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osage interview
- SPECIAL -

osage interview

独自の感性とエモーショナルなサウンドで魅了し続けるロックバンド、osage。
ツーマンツアーを経て、EPリリースと三大都市を回るワンマンツアーを控える中、フロントマン山口ケンタに、制作やライブを通して今の想いやこれからについて語ってもらった。

osage: 山口ケンタ(Gt,Vo)、 金廣洸輝(Gt,Cho)、田中優希(Dr)、ヒロクサマ(Ba,Cho)

Interview&Text:古川誠人

―1/14にEP『歌えもしない恋ばっかだ』が配信されますが、タイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか?

山口ケンタ(Gt,Vo):このタイトルは「ごめんね。」という楽曲の一節なんです。osageって、恋の始まりよりも終わりを歌ってきたバンドで、その“報われない恋”にもう一度フォーカスするという感覚に近いですね。
このEPは全4曲入りなんですけど、どれも”よくある話じゃない”というか、それがまたosageっぽいなと思っていて、結局、これまでやってきたことの延長線上にはあるんですけど、それが改めて一本に繋がった感覚です。「ブレてないな」って自分たちで再認識できたEPでもあります。
一言で言うと、めちゃくちゃ“osageっぽい”EPになると思います。

―その「ごめんね。」が11/26に先行配信されました。歌詞に登場する「最低な僕」はフィクションなのでしょうか? それともモデルがいるのでしょうか?

山口:この曲に限らずなんですけど、基本的にフィクションとノンフィクションを50:50くらいで混ぜて作っています。全部ノンフィクションにすると、僕個人の話だけになってしまって、曲の世界に入りきれなくなるんですよね。逆に全部フィクションだと、ただのファンタジーになってしまうので、周りの人のエピソードと自分の中で「これっておかしいよな」とずっと引っかかっていたことを混ぜています。「ごめんね。」の主人公は男視点ではあるんですけど、「男ってこういうところあるよね」っていう感覚も含めて描いていて。かなり踏み込んだ表現も出てきますが、誰も言わなかったことをちゃんと言うのが逆にバンドらしさだと思っていて、すごく気持ちよく作れた曲ですね。聴く人の数だけ、解釈があって良いと思っています。

―歌詞で描かれる2人のやり取りがとてもリアルで、人間味を強く感じました。この関係性はどのように捉えて描かれたのでしょうか?

山口:こういうやり取りって、日常生活でも意外とよく見るなと思っていて、恋愛に限らず、片側だけが100%悪いってことって実はそんなに無いんですよね。もちろん、恋愛関係で何かをやってしまった側が悪いのは事実なんですけど、そこに至るまでには、「なんで気づいてくれなかったの?」とか、「なんでフォローしてくれなかったの?」みたいな積み重ねも絶対にあると思うし、どっちか一方だけが悪いわけじゃない、というのは伝えたかったです。ただ、それって誰もはっきり言えないことだと思っていて、この主人公がスラッと「お互い様でしょ」って言えてしまうところに、少し憧れもあるし、自分自身を投影している部分もあると思います。後半まで聴いてもらわないと伝わらない曲なので、ぜひ最後まで聴いてほしいです。

―歌詞へのこだわりが強く伝わってきます。制作過程もかなり大変だったのではないでしょうか?

山口:歌詞は20回弱書き直しました。こんなに書き直したことは初めてで、この曲だけで歌詞のミーティングを3〜4回、アレンジャーさんとも個別で2回くらい話して。
でも、不思議と追い込まれている感覚はなくて、むしろ毎回燃えるような感覚でした。「そこまで言うなら、もっといくぞ」みたいな。

―EP収録曲「トランジスタ」についても聞かせてください。“伝えようとしても伝わらないもどかしさ”がテーマのように感じられました。

山口:トランジスタって、電気信号や音を増幅・伝達するためのパーツなんですけど、ちょっとオールドなシステムだからこそ、人間っぽい温度があるなと思っていて、友達の前では普通に話せるのになぜか君の前だとうまく伝えられない、という感覚を表現しました。

―シリアスな内容とは裏腹に、語感がとてもキャッチーですが、歌詞を書く際に意識した点はありますか?

山口:実はこの曲は、昔のパソコンに残っていたデモが元になっています。機材も今ほど良くなかったし、韻の踏み方や母音の揃え方が面白くてその感じをそのまま活かしました。結果的に、掘り起こした感じが今のosageと噛み合ってとても面白いです。

―「悪い人」についても伺いたいです。主人公の感情の揺れが非常にリアルに感じられました。

山口:「ごめんね。」が男の子視点の曲だとしたら、「悪い人」は女の子視点の曲ですね。感情が時系列を行き来したり、周囲を巻き込んだり、かなりカオスな構成になっています。
サウンドも、シンセサイザーや打ち込み、生ドラムを混ぜて、久々にメンバー4人だけでアレンジしました。遠征先のホテルで集まって作ったり意見を出し合ったりして、全員のやりたいことを詰め込んだ曲で、その温度感がそのまま出ていると思います。

―「いいのに」は、シンプルながら強烈な余韻があります。EPにおけるこの曲の立ち位置について教えてください。

山口:他3曲とはガラッと変わってこの曲はアコースティック調で、隣で話しているような距離感を出したくて作りました。内容としては、このEPで一番“メンヘラソング”だと思います(笑)。
さらっと聴けるけど、よく歌詞を見るとちょっと怖い、その後味のなさが逆に怖い、というバランスを狙いました。

―続いて、10月から11月に開催されたツアー『osage LIVE TOUR 2025 アイワナビーナカヨシ』について伺わせてください。全10か所、7組のバンドとのツーマンでしたが、改めて振り返っていかがでしたか?

