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ROCK’A’TRENCH interview
- SPECIAL -

ROCK’A’TRENCH interview

9月号本紙の表紙を飾ってくれたROCK’A’TRENCH、
前作から約2年振り、9/7に発売となる待望の2nd album「Bohemia」について、
Vocal 山森氏、Drums オータケ氏が自身の人生やeggman出演の過去も振り返りながら語ってくれた。

interviewer:鞘師至

-今回は待望の2nd albumリリース、おめでとうございます!

■山森/オータケ:ありがとうございます。

-今作「Bohemia」、アルバム全13曲を通して、活動開始当初からのブレない”ロッカ節”と、前作と比べてよりどっしりとした”憂い”があったり、確かな変化も感じたりしました。制作に当たってインスピレーションとなったような出来事は何かありますか?

■山森:僕の感覚的に前作と今作の違いは大きく感じていて、要因として一番大きいのはやはり”メンバーが5人揃った”というところですね。当初このバンドを始めた時の「メンバー2人+サポートメンバー3人」ではなく、メンバーとして今の5人編成になって、一緒に作った始めての作品なので。あとは曲調もあえて憂いとか哀愁っていうのを出したいな、と思う年頃になってきて。(笑)キッズっぽく発散するだけじゃなく、”大人っぽくアッパーにやろう”というのは感覚としてありました。曲はアイディアが浮かべばすぐに歌って、録音して、歌詞を書いて…といった感じで呼吸をするくらい自然な作業として毎日作り続けてたので、アルバム制作にあたって特別大きなテーマがあって曲を仕上げていったんではなく、ごくごく自然の流れから書き溜めた曲を詰め込んだ感じですね。

-オータケさんがメンバーとして加入して、山森さんとはまた違ったセンスでの楽曲展開がバンドに加わりましたが、オータケさんのバックグラウンドとなる音楽はどんなものですか?今作のオータケさんの楽曲を聞いて「J-POP x アメリカンロック」的なテイストも感じたのですが。

■オータケ:えーっと・・・イギリスのロックの人が大好きです(笑)

- !(一同笑)

■山森:でもね!考えてみれば今作に入っている曲で言えば”Trippin’Band”とかはね、曲の消化の仕方はアメリカっぽいよね。

■オータケ:あぁ、そうそう。今回の「Bohemia」では僕なりの音の解釈があって、山森くんが当初2人でROCK’A’TRENCHを立ち上げたときにテーマとして持ってたもの、要はこのバンドの主軸となるサウンドスタイルが、ブリティッシュロックではなく、アメリカロックのカラッとした感じだったりしたんですね。こそに添って自分の持ってるアメリカのロックテイストでの落とし込みをJ-POPの枠の中でするっていうことを常に考えて作ったので、今作を聴いてそう感じてくれるんであれば、僕の意図したことが伝わってくれたのかな、と思ってうれしいですね。

-歌詞の中では、お二人が作られた歌それそれに”自分の手で道を切り開け”的なポジティブなマインドが受け取れるフレーズがアルバム全体に散りばめられていますが、この精神はバンド自体のコンセプトだったりするんですか?

■山森:そうですね。バンド名の由来になっているボブ・マーリーの「Trench Town Rock (音楽があれば痛みは感じなくなる)」という曲名もそうだし、”音楽で前向きなことを伝える”為のバンドとしてこのROCK’A’TRENCHを始めたから、はじめからずっと持ち続けているコンセプトですね。

■オータケ:そう、僕が山森くんと会った時にまず初めに聞こうとしたこのバンドのコンセプトとして、僕が聞く前に彼のほうから話してきたものですね。で、僕も同じ考えを持ってたんで合致して納得して曲を作ってこれたというか。

-メンバー間以外での掛け合いと言えば、今作ではプロデューサーにいしわたり淳治(ex-スーパーカー)さんなどが参加されましたね。

■山森:いしわたりさんのバンドとのやり取りは他のいろんなプロデューサーとも違っていて、すばらしい彼なりのやり方でしたね。とにかくバンド目線というか。スタジオに来て、一緒に曲を聴いて「う~ん、なるほど~。これいいんだけどここがちょっと足りないんじゃない?」みたいな会話があって、「ちょっとこれ聴いてみようか」ってipodでいろんなサンプル曲をいろいろ聴いてみたりしながら一緒にアイディア出しをして。ほんとにメンバーみたいな、バンドマンプロデューサーですね。 録る前は一緒に飲み行ってコンセプトとか話しましたしね。お酒すごい強いです彼(笑)

-2nd. Albumリリースに当たる今の時期は、ROCK’A’TRENCHにとってどんな時期ですか?

