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LAID BACK OCEAN interview
- SPECIAL -

LAID BACK OCEAN interview

結成から8年、苦楽あり直進ばかりでない航路をとりながらもバンドの意思の部分は大切に曲げずに自分達のブランドを貫き通してきたLAID BACK OCEAN、この度遂に初となるフルアルバムをリリースする事となり、フルボリューム15曲収録の音源を全編通して聴いたが、持前のロックスピリットと美意識の高い楽曲の絶妙なバランスに加えて、本作はひとしお制作の軸を担うYAFUMI(Vo)の想いやアイディアの情報量が凄まじく、楽曲を構成するそれぞれの細胞の生命力を感じる躍動感高い作品になっている。 “音楽は時間芸術” とはよく言ったものだが、”1度たりとも全く同じ演奏は繰り返されない” というアナログの瞬間性を謳った本来の意味とは別にもうひとつ、時間をかけて重ねていく芸術、という意味合いを提示したい。 このバンドが音楽に落とし込む熱量は、時間を使って培った経験とスキル、想いを曲に重ねていく作業から発せられるものだ。 重ねる事で初めて生まれる芸術、これを時間芸術ということばに当てはめるのであれば、LAID BACK OCEANの新作には正にこのことばがふさわしい。 それは空気の揺れを鼓膜が捉えた音、という単純なものではなく、ひとが背負ってきた人生からくる人間性が溶け込んだ、至極物語性のあるもの。 音楽を聴いているようで、その人間を感じ取っている作業に近い。 言語と音がクロスして生まれるバンドミュージックにロマンがあるのは、こういうメンバーの歴史を一緒に感じ取っていける物語性があるからで、人間性の豊かさ、愛おしさ、憧れなどを共有できるツールとしてバンドミュージックがあり続けるのは、僕らにとってとても尊い事だ。 初のフルアルバムを『NEW MOON』、新月と名付け、これまでの光の動きとこれからの光の動きの間に存在する一瞬の闇の時間をコンセプトとした本作は、これまでの彼等の歯がゆい足踏みもここからの躍動に変換させる力強さを音から直接感じられる、バイタリティーの高い作品。 まごうことなき音楽への情熱が圧倒的情報量で詰まっていて、聴いたひとをアゲていくエナジーチャージ的な効力がある。 今の時代に静かに殺される前に、ひとと共鳴して世代で繋がって生きる意欲を掻き立ててくれる音楽以上の存在だと、僕は捉えている。

Interview & Text : 鞘師 至

時間芸術、”新月”。

— 遂にフルアルバムですね。 前作のRE:SOUZOUシリーズでは結構な回数でリリースが続いて、合計曲数で言えば、それこそあのタイミングでフルアルバムも出せたんじゃないかな、と思ったんですが。

■ YAFUMI ( Vo 以下 “Y” ) : あのタイミングはメジャーデビューをお客さんに発表し、それがなくなり、さてここからどう活動していこうかっていう時だったんですよね。 曲はあったんでそこでアルバムを出すことも出来たんですけどね、メンバーとも話し合ってく中で、デビューを含めた組み立ての一環としてのリリースを、そのままあの状況の上にスライドさせて押し通す事には違和感があって。 俺たちって何がやりたいんだ? ここで何をやるべきなんだ? っていうのをチームで考えて出した答えがあのやり方だったんですよ。 

— 合計30曲弱、RE:SOUZOU。 RE:想像でもあるけれど、再創造って事でもありますよね。 これってこのシリーズを始めた時には全曲揃ってたんですか?

