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Muvidat interview
- SPECIAL -

Muvidat interview

去年11月の初ライブから半年強。Muvidatが待望の全国流通盤CDをリリースする。個人的な感想になってしまいますが、この二人がメインとなって発する音楽はもはや一つのジャンルであり固有の世界観であるということを改めて強く思いました。とにかくいろんな人に聴いてほしいなと思います。

インタビュアー:ブッキングマネージャー窪田

―ついに流通盤でCDリリースですね。おめでとうございます。去年11月の始動の際にインタビューさせてもらった時は今作のリリースはまだ決まっていなかったですよね?

Uqui:決まってないどころかリリースの予定とかも明確じゃなかったです。
MAH:会場限定盤をもってまずはみんなに届けるんだって話したもんね。

―そうですね。初ライブからまだ半年ちょっとだからスピード感ありますね。

MAH:そうなんだよね。初ライブからまだ半年ちょっととは思えないよ(笑)。本当に周りに助けられっぱなし。感謝しかないです。今回のリリースも完全に人との縁だから。
Uqui:2/14にキネマ倶楽部でやった[Hallelujah Circus Acoustic Show]の時に“またCD屋さんにCDを置けるようになりたい”って叫んだらそれが本当に叶ったの。

―声に出してみるものですね。やっぱり想いを実際に声に出して発することは大事なんだなと思いました。

MAH:まさにそうだよね。

―ということは今作を作るって決まったのは2月中旬以降ということですか?

Uqui:確か正式に決まったら4月に入ってからとかだよね。

―とんでもないスピード感ですね。

MAH:そこは今までの経験が活きた部分かな。逆算してスケジュール感を見ていろいろ一気に決めて。

―物事って進み始めると早いときありますもんね。

MAH:かといって締め切りに追われてクオリティを落とすとかは絶対に嫌だったからこだわりにこだわって。
Uqui:それでも過去史上最速で作り上げた作品ですね。ものすごいスピードだった。

―以前のインタビューで新人バンドと言っていましたがそこは新人バンドのそれじゃないですね。

MAH:ド新人であることに変わりはないんだけど、この前のインタビューでも話したようにゼロからのスタートではないというのが大きかったかな。あとはとにかく俺らはツイてるなって。だってさっき話した2/14のライブの時もCD流通に携わる方を呼んでその人に向けて言ったとかじゃなんだから。
Uqui:後々話を聞いたら実はCD流通に携わる方が来ていて、そこから今回の話が進んでいって。ツイてるとかもそうだけど、他にも“絶対できる”とか“持っている”とか常に言葉にすることは本当に大事にしてますね。

―それが結果的に良い形になっているということですね。

MAH:今まで音源制作はずっとやってきたけど、CDをリリースするという事務的なことに関してここまで内部で携わったことがなかったからすごく良い勉強になった。こうやってCDってリリースされるんだなって。
Uqui:いろいろな仕組みを知ったよね。

―新たな経験ですね。しかも今回は久々のファーストとつく物の制作ですよね。

MAH:そうだね。今こうやってまたファーストとつく物を作れたっていうのは嬉しいことだし、諦めなくてよかったし、音楽を続けてきてよかったなって思う。しかもねSHAKALABBITSが活動休止をした瞬間は未来の道に見えていなくて、自分たちで1~物語を作っていかなきゃいけなくて、絶対もう一度返り咲きたいって思ったその時にまずやったことが曲を作るってことだったのね。なにか動き出すってなった時に、曲がなければなにも始まらないから。自分たちにできることは曲を書くことだなって。

―音楽家として一番シンプルな気持ちかもしれないですね。

MAH:今考えたらそのシンプルな考えで第一歩を踏み出してよかったなって思ってる。曲がなければ人を説得もできないし、人に動いてもらうこともできないから。あの時に曲を作り始めてなかったらこのペースでは活動できなかったし、こうやってCDリリースもできてなかったと思うよ。
Uqui:結成から含めてずっとシンプルに動けているよね。
MAH:自分たちにやれることから全力で取り組んだ感じだね。

ー今CDリリースの直後ですが、待ってくれている人がいるということを改めて実感できたんじゃないですか?

