―eggmanには何回も出演してもらっていますが本誌インタビューでは初登場となるので、まずは井上苑子ちゃんのパーソナルな部分から聞かせてもらおうかなと思いますので、自己紹介からお願いします。

井上：兵庫県出身の現役女子高校2年16歳です。大阪に住んでいた時代に音楽活動をスタートさせました。

－それが小学5年生の時なんですよね？相当早くないですか？

井上：母親がボイストレーナーをやっているので、小さいころから音楽という物が生活の身近なところにあったんですよね。なので物心ついたころから歌を歌ってましたね。それこそリビングで歌ってたら母親に発声を直されるみたいな(笑)。

－すごい環境ですね(笑)。そして小学6年生から路上ライブをスタートさせることになるわけですね。ギターはいつ始めたのですか？

井上：通っていたスクールでは歌とダンスがメインだったのですが、路上ライブをやるならギターやらなきゃだなと思って始めました。YUIさんがすごく好きで、スクールでの課題曲で選んだりしていて、彼女みたいにギターを弾いて作詞・作曲をするシンガーになりたいと思ったのがきっかけですね。

－小学生でギターを始めて、作詞・作曲をして路上ライブをするという行動力がすごいですよね。不安とかなかったんですか？

井上：それがまったくなかったんですよね。自分できるやろみたいなすごい自信をなぜか持ってました(笑)。でも実際やってみたら声は出ないし、下ばかり見てしまうし、全然みんな立ち止まってくれないし、なんでやねん！って思ってましたね(笑)。

－そんな路上ライブでの経験を経て小学校卒業の日にワンマンライブを行ったんですよね。

井上：卒業式終わってランドセル置いてライブハウスに行きました(笑)。

－小学生がライブハウスのブッキングの人とやりとりをするということが全く想像できないですね。

井上：でもその当時からノルマとかもあったので、必死に路上でお客さん集めてましたよ。

－その行動力に感服です。そして去年の4月に高校進学のタイミングで上京したと。学生生活はどうですか？

井上：東京にもだいぶ慣れてきましたし、学校もすごく楽しいですよ。高校生活がもう半分くらい終わるんだと思うとすごく早いなと感じます。

－そして満を持してこのタイミングで初のミニアルバム発売ですね。おめでとうございます！

井上：ありがとうございます！ついにミニアルバム！嬉しいです！

－まず今作『線香花火』を一言で表すと？

井上：すごくキュンキュンする1枚ですね。音も歌詞も。ピアノの音が結構入っていますし、歌詞の内容も女子高生のリアルな心情を表現しているので、そこを体感してほしいです。

－全体的に女子高生らしさ、夏らしさ、今の苑子ちゃんのリアルな年齢が表現されているかんじですよね。

井上：女子高生の恋の様子とかリアルやなーって思いますね。

－2枚目、3枚目にリリースしたシングルとはガラッと雰囲気が変わりましたがそれについてはどうでしょうか？

井上：だいぶ変わってますよね。ファーストシングルの『ソライロブルー』の雰囲気に近いかなと。というかギター弾き語りで始めた私の音楽人生の原点に近い感じですね。ただ、セカンド・サードシングルの『運命線ビリーバー』と『センチメンタルシックスティーン』で経験できた強いバンド感という物は今作にもありますし、原点＋経験という意味でも井上苑子史上最高の1枚になっていると思います。この『線香花火』というミニアルバムでたくさんの人に私を知ってもらいたいという気持ちで今はすごくワクワクしています。

－リード曲となる線香花火を聴いたときの第一印象は？

井上：もう聴いた瞬間から好きでしたし、歌詞が可愛い！っていう印象でしたね。でも私こんな可愛い女の子ちゃうのになー！って(笑)。世界観がまるで私が書いたんちゃうか、というくらい女子高生のリアルな感じが表現されていて、びっくりするくらい共感できて、この曲を書いてくれたSUPER BEAVERの柳沢さんホントすごい！って思いましたね。しかもすごく勉強になりますね。自分にはない表現や言い回しが多いので自分が歌詞を書くときの参考にさせてもらったりしています。

－MV撮影はどうでしたか？

井上：思いっきり転んだのが一番の思い出ですかね。。。(笑)。そんなに派手に転ぶ！？って自分でもちょっと引きましたもん(笑)。あとはすごく緊張したのを覚えていますね。物語風なMVが初めてで演技をするのもすごく久しぶりだったので、冒頭のドアを開けて顔を出して覗くシーンとか最初台本読んでこういうのってどうやるんだっけ！？って困惑してました(笑)。でも慣れてきてからはすごく楽しめました。あとはVictoryのみなさんとガールズバンド結成的な感じでワイワイ、キャピキャピしてましたね。全員女の子で楽器を鳴らしたことがなかったのですごく新鮮な感じでした。

