ー どんな経緯で結成されたバンドなんですか?
コロナ禍の頃、とにかくやることが無くなってしまった時になんとなく組んだバンドなんです。私が1人で弾き語りで作っていた曲を、たえり(Dr)が聴いて「暇だしスタジオでも入んない?」って言われて、そこから始まりました。最初は「祈りたちよ」っていう 1曲を配信してMVにして終わる予定だったんですけど、曲を作っているうちに「EPにして 5曲入りで配信したいね」「せっかく配信したならライブやりたいね」みたいな感じで、じわじわと活動がスタートしていきました。
ー バンドを組む前からずっと一人で曲は作ってたんですか?
作ってました!初めて曲を作ったのが高校生の頃で、その頃はどこかに向けて発信するとかは全くなくて、もうただただ1人で作って本当に仲のいい人にだけこっそり聴かせて、ぐらいだったんです。
― どんなアーティストに影響を受けたんでしょうか?
私はandymoriとかくるりとか…あとカネコアヤノさんとかですかね。Yuji(Gt)はめっちゃメロコアキッズなんで、レスポールを低く弾くことにポリシーがあって。たえりはThe 1975とか海外アーティストに影響を受けていて、メンバーそれぞれ本当にバラバラなんですけど、そんな中で唯一メンバー全員で共通しているのはRADWIMPSなんですよね。
― オメテンの他のバンドには無い強みや魅力ってなんだと思いますか?
対バンした先輩に言ってもらった、「ルーツが見えなくていいね」って言葉が心に残っていて。それって確かに強みというか、オリジナリティーなんじゃないかなって最近考えるようになってます。オルタナの中にいるとめちゃくちゃPOPだねって言われるし、POPSの中にいると小難しいねってなるので、絶妙に居場所がないのも確かなんですけど(笑)。でもそれだけ分母が増えるってことだと思うんで、これからもジャンルレスにいきたいなと思ってます。
― 9月に初の全国流通盤、1st Full Album「omeme tenten」がいよいよリリースされます!
本当にずっと夢でした!バンドをやるならとにかくアルバムが、CDが出したかったんです。タワレコとかいろんなCDショップで CDを買うのが大好きな高校生活を過ごしていて、リリースイベントに行ったり好きなアーティストのCDをフラゲ日に買いに行ったりしていたので、自分たちの作品をCDとして出せるのが本当に嬉しいんです。
― 高校生時代からサブスクもありましたよね?
ありました!でもCDを買うのがとにかく好きだったんです。あと1つこだわりというか、ファーストフルアルバムはセルフタイトルで出したいって一番最初から思っていて、全然どんな曲を入れるかも決まってない段階からそこだけはイメージしていたので、今回実現できて本当に嬉しいです。
― アルバム全体像として、表現したかったことを表現できましたか?
しっかりできたと思います。私自身アルバムを通して聴くのが本当に好きなので、曲順とか並びに意味があるアルバムにしたいと思ったんです。だから今作は、1曲目が「ordinary morning」朝の曲から始まって、12曲目の「まばたきよりも」で夜が更けてまた朝に戻っていくっていう。その流れにどうしてもしたくて、この曲はどんな時間帯に合うなとかを考えて作りました。あと今回の新曲たちには全部、星や宇宙って言葉を歌詞に入れて、新曲それぞれに繋がりを持たせました。
ー M-3「光」は¥220のシングルとして先行リリース。ジャケットも価格もパンチありますね。
ます「安い」ってところで凄い食いつきでした(笑)。ジャケットがキラキラなんですけど、これ、レコーディング中にスタッフさんとYujiたちが、ビックリマンチョコにめちゃくちゃハマってて。それがちょうど「光」のレコーディングをしている時でどんなジャケットにしようって話になった時に、レコーディングエンジニアさんが「これでいいじゃん」って言ったのがキッカケで、私たちも「めっちゃいい!」ってなって。満場一致でジャケットデザインが決まりました(笑)。
― ライブでも盛り上がりそうな楽曲ですよね。
テンポが早い曲でタイトルもシンプルにして、ショートチューンにしたら盛り上がるかなとか思って作りました。歌詞も自分なりに分かりやすくしてみたつもりなんで、いろんな解釈ができるかなと思ってます。
― M-4「POLARIS」はバンドの成長を感じるというか、シンプルにかっこいい曲だなぁと。
嬉しいです!この曲、今作で一番難産というか、完成するまで時間がかかった曲なんです。ドラムのリズムパターンが決まるまでが本当に苦戦してしまって。まだライブでもやってないので、楽しみにしていて欲しいです。
― M-5「祈りたちよ」は結成初期の曲の再収録曲なんですよね。
一番最初に、まだバンドをやるとも思ってない時期に作った曲で、たえり含めたオリジナルメンバーで録った曲を、今のライブメンバーで改めて録り直しました。ライブで一番やっている曲でもあるので、この曲はクリックも聴かずに「せーの」で1発録りしたんです。昔録った音源は、もうざらっざらの音質でそれもそれでいいんですけど、とにかく声が子供っぽいなと自分で思いました(笑)。自分で自分の声を聴いてみても変わったなって思いますし、ライブアレンジが大きく進んでいたので、自分たちの成長を一番感じられる曲かもしれないですね。
― 今作の制作を振り返ってみて、楽しかったこと、もしくは大変だったことがあれば教えてください。
