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moumoon interview
- SPECIAL -

moumoon interview

12/14に記念すべき10枚目のシングル『うたをうたおう』をリリースするmoumoonのお二人が
デビュー当初からライブを行ってきたeggmanのフリーペーパーに初登場!!!
シングルに込められた想いや制作秘話、ライブに対する向き合い方やeggmanでの思い出などたっぷりと語っていただきました。

interviewer:井上秀隆

井上:改めてインタビューというのも恥ずかしいですが、今回のシングルに込められた想いやメッセージ・コンセプト、由来から聞いていきたいと思います。

YUKA(以下Y):このうたをうたいながら、生きてゆこうと思いました。いま、揺るぎない一歩をふみだそうとしている人へ捧げたい曲です。

柾昊佑(以下M):この曲を聴いた誰かの「心」を後押しできたり、澄んだ気持ちにしてあげたりできるシングルになったらいいなと思って作りました。

井上:『うたをうたおう』早速聴かせてもらいましたが、moumoon独自のやさしくやわらかい歌がすごく素朴に心に染み渡りました!原点回帰というか、初期のころからのmoumoonの集大成が聴けたような感じがしたのですが、どうでしょうか?

M:ここ最近はこういうストレートな音楽を作ることが少なかったので、10枚目のシングルで原点に立ち戻れたという気持ちもあります。

Y:「こんなにシンプルなバラード、久しぶりだな。」と思いながら歌詞を書いて歌いました。お腹のあたりが強くてあたたかい気持ちでいっぱいになる曲ですね。

井上:作詞で特に意識されたことはありますか?

Y:形が出来てくるうち”この気持ちに、おおげさな装飾は要らないな”と思えるようになりました。自分と世界と向き合って、ことばをひとつひとつ選んで、それがストレートに楽曲に反映されてゆく事がとても自然な流れで出来て。すると胸の奥にある、”ずんっ”とした何かが動き始めました。

井上:作曲の部分ではどうでしょうか?

M:特別いつもと違う方法や考えで作ったということはなくて、いつも通り楽器を弾きながらメロディを口ずさんでできた曲です。でも普段はピアノのほうがいいなって思う曲が浮かぶことが多いんですが、この曲はギターでした。最初は、ただいいなって思うメロディーができるまでいろいろ試し続けました。

井上:YUKAさんの声に対してのこだわりを感じましたし、ド頭の息づかいから入る感じがすごく素敵だと思いました。息使いや言葉のアクセントが非常に細かく録音されていますが、意識したことやこだわりはありますか?

Y:音がシンプルなぶんボーカルも細かいところまでよく聴こえるようになりました。柾くんと私の間に「これは言葉を聴いて欲しい曲だ」という共通認識が生まれたから、歌声が前にドンと出ている音になったと思います。

M:これまで何十曲も作らせてもらって、たくさんのマイクや機材の組み合わせを試しているから、この歌はこれっていうのが決まってきていて、そういう意味でも経験してきたことがうまく出ているんだと思います。ミックスに関しても、これまで何十曲もお願いしているエンジニアさん(渡辺省二郎)なので、
いろんなリクエストに応えてもらえるので、芯があってよく伝わる歌になったと思います。

井上:柾さんは編曲にも参加されていますよね。僕個人的にはシンプルにアコースティックな感じから入り、最後は壮大な雰囲気で攻める感じがとても玄人ぽくて好きなんですが、『うたをうたおう』のアレンジ面でこだわった点など教えてください。

M:ありがとうございます。今回は自分たちの曲のなかでは、かなり音数が少ないほうなんですが、ストリングスもシンセ類も、この曲には合わないなと感じたので、無骨に感じるくらいウワモノはギターだけでいくって決めて作りました。歌詞の感情に呼応して、ギターもどんどん感情的になってくる感じになったかなと思います。

井上:今作の初めから完成までのイメージの変化などあれば詳しく教えてください。

M:いつもそうなんですが、最初は僕の英語のフェイクのような仮歌で作っていたので、もっと洋楽っぽい印象の曲だったんですが、しっかりとした全部日本語の歌詞になっていい意味で「わび」「さび」がある立派なひとつの「歌」になったなって思いました。

井上:今歌詞の話も出ましたがYUKAさんはどうでしょう?

Y:木漏れ日、木の緑、まっしろ、グレー、セピアなどのやわらかいイメージで
歌詞を書きはじめましたが、完成に近づくうちにもっとビビットな要素が見えてきました。それは「色がビビット」だったり「濃い」のではなく、感情の面で「ハッキリ」した決意が言葉となって吹き込めたように思います。

井上:制作は非常にエネルギーを使うかと思いますが、へこたれそうになったりもしますか?

M:毎回へこたれそうになります。

Y:私もレコーディングの前日までへこたれていたと思います。

M:今回はギターの音を決めるのにかなり時間がかかって、家でギターやアンプのいろいろな組み合わせを試しました。

Y:私は、曲によって「頭の使い方」が違うように自分で感じるのですが、今回は最近動かさないでいた部分を働かせて書いたので、非常に苦しく感じました。
でも今思えばそれは自分と、世界と向き合うという大切な作業だったように思います。

井上:2曲目の『マカロン』はすごくキャッチーなサビが印象的で、これぞお家芸!まさにmoumoonという感じですよね。歌詞、曲共にすごくかわいい歌で楽しい気持ちになりました。コンセプトなど教えてもらえますか?