山口:このツアーは、タイトル通り先輩後輩関係なく、これまで僕らからお誘いしたことのないバンドと仲良くなりたい、でも仲良くなるだけじゃなく、ちゃんと取っ組み合いをしたいという気持ちがありました。対等な立場でぶつかって、自分たちを見つめ直すきっかけにもなりましたし、「もっと楽しいことができそうだな」と思えた、すごく大切なツアーでした。
ツアー最初の仙台、宇都宮の2箇所でお呼びしたMAGIC OF LiFEは、やっぱり大先輩で、本当に強かったですね。パワーもキャリアも、全部含めて。特にvo.の高津戸信幸さんの立ち振る舞いは、「ボーカルってこうあるべきだな」と思わされました。本気でやらないとダメだなって、ツアーの初日で思えたのは大きかったです。

―序盤からかなり濃度の高い対バンが続いた印象があります。

山口:そうですね。そして次は神戸でFish and Lips、金沢でthe shes goneと対バンでした。もう純粋に好きな人たちですね。
Fish and Lipsは初期からosageを聴いてくれていて、「最初の企画に呼びたい」と言ってくれていたので、そのお返しができたらと思っていました。
the shes goneとは7年くらいの付き合いで、お互い気心が知れているからこそMCで昔の話をしたり、リハーサルから泣きそうになりながらお互いのライブを見る、久々にそんな時間でした。
ツアー折り返しの大阪と福岡で対バンしたLaughing Hickは、初めましてだったんですけど、一番食らいましたね。もっと殴り合えば分かり合えるなと思えたし、人も曲も本当に好きになりました。お互いのファンの親和性も高くて、全員が幸せな空間だったと思います。これからも一緒にやっていきたいと思える2日間でした。
ツアー後半戦に入って名古屋、岡山でのbokula.は本当に可愛い後輩ですね。でもその後輩がちゃんと牙を向けてくれたのが嬉しかったです。「今日はボコボコにします」って言ってくれて(笑)。お客さんも、その関係性をちゃんと面白がってくれて、空気ごと熱を持っていたのが印象的でした。
セミファイナルの札幌で対バンしたFirst Love is Never Returnedは正直、良すぎてよく分からなかったです。演奏は完璧なのに、MCではすごく優しくて、「友達いないけど、osageが仲良しって言ってくれてるから、仲良くなるまで帰したくない」って言ってくれて。札幌のバンドに、札幌でそれを言われるのは本気じゃないですか。また必ず一緒にやりたいし、大好きな先輩です。

―そしてツアーファイナルは渋谷CLUB QUATTRO にてYOURNESSとのツーマンでした。

山口:YOURNESSは、Ba.の田中雄大さんが脱退が決まって居たんですけど、出演を決めてくれて、それだけでも嬉しかったんですけど、それ以上に、しんみりしないで全力でやり切る姿勢が本当にかっこよかったです。さらっとする演奏が、全力で強くて、防具なしで、綺麗にちゃんと殴ってくれる人たちに声をかけてよかったなと思います。

―どの対バンもリスペクトと緊張感に満ちていて、感情ごとぶつけ合ってきたツアーだったんですね。そして続いては、2月から3月にかけてワンマンツアーが開催されます。このワンマンツアーは、2019年に初めてワンマン東名阪ツアー行ったライブハウス(Live House Pangea名古屋CLUB ROCK’N’ROLL・shibuya eggman)を再び巡るツアーとのことですが、この3会場への思いを教えてください。

山口:この3会場は、僕らにとってライブハウスの原点のような場所です。初めて全国流通盤を持って回った場所で、今もその時の思い出を持ってくれている人がいることがすごくありがたいなと感じています。やること自体は変わらないんですけど、7年経って同じステージに立った時、何を思うのか、何を歌いたくなるのか、そこで感じること全部を大事にしてお客さんと共有できたら嬉しいです。

―ツアーファイナルのshibuya eggmanは45周年の周年期間の1公演でもありますね。

山口:eggmanが無ければ、オーディションも、初ワンマンも無かったですし、節目には必ずeggmanがありました。そのeggmanの45周年というタイミングで、2026年にosageが戻ってくる意味をちゃんと持たなきゃいけないと思っています。eggman所属のバンドとして3/1が”osageとeggmanを思い出す日”になったらいいなと思っています。

―最後に、リスナーの皆さんへメッセージをお願いします!

山口:まずは「ごめんね。」を聴いて、それでも離れないでいてくれてありがとうございます。
今回のEPはすごくチャレンジングな内容ですが、やっていること自体はずっと同じ延長線上にあります。
2026年に向けて、すごく良い状態に入っている感覚があって、これから良い活動ができる予感がします。初めましての方も、そうじゃない方も、まずは安心してライブに遊びに来てほしいです。そして、一緒に何かを作っていけたら嬉しいです。僕らも健康第一で頑張ります。行く先々でお会いしましょう。
これからのosageも、ぜひ楽しみにしていてください!


リリース情報

2026.1.14 Digital Release
EP『歌えもしない恋ばっかだ』
1 悪い人
2 ごめんね。
3 いいのに
4 トランジスタ


ライブ情報

<from origin>
2/21(土) 大阪 Live House Pangea
2/22(日) 名古屋 CLUB ROCK’N’ROLL
3/1(日) 東京 shibuya eggman
※全公演SOLD OUT!!