初めてのアルバム制作で、もちろん楽しかったことがいっぱいあったんですけど、それ以上にツアーを回りながら新曲を制作するってことがとにかく大変で…アルバムを出すバンドって、こんなに凄いんだって実感しました。初の全国流通盤で気合いが入っていたのもあって、私もどうしても妥協できなくて、他のことも考えながら限られた時間の中で妥協ポイントをなくすのが本当に大変で。もう寝る寸前までアルバムのことを考えながら寝て、起きた瞬間からアルバムのことを考えて、とにかく見るもの全てヒントになるからって考えながら、頭の中はずっとアルバムでいっぱいでした。ただその分、完成した時はとにかく感動しました!あと、タイトル 1つ1つも本当に考えました。今までは1曲のことだけ考えてタイトルを付けてたんですけど、今回はアルバムの収録曲として並べた時に、例えば「POLARIS」は最初はカタカナだったんですけど、ここに入れるなら大文字で”POLARIS”の方が引っかかるかな、とか考えたり。タイトル 1つ考えるのも、この 12曲がパズルになっていて面白かったです。
― 今作で他にこだわった曲、ポイントがあれば教えてください。
“オメテンはラブソングがないね”ってすごく言われるんですよ。私の中では恋愛の曲を作ってるつもりなんですけど、私もちょっと照れ臭くてかっこつけて歌っちゃうところがあるからなのか、分かりづらいのかその要素を見つけてもらえなくて。そんなこともあったので今回意識して恋愛の曲を書きました。「ordinary morning」(M-1)は朝起きた瞬間から好きな人の事を考えてしまうことって、誰もが経験あるんじゃないかと思って曲にして、「まばたきよりも」(M-12)は、”君とずっと一緒に居たい”って思いながら眠りにつく、って曲なんです。朝起きた時の恋の晴れやかさで始まって、最後は夜にその人を夢見ながら眠りにつく、みたいな。そんなところを意識してどちらもアレンジにブリッジミュートを使ったりもしたので、この朝と夜の違いや繋がりは感じて欲しいなと思います。
― そして10/10(金)には自主企画「ten the day2025」が開催されます。
このイベントはとにかくジャンルも関係なく、私たちが本当に呼びたいバンドを呼ぶことにこだわってるんです。今年は”せだい”というバンドを呼ばせてもらいました。オルタナティブで男の中の男のロックみたいなバンドなので、めちゃくちゃ楽しみです!オメテンが好きな人は絶対好きだと思うから、楽しみにしていて欲しいです!
― 11月にはツアー「431光年」が始まります。このタイトルにはどんな意味が?
今作のリード曲のタイトル「POLARIS」って北極星の事なんですよ。北極星は地球から 431光年の距離にあって、もはや遠すぎて良くわからないんですけど…ツアータイトルにしたら素敵だなと思って、このタイトルにしました。「POLARIS」より先にツアータイトルを発表したので、「431光年ってなんだろう?」ってなった人が収録曲が発表されて「なるほど!」ってなってたらなぁとか密かに思ってます。
― ファイナルのWWW Xは初のワンマンですね。意気込みを教えてください!
私自身たくさんのアーティスト見に行った場所なので、本当にもう楽しみすぎて。自分たちしかリハーサルをやらない空間なんて今までに無いし、自分たちのことだけを見に来てくれるお客さんの顔も見たことがないし、何よりWWW Xっていうひとまわり大きな会場で初ワンマンができるっていうのが楽しみでしかないです。何曲やるんだろうとか、セットリスト早く決めたいとか、ラストはどの曲にしようとか、そんなことばっかり考えてます。自分がライブ行く時も、対バンはもちろんですけどワンマンが大好きなので、これを機に今後も増やしていけたらいいなって思います。
― omeme tentenのこれからの目標を教えてください!
まずはアルバムをいろんな所に届けたいですね!アルバムを出したからには、みんなを虜にさせたいなって思います。SNSとかいろんな拡がり方が今はありますけど、私たちは音源で拡げていきたいって思うんです。あとライブをとにかく見て欲しいです!オメテンは”ライブがイメージと違う”ってポジティブに言ってもらえることが多いので。アルバムをたくさんの人に届けて、ライブを見に来てもらって、みんなのことをどんどん掴んでいきたいです!
【リリース情報】
omeme tenten 初全国流通盤 1st Full Album
「omeme tenten」
2025.9.24 ON SALE!!!
MDMR-2074( 初回限定盤 [ 紙ジャケット ])
MDMR-2075( 通常盤 )
価格:¥3,000(TAX IN)
M1. ordinary morning
M2. favorite jinx
M3. 光
M4. POLARIS
M5. 祈りたちよ (Album ver.)
M6. 2020
M7. Now & Then
M8. 足跡
M9. ユーモラスディストピア
M10. クリーミー呪って
M11. エターナル
M12. まばたきよりも
◾️ライブ情報
omeme tenten presents “ten ten day2025”
10/10 ( 金 )@ 東京・下北沢 Flowers LOFT
w)せだい
チケット代:¥1,010 ( ドリンク代別 )
omeme tenten 1st Full Album「omeme tenten」リリースツアー
“431光年”
11月9日(日) 福岡・OP’s (対バン)
11月14日(金) 宮城・FLYING SON (対バン)
11月22日(土) 大阪・HOLY MOUNTAIN (対バン)
11月23日(日) 愛知・名古屋ell.SIZE (対バン)
11月29日(土) 東京・WWW X (初ワンマン)