■ Y: 全曲揃ってはなかったですね。 CDにパッケージングして目に見える作品として出すにあたって、それぞれのリリースがどういう魅せ方でくくっていけるのか、っていうのを考えながらやっていったんで、その都度イメージの中で成立する曲を、出来上がってる曲から選んだり、新たに作ったりしながら収録していきました。 2016年〜2017年、もうそんなに前か…

— そこから今作で15曲、この3年間の速度感ハンパないですね… 今もやる事多すぎてスケジュールがパンクしてるって聞きました(笑)

■ Y: 確かにここのところずっと予定詰め込みすぎてハンパなかったですね(笑) ただその前までがいろいろ状況があって思うようにアウトプットできてなかったんで、その反動なんですよ。 やっぱりミュージシャンとして作品を発表していく欲、っていうのがすごくあって。

— そういう背景があって滲み出るバンドの魅力みたいなものを、eggmanで見てたライブとか、耳に入ってくる活動の情報とかから長らく感じてました。 バンド活動全体を通した、輝かしさだけじゃない耐え忍ぶ背中の美徳みたいな。 最高の状況でなくてもその時やるべき事を寡黙にやり続ける、静かにメラメラ燃えてる感じっていうか。 

■ Y: 実際足踏みもしたし、ようやく今回フルアルバムを出せて、こっからですね、間違いなく。

— 本作タイトル『NEW MOON』(新月)、これはそういう思いから?

■ Y: そうですね、“新月”、周期の新しい始まりを意味していて、ただ月とは言っても新月の空にはまだ月はなくて真っ暗なんですよ。 この時間の流れと変化と幕開けと、それでもそこに何があるかはまだ見えない状況を表すワードは、なんか今の自分と重なるんですよね。 さて、ここからどうなるんだ?っていう。

— 声に関しては、全編通して突き抜ける感じというか、喉の機能を無理な負荷なく100%使ってる感じの音に聞こえてスカッとしたんですが、今日お会いする直前もボイストレーニング中だったとか。 これまでボーカリストとしては十分に経験を積んできてますけど、今もずっと鍛錬し続けてるんですか?

■ Y: 鍛錬…してるっすね、ロックバンドなのに(笑) 気付いたらこんな生活になってましたね、毎日走ったり、ボイトレしたり。

 

— Jelly→時代は?

■ Y: その時からボイトレはやってました。 でも意味合いは変わってきましたね。 昔は行かされてたものが、今は走る事も含めていろんなものがバンドと連動してきてる感じがあって、意味合いを自分で感じながら自主的にやりがい感じてやれてます。 

— ボイストレーニングとランニング以外では、音楽活動以外の時間で普段どんな生活してるんですか?

■ Y: なんだろう…、猫を撫でながら本を読む。

— 穏やか〜ですね(笑)

■Y: よくタイムトラベル系の本を読みながら飼ってる猫を撫でてます(笑)

— 知的でYAFUMIさんらしいです(笑) でも前のバンドの事を踏まえるとLAID BACK OCEANの物語性のある知的な世界観って、どこで生まれていったものなのかな、って。 Jelly→は初期衝動的な突破力のバンドなイメージでした。

■ Y: 元々僕の中にはあった要素だと思います。 若い頃から本も読んでいたし。 それがJelly→の時にはパンクロックっていう概念の中での表現だったんで、そのフィルターを通ったものとしての音楽だったのは事実ですね。 ただ構成している要素は実はあんまり変わってないんですよ。 ピアノの帯域に合わせて歌の在り方を調整できるようになったりとか、そういうテクニックの部分や今のメンバーの感覚との掛け合いで生まれるものとかは今ならではですけどね。 

ロックバンドが美しくある為に何を捨てていくか。

— 楽曲面では、歌詞の物語が強くあって、その流れを具現化するような曲構成になってるフレーズがこのバンドらしさになってると思うんですが、これ、作曲過程としては曲は曲、って楽器隊のセンスだけで作っていくより時間も作業量も圧倒的にかかってますよね、きっと。 共同制作するKAZUKIさん(Gt)にはまず歌詞の世界観を伝えた上で楽器のフレーズに反映してもらうんですか?

