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Hermann H. & The Pacemakers
- SPECIAL -

Hermann H.  &  The Pacemakers

昨年、待望の再結成を果たした後、
今年には平床政治の再加入も発表となった彼らからベスト盤リリースのNEWSが!
待ちに待った再始動への経緯についてインタビューを敢行しました。

interviewer:志賀正二郎

— 早速ですが、昨年2012年の6月30日に再結成が発表されまして、今年の1月にはいよいよ平床君の再加入のNEWSが流れたわけですが、再結成前にLIQUIDROOMで一夜限りの再結成ライブが行われましたよね?まずそこはどういったいきさつで?

若井悠樹(以下、W):あれは、、、なんとなく、付き合いが結構深くなってきていた時期で・・・

岡本洋平(以下、岡本):そう、活動休止して数年は、本当に全然会っていない時期もあったんですよ。でも、自然と普通に飲み食い行ったり会ったりするようにはなっていて。あれ、発端は俺だよね?

W:たぶんそうだったと思う。

岡本:休止してからしばらくは、ヘルマンの曲を一切聴いてなかったんですよね。休止後、別のプロデュースものの仕事とかをやっていたりで、いろんなミュージシャンたちと一緒に仕事する機会とかが増えたんだけど、いろんなところで「へルマン最高じゃん」ってみんな言ってくれるもんで。「いや、昔話だよー。」って最初は思ってたんだけど、本当にリスペクトしてくれてるんだな。っていうのを感じたんです。それで、そこまでみんなが言ってくれてるなら聴いてみよう。という気持ちになって、久しぶりに聴いてみたんですよ。そしたら、あ、俺らがやっていたことはもしかするとかっこいい音楽だったのかな?って思えた。そこを再認識して、最初のインディーズのものから、全部自分で聴き直してみて、あぁ、やりたいことをやりたいようにやっていたバンドだったんだな、って思えるようになって。
もう7年以上経ってたのもあるから、もう一回だけ自分らが昔から作ってきた音楽を世の中に問うてみたいというか、そういうタイミングだとしたら、今しかないだろうと。これからまたやらないで、時間が過ぎてしまうと本当に活動休止って言ったまま終わっちゃうんじゃないか、と思ったんです。同窓会じゃないけれども、もう一回だけ、一夜限りでもいいから、やろうよって。ウルフ(若井)とかに声をかけたんだよね。

―あのときはオリジナルメンバー3人での再結成でしたよね。

W:(平床)政治は、その頃は疎遠でほとんど連絡もとってなかったんですよ。彼は正式には別のバンドをやっていたというのもあるし、他のメンバーも音楽から離れてしまっている状況もあったから、とりあえずオリジナルメンバーの3人で話し合って、やるかやらないか決めようぜ、っていう。

岡本:最初は2人とも「えっやるの?」って感じだったよね(笑)。

W:いやぁ、そうだったかもしれないね(笑)。覚えてないなぁ(笑)。
実はね、それよりも1年ぐらい前に、僕から話をしていたんですよ。そろそろどうかな、と。でもそのときはそういうタイミングじゃなくて、また機会があったらやろうぜって話が流れたんだけど、その経緯があるから、今度岡本の方から言われたときに、僕としては、まぁ一回「え?」ってなったよね(笑)。でも、今考えると、タイミングとしてはこれで凄く良かったかな。って思ったなぁ。

―再結成ライブはいきなり発表して即SOLD OUTしていて、待ち望まれていた熱さを凄く感じました。あのときはまだ平床君は戻ってきていなかったじゃないですか。どういう風にその状況を見ていましたか?

平床政治(以下、平床):あれはね、実はね誘ってもらってたんですよ。声はかけてもらって、やって欲しいって言ってもらっていて。

岡本:そう。俺的には本当に一夜限りで、それでヘルマン終わっちゃうかもしれないっていう気持ちだったから、ファンに対しても、何があっても一番良い形を出したくて、政治には弾いて欲しいっていう思いがありました。だけど断られたっていう(笑)。

―それはなぜですか?聞いて良いのかな(笑)?

平床:僕は、活動休止にいたるより少し前に、一度抜けているんです。それで、僕がいなくなってからのヘルマンの活動がそこにはあったんですよね。当然にね。活動休止してからは、プライベートでも全く交流がなかったのに、いきなりひょこっと戻るっていうのはちょっと違和感を感じてしまったんですよね。フルオリジナルの1人も欠けない状態でということなら分かるんだけど、っていう話し合いがありました。

―なるほど。では、そこからどうやって折合いというか、再加入の流れになったんですか?

平床:ほんとにこれまで疎遠だったから。岡本にもう一回やろうぜ、っていわれたのが、何年ぶりの連絡だっけ?っていう状況でした。
音楽だけで繋がってた間柄じゃなかったから、いきなりそこから再接近、っていうスタートの切り方が難しかったのかもしれないですね。一夜限りのときに、実は結局1曲だけ一緒にやらしてもらっていて、あの一夜がきっかけとなって、何年も疎遠になってたのが、本当に食事行ったり、あれだね、夏にBBQもやったよね。

