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REDMAN interview
- SPECIAL -

REDMAN interview

本当の想いと願いを包み隠さず渾身の音楽に載せて吐き出す。 既存のバンドキャリアや体裁など、遮るものを払拭して各々のセンスと意思だけで惹かれ合ったメンバーが集い結成された新鋭表現者集団REDMAN、生み落とした1st. mini album『FLAME OF LIFE』は、ストレートな意思と複雑に重なるフレーズアンサンブルで構成された彼等の焰そのものだ。

interviewer:鞘師 至

「自分の一番熱量の高いものを歌う」

―まずはバンド名なんですが、由来は戦隊もの?

石川 聡 (Vo / 以下”I”): 覚えやすい名前を付けたかったのと、あとは人間の情熱とかそういうアツいもの、血の通ったものをこのバンドで歌ってリスナーの人達に届けていきたい、という思いがあって付けたんですよ。色で言えばイメージ的には”赤”を連想していたんで、アツい男=REDMAN、っていう。実際僕が戦隊もの、ヒーローものの物語が好きだったりもするので、響きが戦隊ものっぽいのも気に入ってこの名前を付けました。

-このメンバーが集まったきっかけは?

I: 僕がメンバーを集めたんですけど、元々それぞれのメンバーとは地元のライブハウスでかなり前に知り合っていて、各々が自分のバンドを持っていてライブを互いに見に行くような仲だったんです。僕的に他の4人それぞれのプレイだとかフレーズにかっこいい!と思ってた光る部分があったんで「いつかこいつらとバンドやってみたいな」ってずっと思ってたんですよ。

-元々各々のバンドやミュージシャンとしての活動もあったそうですが、別でこのバンドを始めたのには、何かきっかけがあったんですか?

I: 別でやっているバンドではある程度活動歴も重ねて来て自分のボーカルとしての表現方法も軸が固まって来たんですが、それに連れて歌詞ではだんだん自分個人の想いを発することから、バンド全体として発したい意思をアウトプットすることにシフトしてきていたんです。それがあってずっと音楽を同じチームでやってきた今、これまでのバンド活動で培った経験も踏まえた上で更に磨きをかける為に改めて自分が個人として思う根底の部分の感情を歌いたい、と思うようになったのがREDMANを始めたきっかけです。
「まず自分に正直な事。」

-「FLAME OF LIFE」(M6)や「C.P.R」(M4)など、自分に自信がない男が描写されている歌詞がとても気になりました。バンドのキャリアがしっかりあるプレイヤーが今もなお思う自分への迷いっていうのはもはや、いくら支持を受けて世間から評価されても関係なく出てくる石川さんの軸となっている感受性なのかな、と。

I:なるほどね(笑)。確かに、自分に対する強がってる気持ちとか、そういう感情を全部取っ払った素の部分はいつになっても自分に自信が持てない悩みだったりするのかもしれないですね。自分はすごく弱い人間なんで、強くなりたいっていう気持ちが常にあって、人生の中でこれまで音楽以外に何も続けて来れた事がないくらい、音楽しか取り柄がないんで、その音楽環境に感謝しながら、ハッピーな事ばかり歌えなかったとしても自分の気持ちに正直に強がらないで歌っていきたいとは思ってますね。

-正直と言えばライブではshibuya eggmanにも過去出演してもらいましたが、リハからメンバー間で笑い声が絶えないし、ライブもこころから楽しんでいそうな真剣な表情が印象的でした。

I: 実際ライブやっててめっちゃ楽しいですよ。初期衝動だったり、バンド結成した時の「これからどうとでも進化できる」っていう期待感が自分達にありますからね。レールがない状態で今から自分達の手で未来が作れるわくわく感を本当に初心に返って楽しめてます。リハから笑い声うるさいのはほんとすいません(笑)。

-いえ(笑)。 現場の雰囲気良くなるんで助かってます(笑)。ちなみに杉原さんはREDMANの作曲を担う中心人物のひとりですが、このバンドでの楽曲制作で軸としているコンセプトってあるんですか?

杉原 亮(Gt / 以下”SG”): 僕はやっぱりメンバーの人間味が等身大で出ているかどうかを一番重要視して曲を作ってます。一番メインでは常にボーカルの存在を考えるんで、聡の発する想いが一番リスナーに伝わりやすい曲作りを心掛けてます。あとはテンションコードがんがん使ったり、アンサンブルも複雑に絡ませたりするのが好きなんで、今作でもそういうエッセンスを詰め込みまくりました。

-「C.P.R」の付点八分で飛ばすディレイのリフなど、時代背景、音楽背景が分かって聴く人をニヤリとさせるようなフックがエフェクトの使い方も要所要所にちりばめられているのが聴いていて楽しいです。

