています。メルシールーはもしかしたら今後のライブで誰かがメインを歌うバージョンで披露することがあるかもしれないと思える出来でしたし、すごく楽しめました。

瑞:全体通してアグレッシブなCDになりましたね。突っ込みどころ満載です(笑)。

-僕も資料見て突っ込みましたもん(笑)。

瑞:でもその突っ込みが嬉しいです。してやったりというか(笑)。ボイスドラマは声優さんが普段録音する場所で録ったので新鮮な経験ができたし、振り切ることって難しいんですが、やってみたらすごく楽しかったので、このタイミングでこういったチャレンジができてすごく良かったと思います。

小:去年だったらたぶん無理でした。冒頭でも話したようにロックバンドに対しての固定概念があったので、こういったチャレンジは受け入れられなかったと思います。でも今は面白いと思うことはなんでもやってみようという気持ちなので、楽しめましたね。

-通常盤にはくるりの名曲、「ばらの花」のねごとカバーが収録されていますが、この曲を入れた理由は?

幸:今回のねごと第二章のスタートには元々コピーバンドとしてスタートした私たちの原点に戻ってみようというチャレンジですね。しかもバンド名はくるりに影響されていて、ひらがな3文字のバンド名にしたいということでねごとにしたので、そういった意味でも原点かなと。

-そんな今作を引っ提げてのお口ぽかーん!SYNCRO NIGHT TOURは対バンが同世代あたりのバンドが多いと思いますが、すごく面白い対バンだなと思いました。

幸:同世代で良い音楽やってるバンドと切磋琢磨していきたいなと思ったんです。あとは今、私たち自身がライブをすごく楽しむことができているので、一緒に楽しんでほしいなと強く思いますね。

瑞:クアトロは前回のZEPPと違ってライブハウスという感覚があるので、その一体感を味わいたいです。あとは今回のツアーは3本しかないので、ギュッと凝縮して魂込めて演奏するので一瞬たりとも見逃さないで欲しいです。

祐:今、学園祭ツアー中なのですが、自分たち自身で今ライブの調子が良いと思えているので、今のねごとを感じてほしいです。あとは最近ライブでの立ち位置も変わっていたり、常に試行錯誤して進化しているのでそこも楽しみにしてほしいですね。
小:絶対楽しいライブにするので、ぜひ来てほしいです!最近、今までもライブは楽しかったけど、別のステージにたどり着いてまた違った楽しさを味わえているので一緒に味わいたいですね。
最後に前回もお伺いしたのですが、あらためてミュージック社会人になっての、今後の目標など聞かせてもらえますか?

瑞:バンドとしての深みが増していると思うので、もっとシンプルにやりたい音楽を積極的に突き詰めて大きくなっていきたいです。

祐:ねごとはまだまだやれる!って思うことがたくさんあって、場所とか環境とか関係なく私たち信じる音楽を奏でていきたいなと思います。

小:いろいろな国でライブがしたいです。前に韓国でライブをしたときが本当に刺激的で、それをもっともっと味わいたいです。

幸:近い目標でいうと今ドンドン前に進めていける感覚で、新しい曲も作っているので、ねごと第二章として早く1枚のアルバムを出したいです。楽しみにしていてほしいです。あとはライブを見てもらえたら今のねごとは感じ取ってもらえると思うし、今のねごとに自信を持っているので、今回のリリースツアーに遊びに来てほしいです。絶対損はさせません。