Uqui:お店にCDが並ぶということを私たちと同じように喜んでくれる方々がいるということはとても嬉しいことだし、心強いなって思いました。

―今なかなかCDが売れない時代ではありますが、一つの作品としてこの1枚を手に取ることに意味があるなと思えました。

Uqui:歌詞カードをみんなが広げて見ることを想像して文字のフォントを選んで、手触りを考えて紙を選んで作っていったから今言ってくれたように一つの作品として捉えてもらえたら嬉しいです。音だけじゃなく、すべての部分でこだわってこの一つの作品ですね。

―11月の初ライブから売っている会場限定販売のCDも入れ物とかにもこだわってましたもんね。

MAH:あれはあれで完全に一つ作品だね。逆にあれは会場限定だからこそできたパッケージングだし、これからもこうやって一つ一つの作品に対してこだわりは持っていきたいと思っているよ。

―しかも前作から引き続き収録されている曲はマスタリングし直してるんですよね。

Uqui:私たちもエンジニアさんも変えたいという気持ちがあって。それは前作がダメだったという訳ではなくて、それぞれの作品にあった形があるということです。曲数も違えば曲順も変わるわけで、並びで聴いた時の感触って違うと思うから、そういった部分も考えて作った1枚です。

―作品全体の制作コンセプトのようなものはあったのですか?

MAH:コンセプトと言えるかわからないけど、どこに出しても恥ずかしくない物。やばいっしょって自分たちで言える物を作りたいというのはあったね。

―自分たちで自信を持ってそう言える1枚を作っていく過程は楽しかったんじゃないですか?

Uqui:めちゃくちゃ楽しかったよ。
MAH:サポートミュージシャンのみんなとかがどんどんいろんなアイデアをくれて。

―それは今のMuvidatだからできることですよね。二人だからこそいろいろなエッセンスを取り込むことができるから。

MAH:Muvidatは無限だなって思えるね。どんな形にもなれるなって。俺ら二人も含めて今周りにいる人たちが良い意味で自分のパートだけにこだわるということがないんだよね。変な話だけど極論言えば俺はドラムじゃなくてもいいし、Uquiさんはボーカルじゃなくてもよくて、バンドという形でみんなで音を出せるということが楽しくてそこにこだわりがある。でもそれは自分のパートがどっちでもいいってことじゃなくて、自分の一番長所として活かせるから今のパートを担当していて、その中でフレキシブルな感覚を持っているということだと思うんだよね。だからすごく制作も楽しい。お互い音楽家としてリスペクトできる関係性だからこそ。全員がプロデューサー的な目線でバンド全体のグルーヴ感の為には自分のエゴを消せる人たち。このフレーズは絶対いれたいとかないのよ。

―それは面白いお話ですね。

Uqui:類は友を呼ぶってまさにこのことだなって思うよね。音楽家としてだけでなく友人として一緒に遊ぶこともできるし、すごく気持ちの良い関係性。本当に良い環境で音楽をやれているなって思います。

―良い音源が作れる環境なんだなって思います。それこそこの前レコーディングの風景を合わせて全曲紹介の映像を見て感じました。

Uqui:真剣な表情のシーンも入れたかったんだけど、笑顔のほうが目立って、そっちを使いたいなって純粋に思えたんだよね。
MAH:しかもそういう雰囲気とか空気感って音源にも反映されるからね。
Uqui:みんなが積極的にやりたいって参加してくれるから嬉しいよね。

―きっとお二人がそのスタンスだから周りの方々も入りやすいんじゃないですか。

MAH:Muvidatは入り口がものすごい広くて、奥にも深いんだよね。

―音楽家として一番良い環境かもしれないですね。

MAH:本当に幸せだよね。しかも今の会社を立ち上げてもうすぐ5年で、そのタイミングでこうやってCDが出せてるわけだからね。
Uqui:諦めなくてよかったよね。
MAH:俺らを信じてくれたみんなを裏切りたくなかったからね。俺らが負けたらみんなも負けることになっちゃう。
Uqui:みんなの想いを背負ってあの時踏ん張ったから今があるもんね。

―1ファンとしてもすごく感慨深いです。そんな今を経て次の展望も聞かせてもらいたいです。

MAH:実はね今作に収録してない曲でめちゃくちゃ良い作品が3曲できていて、その3曲もまだ完成していないからさらに化けるなって思えていて。まだまだたくさん曲は作るつもりだし、このMuvidatが始まったきっかけになった良い曲をとにかく作るっていうのはずっとやり続けたいと思ってる。まずはとにかくそこだなって思っているから。あとはSHAKALABBITSでも見ることができなかった大きな景色を見たいなって思っているし、このバンドなら見れるって信じてる。
Uqui:やっぱこういうことは声に出していかないとね。今までそうやってやりたいこと、実現したいことは声に出してきたからこその今だから。あとはMuvidat=SHAKALABBITSってまだ知らない人がたくさんいるから改めて私たちの音楽に触れてほしいなって思っています。再度夢中にさせる自信があるし、そのきっかけとなる1枚は今回で作れたと思うので。

―僕もこれからもできる限り応援していきます。

MAH:ありがとう。これからもよろしく!