■ Y: これはやり方毎回様々です。 ただ長くこの作業を一緒にやってきてるんで、どういうパターンでも阿吽の呼吸で成り立ってる歌詞と曲の絡みだとは思います。 こんな作業をKAZUKIとはもう10年以上続けてるわけですからね、お互い分かってる領域が多い。 これを言ったらこう返ってくる、っていう。 

— 大人になっても野郎同士で集まってチーム組んで一つの事を進めていってお互いやりがい感じてる、っていう事自体がバンドのかっこよさのひとつだなー、とそういう関係性を見ていて思いますね。 今作は特にメンバーも男で揃って、曲もアー写も男らしい。 

■ Y: 確かに今回は特にですけど、ロックバンドらしさっていう事に重きを置いてますね、それは男らしさも然り。 誇りなんですかね、自分たちで納得できるかっこいい存在である為に、っていう判断基準でやってる事は多々ありますね。 例えば俺たち全員、外からの受け仕事はしないんですよ。 楽曲提供とか、プロデュースとか。 あとはお金は全て5等分、とか。 ロックバンドを美しくする為に守ってる事です。 互いの姿勢の共有なのかな。 学生の頃のあの雰囲気、あのノリのままでいかにロックバンドをやれるか、って事にとても力を使ってます(笑) だから俺たち今までずっと、週2でスタジオに入ってるんですよ。 これはもうずっとそう。 半分ぐらいダベってるだけなんですけどね(笑) とにかく演奏しなくてもひとまず週2で会う、っていう。 そういう楽しさっていうのは今でも感じながらやってます。 

— 曲の事を幾つか聞かせてもらいたいんですが、まず「TOILET REVOLUTION」(M1)、これは…なんでトイレなんですか?(笑) 

■ Y: なんでなんでしょうね(笑) 「革命の日にトイレは汚れる」。 ファーストフルアルバムの1曲目の1行目が、これっていうのは大事だな、と思ってこのフレーズを持ってきました。 タイトルはそこから広がってのものです。

— しかしこの歌詞の意味、たくさん考えたんですけど、やっぱり解読できませんでした(笑)

■ Y: そうですよね(笑)、圧倒的に大事な事が起こってる時っていうのは、同軸で全く別の事も起こってるんだ、って事なんですよ。 そこにあるものもないものも。 

— なんだかこういう哲学的だったり抽象的だったりする思想の中にいきなり現実的なワードが入ってくる場面が多々ありますよね。 この曲の”トイレ”とか、「YSC」(M8)の”100円SHOP”とか。

■ Y: ありがちですね(笑)

— 今回の楽曲を聴いてやっぱり音楽は軸を曲げない事と、軸以外をどれだけ豊かに捉えるか、これに尽きると改めて思ったんですが、YAFUMIさんはオリジナリティー、これをどう考えます? 

■Y: うん、ロックバンドは新しい概念を打ち込めなければ、存在する意味がない。 これは絶対的に。 他がやった事をやっていても、自分が満足した音楽ができないと思うんですよね。 そういう意味では自分にとって、自分達にとってどれだけ意味のあるもの、価値のあるものを作れるか、これはファーストフルアルバムを作るにあたって、本当に考えました。 やっぱり結果を出さないと残っていけないし。 どれだけ自問自答したか(笑)

— ただでさえ人より自問自答しそうですしね(笑)

■Y: ね(笑)、そうなんですよ、猫撫でながらずっと考えてましたよ(笑) やっぱり自分で納得する音楽作って、俺たち最高だって思えないと、続けられないですよね。 だから結果的にずっと悩むし、答えは出ないし… それでも答えを出して行きたくて最後は “好きにやろう” ってところに落ち着くんですよ。 今回のフルアルバムはそういう一周した思いでまとめていったかな。 マジョリティー(多数派)に届ける義務も意欲ももちろんあるんですけど、俺たちがやってるのはもう少し掘り下げて言えば、俺たちが思ってるより意外と大勢いるマイノリティー(少数派)に届けていきたいような音楽だな、って自分では分析してます。 70年代、80年代、90年代、2000年代って真剣に音楽聴いてきて、今でも部屋に3000枚くらいCDがあってすげー場所取ってて(笑) 特に70年代からのパンクムーブメント以降を一所懸命聴いてきて、その時の気持ちとか培った感覚とかを自分の音楽に昇華していってるんだな、と考えるとずっと音楽をやってますからね。 単純に音楽が好きなんだと思います。

オルタナティブな目線。

— 曲の事をもう少し。 「LONLEY NATION」(M2)にある “弱さ見せる強さがあったなら” というフレーズ、これ本当にそう思うんですけど、YAFUMIさんはどんな時にこれを思いますか?