W:その後ぐらいからちょくちょく呑みに行く様な機会が増えはじめて。

岡本:やったね!BBQ(笑)。

W:そうそう。早くこいつメンバーになんねぇかな、って。どう丸め込んでやろうかな、って思いながら呑みに行ってた(笑)。

平床:ちょくちょく3人で連れ出されて、こいつらなんかおかしいぞ、と。完全に怪しいから(笑)。
そういう怪しい呑みを重ねているうちに、古い感覚が徐々に戻ってきた。元々バンドをやる前から、あれだけの濃い時間を共に過ごしてきた、普通に仲良かった仲間だから。
岡本:そのころ俺のなかでは、ヘルマンをまたやろうって思ってた時期で。新しい曲を作らなきゃ、と思ってデモを作り溜めていて。政治が戻ってくるって決まる前の話なんだけど、詞を書くやつは彼しかいないと思っていて、自分で歌詞は作らず曲だけのデモを録っていたんです。それをうちでBBQやったときに聴いてもらったら、政治が「あぁ、これだったらイメージできる。」って言ってくれて。

平床:熱い気持ちとかは、もちろんあったんですけど。時間の流れも経て、大人になった部分もあって。もう岡本とウルフの中で、どうするかっていうへルマンの復活後の青写真が出来上がってたんですよね。だからお前も一緒にやってくれっていうノリなんですよ。まぁ、実際に「やってくれ」とは言わないんですけどね。そこは回りくどいんで(笑)。で、聴かせてもらったら、これはいけんじゃねぇかな、と。それで出来る限りやってみるから、って音をもらって自分なりにヘルマンの世界感を思い出しながらギアーを前に戻していったら、上手くハマって「あ、これいけるな。」ってそこで思えたんです。

岡本:曲を作る時から、こいつの書いてくる詞の語感とか、言葉尻のノリとか、全部思い出しながら、そこまで考えてメロディーを作っていたから。詞をもらったときは、「あぁやっぱりね。」という。

―今回ベスト盤ということで、昔を振り返って思うこともあったと思うんですが、曲作りに関してはもともとはどんな作り方をしてたんですか。

岡本:元々は、学校の倉庫みたいなとこで適当にぐちゃぐちゃやってただけで。

平床:好き放題やってた。カッコいいんじゃない?っていう変な自信があるだけでしたね。

岡本:当時は、かっこいい音楽作りたい!とかそういうのよりは、こいつらと一緒にいたい、ブラブラしてるぐらいだったらなんかやろうよ、なんかこれカッコ良くねぇ?っていうノリだけで作ってたから。こういう音をやりたいとかはなかった。
てかそもそも、バンドやろうって言い出したのウルフだからね(笑)。当時楽器もやってなかったのに、バンドやろう!ってなって、いざみんなで集まってパートをはめていったら、自分のパート無くなっちゃって(笑)。

W:まぁ、でも結成から16年?かけて良いポジション作りましたよ、僕(笑)。

―そんなウルフさんは、過去の曲を振り返って聴いてみてどう思いますか?

W:いやぁ、ほんとご苦労様、って思ってます(笑)。よく出来た二人だなぁと(笑)。良いバンドサウンドだな、と思いますよ(笑)。

岡本:なんだおまえ、それ(笑)。

平床:本当気の利いたこと言えないんだから(笑)。

―いや、ほんとは今日、実は岡本君と平床君の二人で来るはずだったんですよね。急遽の飛び入り参加ということで(笑)。

平床:いや、でも彼は凄いですよ。この歳にして最近やっとウルフの凄さに気づいたっていうか(笑)。

岡本:ミュージシャンって、楽器やりたいとか、唄いたいとか、そういうモチベーションでスタートしてるんだけど、この人それが無いので。

平床:でも誰よりも早くスタジオ来るし、だれよりもコンソール離れないし。

岡本:そう。だけど、リハではビール飲んで座ってるだけ、っていうね(笑)。

―リハでは、旗振ったりパフォーマンスの練習はしないんですか?

W:いや、ご苦労様、って思いながらビール飲んで座ってるだけ(笑)。

―岡本さんはどうですか、過去の曲を振り返って。

岡本:自分で作っていたものなので、あんまり深く考えたことはないですけれど、制約もなく、ただ自分思うがままに作ってただけで、そこに政治が思うがままに詞をのせていた、っていう、それは一つのロックンロールなんですけど。自分のものだから、良い悪いはわからない。でも、本当にやりたいことやってきた。っていうのが凄く良く分かりますね。いろいろ音楽聴いてると、やりたいことやってないな、やらされてるな、っていう奴らもいるし。
よくわかんないけど頭下げてやってんな、っていうやつもいる中で、僕らにはそういうものが一切ない。ゴミか宝かは分からないけど、そういう音楽をやってきたんだなと。それで良いんだなと。感じることができましたね。

―新たに曲作りも再開されたということで、今回のベスト盤にも新曲が1曲入っていますよね?

岡本:いくつかデモがあって、で、もともと新曲を入れるか入れないか、っていう話もあって。でも入れようよ、って話になりました。それこそ”ザ・ヘルマン”っていうような曲もあったんだけど、それはちょっと今後にとっておこうかな、ってね(笑)。

平床:そもそもね、ベスト盤に1曲だけ新しい曲を入れて出す、っていう姿勢がまず好きじゃない。っていう、そこがあったんですよ。どうも一リスナーとして、疑問を感じてしまって、やっていいのか?ヘルマンでそのやり方でいいんだろうか?っていう思いも始めはあったりして。いろいろ話していくうちに入れる事にしました。
岡本:だから、半分冗談というか。そういう経緯もあったんだけど、政治が戻ってきて、バンドのノリの再確認という意味もあったりする曲です。良い準備運動ができたな、というところもあるんだよね。

―なるほど!では、今後も新譜の予定などが出てきそうということですね。

岡本:そうだね。まだ時期とか出し方とかは、全然決まっていないから「いつ出します!お楽しみに!」と言えないけど、「新作を出したい!」っていう気持ちはあって曲も作り始めています。とりあえず、LIVEをガンガンやっていきたいですね。