SHiNNOSUKE(以下:S):よろしく!TATSUKIとの関係値だからいつも通りタメ口で話すね!インタビューでタメ口とか初めてかもしれない!
—いつも通りでお願いします!先ずは先日のeggmanでのワンマンライブで発表されましたが、セカンドフルアルバム「The Sun Also Rises」リリースおめでとうございます!6年ぶり!
S:6年ぶりです!やばいっしょ!?6年間何してたの?って思うでしょ(笑)
—6年間何してたんですか?(笑)
S:って思うよねー!俺らメジャーデビューしてから割と早い段階でレーベルを抜けて自分たちの力で動き出したのね。その中で自分たち手で作るのアルバムもリリースしたいよねって話をずっとしてたんですよ。それを目指して独立したわけだし。でも、、、6年経っちゃった、みたいな(笑)
—(笑)
S:とは言っても、その間に海外での公演もなんども経験させてもらったし、弱虫ペダルシリーズのテーマソングをやらせてもらったり、花朧~戦国伝乱奇~というゲームのタイアップもいただいたりして、シングルは7枚リリースしてるんだよね。だから何もしてなかったとかじゃなくて、むしろ目まぐるしく動いてた6年間だったんだよね。
これだけの時間が経っちゃったのも出すタイミングを探っていたというよりは、「出し方」を探ってた感じかな。
—今回メジャーへ返り咲いた上でのリリースになってますが、一度独立したRiPがあえてまたメジャーでのリリースを選んだ理由はなんですか?
S:自分たちだけでのリリースの話も進めていたんだけど、もっと原点に戻ると「一人でも多くの人に届けたいっていう」気持ちが大前提にあったんだよね。あとは今回海外ツアーもあるからそういった事もトータルで考えて、メジャーでのリリースっていうのはベストなんだなと思ってます。
—完全新曲が7曲と、シングル収録曲が7曲、合計14曲入りの大入りフルアルバムですね!
S:最近はフルアルバムといっても曲数が少なかったり、あえてミニアルバムでのリリースをする人も多くなって来てるんだけどね。ただ、俺ら7枚シングル出してるから曲数少なくしちゃうとベストアルバムみたいになっちゃうからね(笑)6年間待たせた分しっかり新曲もいい形で届けたかったし、そんな思いが重なっていってこのフルボリュームアルバムになっちゃったね。
—アルバムってアルバム曲の良し悪しで、その盤の評価が決まると入っても過言ではないですよね!
S:そうなんだよね!アルバム買ったのに、結局シングル曲が良かったよねーって言われた時の残念感は味わわせたくなかったから、本当に込めて作りました。そのおかげでどれをリード曲にするかかなり悩みました。
—そんなアルバムの曲たちについて聞かせてください!まずは、「リクライム」。
S:メジャーから抜けて、改めてスタートの気持ちでやって行こうっとリリースした1発目のシングルなんだよね。まさにもう一度駆け上がるんだぞっていう意味を込めた曲ですね。アルバムタイトルの「The Sun Also Rises=陽はまた昇る」っていう意味にも当てはまるかなと思って1曲目にこの曲を持って来ました!
今回再録させてもらってるんだけど、当時リリースした時とはメンバーも違うし、今のRiPとして録音する事に意味があるかなと思って。今の俺ららしさがしっかり出てるかなと思います。
—そして2曲目「party up!!」!チャラいのきましたね!SHiNNOSUKEくんってこういう人なんですか?
S:んー、どうだろう、、、半々かな!基本的には暗い人だと思う。あんまり陽の人間じゃないかな。でもスイッチが入ってパティーピーポーになる瞬間があるみたいです、自覚はないです(笑)。見た目的にはやっぱりパリピに見られがちではあるよね。
—なるほど。母国にいらっしゃる時は結構パーティーも多かったんですか?
S:そうだねー、やっぱ日本ってパーティーがしづらい空気があるよね。母国に帰った時だけは解放されるっていうね。
二人:…。(爆笑) ※注 純日本人です。
—はい!そして3曲目「リバイバル」!今回のリード曲ですね!
S:そうですね。歌詞の感じが一番俺らっぽく仕上がったのがリード曲にする一番の決め手でした。マイナスからプラスに変えていくっていう歌詞が一番自分らしいなと思えるんだよね。常にうまくやってこれた人生ではないし。マイナスの事の方が多いバンドではあったけど、それでも這い上がっていくパワーを出したいんだよね。サウンドもコンセプトも一番RiPっぽくなったと思います。あとは、「リ」から始まる5文字の曲という事でわかる方もいるかもしれませんが勝手に「弱虫ペダル」をイメージした曲になっています。もうテーマソングにしたらいいじゃん!って思ってくれる人がいてくれたらなと!
