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miwa
- SPECIAL -

miwa

大学の卒業、そして自身初の日本武道館ワンマンの大成功というターニングポイントを迎えたmiwaからニューアルバムリリースという非常に嬉しいニュースが届いた。文句なしに最高傑作と言える今作Delightに込めた思い、彼女の音楽への情熱、苦悩、今後の展望を、本誌初の4ページぶち抜きでたっぷりと語っていただきました。

interviewer:井上秀隆

井上:まずジャケットがめちゃくちゃ良いよね。miwaちゃん的にはどう?

miwa:すごく気に入ってます。ちょっと新しい感じで。『ミラクル』も『Delight』のジャケットもすごく好きです!

井上:今、話に出たミラクル本当に良い曲よね。今のうちにみんなミラクル聴いておかないで大丈夫?って思ってるんだよね。

miwa:それ一緒に制作を行っているNaoki-Tさんも言ってた!

井上:だよね。最高の夏ソングだと思う。そんなミラクルも収録されている今作聴かせてもらったんだけど、間違いなく最高傑作でしょこれは。バランスが素晴らしいです。

miwa:ありがとうございます!全体のバランスはすごく気にしましたね。1枚を通して聴いた時に飽きないアルバムにしたかったので。

井上:飽きないですね。そんな今作の収録曲について1曲ずつ聞いていきたいと思います。まず表題曲でもあるDelightはヒカリへで見せた4つ打ちmiwaサウンド+UKサウンドですね。U2やコールドプレイなんかを意識した感じですか?

miwa:正にそうですね。ヒカリヘを受けてのその先の曲という位置づけですね。歌詞もそう。「ヒカリヘ」って言葉使ってるからね(笑)。去年の春くらいから大地を感じさせるような楽曲を作りたいなって思っていて、ようやく形にすることができました。

井上:じゃあこの曲が出来たのはmiwaちゃんにとっても大きかった?

miwa:かなり大きかったですね。アルバムの制作を始めたのが去年末なんですが、そこで最初に出来た曲がこのDelightです。この曲ができるまでは結構モヤモヤしていたんですが、やりたいことを全部詰め込んだし、大学卒業して音楽一本での生活になるということに対しての決意を歌詞に込めたので、Delightが完成してからはスッと歯車が動き始めて他の曲の制作も進んでいきました。

井上:持ってますね。miwaの代表曲とも言えるヒカリヘの後にこれが作れるのはすごいです。miwaバンドメンバーも絶賛してるもんね。

miwa:私自身が客観的に聴いても純粋に良い曲だなって思います(笑)。

miwa~一同爆笑~

miwa:女性シンガーソングライターでDelightのような感じの曲をやる方があまりいないので、こういった世界観を作れることができて嬉しいですね。

井上:先日の大阪城でのライブ初披露の時めちゃくちゃ緊張していたよね?

miwa:もうやばかった!!(笑)。キーも高いところから低いところまであるからすごく難しいし、初披露というプレッシャーと4月のアルバム制作が結構タイトだったのもあって声がかなり出にくくなっていたのですごく緊張しました。

井上:お客さん圧倒されてたもんね。なんか背筋がピンとなる曲だよ。

miwa:たしかにそうですね。

井上:そして2曲目のヒカリヘは今でこそmiwaちゃんを代表する曲になったと思いますが、この曲ってジワジワと認知されて今のポジションを確立した感じだよね。これに関してはどう?

miwa:ジワジワ過ぎますよね(笑)。でも一気にバーンっと売れるより聴いてくれている人が徐々に増えていく様子が見えてすごく実感できたので嬉しかったです。これも客観的に聴いて純粋に良い曲だと思います(笑)。

井上:Delightからヒカリヘの流れにやられるよね。ちなみにDelightをアルバムタイトルにした理由は?

miwa:喜びとか歓喜とかが和訳なんですけど、3月に大学卒業して音楽一本の生活になった時に私はどういうことをみんなに伝えていけるかなと改めて考えた時に、楽しさとか喜びの感情をファンの方々に与えたいなって思ったんです。ライブでもみんなで盛り上がっている瞬間が一番気持ちいいし、だからこのタイトルにして願いを込めました。