I: もうね、杉原がエフェクターおたくなんですよ!こだわりがストイック過ぎてずっといじってる(笑)。

SG: 一回”エフェクター禁止令”出たもんね(笑)。あまりにも作曲中のスタジオでいじり過ぎて。「エフェクト処理は皆が帰ってから独りでやりましょう」っていうお達しを頂きました(笑)。まぁ色々こだわりもあるんですが、軸に置いているのは”メンバーの人間味を活かす”ってことです。REDMANは同期やシンセの音みたいなメンバーの生演奏以外の音は一切入れないですし。

I: 今回、レコーディングでもクリックを一切使わずにみんなのグルーヴだけでリズムを合わせて録ったんですよ。
そうすると何度も聴いていった時に深みが出るなと思ったし、デジタル化されている時代に逆行して自分達の人間味を出す事にこだわるのも楽しくて。

-ベースのフレーズはドラムと別のノリを+1させてリズムが2つ絡まるようなものもあったり、とにかくジャンル多岐に渡るエッセンスを感じました。

吉岡 宗一郎(Ba): 元々音楽はなんでも聴く雑食で、いろんな音楽を聴いてきたんで、自然と出る手癖みたいなフレーズはロックに限らずいろんなノリのものを取り入れてしまうんですよね。で、とにかく動くベースラインばっかり弾くっていう。

-ドラムとしては、大熊さんのプレイスタイルってどんなこだわりがありますか?

大熊 桂斗(Dr): 僕はドラムが好きというよりも、バンドが好きなんですよ。だからスタジオミュージシャンを目指すんでなくバンドを続けてるし、繊細なドラムより楽しく叩けるドラムが好きで、手数もガンガン入れる。ビートが多少よれてもその時の感覚で楽しくなってフィル入れてしまうのもそれはそれでアリ、っていう。そういうのが性に合ってるんですよね。

-皆さんとにかく手数の多いフレーズが得意で各パートからそれを全部持ち寄ってるようですが、完成された曲を聴いて感じる整合性は園木さんの業だったりする訳ですか?

園木理人(Gt / 以下”SN”): そうですね、完全なるまとめ役です。大熊がギターみたいな歌うドラムを叩くんで、僕はもうリズムとメロディーの間でまとめるバッキングフレーズで曲を固めていく感じです。
「想いこそ人のオリジナリティーで、それが一番の武器」

I: 本当に理人くんが入るまでは、スタジオでもみんな飛び道具みたいなフレーズばっかり持ち寄るんで、曲としてまとめて着地点を作るのに苦労したんですよ。でも彼が入って初めて音を一緒に出してみた時に、一発で曲が引き締まったんです。

SN: 最初はね、以前やっていたバンドが解散してからはもう一生バンドはやらないと思ってたんですよ。一度バンドで酸いも甘いも経験してたんで、ここからまたスタート地点にもう一回立って這い上がっていく、っていうのがもう出来ないな、と。バンドって勢いが大事じゃないですか。その勢いが自分にはもう一生出せないって思ってたんですけど、REDMANで初めてスタジオに入った時、違ったんですよ。「あれ、こいつらおもしろいな。。。」っていう。で、やり取りを重ねていく度に自分も気持ちがだんだんこのバンドの方へ寄っていって。

I: 最初はサポートだったんだけどね。PVを初めて撮る時に「理人くんサポートだから映らなくて良いよね?(I)」って聞いたら「は!?映らせてよ!(SN)」って言われて、その時に気付くお互いの気持ち。。。的な(笑)。

SN: なんかお互い恥ずかしがりながら「え、入。。。る?(I)」「え、ああ、入る。。。よ!(SN)」みたいなね(笑)。いやー、出会えてよかった。

-結成当初に皆さんが感じたその結束感っていうものが、先日1/16 eggmanに出演してもらった際に外から見ていても強く伝わってきました。12月の初ツアーの東京編と比べて格段にタイトなライブ、フィーリングが合うメンバーでなければ1ヶ月で捻出できる進化ではないな、と。1曲目が「FLAME OF LIFE」から始まったのもまたぐっときました。

SG: 「FLAME OF LIFE」は今REDMANにとって意味合いの深い曲になってますね。一番大事なのってやっぱりハートの部分じゃないですか、他の誰でもなく自分の思ってる事、それがその人間の真のオリジナリティーだと思うんで、そう言った意味でこの曲には聡の意思も大いに注ぎ込めたしこの曲があれば、今のREDMANは絶対に負けない、っていう強い武器になってます。

-今作で込めた想いを携えて今後、バンドはどういう道を進んでくんでしょうか?

SN: 大阪城ホールだな!まず目標は。故郷に錦を飾らせてください(笑)。

SG: かたちはどうであれREDMANの痕跡をひとつ残したいよね。

I: あとは自分としてはアニメが小さい時から好きで、アニメの曲を歌いたいっていうのが夢だったんで、ファーストシングルで叶ったその夢は、この先もどんどん実現させていきたいです。僕アニソンにはめちゃくちゃシビアなんで、タイアップ取れたら自分の意思そっちのけでアニメの世界観重視で曲作りますから!