—なるほど!そして4曲目「轍-wadachi-」!僕は個人的に思い出深い曲です!
S:だね!轍のリリースツアーを一緒に回ったよね!
—その節はありがとうございました!
S:あれがあったから今の関係値があるんだよなって思えるよね。もっと連続で一緒に回れたらいろんな話がもっとできたよね!今こうやってこういう話ができてるのもあれがあったこそだよね。俺最初TATSUKIの事が苦手だったもん(笑)
—その感じ伝わってましたよ(笑)。色々必死で空回りしてたからなー。
S:でも、最初苦手だったけどだんだん関係値が良くなってきて、今こうやって仲良くできてる人ってほとんどいないよ!だからこそこれからもちゃんと関わっていけると思ってるし、この曲がきっかけになってくれたよね!
—大切な曲になりました!これからもよろしくお願いします!そして「モラトリアム」ですね!これは心にぐっときた。。。
S:そう思っていただけると!この曲を作ったタイミングって、ALL OFFやBACK-ONやRISING 2 ENDといった俺達の近しい仲間たちが解散だったり脱退だったりを決意していなくなっていった時期なんだよね。バンド界のリーマンショックがあって俺としてもすごく衝撃を受けたんだよね。仲間がいなくなっていくっていう事は心の面もそうだし、ライブにしても遠征に行く機会が減ってしまう原因にもなるしね。同世代の奴らがそうなっていくのって他人事じゃなくて自分への危機感になったんだよね。でもまだここじゃ終われないなっていう気持ちと、まだまだこっからも先に行こうよって背中を押せるような曲にしたかったんです。大勢の人に向けたというよりは、手の届く人たちに向けた部分が大きいかな。その様をたくさんの人に知ってほしいし見てほしいなって思う。TATSUKIもその時期にちょうど1つのバンドを終わらせた時期だったと思うから、その時期のTATSUKIに聴いてほしいよね。
—そんなん、、、、言われたら泣いちゃうじゃないっすか。
S:まあその頃はTATSUKIの事が苦手だったけどね(笑)
—ちょい!!(笑) そして「リマインド」!
S:「リ」から始まる5文字シリーズだね。「弱虫ペダル」とバンドが似てるのは、チームとして1位だったり頂上を目指したりする意識だよね。「弱虫ペダル」シリーズは3曲書かせてもらってるんだけどさ、普通は1曲書き終わった段階で同じアニメの歌詞を書くって難しいと思うんだけど、共通点があったからこそ枯渇する事がなく言葉が出てきたと思うんだよね。
—それは本当に感じます!そして「ever since」。
S:これはすごく珍しい作り方をした曲ですね!ゲームのタイアップ曲として書かせてもらったんですが、書き始めた段階でまだそのゲームのエンディングの展開が決まってなかったんだよね。その中でコンセプトや登場人物のキャラから自分なりにエンディングの一部やテーマをイメージして形にしていったんだよね。こういう風な終わり方してくれた良いなとかそういう期待も含めて。
—なるほど、そして「Light a Fire」!
S:これは何度も歌詞を書き直したんだよね。今回の作品の中で色々なアーティストとコラボをさせていただいたんですが、これはその中の一つで、「Macaroni&Cheese(ex.BACK-ON) 」と一緒に作った曲で、彼らがとにかく歌詞に関しても口を出してくるんですよ(笑)「多くの人に届けるためには」というところをみんなで考えながら作っていって、最終的にはライブに来てくれる人たちが現実と向き合う勇気を持てる場所であってほしいという思いを込める事ができました。
—なるほど、なんかもういいアルバムだなー。そして「Fight against yourself」!
S:中日ドラゴンズの平田良介選手の入場曲として作らせてもらった曲ですね。
—きっかけってなんだったんですか?
