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ハナエ interview
- SPECIAL -

ハナエ interview

クラシックと最新鋭、甘さと毒味を音楽、ファッション共に貫くオリジナリティーで、稀代のJ-POPアイコンとなった「ハナエ」の最新事情がぎゅっと詰まったニューシングル『神様の神様 / おとといおいで』。 自身の観点で切り込む本作の内側をご紹介。

interviewer:鞘師 至

―今作も歌、ビジュアル共にクラシカルな日本のカルチャーを最先端の感覚で表現してる感じがハイセンスでかっこいいですが、「神様の神様」、「おとといおいで」、それぞれハナエさん的にはどんな仕上がりの曲ですか?

「神様の神様」…ひとりの女の子が恋をして強く美しくなっていく様子を、和ポップな歌とサウンドで表現した曲になっています。まるでからくり絵本のように色鮮やかに変わっていく、今にも走り出しそうな恋心をぎゅっと閉じこめました。
「おとといおいで」…”おやすみ”という言葉はどんな今日も安心して終わることができるような、どんな明日も安心して迎えられるような、不思議な魅力を持った言葉だと思っています。本当は毎晩大切な人に”おやすみ”を直接届けたいけれど、それが出来ない代わりにこの歌に託しました。

-今回の2曲、歌うに当たって意識してる事はありますか?

「神様の神様」…和のテイストを取り入れた楽曲なので、歌自体にも和のイメージを取り入れられるように心がけました。例えば”I’m just spinning around〜”のところは淡いピンクの桜吹雪が舞い散るようなイメージ、”とん とん とんからりんと届かない〜”のところは可愛らしい黄色や水色やオレンジの金平糖のようなイメージです。この曲がオープニングテーマになっているアニメ「神様はじめました◎」の登場キャラクターたちのことも思い浮かべながら歌いました。
「おとといおいで」…”明日は明日 わたしはわたしだ”という歌詞がキーポイントだと思っています。言葉遊びの面白い歌を歌うことが多い私にとって、ストレート過ぎて逆にトリッキーな歌詞です。この言葉を希望と捉えるか諦念と捉えるかは聴いてくださる方次第ですが、どちらにしても聴いてくださる方の心に優しく寄り添えるよう、想いを込めて歌いました。

-「神様の神様」は前作に引き続きアニメタイアップの楽曲。 アニメのファンの人達、これからハナエさんを知る人達にはどんな所にフォーカスして聴いて欲しい曲ですか?

「神様の神様」も「おとといおいで」もアニメ「神様はじめました◎」のために書き下ろされた曲になっています。もちろん曲だけでも素敵な作品になっておりますが、ぜひアニメと合わせて楽しんでいただきたいです。例えば主人公の奈々生ちゃんはアニメ「神様はじめました」では女子高生から神様になります。そして私が歌ったオープニングテーマの「神様はじめました」は”女の子はじめました”という歌詞からはじまり、”神様はじめました”という歌詞で終わるのです。アニメ第二期の「神様はじめました◎」で奈々生ちゃんは数々の試練を乗り越えて、神様の中の神様になっていくことでしょう。オープニング曲である私の新曲「神様の神様」では”神様わたしが あなたの神様みたいね”という歌詞があります。少々説明がややこしくなってしまいましたが、アニメとリンクした歌詞が私の楽曲にもちりばめられているので、そこにも注目していただけたらと思います。
そしてアニメから私の歌を知ってくださった方は、きっとアニメの主題歌以外の曲も気に入っていただけると思うのでアルバム「十戒クイズ」も聴いてほしいです。

-最近ハマってるアニメや映画があったら教えてください。

若い頃の加賀まりこさんが好きなので、よく「月曜日のユカ」や「乾いた花」や「美しさと哀しみと」を観返しています。私のメイクはこの頃の加賀まりこさんにかなり影響を受けています。くっきりとしたアイラインにふさふさのまつげ、触れたくなるようなふわふわの頬にぷっくりとした唇。どこをとっても完璧です。キュートで小生意気で賢くて強かな彼女の笑顔にくらくらしてしまいます。

-真部さんとのコラボはファンにも定着してますね。 彼との出会いによってハナエさんのセンスの中で、今現在のネオクラシックな感覚、インターナショナルに刺さる日本文化みたいな世界観がぐっと引き出されたと思いますが、メロディー、楽曲の構成、歌詞、音色のセレクト、ハナエさんにとっては今の”ハナエブランド”のどんな部分が気に入っていますか?

