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Broken my toybox interview
- SPECIAL -

Broken my toybox interview

堅実なライブ活動とSNSの反響で着々と知名度を上げ、ライブハウスシーンを超えて注目を集め始めたロックバンド、「ブロークン」ことBroken my toybox。ワンマンライブ即完、立て続けのデジタルリリースを経て、いよいよ11月にはeggmanで今年2回目の自主企画が決定した。この先へ向けて期待値が上がり続ける彼らに、バンドの現在地とこれからについて語ってもらった。

Interview&Text:渡邊直人

ー 1月のeggmanでの自主企画スリーマンが終わったあたりから、いろんなところで「ブロークンがやばい」といった声を聞くようになりました。何が起きたんでしょうか?

藤井 樹(Vo/Gt):その日が「My Fantasia」というミニアルバムのリリースパーティーだったんですが、歌詞が過激すぎてリリースできないという事態に見舞われて、まさかのリリース”するよ”パーティーになってしまって(笑)そんな状況ではあったんですが、この日の対バンのなきごととSHIFT CONTROLという第一線で活躍してるライブバンドたちにミニアルバムの曲をぶつけた時に、確かな手応えと、これからこれを背負って戦っていくんだという決意が固まった日でもありました。

高田 健太郎(Gt/Cho):そこから無事リリースできて、藤井が企画の日の動画を毎日コツコツSNSに上げてくれていたんですが、「メロディメーカー」という曲の動画で大きく反響をいただくタイミングがあって、そこで状況が変わってきましたね。すごく建設的な意味で、ライブハウスを知らない、それこそもう「スタジアムとかアリーナのライブしか行ったことない」ような方がたくさんライブに来てくれるようになって、バンドの中でも1つのターニングポイントになりました。

― そこで掴めたのは、しっかり積み重ねたものがあるからこそだと思います。そして7月に下北沢近松で開催したワンマンは即完したんですよね。

高田:そうなんです。でも「やったぜ!」というよりかは、「ようやくスタートラインに立てたかな」という感覚でした。このワンマンも、僕らが思ってる以上にSNSで反応をいただけたので、今やらなきゃやばいかもっていう焦燥感みたいなところから決めたイベントではあったんです。それをちゃんと馴染みのあるライブハウスでソールドできたことは本当に嬉しくて、改めてBroken my toyboxというバンドが再スタートした瞬間でした。

― 7月にリリースした「Tasty」は早くもバンドの代表曲になってきた感じがありますね。

藤井:ワンマン後の1発目のリリースとして「これからこういうバンドになっていきます」というよりは、「こういうこともできるバンドなんです」っていうのをこちら側から提示できる曲になったので、このタイミングで出せてよかったです。聴いてくださる方も「ブロークンってこういうことができるんだ」っていうのを、みんな1つ1つ噛みしめて味わってくれている感じがするんです。この曲を作ったことで自分たち自身も彩りのある音楽をやれることを知れて、とても大事な曲になりました。

― アレンジもびっくりするぐらい練り込まれてますね。

藤井:今までにないぐらいギミックを入れまくって、転調もさらっと4回ぐらいしてるんです(笑)自分たちが他と違うところ見せようって思った時に転調が思い浮かんだんですが、それを前面に出すのはカッコ悪いなって思ってしまう部分もあって(笑)いかに自然にさりげなく転調していくのかって部分はこだわりました。

郷間 直人(Ba/Cho):根幹はロックというところは大事にしつつですね。

高田:家の中でうずくまってずっと練習してたフレーズが、藤井が作るJ-POPの土台にたまたま乗ってるというか、自分たちで言うのもあれですけど絶妙のバランスだなと思います。

― MVも公開されていますが、今回も郷間くんが大活躍と伺いました。

郷間:今回も僕が編集と企画とか色々やったんですけど、1番好きなシーンで最後のサビの1番最後の藤井のカットがめちゃくちゃ綺麗に撮れていて、そこで撮影中に涙を流しました、、、

藤井:涙をこらえられなかったのか「ちょっとごめん」って言ってスタジオの外に消えていきましたね。僕と高田はしんみり天井を眺めていました(笑)

郷間:健太郎(高田)の宇宙人役もめっちゃ反響あったよね。

高田:僕と郷間は「幸福の全て」で登場させたパペットをつけて宇宙人役で登場したんですけど、サポートドラムのひろぽん(関口)が今回出れなかったので登場させようというところで、ひろぽん役(?)の犬も持って登場させました。

郷間:音源もひろぽんが叩いてくれてるから出さないとってね。

高田:あと主演の金井球さんが食べているご飯があるんですけど、全部メンバーが作ってるんです。ビストロブロークンとして、ケーキも藤井と一緒に作りました(笑)

― そして8月リリースとなった「桃源郷にようこそ」こちらは打って変わって世界観強めな楽曲ですが、反応いかがでしょうか?

