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CLIFF EDGE interview
- SPECIAL -

CLIFF EDGE interview

JUN(MC)、SHIN(MC)、DJ GEORGIAの3人で構成されたユニット、CLIFF EDGE。2008年5月のメジャーデビュー後、現在に至るまでの期間で人気も地位も欲しいままにして来た彼らが、初となるベスト・アルバム『THE BEST 〜You’re the only one~』をこのたび発表する。彼らにとって、この5年の間で培った経験やエピソードはきっと計り知れないものだったはず。そんな確信を胸に、早くも未来に目を向け始めている3人から思いの丈を聞いた。

interviewer:白原ケンイチ (Japanese Black Style)

–皆さんにとって、この5年間はどのような時間でしたか?

SHIN(以下S):メジャーデビューしてはっきり変わったのが、全国にCLIFF EDGEの名前が知れ渡って、各地にライブをしに行けるようになったこと。もちろん、クラブで培ってきたライブのスキルを全国規模で試すという名目付きでです。リリースもコンスタントにさせて頂いていたので、その分ライブにも新しい取り組みを盛り込めていたような気がしています。あっという間に過ぎたものの、プロのアーティストとして充実した5年間でした。

JUN(以下J):5年前は、まさか5年後にベスト盤を出しているとは思ってもみなかったので、一つの節目に立てたのは純粋に嬉しいです。反省するために全曲聴き直したんですけど、インディーズ初期の頃は今よりも黒いラップに挑んでいましたし、歌詞にしても自分をどう魅せていくかに重きを置いた内容から、人にメッセージを伝えるためのものへとこの5年で大きく変遷していて、本当に色んなアイデアをその都度ぶつけて来たんだなと。ただここから先は、アイデア重視で体当たりする作業だけでなく、それらを熟成させて、みんなにフレッシュな感覚が届くような楽曲を作っていきたいと思っています。ここからが本当の勝負どころですね。

DJ GEORGIA(以下G):インディーズ期の最初の方は、目の前に居るお客さんに音楽を届けたいという姿勢が強かったんですけど、メジャー期に入り、自分たちの手の届かないところまでCLIFF EDGEをサポートしてくださる人がどんどん増えたことで、今ではより多くの人に届けたい気持ちでいっぱいです。ようやくここ2年ぐらいの間でメンバーそれぞれの立ち位置が明確になり、責任感も強くなって来たような気がしています。僕ら自身、このCLIFF EDGEというユニットを通して大きく成長させてもらいました。

–今回収録されている新曲についてもお聞きします。まずは実質的なリードを担う「壊れるくらいにI Love You」から。

J:3つの新曲共通のテーマとして、ベスト盤リリースという節目に立った俺たちがまず何を重視したかというと、本当に色んな人に支えられてここまで来たという事実なんです。だから過去の作品を並べる一方で、今の自分たちはここにいるよという証も欲しかったし、今まで支えてくれた人たちに対して「これから俺たちはこっちに進むよ」というような方向指示も出したかったというか。この「壊れるくらいにI Love You」は永遠の愛を誓ったウェディング・ソングなんですけど、裏テーマとしてはファンのみんなにありがとうという気持ちを恋愛の形に借りて伝えさせてもらっていて。今まで多くのラブソングを書いてきましたが、この曲ではその頂上に君臨するようなCLIFF EDGEらしいラブソングを書かせてもらったつもりです。

–次に「この地球に生まれて・・・」。こちらもスケール感のある楽曲ですね。

S:個人的にこの曲は、メンバーに向けて歌っている部分もあって。俺はJUNとGEORGIAに本当に感謝しているんです。昔は音楽の成績が良くなくて、CLIFF EDGEとしてのキャリアを積む中でそれも徐々に改善されていくわけなんですけど、JUNとGEORGIAがいなかったら達成出来なかったことだとも思うんです。今回のベスト盤は自分にとって良い記念で、自信にも繋がったんですよね。だからたくさん喧嘩したことも含めて、この機会に彼らへの思いを自分なりに総括したかったというか。

–そしてボーナストラックに収録されている「ありがとう」ですが、こちらはカヴァーだそうで。

J:80年代に放送していた「キャプテン」というアニメのエンディング・テーマでした。僕らはリアルタイムで観ていなかったのですが、曲はずっと印象に残っていて、もともと自分の中で「アレンジをしてみたい」という遊び心があったんです。今回のベスト盤を作るにあたって、新曲の内の1曲でカヴァーを行うことが決まった際、真っ先に浮かんだのがこの曲でした。ボーナス・トラック扱いではありますが、ラストを綺麗に締めたくないという思いも込めて収録させてもらったので、このカヴァーを通して「クリフは今後もっと面白いことをやってくれるんじゃないか?」と期待してもらえたら嬉しいです。