■ Y: “やさしい” ってどういう事だ?っていうのを、もうライフワークのようにずっと長年考え続けてるんですよ。 その時々によって答えは変わってくんですけど、圧倒的にコミュニケーション能力だけが高くて、気を使えたりして、それをやさしさだと見せる事もできるじゃないですか? でも俺の中ではなにかそうでない答えがあるんですよね。 もうちょっと核心に触れる想い、というか。 そういう事に対するアンチテーゼっていう側面なのかな、弱さを見せる事っていうのと、やさしさっていうのは重なってイコールになる部分が少なからずあると思うんですよね。 そんな事をずっと考えてます。

— …難しいですね。

■Y: これちゃんと話し始めると5〜6時間かかるんで、掘るのはまた今度にしましょうか(笑)

 

— はい!(笑) でも日々考えてるって事ですね。 このアルバムを通して聴いて、例えばこの曲のこの “弱さ見せる事” の歌詞だとか、色々刺さってくるサウンドと言葉のひとつひとつを受け取ってると、やっぱり音楽は若いものより熟練したものの方が圧倒的に豊かだな、と思いました。 音楽的にも自分達の前例の上に書き足した音楽を作れて、細部への感覚研ぎ澄まされた状態で作曲できるようになっていく訳だし、ことばも日々考えてる疑問とか迷いとか、それを解釈し切れて導き出した答えとか、これこそ時間をかけて情熱を持って頭で日々ぐるぐるさせてないと出てこないものですからね。

 

■ Y: そうですね、逆に最近は “若気の至り” っていう事の本質も掴んできてるかもしれないです。 若くないと至れない初期衝動みたいなものの良さもあるよな、って。 ただただバランスが良くなり全方向に気持ち良く成立させた音楽をやってるバンドも存在するから、そうなる位だったら、若気で至ってるほうがロックだ、というのもまた間違いない答えだな、と。 今はそういう若気のロックな部分、熟練ならではの統制力、両方を昔よりもしっかりと解釈した状態でやれてる、っていうのはあるかもしれませんね。 このアルバムでもそれは然り。

— 「Million」(M3)は横浜マラソンのPR映像挿入歌ですが、これは横浜マラソン用に書き下ろしたものですか?

■ Y: 曲の原型があったものを、このお話を頂いてから歌詞を書き直して作った曲です。 俺の場合、お題が決まると作曲が早いタチなんで、この曲もスムーズにできました。 

— バンドの持ってるコンセプト以外のものが入ってくると難しそうですけど、そういう事でもないんですね。

■Y: そうなんですよ、「Way Of Life」(M9)(東海学園大学2018 CMソング )もそうですけど、行き詰まったりせず、すごく楽しみながら作れました。 

—「Way Of Life」は、ベートーベンの「悲愴」がモチーフですか?

■ Y: そうです。この曲は元々自分が出演した舞台に提供した曲なのですが、脚本家から「クラシックの曲をモチーフとして、そこから展開していって欲しい」っていう提案があって、こういう仕上がりになりました。 俺はクラシックが元々バックグラウンドにある訳ではないんですけど、LAID BACK OCEANになってピアノが入ってからは聴くようになって、過去曲でも「童貞WONERLAND」という曲でベートーベンの「熱情」という曲モチーフで作ったり。 時々やってますね、クラシックシリーズ。 

—「運命ルーレット」(M13)でも後半にそれこそがっつりベートーベンのアンセム「運命」のフレーズ入ってますね。

■ Y: そう、なんかベートーベン特集なんですよ最近(笑) 無意識なんですけどね。 でもSYUTO(Pf.)が言ってたな、クラシックって人の波動と共鳴するものらしいんですよ。 ベートーベンが今回俺の中に聞こえてきたのは何か意味がある気がする、って言ってました。 初期はショパンがよくモチーフになってたんですよ、それもなんとなく気分で決めてて。 そういう意味でいうと自分の音楽的な観点とか、人生観とかが変わってきてる事を象徴してるのかもしれないですね。 

