―まずはお店の簡単な紹介をお願いします。
■高橋明生(以下T):オープンしたのは2011年の6月、場所は都営線「岩本町」駅、JR「神田」駅、日比谷線「秋葉原」駅からそれぞれ徒歩5分程の岩本町2丁目にあります。イベントのスタイルとしてはアコースティックメインのJ-POPやWorld Musicが多く、また音楽以外にも演劇や朗読のパフォーマンスもやっています。キャリア的にはベテランから若手まで、またその両者のコラボもあったりします。キャパがオールスタンディングで100人程、イス席で60席程のライブハウスです。
-Eggman tokyo eastがオープンするまでの経緯を教えてください。
■T:私自身の経歴に沿って言わせていただくと1984年〜2004年までエッグマン(shibuya eggman)でライブハウスのブッキングやレーベルでアーティストのCDリリースに携わっていました。その後2005年に秋葉原のライブハウスDRESS TOKYOのオープンに合わせてスタッフとして参加しました。その後DRESSが当初の岩本町3丁目から2008年に秋葉原の昭和通り口へ移転。その際にキャパが狭くなったのもあり、プロアーティストをお呼びする環境としてもっとふさわしい場所を、と思い別の物件を探していた流れで、自ら経営するライブハウスとしてのオープンを目指して準備を始め、shiubya eggmanにもフランチャイズとしてeggmanの名前を掲げさせていただく、eggman社長の西田さんに相談をして、ちょうどshibuya eggmanの30周年に当たる2011年を皮切りにオープンに至りました。
-立地的に秋葉原と神田、日本橋に囲まれ、アイドルファンや、アニメファン、外国人観光客からビジネスマンなど、様々な人々が行き交う場所ですが、この土地ならではの特色ある出演者やイベント等もありますか?
■T:土地柄という点で言えば、私の描いている岩本町のイメージとしては、お茶の水の楽器街や神田の古本屋街、馬喰町にある古いビルを改築して出来たギャラリーなどに続いて東東京の文化の一画を担える場所というのがあるので、そのコンセプトにちなんだ内容のイベントを行っています。音楽以外のイベントとしては演劇や朗読、お笑いなどの演者をミックスして開催している「オムニバスシアター」というイベントもあります。またWorld Musicにも力を入れたくて、アイリッシュ系音楽のライブ等もあります。この前はアイリッシュハープの奏者がゲームミュージックをきっかけに人気の出た女性アーティストとコラボしたり、色々とこの場を通してアーティストの方々には繋がってもらっています。後はやはり自分が前職DRESS TOKYO時代に携わっていた秋葉原のアイドルやアニソンの文化のイベントもありますね。
そのジャンルはやはり秋葉原の近隣ということで飛び込みの話も多いです。
-バンドのライブ中心に展開しているいわゆる通常のライブハウスと比べて、より幅広いジャンルのエンタテインメントをサポートしているんですね。
■T:このビルの1階が画廊だったり、周囲も静かな場所なんで苦情関係を懸念してオープン当初は音量の大きいロックバンドのイベントなどは自粛していたのもあり、今やっているような低音量でできるアコースティック、また音楽以外の催し物等にもフォーカスする傾向があったんですよ。でも実際は近隣の方々のご理解もあり、騒音の苦情、お客さんの並ぶ列などへの苦情が一切ないので恵まれた環境で経営できていると思います。それこそアニソン系のライブですと、店の外に人が並んでいるといっても、隣のオフィス街からスーツで来てビシッと並んでるお客さんが多かったりするので、周囲からのイメージも悪くないんでしょうね(笑)。
-エッグマンでブッキングに従事された約20年、ちょうどバンドブーム後音楽業界激動の時代のライブハウスを体感してきた高橋さんから見て、以前と比べると今のライブ現場で接するアーティストにはどんな違いを感じますか?
■T:それずっと考えているんだけど、極論大きくは変わっていないんじゃないかと思ってます。”今時の若い奴は”的な若者論っていつの時代もあるじゃないですか。確かに違いはいろいろあるけど、所詮人間だからマインドが大きく変わることはないんだな、と実感してます。変わったのはインターネットとかPCとか、そういった道具だけで、音楽へのアプローチの仕方が違うだけ。メロディーが天から降りて来るあの感覚っていうのは道具を使っても手に入る訳じゃないから、マシンがいくら進化しても、才能やセンスがあって努力も人一倍でプロでずっとやっていける人っていうのは昔も今も多くはないですよね。コミュニケーションの取り方とかももちろん私の世代とは違う人達もいますけど、今の子達も人間の根本は変わらないです。一所懸命がんばってると思いますよ。ただね、今の子は酒を飲まない(笑)。40代以上のミュージシャンによくぼやかれます。
-確かに(笑)。
■T:まあ、いつの時代も人の心を惹き付けるのは人間力ですよね、音楽力よりも。楽器のクオリティーやネットワーク環境が良くなっても人を感動させるのはいつでも人そのものだと思います。
-今、Eggman tokyo easetに出入りしているアーティストの方々との関わりの中で、この先に見ているライブハウスとしての展望はありますか?
■T:やっぱりここから出世したビッグアーティストっていうのをいずれ輩出したいなと思います。色々なアーティストにまずは出演してもらって、そこでライブを見て自分が関心を持ったアーティストは大きくなるまで何かしら手助けしたりしながら見続けていけたらと思います。最初はお客さん1人、2人っていうアーティストもいますけど、それでも切り捨ててしまうんじゃなくて、辛抱強く付き合っていってどこかで花開いてくれたら、という願いがありますね。今も数組、そういうアーティストがいるので長い目で見ていきたいと思っています。
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