M:タイアップで求められている雰囲気がある程度決まっていて、ふわふわ、レトロでかわいい感じでいこうって思って作りました。

Y:いつか『マカロン』という曲をつくるぞーと思っていたので、柾くんがこの曲を作ってきたときは”やったー!”という感じでした(笑)

M:こういうタイプの曲を作るのが特に好きなので僕自身楽しんで作れました。

Y:アンニュイでファンシーな感じにしたくて。ラズベリーのように、”甘いけれど噛むと、種はすっぱい”みたいなピリリとした刺激も入っているから、聴いているうちに脳内に、気持ちよくなる物質が出てくる感じです。

井上:『マカロン』はすごく最近のmoumoonサウンドですよね。いつも本当に不思議なんですがどうやったらこのサウンド作れるんですか?柾さん天才です(笑)企業秘密があったら少し教えてください。

M:そんなー!笑いろいろ実験してるなかで、この音ちょっと面白いかもとか、
フレーズもそんな感じで少しずつ決めていく感じです。なかなか音が決まらないと一日ずっとソフトシンセをいじったり、プリセット探したりすることもあるので、なかなかうまくいきませんが。

井上:レコーディング裏話的なものがあれば教えてください。

Y:楽器といっしょにデモの歌を録ることが自分に新しい感覚を与えてくれますね。

M:今回のギター2曲とも、家で録音したラインのギターの音を外のスタジオでリアンプしたり、家でもアンプを鳴らしたり、いろいろ試行錯誤してます。
後からアンプを鳴らすのは意外と面白いんです。

Y:あと最近、ものすごく歌録りが早く終わるのでそのあとよく皆でご飯に行きます。

井上:普段から曲や詞は作りだめしていますか?

M:過去に作ってそのまま残っているものは、それをまたつくり変えて作ったりすることもありますが、基本的にストックすることはあまりしないです。

Y:逆に私は作りだめしています。私のノートはぐちゃぐちゃで、現在と思い出と未来にやりたい事を分けずに書いているもので(汗)「なんでもノート」を後からめくると、そこに今欲しい答えが潜んでいる場合が多いです。

井上:お手本にしている、または理想のCDアルバムとかありますか?

Y:一番最初にだしたインディーズの「Flowers」です。同じものは二度と作れないけど、そのときの気持ちは忘れないでいたいです。

M:新しいロックもかっこいいって高校生のときに感じた、アラニスモリセットの「Jagged Little Pill」です。今聴いても全曲かっこいいし完璧って思います。

井上:ライブに関するお話しもお聞きしたいのですが、先日のオールナイトニッポンライブでのYUKAちゃんのカホンセットにもびっくりしました。moumoonサウンドは毎回はっ!とさせられますし完成度も素晴らしかったです。ライブでのこだわりや考えかたなどを教えてください。

M:その時々の環境やメンバーによって制約されたり、豪華に演出できたりというのはどうしてもあることなので、そこもポジティブに楽しんでできたらと思っています。できればCDよりさらにすごい音で聴かせたいけど、二人だけでも曲はできるし伝わるんだって思ってます。

Y:私も二人でもライブが成立できるグループでありたいと思っています。それでパーカッションもやるようになりました^^サポートメンバーに入ってもらって演奏するバンドの編成も大好きです!ライブは毎回発見があるので、新しい事に挑戦してみようと思えるきっかけをくれます。

井上:曲作りの際にライブを意識したりしますか?

Y:曲によってはしますね!アップテンポな曲はそうすることが多いです。

M:5年前のインディーズのアルバムではライブのことなんて全く考えずにCDを作ってたけど、ずっと二人でライブをやってきた中で、こういう曲があったらもっとライブに来てくれるお客さんを楽しくできるんじゃないかとか、引き込まれるような感じにできるんじゃないかっていうのを考えて作るようになりましたね。

Y:そうですね。ライブのステージにいるような気持ちで、「ここは盛り上がるな〜!」とか想像しながらつくるのが楽しいです。

井上:ライブ繋がりということで最後にエッグマンでの思い出ありましたら是非聞かせていただきたいです。

Y:デビューの頃からライブをさせてもらったり、楽屋の壁に落書きしたり、お酒を飲んだり、出会いがあったり、知り合いのライブを見に行ったりする、私にとって、パワースポットです。

M:アマチュアのときからライブを見に行っていた場所なので、憧れもあり、初めてインディーズのときにワンマンライブをさせてもらった場所でもあり、
それから何度もライブをさせてもらって、本当に思い出がいっぱい詰まっている場所です。今でも近くを通るたびにライブをやっている瞬間の風景を思い出したりするし、当時からお世話になっていたエッグマン代表の西田さんはいつも優しくてかっこいいし、数えきれないほどのたくさんのミュージシャンたちの「気持ち」が詰まった場所なんだろうなって思います。だから大好きな場所です。いつもありがとうございます。

井上:そう言っていただけて本当に嬉しいです。西田も喜ぶと思います(笑)
こちらこそいつもありがとうございます!今後ともeggmanをよろしくお願いします!

Y&M:宜しくお願いします!今日はありがとうございました!!