とにかく愛らしくて、それでいて中毒性があるところ。甘くて可愛くてキラキラしているのに、奥に潜んだ毒や影がスパイスになって、歌っている私もやみつきになってしまっています。そんな楽曲の魅力を引き出せるように、ヴィジュアル面やライブなどでのパフォーマンス面でも”愛と毒”はテーマとして常に自分の中にあります。
そして真部さんの書く、ロマンティックでどこか人を食ったような歌詞。絶妙な言い回しや韻の踏み方、様々なカルチャーへの愛を感じる引用などには新曲をいただく度にうっとりとため息をついたり、大笑いしたりしながら感動しています。こんな歌詞を書けるのは真部さんしかいません。

-A写や衣装では大人っぽい赤に差し色でライトイエロー、芯の強さみたいなものと甘さのバランスミックスが目を惹きます。 ハナエさんのファッションディレクションですか?

全体的なイメージは私がディレクションしました。今回のヴィジュアルのイメージは”誰にも買えない幻の花魁”です。遊郭の奥で煙草の煙をくゆらせているだけで、誰も手が届かない高嶺の花になってしまうような花魁。それをクリエイターの方々に伝えて、衣装やヘアメイクなどの具体的な部分は一緒に考えました。衣装の和服の衿の抜き具合や帯の結び方など、細かい部分にもこだわり抜くことが出来るチームで撮影が出来たのでとても楽しかったです。芯の強さと甘さ、というのは私のヴィジュアルにも楽曲にも共通している部分だと思うので、それを感じ取っていただくことが出来て嬉しいです。

-今お気に入りのファッションなどあれば教えて下さい。

私服ではガーリーにパンクを取り入れたファッションが好きです。もともと90年代のガーリーやロリータと70年代のパンクが大好きなので、それらをミックスさせたコーディネートをよくしています。例えば女の子らしいAラインのワンピースに、足下は厚底ブーツやゴツめのシルバーアクセサリーを合わせたり。私服でも愛と毒のミックスは常にテーマとして一貫しています。最近はナンシー・スパンゲンのファッションがとてもツボです。ナンシーを真似してヒョウ柄のコートを羽織ったり、レザーのミニスカートを履いたり、破れたタイツや網タイツを履いたりしています(余談ですが、偶然にも私はナンシーと同じ2月27日生まれ。ナンシーが死んだ年齢と同じ二十歳です)。

-これからチャレンジしたい別のエッセンスの楽曲やファッションってありますか?

よく意外だと言われるのですが、ヒップホップが好きなのでラップに挑戦したいです。特にNujabesのようにジャジーで綺麗なヒップホップは大好きで普段からよく聴くし、自分の声にも合うような気がしています。真部さんもヒップホップが好きでとても詳しいので、いろんなアーティストやヒップホップの成り立ちを教えてもらったりしています。ファッションは、ピンナップガールやバーレスクダンサーのように少しコケティッシュだったりフェティッシュだったりするテイストが気になっています。最近は衣装でよくガーターベルトやガーターリングを着けているのですが、それは最近の気分のあらわれです。

-今作を通してのメッセージを、ファンの皆さんへ一言お願いします。

「神様の神様」「おとといおいで」は現時点で間違いなく私の最高傑作です。今まで以上にポップで可愛くて中毒性のあるサウンドに、今までで一番の愛をぶち込んだ歌になっています。ぜひ聴いてください。この作品を通してたくさんの人に、たくさんの愛に出逢えることを楽しみにしています。そして願わくばあなたの愛に触れられますように。