－ミニアルバム全体通してレコーディングはどうでしたか？

井上：実はこの7曲より多くレコーディングはしていて、その中から選んだのでそこは難しかったですね。あとは1曲1曲作ってくださった方によって雰囲気も違いますし、ニュアンスも違いますし、それぞれの曲にそれぞれの井上苑子というシンガーが挑んだレコーディングだったので非常に面白い経験ができたなと思います。

－確かに自分で作詞作曲した曲であれば雰囲気やニュアンスも自分のテイストだけど、そこは全然違いますよね。

井上：具体的に例を挙げるとsoulkidsの柴山さんが作ってくださった3曲目の「ボクキミポケット」とかはファルセットで始まる曲なんですけど、私はそういった曲を書いたことがなかったし、2曲の「Wake Up」と5曲目の「Say My Name」を書いてくださったRIKUさんはコードが難しくて、彼オリジナルのコードみたいなのもあったりで、洋楽っぽいテイストもあったりで本当に様々な表情の井上苑子が詰まっているかなと思います。

－ちなみに苑子ちゃんが自身で作詞・作曲するのはどういったタイミングですか？

井上：ふと思い浮かんだときにバーッと書きますね。いまだ！！ってタイミングが急に訪れるんですよ。歌詞も曲も。

－そのタイミングは昼夜問わず？

井上：いつでもですね。授業中に来る時もありますから(笑)。そういうときは裏紙にバーッと書いてます(笑)。

－今作の歌詞は授業中に書いたもの？(笑)。

井上：いや、今作の物は全部朝書いたものですね。顔洗ってリフレッシュしたときにさっき話したタイミングが訪れることが多いです。

－そして『線香花火』を引っ提げてのレコ発ライブ「私と線香花火しちゃいますか！」が7/27にeggmanにて行われますね。どんな日にしたいですか？

井上：もうどうしましょうね！井上苑子主催イベントというのが初めてなので今から緊張とワクワクが止まらないです。自分でイベントタイトルを決めたのも初めてだし、過去に対バンさせてもらったHEAD SPEAKERのみなさん、hiddyさん、そして先ほど話したMVに出てもらったVictoryのみささんとゆかりのあるアーティストさんをお呼びしてのイベントだし本当に楽しみです。どういう1日になるのか自分でも想像つかないですがお客さんと一緒に最高の日にしたいですね。

－その日はいつもの対バンライブより時間も長いですしね。

井上：今作の曲の中でまだライブでやったことない曲もありますし、今作を聴きこんでぜひ当日を迎えてくれたらすごく嬉しいですね。

－小学生の路上ライブから数えると数々のライブをやってきていると思いますが、苑子ちゃんにとってライブとはどんなものですか？

井上：ライブはすべてを忘れられて解放できる最高の場所ですね。普段すごく考え込んでしまうタイプで、ネガティブなところもあるんですけど、ライブではそういったことも一切考えず楽しめて、今後も続けていきたい私にとってかけがえのない物ですね。

－そんな苑子ちゃんにとって大切なライブという物と自身のレコ発が掛け合わさった7/27はとんでもない1日になりそうですね。

井上：ですよね！もう今から楽しみすぎます。

－井上苑子の今後の目標を教えてもらおうかなと思います。

井上：フェスに出たいというのが今の目標ですね。去年夏フェスに行かせてもらったんですけど、本当に圧倒されて、「フェスすげー！」「楽しいー！」ってずっと言ってたんですよ(笑)。フェスって音楽を楽しみたい人しかいない場所じゃないですか。その雰囲気が本当に大好きで。だから私が今度は演者側になってフェスに来てくれるお客さんを最高に楽しませたいなって思ってます。そこにたどり着くために自分の世界観をしっかり持って伝えていけるシンガーになりたいですね。小さいころから『表現者』になりたいという夢を持ち続けていて、今少しずつ自分の表現を世に出すことができているのでそれをもっと高めていきたいです。

－最後に読者の方々にメッセージをお願いします。

井上：今作「線香花火」は私と同世代の人たちは今感じている想い、そして年上の方々も過去に感じた甘酸っぱいような感情を思い出せるような1枚だと思いますし、グサグサ刺さると思うので、聴いてほしいです。そしてレコ発ライブも遊びに来てもらえると嬉しいです！高校生以下は学割もありますのでぜひ！！よろしくお願いします！

－今日はありがとうございました！これからもよろしくお願いします！