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ねごと interview
- SPECIAL -

ねごと interview

今まで、いろんな挑戦や、壁を乗り越えてきたねごと。本誌でも何度も作品について話してもらっている。そんなねごとの今作は、今までの無機質なねごとから一枚脱皮して温かく、有機質なものと変化していた。それはメンバーが今作を本当に自由で、色々な想像力で作れたからだと強く感じた。さぁ、ねごとワールドへ。

--Shoko Ishikawa

―3月12日発売となる2nd Mini Album「”Z”OOM」ですが、タイトルの由来から教えてください。2010年に発売したHello! “Z”とはなにか関係がありますか?

Vo&Key/蒼山幸子(以下:蒼山):今作はメンバー全員がそれぞれ歌詞を書いていたりとか、一人一人にフォーカスを当てるというコンセプトがあってあとはすごくラフなモードで出来た曲が多くて、今の自分たちを見せられたらいいなと思ってこのタイトルにしました。そういう意味でHello! “Z”の時は初期衝動を詰め込んだアルバムだったんですが、今作もミニアルバムで、今のねごとの衝動を詰め込みたいなという気持ちも込められたタイトルです。

-その頃と今を比べるとなにか変わった点等はありますか?

Gt/沙田瑞紀(以下:沙田):今作は、作り溜めていた曲の中から選抜された曲達なんですけど、[M1:真夜中のアンセム]と、[M6:勲章]は先にタイアップのお話があったので先に進行していたんです。それ以外の曲を決めるときに、Hello! “Z”の頃と比べるというよりは、2nd full albumの[5]は、ちょっと温度が低いというか、無機質な感じが強いアルバムだと思っているんですけど、今の自分たちのモードとしては、そこからもっと温かみだったり、有機的で、生物がうようよ動いているような、イメージというか。だから今作は新しさもあったりと、色々な匂いを感じれるものになってると思いますね。

Ba/藤咲佑(以下:藤咲):今までのねごとって、どちらかというと人間ぽさという物あまり表現していなかったんですけど、今回は人間味の溢れたものになったと思います。

Dr/澤村小夜子(以下:澤村):そういう意味では、ある意味、「Hello!”Z”」を聴いてくれた事がある人は何か感じるものがあるかもしれませんね。

-今回、メンバー全員が歌詞を書いたということですが、これは今作を制作するにあたって、元々決まっていたんですか?

蒼山:最初、メンバー全員で絶対に歌詞を書こう!とか決めていた訳ではなくて、選んだ曲に対して、誰がどの曲の歌詞を書いたら、その曲のカラーや、そのメンバーのカラーが出るかなというのを考えたのと、メンバーか書きたい歌詞が丁度曲と合っていたので、メンバーも変な気負い無く、歌詞を書く事ができましたね。

-本当に皆それぞれの個性が出せているなと思いました。それ以外にもアーティスト写真とかも、どんどん先に進んでいるなという感じがします。アートワーク等に関してもメンバーと話し合ったりとかはするんですか?

蒼山:そうですね。アー写やジャケット写真に関しても、チームみんなでどういうものにしたら1番良いのかを考えて話し合っています。今作のジャケ写は[M1:真夜中のアンセム]から強いインスピレーションを受けています。Music Videoもクール、なんだけど、透明感があるような物にしたくて、ジャケ写とも連携させました。そういう面でも、テーマを見せたいなと思っています。でも、アルバム自体は無邪気な部分もあり、全てがクールな感じではないんです。

-[M1:真夜中のアンセム]というタイトルの由来を教えてください。

蒼山:[アンセム]ってすごく強い言葉だと思っていて。この曲は凄く冷たい夜の中を歩いていたり、嵐が来ているっていう情景が見える曲でも有るんですけど、根本は温かい曲で、全部喜びに変えたいという賛歌みたいな物にしたいと思ったから、光がさす言葉をつけたいなという気持ちがありました。あとは、自分たちが今、新しい節目に立っているなと思ったので、それを表現できるタイトルにしたいなと思って、この曲名にしました。

-いつもねごとの作品というと、造語や、カタカナのイメージが強いのですが、今作はいつもと違いますね。

沙田:歌詞を書いたメンバーそれぞれがでタイトルを決めました。なんか、バンドとしてもシンプルになってきた感じがありますね。みんなが楽しんで作っているっていうのが聴くと分かると思います。

-昔は確かに存在として少し遠いイメージがあったんですが、最近は凄く近くなっているっていうのを感じます。

藤咲:[5]のツアーがひとつの節目だったなというのは感じています。アルバムもそうなんですけど、ライブも無機質というか人間ぽさというのをあまり表現してこなかったんですけど。でも、今のモードがもっとねごとを知って欲しい、人間らしいところを曲でもライブでも出したいと思っていて。そういう意味では人間味が出てきたのかもしてませんね。

-M1:真夜中のアンセムはすでに放送中の「おふこうさん」の主題歌ですが、これはドラマのために書き下ろしたんですか?

蒼山:曲の土台は以前からあって、おふこうさんのお話を頂いて台本を読んだときに、この曲とおふこうさんのテーマが合いそうだなと思ってこの曲を選びました。おふこうさんも次から次へと不幸なことが襲ってくるんだけど、それを笑い飛ばしていこうみたいな、それこそおふこうさん!(笑)みたいな部分があったので、寄せるというよりは曲とイメージと近かったのでどんどん曲を掘り下げた感じです。

-[M2:Dreamin’]は瑞紀さんの作詞ですね。アーティスティックな歌詞だなと思いました。

沙田:結構自分的には思っている事をストレートに表現しましたね(笑)。いつも自分はとてもハッピーな人間で全部プラス思考に考えれるのですが、たまに、本当にどん底になってしまう面も持ち合わせていて、やっぱり悲しいことは本当に悲しいし、記憶に残したくないものでもやっぱり残るし、でもそれを全部受け止めて、それでも喜びを受け止められたらいいなと思って書いた曲です。

-歌詞書く時ってどうやって書いているんですか?

