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MUJINA interview
- SPECIAL -

MUJINA interview

音楽性もルックスもバラエティ豊かなメンバーで構成された7人組スウィングロックバンドMUJINA。独自の世界観と楽曲でまさに”SHOW”と呼称するに相応しいライブパフォーマンスでライブハウスシーンでも話題を呼び始めた彼ら。Disital SIngle「ハルシネーション」のリリース、そしてeggmanでのツアーファイナルへ向け、バンドのキーマンとも言えるSOW(Gt)、YUTARO(Vo)の2人にeggmanマガジン初インタビューを行った。

 

Interview&Text:渡邊直人

ー どんな経緯でスタートしたバンドなんですか?

SOW(Gt):僕が元々ビッグバンドとかそういった音楽が好きで、音楽性の構想だけはずっと前から練ってたんですよ。前身バンドがコロナで活動休止になった時に、やるなら今だと思って曲作りから動きだしました。メンバー集めに関しては今まで通ってきたロックバンド界隈と、ジャズ等の界隈がなかなか結びつかなくて、、、SNSや元々の繋がりを駆使して知り合いを増やすところから初めて、3年かかってやっとメンバーが揃って動き出しました。

YUTARO(Vo):SOWとは10年ぐらい前に、お互いの前身バンドで活動していた頃に下北沢のライブハウスで出会いました。先輩バンドのメンバーでもあるSOWにCD持って挨拶しに行った覚えがあります(笑)それから彼がMUJINAのホーン隊を探していた時に、僕が音大出身なのもあって相談連絡をもらって何人か紹介をしたのが、このバンドとの最初の関わりでした。それから時を経て、今度は僕のバンドも活動休止することになって、そのタイミングでボーカルとして誘われて加入することになりました。10年越しにまさか一緒にバンドをやることになるなんて、ドラマチックな展開だなとは感じています。

― SOWくんの中では元々こういうバンドの構想があったんですね。

SOW:具体的に音楽性を言葉で説明できるバンドって強いと思うんですよ。「ビッグバンドみたいなサウンドを取り入れたロックバンドなんだよね」って言われてまず日本で浮かぶのは、スカパラ(東京スカパラダイスオーケストラ)さんとかだと思うんですけど、スカでもなくヴィンテージミュージック的なルーツもありつつ、でもちょっと現代的なニュアンスも取り入れたバンドをやってみたら、これはおもしろいことになるんじゃないかと思って。

― 「スウィングロック」というジャンル付けも独特ですね。

SOW:言い方を変えたら、スウィング縛りです(笑)

YUTARO: だいたいの曲がBPM 200超えでめっちゃ速いんですよ(笑)

― eggmanに出演した際もまさに”SHOW TIME!”というライブで圧巻でした。

YUTARO:このバンドで歌うようになって1年経って、ロックバンドをやっていた頃とはマインドやステージに上がった時の感覚が変わったんです。ロックバンドって自分の内側にどんどん入っていって、原体験や飢餓感みたいなものをアウトプットしていくものだと思うんですけど、MUJINAはそれを外に向けて、自分自身がショーアップされたアーティストとしてお客さんを楽しませるっていう、どちらかというと外方向のエネルギーが強いイメージなんです。それがいわゆる”SHOW”と”LIVE”の違いなのかなって捉えてます。歌詞も全体を通して、なるべくエンターテイメント感というか、物語調に落とし込むようにしているんです。ただ僕らがやっているのは、ミュージカルでもなくビッグバンドでもなくあくまで”スウィングロック”だから、歪み要素というか、心の中の悩みとか悲しみみたいなものをちょっとだけ織り交ぜていくことで、このバンドにとっての”味”になっているんじゃないかなって考えています。

― 7人組の大所帯!7人いてよかったことや大変だったことあれば教えてください。

SOW:このバンドを組む時点でメンバーを人間性で選んだところはあるんですけど、全員協調性が高いんですよね。バンドって連絡が誰か1人遅いとかあるあるじゃないですか。でも、これだけいるのに全員早いんですよ。10分以内に全員から返事来るぐらいのバンドなんで、優秀な人材が集まったなと思いましたね。

YUTARO:協調性があるってとこに通ずるんですけど、一般的なバンドだったら4人ぐらいで分担して色々やると思うんですけど、うちの場合それが7人なんでバンドとしてやれることが多いんですよね。本当だったら手が回らなくて諦めちゃうことも7人いるんで、他のバンドの2倍ぐらいのことをこなせるんです。ただ、デメリットはスケジュール管理がめっちゃ大変。あと移動も遠征とかは大変です。

― 「MUJINA」というバンド名にはどんな由来があるんですか?