井上:今作の取材色々受けてるからか答えるのうまいね(笑)。

miwa:いやいや!!これは初めて言いましたよ!(笑)。でもたくさん取材受けたから今まで言ってないこと言わなきゃいけないと思って必死です(笑)。

井上:エッグマン独占で!(笑)。元々インタビューは2ページ予定だったんだけど、内容良かったら初の4ページぶち抜き特集にするから!!(笑)。

miwa:やった!頑張ります!!(笑)。

井上:3曲目の「321」は疾走感があってインパクトありますね。夏のイメージですか?

miwa:そうですね。あとはすごくライブを意識した曲ですね。アッパーでポップでみんなで盛り上がりたいなーと。1、2曲目が壮大な感じだからそのあとはシンプルに攻めようかなと思いまして。こういう曲があるとさらにその壮大さが引き立ちますしね。でもただのシンプルなアッパーチューンじゃなくしようというのは気を付けました。

井上:miwaちゃんって以心伝心というフレーズ好きだよね。

miwa:好きですね。

井上:その言葉を用いなくても随所に心の繋がりとかを現わしている気がします。特に8曲目の「My Best Friend」とか。

miwa:あの曲は18歳の時に書いた曲で、歌とギターはその時に録ったそのままを使ってるんですよ。

井上:本当!?全然気付かなかった!

miwa:この曲はある友達に向けて書いた曲なんだけど、まだ恥ずかしくて音楽をやっている事を周りに言えてなかった時期でようやくそれを打ち明けてこの曲をCDに焼いて渡したんですよ。その子武道館と下北沢ロフトでのライブに来て手紙をくれて、そこにCDを渡してくれたことをいまだに覚えてるし、この曲でなんども励まされたんだよって書いてあってすごく感動しました。そこで今の私と当時の私がリンクして、今の私が詰まったこのアルバムに当時の私のニュアンスが混ざったら面白いんじゃないかと思って収録することに決めたんです。この曲を入れたことで今作の意味合いがすごく強まったなと思います。

井上:やっぱmiwaちゃんの中で人との繋がりはテーマの一つなのかもね。

miwa:直接会えなくても強く思っていれば伝わるって信じてます。ヒカリへでも歌っていますが、思っていればそれは目に見えなくても伝わると思います。

井上:4曲目の「サヨナラ」は打って変って別れの曲ですね。この曲も今までのmiwaちゃんのイメージとは違う楽曲ですね。少しラップ調も入ったmiwaちゃん新鮮です。

miwa:ずっとこういった楽曲もやってみたかったんですよね。こういった雰囲気の曲をやるということに挑戦したかったんです。ただ、新しい挑戦だったので完成までにたくさん失敗しましたよ(笑)。それこそオケに置いていかれちゃったりとか(笑)。

井上:転調もすごく面白いよね。これは天才だなって思いました。

miwa:ありがとうございます(笑)。元々Aメロとして書いていた部分をサビにしたんですよ。それでAメロがなくなったからそこでラップ調のことをやりたいって提案したのが始まりです。

井上:新しいmiwaワールドの一つですね。またガラッと変わって5曲目の「Sparrow」はエレキサウンド全開のロックチューンですね。

miwa:この曲はギターソロを私が弾いてるんですよ。

井上:えっ!?miwaちゃんギターソロ弾けるの??

miwa:苦労しました(笑)。今もライブに向けてめっちゃ練習してます。先ほども話しましたが女性シンガーソングライターで普通やらないことをやりたいという思いが強いんですよ。

井上:こんなにエレキギター弾き鳴らす女性シンガーソングライターいないよね。

miwa:こんなシンガーいない!っていう存在になりたいんです。

井上:デビュー当初に比べてかなりエレキギターを好きになったよね。

miwa:好きになるように努力したし、こうやって練習することって絶対自分の為になるから。

井上:「LOUD!~憂鬱をぶっとばせ~」は良い意味でバカですよね(笑)。

miwa:本気でバカなことに挑戦してます(笑)。

井上:新しい事に挑戦してるけどmiwaらしさがそこにきっちり残ってるからすごいよ。miwaらしさと言えば韻を踏むというか言葉遊び的な歌詞も特徴の一つだよね。この曲はそれが特に表れているかも。

miwa:そういう表現がすごく好きなんですよね。全作品そういったニュアンスは少しずつでも入っているかもしれないですね。

井上:『進め』というフレーズが最後に残っているのも気になりました。意味有るんですか?

miwa:内緒です(笑)

