—まずはニューアルバム「Light and Shadow」リリースおめでとうございます！

DAISHI(以下:D)、seek(以下:s)：ありがとうございます！

—今作はPsycho le Cému (以下：PLC)復帰後初のオリジナルフルアルバムということなんですが、率直に今のお気持ちを聞かせてください。

s：前作「NOW AND THEN-THE WORLD-」が復帰後一発目のアルバムで、過去の作品のリメイク作も収録したものになっていました。今回ボリューム感のあるツアーが決まったので、せっかくだから新しいPLCをしっかり聴いて欲しいと思っていて、そのためにオリジナルフルアルバムがいいんじゃないかという話になったんです。
そこから、それぞれのメンバーが培ってきたものを曲にして書き出していって、形になり、アルバムという形態になりました。

—ツアーが決まった上でのアルバムリリースという順番なんですね？

s：ほぼ同時ではあったんですが、リリースが決まってそのためのツアーという順序ではなかったですね。
D：「Light and Shadow」の「Light」な部分はもともと曲として持っていたものも多かったんです。復帰してからは明るめの曲の方が多かったですし。「Shadow」に値する楽曲たちはこのダークな衣装が出来上がってからですね。
s：僕ら比較的真面目なんですよ、、、、（笑）。ちゃんと定期的に集まって選曲会を行ったり今後の動きを話し合っていったりしているんです。曲自体は割と作り貯めていたので、アルバムのコンセプトが見えてから、ダーク目な曲の作成に入りましたね。

—ということは今回リード曲となっている「Revenger -暗闇の復讐者-」は今作のリリースが決まってからの本当に書き下ろしの楽曲ということになるんですね？

s：そうですね。一番最後と言っても過言ではないくらいのタイミングでしたね。「Revenger -暗闇の復讐者-」、「哀しき獣」、「絶望のゲルニカ」はseek、Lida、AYAがそれぞれに「Shadow」をイメージして書いた楽曲です。各々の個性もしっかり出ていますよね。
先述にもありましたが、ツアーがあるのがわかっていたので、リード曲という意識ではなくライブで盛り上がる曲を作りたいなと思っていました。
PLCって衣装や楽曲やいろんな面においていろんなパターンがあるバンドなんです。その中で、自分が歌うところもあったりすれば、面白いアルバムの一曲にもなるのかなっていうイメージでしたね。
また、それぞれが作曲した曲に歌詞までつけることが今までは多かったんですが、今回は自分の曲にLidaさんに歌詞を書いてもらったりと、新しい組み合わせもできたなと思っています。あとは、今回「ゆよゆっぺ」さんにアレンジやプロデュースをお願いしたんですが、デモを渡してアレンジが返ってきたときに、僕らが想定していた以上のものが届いたので、安心感と刺激を両方感じられましたね。
D：そうですね。ただ今回は今までと比べるとプロデュースしてもらった楽曲は少なめでしたね。セルフプロデュースがこんなに多いのって久しぶりなんです。その分、作詞作曲の絡み方を変えてみたりしたんですが、やってみると結果的にこの方が僕たちのファンも喜んでくれるのかなって思ったりもしています。

—いろんな面で今までとは一味も二味も違うPLCですよね。

D：そうですね。もちろん元のデモもカッコ良かったんですが、歌詞が入って化けて、アレンジが加わって化けてって感じで、本当に面白い化け方をしたなって思っています。
s：歌詞面もそうですね。例えば自分が歌っているAメロなんかは、母音だけを発音して意味を持たない言葉で歌っていたんですが、そこにLidaさんが歌詞を載せてくれたときに言葉遊びもたくさん入っているし、Lidaさんらしいなって思えましたね。

—MVも見させていただきましたが、「かっこいいPLC」を押し出せてるMVですよね。

D：PLCが真面目にビジュアル系をやってみたって感じですね。ビジュアル系の括りでやらせてもらっているのに、今までがそんな感じもなかったので、ここで王道のダークなビジュアル系をやってみたらどうなるんだろうっていうチャレンジですね（笑）
s：こんなにダークな感じは約１０年ぶりくらいなんです。復活してからここまでの３年間は過去多かった明るめのイメージのPLCを前面に押し出していたので、今目の前にいるお客さんに対しても真逆に振ったふり幅も一度見てもらえたらなって思ったんです。
D：「より外に向けて」ではなく、「より内側に向けて」っていうテーマも今回大きくなりまたね。もちろん外に向けた楽曲もいっぱい入ってるんですが、もともと長くファンでいてくれてる方の中にはダークなPLCも大好きだと言ってくれてる人もいらっしゃいますので。

—なるほど。そして現在ツアー真っ最中ですよね！ファイナルの豊洲PITへ向けての意気込みを聞かせてください！

s：復活して３年経って、今回のアルバムで新しいPLCを作ることができたのかなと思います。このツアー中に丸１９年を迎えまして２０周年に向かっていくことになりました。今までPLCに出会ってくれた方もそうですし、これから出会っていく方も含めて楽しんでもらえるような１日になっていますので、ぜひ遊びに来ていただけたらと思います。
D：今でも日々反省したり成長したり、新しいアイデアを作ったり、ほんとうにまだまだ進化していけているんだなと思うので、今見せられる最高のライブをします。ぜひ遊びに来てください。

—最後になりますが、今回の作品を漢字一文字で表現してください。

s：おー！タイトルに「&」が入っているのに、漢字一文字(笑)。なるほど。でしたら「進」ですね。「新」とも悩みますが、今バンドがとても進んで行っている状態で、その中でできた作品なので「現在進行形」の意味での「進」かなと思います。
D：じゃあ僕は「極」で。今見せられるPLCがいろんな意味にそこに行きつけているんじゃないかって思います。特に「Light and Shadow」というテーマにおける極みかなとも思います。これだけの振り幅が出来るバンドさんなかなかいないだろうなって思えているので。

—ありがとうございました！