–今回収録されている楽曲の中で、皆さんそれぞれが特に気に入っている楽曲を教えて下さい。

S:僕は「NO LIMIT 〜勇気をキミに〜」ですね。栗城史多さんというソロアルピニストの方がいて、登山する様を動画などでみんなとシェアしていらっしゃるんです。その動画にばったり出会ったことがきっかけで、メンバーと彼に向けた応援歌を勝手に数曲作って、そのとき彼が居たヒマラヤまでメールで送ってもらったんです。そしたら後日動画で「キングレコードさんからメールが来まして」とわざわざ報告してくれて(笑)。その後「僕が好きなのはこの曲です」と言って、送った曲から流してくれたのがこの曲だったんです。そこからブラッシュ・アップして作り上げた曲なんですけど、リリックを作るときに自分に対しても活を入れるような書き方を意識していたら本当にあっという間に出来たんですよ。今でも辛くなったときには必ず聴く一曲です。

J:僕はやっぱり、メジャー・デビュー盤に収録されている「LIV 〜大切なあなたへ〜」ですかね。もともとは親友の誕生日に曲を作ってあげようと思いインディーズの頃に作った曲で。それまでの俺は、自分のプレゼンテーションの一環として歌詞を書いていたんですけど、この曲で自分たちの作った曲が人に喜んでもらえるという現象に気付かされたんです。「そう言えば俺も色んな曲に励まされて来たし、俺もひょっとしたら人を元気づけられる音楽を作れるのかもしれない。辛いときは誰にでもあるし、僕たちが100%救うことは出来ないかもしれないけど、少しでも前向きな気持ちに変えてあげられることは出来るのではないか」という根底の考え方が、この曲をきっかけに出来るようになりました。

G:僕は「Endless Tears feat. 中村舞子」です。ベスト盤なので、今回シングル曲のほか、アルバムからのパイロット・ソングも多数収録しているんですよね。どの曲も間口を広くし、たくさんの人に聴いてもらいたいという気持ちから制作しているんですけど、この「Endless Tears」に関しては、JUN君が作家として一皮剥けたというか、これまでのCLIFF EDGEとは違うフィーチャリングスタイルを確立した曲だなと。それにスマッシュ・ヒットを記録出来たことは僕たちにとって大きいものだったし、実際にこの曲が追い風になって色んなことが上手く運んだりもしたので、特別な思い入れがあります。

–今年で32周年を迎えたeggmanに対する率直なイメージを聞かせて下さい。

J:昔は地元である横浜でライブをやる機会が多かったんですけど、その頃から都内の出演したいクラブのリストの中にeggmanの名前は必ず入っていました。かと言って、eggmanってクラブというイメージもあまりないし、現在のイメージとしてはむしろ、ダンスやバンドのイベントが活発化しているイメージが強いですよね。

S:横浜からいざ都内に出てみると、他のクラブのハードルが高い中、eggmanは俺の中ですごくポップで親しみやすいイメージがありました。だから俺らとの相性も良いのかなと当時から思っていて。色んなお客さんが居る中で歌えますしね。

–では最後に、今eggmanでライブをしている若手のアーティストに向かって、メッセージをお願い致します。

J:僕たちは、頑張るべき時代に体当たりで頑張ってきたつもりです。ステージに出てみんなの前で自分の曲を披露するということは、その人がインディーズであろうとメジャーであろうと何ら変わらないことだと思うので、責任感を持って精一杯頑張ってほしいと思います。

S:昔はどこのクラブにも名物人がいて、俺たちはそういったクラブに従事している人たちからアドバイスを聞いて成長出来た部分もありました。そういう意味でクラブやライブハウスは、客観的に自分たちを捉えられる場所でもあると思うんです。なので今eggmanでイベントを行っている人たちにとっては、店の人たちと絡みまくることが今後とても重要になってくるのでは(笑)?

G:クラブを卒業する、というカルチャーに僕は少し疑問を抱いているんですけど、僕にとってeggmanは、そういったものがほとんど根付いていない場所です。僕も昔はクラブを抜け出したいという気持ちがあったんですけど、時間が経って成長していくにつれて、実はその正解はクラブにあるのではないかと思い始めて。DJをしている分、今も昔もクラブにたくさん出入りしていく中、メジャー・シーンにはない発見がクラブにはたくさん落ちていると実際にこの目で何度も確認してきましたし、より良いものを見極められるeggmanさんのような場所は本当に貴重だと思います。皆さん、もっとeggmanに通いましょう!