— この曲は歌詞が後半で「——- 運命変更線 ——-」という綴りで切り取り線みたいにそこを界に上下隔てられてますよね。 こういう、ものを一味違った角度から捉えた表現ってYAFUMIさん独特のセンスだなぁ、と。

■ Y: なんか、そういう事しちゃうんですよね、癖なのかな。 

— その何かストレートでは終わらせないこだわり、という点では「YSC」(M8)の歌声も最初びっくりしました。 違う人の声かな?くらいウィスパーボイスでハイトーン(笑)

■ Y: エロい声を出したいな、ってふと思ったんですよ。 声の震え方で空間を支配する、っていう事にとても今興味があって、声の振動とちょっとしたテンポ間の違いとか、息遣いの間とかで人を魅了する事。 これを今自分なりの歌にしたくて挑戦してるんですよ。 この曲はその実例。 

連続性。

— そういうひとつひとつの音とか歌詞とかに狙いがあったり、想いがあったり、情報量がハンパないですね、このアルバムは。 駆け出しのバンドには出せない想いの深さとか、アレンジの発想とか、テクニック、その全部のレパートリーも多いし、すごく多面的なアプローチを曲ごとにしている感じがすごいな、と。 

■ Y: 8年やってようやくフルアルバムですけど、時間をかけたからこそ成し得てる部分っていうのは確実にありますからね。 よく「成功者は皆歩くのが早い」っていいますけど、確かに到達するのが早ければ到達回数は増えてもちろん成功に繋がっていくと思うんですけど、でも俺の音楽はそれだけでは嫌なんですよね。 

— その時間をかけてやってきたバンドのストーリーが音楽に染み込んでる感じ、聴いていてそれが一番素敵だし美しいな、と思いました。

■Y: そう願って作ったから、美しく映ってたらいいな。 なんで俺は音楽やってるんだろう? ってすごく考えますけど、俺がこれまでどういう選択をしてきたか、それを経て今どういう立ち位置にいるのか、っていうところに嘘がない音楽でないと自分で信用できないんですよね。 だからそれを保つ為にいつもとても労力と時間を使ってます、本当にとても(笑) メンバーが抜けた時、両足を骨折した時、色んな場面で社会との接点、距離感を考えたし、自分で会社立ち上げたり、本当に色々ありましたけど、都度自分のやってきた選択といまやってる事に対しては、自分の正義から逸れないように、それに最もこだわって生きてきたんだと思います。 俺、自由ってポツンと空間に浮いてるものじゃないと思うんですよ、社会との接点をギリギリで調整している人が一瞬掴む事のできるものだと思ってて。 それを得る為にずっとがんばってる気がするなぁ、俺の音楽人生(笑)  そしてこういう性格の俺って、ロックバンドをやるのに向いてる奴なんじゃないか?って最近思ってきたんですよ。

— 最近ですか…これだけやってきて(笑)

■ Y: そうなんですよ(笑)、俺みたいな奴がロックをやるのって、良いんだろうなって最近思えてきて、それはなんだか凄く嬉しかったですね。 自分の理想と経歴が重なり始めた嬉しさ、みたいな。 前は俺じゃなくてもいいんじゃないか?って思ったりもしたんで、ここまでやってきたからこう思えてるのは今凄く財産になってます。 

— ちなみに2年後は10周年になりますけど、そこまでにどういう存在になっていたい、っていう見通しってあったりしますか?

■Y: うーん…、具体的な目標とかいうものじゃないんですけど、愛されたいですね今よりもっと。 質も量も含めて。 ただ、なんでもいい訳ではないんですけどね。 でもすごく愛されたいなぁ、このアルバムも本当に愛されたいし。 細かく感じ取ってもらえなくても全然良くて、なんか直感的に信じれる!みたな曖昧なものでも良いから、もっと愛されるようになっていきたいですね。