井上:お次の6曲目は正当派バラードの「ホイッスル~君と過ごした日々~」。

miwa:ヒカリヘの次のシングルということだったのでプレッシャーが半端なかったのを覚えています。ヒカリヘで私を知った人たちはあの曲のイメージを強く持っているからこういったバラードが受け入れてもらえるかなとか。結構悩みましたけど、高校サッカーのお話しを頂いたのもあり、きっちり想いを伝えるために正統派なバラードでいきました。

井上:制作は大変でした?

miwa:この曲実は普通の小さなリハーサルスタジオで作ったんです。完全に初体験でした(笑)。お風呂でメロディが思い浮かんだのですが、アカペラの状態だったので、その後スタジオに入ってあーでもないこーでもないと言いながらパソコンに入れ込んでいって作ったんです。

井上:miwaちゃんがそんな場所で曲作りしたのは意外ですね。

miwa:名曲が生まれる為に必要なのは場所じゃないなってことですよね(笑)。こんなところじゃ作れないとか言い出したらただのいいわけですからね。

井上:名言出ました!!(笑)。

miwa:でもパソコンが止まりまくってイライラはしましたけど(笑)。

井上:せっかちだからね(笑)。

miwa:それはいつまで経っても治らないですね(笑)。

井上:そして次に続くのは個人的に超オススメの「ミラクル」が7曲目ですね。

miwa:この曲の本当の良さに気付いてる人がまだ少ないと思うんですよね。最初の印象は夏っぽさを前面に出した可愛らしいポップチューンという感じだと思うんですけど、実は随所にひねりを入れていて新境地とも言える作品なんです。

井上:僕はそれに気付きましたよ。ヒカリヘと一緒でここからきっとジワジワくるよ。この曲の良さには絶対みんな気付くはず。イントロから素晴らしいし、構成も面白いよね。

miwa:サンバのノリを取り入れたのが新しいですよね。なかなかこういう曲でサンバを入れることってほとんどないから。

井上:転調もすごく考えられていてこれは本当にただのポップチューンじゃないですよ。完成度めっちゃ高いです。歌詞も情景が浮かびやすくわかりやすくて良いしね。

miwa:嬉しいなー!歌詞はいつも悩むからそう言ってもらえるとすごく嬉しいです。

井上:みんな共感してると思うよ。

miwa:いちご味のかき氷売れるかな?(笑)。

井上:それはどうかなー?(笑)。

miwa:でもこのいちご味っていうのにはこだわりがあって。乙女心と言ったらいちごだなって思って。大人数で海に遊びに行ってて、その中に好きな人がいるっていう設定なんだけど、好きな人の前でブルーハワイ食べたら舌が青くなっちゃうからダメじゃん!(笑)みたいな。

井上:でもmiwaちゃんはブルーハワイ食べるタイプでしょ?

miwa:舌が青くなるのとかお構いなしです(笑)。

井上:やっぱりね(笑)。でもとにかくこの「ミラクル」は絶対良いからみなさんにも是非聴きこんで欲しいですね。8曲目はさきほど少しお話しを聞いた「My Best Friend」ですね。この曲聞いたらまず日焼けしてるお客さんが来なくなるよね(笑)。

miwa:いやいや、これは自分が日焼けするのが嫌っていうだけですからー!(笑)。

井上:ということはこれって実話を元にしたお話しってことだよね?

miwa:完全に実話ですね。体育祭のホームビデオに途中から君が映っていたよとかうちの親の天然ボケですから。私を追ってたはずなのに途中から別の子をずっと映してるの(笑)。私こっちなんだけど!!みたいな(笑)。

井上:それすごいね(笑)。次の曲もさっき話聞いたけど「LOUD!~憂鬱をぶっとばせ~」という痛快なギターロックチューン。

miwa:タッピングやっちゃう女性ソロシンガーmiwaに期待してほしいですね。ライブで披露しますから必見ですね!!

井上:miwaちゃんのタッピングは想像つかないなー。往年のギター特殊奏法だもんね。

miwa:逆に新しい的な感じです。しかもフライングVでね。私のファンの子たちがこれを聴いてmiwaちゃんみたいになりたい!ってこういうことをやり始めたら面白いなって思いますね。ギターフレーズも面白いのでそこに注目して聴いてほしいですね。