S:公言してるんですが、俺は中日ドラゴンズの大ファンで、たまたま知り合いの紹介で平田選手とご飯を食べる機会があったんだよね。その会話の中で作らせてほしいって話をしたら、ぜひぜひ!って感じで!すごく嬉しくて球場に試合を見に行ってこの曲が流れた時はもう本当に鳥肌ものでした。だから俺はドームでライブができるようになったら東京ドームではなくナゴヤドームでやりたいですね!(笑)
—了解です!(笑)そして「Wake your mind up, Get your loss back」
S:これもRiPっぽい曲になりましたね!「リマインド」的なマイナーなコード進行がありつつも、メロディーがしっかりキャッチーで。
—今回背中を押される曲が多いですよね。
S:アルバムにいい曲入れすぎたかな(笑)後悔は全くないんだけど、遊びのある曲をあんまり入れられてないからね。ただ、RiPの持ってる「幅」を見せられる曲たちになってると思うので。選曲的な意味では遊び心もてたかなとは思いますね!歌詞的には俺の一番暗い部分が出ているかなと思います。
—そして「Fight song」。
S:今回、唯一のラブソングですね。これも新しい幅かなと思ってるんですが、とにかく世の中の人が一番共感できるんじゃないかと思うテーマをもって曲にしてみました。そしてこの曲は唯一ギターを一切持たずにバンドマンっぽくないう作り方をしましたね。最後の最後に生音を入れていった感じですね。
—今作ラップがすごく多いですよね。
S:伝えたいことが明確に多くなっていくとラップの方が伝わったりするから、そういう具体的な情景が浮かんだ曲が多かったんだよね。しっかりと伝えたいなと思って。
—そして13曲目「Breathing」!これもいい曲(笑)
S:これは自分たちの自主レーベルの1発目のシングルですね。タイアップとかが決まってたわけじゃいけど、どうしてもリリースしたいって思えるほど良い曲ができた気がしたし、個人的には「コンプリケイション」の続編的なイメージがあるんだよね。歳を重ねた今だから違う角度から見ることができるあの情景って感じだね。「リバイバル」と同じく、この曲は「デュラララ!!!」シリーズに向けて勝手に作った曲だね!イメージはあの感じ!
—そのシリーズ多いですね(笑)そして「リアライズ」!最後の曲に持ってきた理由はなんですか?
S:曲順決めるのに、何十パターンも試したんだけど、リアライズを最後にするっていうのは満場一致だったんだよね。陰から陽に向かう曲が多いんだけど、この曲は特に未来が明るく繋がって行く感じが強くてライブでも本当のラストにやることも多かったんだよね!エンディング感だけじゃなくてしっかり続いて行く感じ。今回のアルバムタイトルにも繋がって行くよね。
—ありがとうございます!今回、SHiNNOSUKE くんの「仲間」たちとのコラボが積極的にありましたが、率直にどうでしたか?
S:RiPがこの歴の長さの割にまだ2枚のアルバムしか出せてなかったりするんだけど、結局それってどういうことかというと、ここまで培ってきた財産が「仲間」なんだなって思えるんですよね。仲間がいて支えられて続けられているし、その繋がりをしっかりとずっと大切にして行きたいなと、そういう意味でもRiPらしいアルバムにできたなと思っています。
—そして今回海外を含め相当数のツアーを回ることになっていますね!そしてSPYAIRとのツーマンツアーにもなっていますが、意気込みを聞かせてください!
S:俺たちにとってSPYAIRみたいなバンドって他にいないんだよね。メジャーデビューもほぼ同期だし、バンドとしての打ち出し含めていろんな共通点があって、今は状況が変わっちゃったけど昔からずっと一緒にやってきたバンドだからさ。そんなバンドと一緒に海外を回れるなんてすごく嬉しいんだけど、ただ嬉しいや楽しいじゃなくて、やっぱり負けたくないからさ、「俺らもこんだけやれんだよ」っていうのは見せたいですね。あとは「また戻ってくるからね」って約束した土地に帰れるのも嬉しいし、本当に頑張りたいですね!で、世界を回って戻ってきた自分たちがどんなライブをするのか楽しみに待っててほしいですね。
—今回のツアーで母国にも行かれるんですよね?
S:そうですね。お父さんの国にもお母さんの国にも。。。
んー、、、どこの国のことかなー(笑) ※注 純日本人です。
—はい!そして今回の作品を手に取ってくれる方へメッセージをお願いします!
S:たくさんの人が関わってくれたことで大変な部分も多かったんだけど、それでも6年ぶりということもあって完成して良かったと思えるアルバムなので、少しでも伝わる部分があればたくさん聴いてほしいです。何回も聴いてくれたらより深くなっていくので。
—最後に、今回のアルバムを漢字1文字で表現するとしたらなんでしょう?
S:「輪」ですね。今まで歩んできた道のりの中での人との繋がりがこの作品になっていると思うので!
—ありがとうございます!