沙田:最初イメージで歌ってみて、その時に出てきた言葉を落とし込みますね。その時歌ったものを歌詞に起こすと、改めて、あぁ、今こんな事考えていたんだなと思います。やっぱりその時思っていることや、その頃話した話題とか、感情がとても出るなと思います。

-[M3:M.Y.D]は幸子さん作詞ですね。タイトルの由来を教えてください。

蒼山:これは歌詞の中に出てくる〈メーデー〉という単語からタイトルを付けました。曲はこれまでのねごとがやったことの無いようなものをやりたいなと思って、新しいリズムだったりとか、あまり意識せずに出来たものを純粋に歌うという感じで出来ました。

-リズムやメロディーの感じもとても新しく感じました。

蒼山:そう感じていただけると嬉しいです。けど、実は元々持っているものがこういうものというのもあります。今までは出し方が違ったというか。

-[M4:風惹かれ]は佑さんですね。すごく佑さんらしい歌詞だなと思ったのですが。

藤咲:歌詞を書く時に曲の雰囲気だったり、イメージでなにが浮かぶかなと考えて、紙に書いたときに1番始めに〈風に吹かれている女の子〉が出てきて、そこからどんどんイメージを膨らませていきました。出てきた単語や書きたいこと、思い浮かんだものをとりあえず全部だして、構成しました。聞こえ方も例えば1Aと1A’の歌詞は〈消えないで〉と〈気づいて〉で、これが並んだら綺麗だなと思ってパズルしました。

-[M5:迷宮ラブレター]は小夜子ちゃんの歌詞ですね!小夜子ちゃんワールド全開ですね(笑)。

澤村:迷宮って入り組んでいて、一人ぼっちな感じで、すごく寂しいイメージじゃないですか。それが、自分にも当てはまるなと思ってこの歌詞を書きました。これは、ニュートンさんが誰かに宛てて書いたラブレターの話しなんですけど、自分の性格が本当に出ているなと感じます。今まで[5]とかでも歌詞は書いていたけれど、その頃の歌詞は、本当の自分ではなくて、ねごとの中の自分が歌詞を書くって感じだったんですが、今回は遠慮せず、自分らしいものを書けたと思います。

-皆の書いた歌詞を歌ってみてどう思いましたか?

蒼山:最近、歌うときに新しい発見をすることが本当に多くて、本当に楽しいんです。色んな歌い方を考えながら、イメージを吸収してそれに沿った歌い方とかも出来たのかなと思います。

-ライブの立ち位置も最近変わりましたが、センターに立って変化はありますか?

蒼山:今までずっと上手にいたので、センターに立つのって少しドキドキするかなと思っていたんですけど、逆にセンターに立った方が、歌う事に集中も出来るし、自由に色々できて楽しいです。

-[M6:勲章]は劇場版「しまじろうとくじらのうた」のテーマソングに抜擢されましたが、決まった時どう思いました?

沙田:懐かしいな〜!って思いました(笑)。

蒼山:子ども達にも聴いてもらえるようなバンドになりたいって思っていたので、本当に嬉しかったですね。しまじろうを観てきて育った世代だから、楽しい曲書けるのかな?と思ったら、「バラードでお願いします」と言われて、びっくりしたんですけど(笑)。一緒に作品を作れて本当に嬉しかったです。この曲も元々土台はあったものなんですけど、とても気に入って頂けて、この曲に決まりました。

-しまじろうと言えばポップなイメージなので、バラードというのは想像はつかなかったです。

蒼山:映画を観てくれる子ども達にも聴いてほしいですが、一緒に来てくれるご両親にも共感してもらえるような歌詞だと思います。

-5月には「お口ポカーン!!”Z”OOM in X,Y,Z day」が渋谷マウントレーニアホールと六本木 EX THEATER ROPPONGIでありますね!座りの席でライブをするのはホールツアーぶりですよね。

沙田:そうですね。やはりホールなりの見せ方があるだろうし、それも関係なくなるようなライブに出来たらいいなと思いますね。

蒼山:2日間と1日でとても大きなタームだとは思うんですが、純粋にねごとを観にきてくれるお客さんが増えたらいいなと思いますね。いまのねごとに自信をもっているので、楽しみです。

藤咲:久しぶりのワンマンなのに、全部が東京だけなので、何かしらの形で全国の人に届けられる様なものにしたいです。

沙田:今、バンドが温まっている部分があるので、そこを表現できたら良いなと思います。フリースタイルねごとで!(笑)。

-最後に一言お願いします!

藤咲:今年初の企画ものなんだけれども、次を見据えての東京3本というのもあるので、3公演も楽しみにしつつ、その先も楽しみにしていてほしいです。

澤村:このアルバムは本当に色々な要素が含まれているので、イマジネーションを膨らませてきて欲しいなと思います。

沙田:今作は本当に自分たちが今まで温めてきたものを今のモードで出せていると思うので、是非ミニアルバムを聴いてライブに来てほしいです。

蒼山:初回盤には、今回のレコーディングや撮影のドキュメンタリーが収録されているんですが、きっと今までみてきたねごととは違うねごとが観れると思うので、是非、初回盤のDVDをみて、笑ってもらえたらなと思います。

-本日は本当にありがとうございました!