井上:そんな子達が増えたら本当ウケるわ〜アメリカ的になるね。

miwa:増えてほしいですね(笑)。

井上:10曲目の「Napa」もかなりの人気曲ですよね。

miwa:アルバムのこの位置で聴くとより良く感じますね。

井上:制作がかなりギリギリだったと聞きましたが。

miwa:本当にギリギリだったんだよね。ドラマ放送当日の深夜に完成したんじゃなかったかな。

井上:ギリギリすぎるね(笑)。この曲はドラマのイメージもすごく強いみたいだからライブでやるときお客さんがちょっとザワってなるよね。

miwa:ドラマの曲として私を知ってライブに来くてれたりってすごく嬉しいので励みになりますね。もっといろんな人に知ってもらいたいな。

井上:そんなmiwaをもっと知ってもらうためにうってつけの最高傑作アルバムの最後を飾るのが「ぬくもり」。これまた良い曲。miwaちゃんはアルバムの最後にかならず大事な曲を持ってくるね。

miwa:この曲仮タイトルは『お母さん』で母親に向けた曲だったんだけど、大学を卒業して社会人として自立した今、支えてくれる周りの方々の愛や温かさを改めてすごく感じていて、そのぬくもりを曲にして表現しました。大学時代の友達とかも今は頻繁には会えなくなっちゃったからそんな人たちにも届いてほしいなという願いも込めてます。

井上:メッセージ性が強く尚且つ前向きな歌詞に感動しましたよ。今のmiwaちゃんの心境をリアルに知る事ができた気がします。武道館公演を終えて、アルバムをリリースする今の心境はどうですか?

miwa:すごく前向きかな。デビュー前からの目標だった武道館公演というものと大学の卒業っていう大きい節目が終わって、これからは音楽1本でもっともっと頑張っていかなきゃいけないから。4月は制作とプロモーションで忙しくてちょっとめげそうになったけど(笑)。昔だったらめげていたかもしれないけど、デビューからの3年があったからちゃんと乗り切れました!

井上:自分自身がmiwaの看板だもんね。

miwa:そう!miwaの代わりはmiwaでしか補えないからね。

井上:プロ根性ついてきたね。

miwa:それも今までの3年があるからかな。やってきてよかったなって本当に思ってるし、私なりにやってきたことへの自信もありますし。

井上:自信と言えば歌い方にもそれが表れてきてるかなと思うな。歌い方がわかってきたというか、どんな環境でもmiwaらしさが出せるようになったかなと。

miwa:色々教えてくれる良い方々に出会ったのが大きくて、その出会いの中で自分自身のレベルがアップしたのかも。いろいろなイベントに出させてもらうようになって、環境に左右されないような出来を求めるようになったかな。その時の環境なんてチケットを買って見に来てくれているお客さんには関係ないですから。常に最善を尽くして最高と思ってもらえるmiwaを見せたいなと思ってます。

井上:素晴らしいです。そんなmiwaちゃんの今の目標は?

miwa:新しい音楽を取り入れてやっていきたいという気持ちは強いですね。もちろんスタンダードな物や正統派な物も作っていきますけど、2010年代の音楽を追求したい。その布石が今作に詰め込まれてるかなと思います。欲張りだけど外国のエンジニアさんでも音楽作ってみたいです。今作をステップアップにして2010年代のアーティストと言えばmiwaだよねって言われるようになりたいです。あとはファンの子たちの中でもギター始めましたとかバンド組みましたみたいな子たちも徐々に出てきていて、そんなmiwaを聴いていた子たちが聴かせる側に回って良い音楽を奏でていたらすごく嬉しいですね。

井上:miwaちゃんはコツコツとライブハウスから初めて武道館まで到達したわけだけど、そんな若い音楽層で今eggmanとかいろいろなライブハウスで夢を追っている若い子たちになにかアドバイスみたいなのあるかな?

miwa:うーん。eggmanはレベルが高いから既にeggmanに出れているなら頑張ったらいけると思います(笑)。私自身の話で言うと明確な目標を持って常にそれを目指して走りましたね。eggmanに出た最初の時からSHIBUYA-AXやって、渋谷公会堂やって、その次は武道館って言い続けてたから。

井上:それすごい覚えてるわ。その夢を目の前で叶えてくれて嬉しいね。

miwa:みなさんのおかげです。下北沢ロフトには武道館翌日に恩返しできたので次はeggmanに恩返ししなきゃですね(笑)。

井上:いつでも好きな時にeggman使ってください(笑)

miwa:それ実際この前話題になったんですよね。その時はeggmanで!

井上:これからも是非応援させてください。今日はありがとうございました!

miwa:こちらこそありがとうございました!これからも宜しくお願いします!