SOW:「同じ穴のムジナ」って言葉があると思うんですけど、音楽って色々ジャンルがあるけど、結局みんなルーツを辿っていくと同じところに行き着くんじゃないかと思って、まさしくそれだなと思って。いろんなジャンルの音楽を取り入れてやっていく上で、音楽の総称的な感覚で付けました。あとムジナって穴熊だったり狸だったり狐だったり、いろんな意味合いがあって、その曖昧感も、形に囚われない自分たちのスタンスに合ってていいなと思ったんです。

― 新曲「ハルシネーション」は冒頭からピアノアレンジが印象的でした。

YUTARO:今回のタイミングでピアノの加入が決まったんですけど、サウンド面に関しては、ピアノが加入したことによって今までのMUJINAではできなかったようなアレンジをできるようになったので、まずそこが1番の聴きどころかなと思います。とはいえ音数がかなり増えたのでどうなるんだろうっていう不安はあったんですけど、、、でも結果的にこの詰め込み感というか、交互に各パート全員が主役になる演奏が、良い意味で足し算の暴力的な楽曲になったと思います。

SOW:「ピアノが入ったら僕は人生でやりたい音楽を全部やれる!」って言って、特にメンバーが入る予定もないのにピアノ入りの楽曲作り始めた曲なんです。みんな僕がどこに向かうのか不安だったと思うんで、このタイミングでメンバーの加入が決まって本当によかったです(笑)

― 「ハルシネーション」というタイトルや歌詞に込めた想いがあれば教えてください。

YUTARO:AIが現実とは矛盾した事実を吐き出してしまうことを「ハルシネーション」というんですけど、自分なりにその意味を噛み砕いて考えて、人間の根本的なちょっとした弱さみたいなところに繋がってくる言葉なんじゃないかなと思ったんです。人間も状況次第で、自分を騙してしまったり、事実と違うことを伝えてしまったり、そういう人間の弱さみたいなものを描いた歌詞にしたくて、この言葉をタイトルにしました。

― なんだかんだロックバンドをやってきたならではの着眼点のように感じますね。

YUTARO:そこは多分自分にこびりついてるものではあるので、あえてそこは隠さずに泥臭い感じも含め歌詞を書きました。「ハルシネーション」は女スパイの物語なんですけど、潜入操作してどんどん追い込まれる感じを僕はイメージしていて。嘘と嘘の重なり合いみたいなものを歌詞にしてるんで、そこも楽しんでもらえたら嬉しいです。

― そして「ハルシネーション」のリリースに合わせて、全国5箇所のツアーも開催されます!ツアーファイナルはeggmanでTRI4THを迎えてのツーマン。どんな日にしたいですか?

SOW:TRI4THはJAZZのインストバンドなんですけど、ロックを感じるというか、盛り上げ方もバカテクな感じも、理想的な形に出来上がってるんですよね。僕の中で、MUJINA結成からずっと意識してたバンドなんです。今回ベースマガジンの企画で、うちの木村祐介(Ba)が、TRI4THベースの関谷友貴さんと対談が決まって、それきっかけで今回の対バンが実現しました。

― MUJINAのこれからの野望を教えてください!

YUTARO:来年以降新しい挑戦で、今までやってこなかったようなジャンルの方々と対バンしていきたいですね。たくさん曲を作って、来年以降もどんどんリリースできたらなと思っているんで、それを楽しみに待っていただければと思います!

SOW:ピアノも加入したということで、僕のやりたい音楽が全てできるバンドになりました。今作「ハルシネーション」はもちろん、その先の曲で更に音楽性の広さを見せつけてやれるような作品を作れるバンドになっていくと思うので、楽しみにしていてください!