■オータケ:僕は元々中学生ごろからメジャーの舞台でミュージシャンをやる夢があって、18歳で東京に出てきて、実際今こうやってWARNER MUSICと一緒に音楽をやり続けられてることが一生の音楽人生の中でのひとつの通過点としてかみ締めてます。いい人生歩んできてるな、と。「思い込んだら、夢叶ったなあ!」という感覚ですかね。ただ、その自分の夢を実現するために”何をすればどうなるのか”という分析と努力は常にしながら生きてきましたね。だからさっき話してた歌詞もそうですけど、”自分のちからでみらいをつくるんだ”みたいなフレーズも自然と出て来ちゃいますね。そんな30年間、上京してからの12年間、僕がじいちゃんになるまでの、あくまでひとつの通過点です。30代になった自分の吐き出したいものが連なって、この2nd albumができた、という”今”ですね。

-若い頃からの音楽への熱と、ひたむきにちいさな目標をクリアしていく計画との積み重ねで掴んだ今の立ち位置なんですね。

■オータケ:そういえば、上京したての頃は前のバンドでeggmanには相当出演してましたね。1998年に上京してきて、専門学校行きながら、あと卒業してからもKAB.さんとか、小久保淳平でもドラム叩いてたりしました。

-ちなみに2年前(2009年)にROCK’A’TRENCHとしてご出演いただいた時のeggmanの印象は?

■山森:あぁ、Bivattcheeの解散ライブのときだ。JACKSON VIBEと一緒に。その出演以外でも好きなバンドのライブにチケット買ってお客さんとしても行ってたライブハウスなんでよく覚えてますね。いいハコです(笑)

-ありがとうございます!なんか言わせてしまってすみません(笑) ちなみにBivattcheeのメンバーは大森さんとプライベートでも交流があるようですが、他に普段から交流のあるアーティストはいますか?

■山森:グローバー(義和氏)はもうほんとに音楽の話しをしなくてもゲラゲラ笑ったりしながら飲んだりしますね。ほかに最近だとFUNKISTの西郷(vo.)とか。

-最後に、この2nd albumリリースの後のROCK’A’TRENCHの活動に於いて、何か企てている計画はありますか?

■山森:バンドって途中でなにかコンセプチュアルなものをやりたなる時期ってあると思うんですけど、GREEN DAYがロックオペラみたいのを作ったりとか、The WHO の”Tommy”とかね。そういうのは僕等にはまだ早いと思ってて、やっぱり今回と同じく常に曲をつくることは止めずに生活して一曲一曲の楽曲を研ぎ澄ませていって、その集合体に最後に”あぁ、そうだったんだね”ってみんなが思えるような、そのアルバムの制作に当たった1年半なのか2年なのかの時期を総称するタイトルをつけて完成させる、ていう作品になるんじゃないかなと思います。

■オータケ:まさにそういう時期になると思います。地に足付けてね。具体的な狙いで言えば、”ジャンル間をどう埋めていくか”、RootsミュージックとJ-Rock/J-Popをどうミックスしていって、どうやって俺達の音楽を示すか、っていうのは常に考えてますね。だから今回の「Bohemia」でもラテン掛かったリズムがあったり、J-Popのメロディーがあったり、そういう自分達なりの理解であらゆる音楽テイストを取り込んでいって、最近よく言われるんですけど「これ何系?」って聞かれたら僕の中では狙いが達成できたと思うんですね。そのための作業をこれからも突き進めていくんだと思います。
“ロッカトレンチ節”みたいなものを強めていけたらいいな、と思ってます。