高田:これがまためちゃくちゃ反応良くて。

藤井:サブスクのトップソングの1位に入ってたり、リストインしてたり、しっかり拡まっている印象です。

― バンドの現在地的な歌詞が印象的でした。

藤井:元々歌詞と原案は結構前からあったんですが、出し方によっては嫌われかねないような内容ではあったのでタイミングは考えていました。「音楽って楽しければいいじゃん」みたいな意見もあって、もちろんそれはあって然るべきなんですけど、それで終わらせられてしまうのは表現者として僕は困るなって思う部分があって。「My Fantasia」で改めて自分たちの軸を定義して新しく皆さんに見せることができた時に、この曲の語彙の強さや曲自体の力強さっていうものが、喧嘩を売ってるわけじゃなくてこういう信念なんだって、今ならいい意味で伝えられるんじゃないかと思って。改めて歌詞も書き直して完成した曲です。

― 「好きなってくれて まいどあり どうも」ここにグッときてしまった人も多いんじゃないかと思います。

郷間:(食い気味に)めちゃくちゃグッときました。(笑)

藤井:ここの歌詞こそ今だからこそ歌える歌詞なのかなと。多分昔の僕らが歌ったところで何の効果もなかったと思うんですよね。本当に、このタイミングで言葉にできてよかったです。

― そして10月リリースの「stitch」は久しぶりのスローバラードですね。

藤井:衣食住でいうところの「Tasty」が食で、「桃源郷にようこそ」はみなさんの中でどれに当たるかがわかるのはもうちょっと先の話なのかなと思うんですけど、、、そんな中で、この「stitch」は「衣」の曲ですね。それぞれの生活の中で何かに沿って関係を構築して、自分たちが心地のいい暮らしや生活をするために人と人は出会っていくんだよなっていうことをふと思って。その関係を構築する糸を縫ったり。たまには切れてしまったり。それでも1つの毛布のように温めあえる関係を築いていくのが自分たちの人生っていうものなのかなと、、、そんなことを思った時に書いた曲です。

― 「特別扱いされたくはない けれど 特別でいたくないわけじゃない」という始まりが印象的でした。藤井くんの歌詞はAメロ冒頭で人を惹きつける言葉選びが上手いなと。

藤井:曲の始まりの一言目っていうのはやっぱり大事にしなきゃいけないと思っていて、違和感みたいなものを与えないと、その先を聴いてくれないと思うんです。今回もメッセージに沿った違和感みたいなところを提示できたかなと思います。

― 他に制作でこだわった部分などありますか?

高田:「聴こえない音」っていうのをずっとこう意識していて。最近リリースしてる他の曲も含めてなんですけど、抜けたら寂しくなる音がたくさん入ってるんですよ。
けど、言われなきゃ本当にわからない音たちではあって、そこはこの楽曲のテーマと通ずる部分があるなと思いますね。

藤井:ここを切ったら全部切れるんじゃないか、みたいな部分がね。

高田:そうそう。で、ギターもその間を縫うように弾いてます。歌っているところでは歌を立てるようにアレンジをして、そこがなくなったところでギターが聴こえてくるようにアレンジは意識しました。

郷間:ベースは土台、土台、土台、とにかく土台、ですね(笑)バラードはリズム隊がしっかりしていればしているほど良くなるものだと思っているので。

藤井:あとは「糸」をかなり意識した曲だったので、弦楽器をしっかり入れようと思ってアレンジはこだわりました。タッチや音のニュアンスにもこだわって、第2のメロディーじゃないですけど、しっかり成り立つように入れられたかなと思います。あと「糸」にまつわる音をたくさん入れたんです。

高田:ギミックがたくさんある楽曲で、バラードとはいえエンターテイメントなので「この音ってもしかして、、、」みたいな瞬間結構あったりすると思うんで、皆さんもぜひ当ててみてくだい。

― そして11/4には自主企画「箱庭へようこそ〜香らない僕らとオンシジウム〜」が開催されます!対バンにicoを迎えてのツーマン!icoとはどんな関係性が?

高田:僕が元々サポートギターをやらせていただいていて、前々からブロークンとすごく相性がいいなと思っていたんです。やってる音楽、アレンジ、歌ってる内容も含め、その全てが親和性が高いと感じていて。なので、今回のツーマンをやることになったタイミングで、絶対にやらせてほしいって話をicoとブロークンにプレゼンしてこのツーマンは実現しました。

― 他にもこの日だけの特典があると伺いました。

高田:10月末にリリースする「stitch」のアンプラグドバージョンを来場者限定で配布しようと考えております。来なきゃもちろん聴けませんし、その後にばらまくとか絶対にしないので(笑)ぜひ手に入れてもらえたらと思います!

― この日来る皆さんや迷っている方にメッセージがあればお願いします!

藤井:先日eggmanに出演したSHINBAKU TOURファイナルの日に、この11月4日の宣伝をMCする予定が、本当に何を間違えたか口走ってしまった数字の羅列「2025、3、22」ってのがあったんですけど、そこで何があるのかはこのツーマンに来ればわかるし「行っときゃよかった!」って後悔するようなことになるかもしれないので、、、郷間が作ってくれたヒントがSNSにもばらまかれてるので、ぜひそちらを解読していただきつつ、答え合わせの意味も含めて足を運んでいただけたらなと。

高田:ようは11月4日に来てもらえれば全てがわかるということですね!

― 最後に読者のみなさんに一言お願いします!

郷間:出会ってくれて本当にありがとうございます、、、!

藤井:これからのブロークンを見逃さないでほしいですね。

高田:感謝でしかないし、還元していきます。

一同:これからもよろしくお願いします!