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武藤彩未 interview
- SPECIAL -

武藤彩未 interview

キッズモデル、アイドルグループ、ソロアイドル、そして活動休止。様々な経験を経て武藤彩未が決意したこととは。彼女の瞳はまっすぐに前だけを見ていた印象で、強く踏み出したその一歩はただの一歩ではなくきっと彼女にとって大きな大きなものであるように感じた。今後が楽しみだ。

インタビュアー:ブッキングマネージャー窪田

―活動再開後初めてのCDリリースということで、再出発的な意味合いが今回は強いですか?

武藤彩未(以下…武):そうですね。私にとっては5年ぶりのCDリリースですし、改めてこうやって音楽活動をできるのがとても嬉しいです。今回は作詞にも挑戦しましたし、試行錯誤しながらではありますが、成長した姿を見てもらえたらなと思っています。

―アイドル時代とは印象がだいぶ違うというのが正直なところです。

武:今までの活動があったから今があるというのはありますし、アイドルとして見られるのが嫌ということは全くないですが、今後はシンガー、アーティストとしてしっかり自立してどんどん自ら発信していけるようになりたいです。活動休止をした時に改めて歌が好きだなと確信しましたし、シンガー、アーティストとしてもっと成長していきたいです。いつかは作曲にも挑戦したいなと思っていますし、様々なことに挑戦していきたいです。そう言った意味でも過去の活動とは違う部分はあると思いますし、改めての再出発なのかなとは感じますね。

―今活動休止の話がでましたが、休止をした時にはこの再始動というのは決まっていたのですか?

武:いや、本当に全く決まっていなかったです。芸能活動は辞めるかもというのは頭の中にはありました。歌で勝負していくためには中途半端な気持ちではできないし、そういったことも含めて自分を見つめ直すための休止だったので。休止してすぐに海外留学をしたんですが、そこでもう既に歌っていたんですよ。配信をするとかではなく、自然に。やっぱり私は歌からは離れても離れられないんだなってことに気付いて、帰国したら音楽を再度始めようと決意しました。

―強い決意ですね。元々幼少期から歌を歌うことを目指していたんですか?

武:実はそうではないんです。キッズモデルとしてデビューしたんですけど、それは母親に薦められて始めて、そこからお仕事をいろいろさせていただく中で、歌を歌う仕事にであって、それから一気にハマっていきました。歌を始めた直後に自然に松田聖子さんみたいになりたいって思ったんですけど、元々両親の影響で80年代の音楽をたくさん聴いていたのできっとDNAには刻まれていたんだと思います(笑)。

―80年代ってもちろん武藤さんは生まれてないですよね?両親の影響とはいえちょっと驚きです。

武:そうですね(笑)。96年生まれなので。でも私の中で音楽=80年代って言えるくらいのものなんですよね。父が元騎手で今は調教師をやっていて、弟も騎手になりましたし、実家では馬づくしの環境で。馬が驚いてしまうので大きい音を出せずで、テレビとかもあまり見ていなかったので、小さい頃流行っていた音楽とかにテレビを通じて接するということが少なかったんです。音楽を聴くタイミングというと家族で移動するときの車の中だったので、そうなると必然的に両親の影響というのが強かったんです。

―なるほど。かなり特殊な環境ですね。

武:そうだと思います。あとはこれも80年代から強い影響を受けているのですが、レコードも好きなのでいずれはレコードもリリースできたらなんて思っています。家でもレコードプレーヤーで音楽聴いたりしているので、いつか自分の作品もレコードで聴けたら嬉しいですね。

―渋い趣味ですね。本当に96年生まれかちょっと疑いそうになりました(笑)。

武:生まれてくる時代が違うってよく言われます(笑)。カラオケとかに行っても同世代と合わなくて(笑)。でも良さを伝えたいからブレずにやっていきたいですね。

―気持ちの良い覚悟ですね。そんな武藤さんの再出発となる記念すべき作品のタイトルは『MIRRORS』とのことですが、由来を聞かせてもらいたいです。

武:先ほどお話させてもらいましたが、5年ぶりのCDリリースとなる作品なので、今の私の姿を全部見せたいなと思ったんです。等身大の私を鏡に映し出すようなイメージでした。

―どんな1枚に仕上がりましたか?

武:私のDNAに刻まれている80年代の要素を詰め込みたいなと思っていて、そのテイストは入れつつ、私なりの雰囲気というか私なりの音楽というものを突き詰めたいなと思っていたのでそこはこだわった部分ですね。

―レコーディングで苦労した曲などありますか?

武:ハモりは過去にあったんですけど、コーラスは難しかったですね。言葉ではなく音で表現することが想像以上に大変でした。良い勉強になりましたね。

―ミニアルバムの制作を通じての成長がいろいろあった感じがしますね。そんな今作の中でもお気に入りの1曲を挙げてもらいたいです。

武:全部お気に入りなんですけど(笑)。

―そりゃあそうですよね(笑)。その中でもあえて挙げるとしたらでお願いします。

武:うーん。。。思い入れがあるという意味では「tsubaki」という曲はそうですね。今までにないくらいエモーショナルな気持ちで歌ったなと思っています。以前は殻にこもりがちというか、キレイに歌わなきゃという思いが強くて。でもこの曲のレコーディングの際にもっと感情を出していこう!って言われて、そういったことをあまりしてこなかったから照れとか違和感があったんですけど、歌っていくうちに徐々に馴染んできて、最終的にはとても良いレコーディングができたのかなと思っています。こういった部分でも成長を感じてもらえたら嬉しいです。この曲は作詞にもチャレンジしましたしね。

―作詞へのチャレンジは難しかったですか?

武:正直かなり苦戦しています(笑)。

―なるほど(笑)。

武:感受性が豊かじゃないというか、感情の起伏があまりなくて、喜怒哀楽が薄いってよく言われるんですよ。嫌なことがあったりしても寝たらすぐに忘れられるんです。そういう感情の動きって作詞に必要なことじゃないですか。だから苦戦していますね。ただ、作詞にチャレンジする前よりは色々な事に目を向けて耳を傾けて意識して捉えるようにしていて、それがとても楽しいし世界が変わったような感覚がありますね。でももっともっと勉強していって作詞もどんどんやっていきたいと思っています。

―いずれは作曲もですか?

武:そこも目標の一つです。まだまだ先になるかもしれないですがチャレンジしたいです。

―楽器の経験とかはあるのですか?

武:ギターとピアノとドラムを少しずつです。器用貧乏というか中途半端になりがちで、飽き性なところもあるので、今まで長続きしたことってほとんどなくて、唯一歌だけがずっと続けてこられたので、楽器ももっとしっかりやれるようになりたいなって思います。きっとそれだけでも作曲に活きる部分はあると思うので。

―楽しみにしていますね。そして今作のリリース直後にはワンマンライブがありますね。意気込みを聞かせてもらいたいです。

武:今作の収録曲は全て歌いますし、今の私・成長した私をみなさんに披露する日にしたいなと思っています。会場の日本橋三井ホールは過去に所属していた“さくら学院”の卒業式をやった場所なんです。私にとってはとても思い入れがあって大事な場所で、そこで再出発となるライブができるのは本当に嬉しいですね。良い出発ができるんじゃないかなと思っています。

―最後に今後の展望を聞かせてもらいたいです。

武:今日何回かお話してしまいましたが、80年代の音楽の良きところを伝えていきたいと思っています。老若男女に愛されるような歌を歌いたいですね。80年代って古いとか懐かしいというイメージを持つと思うのですが、それを現代に上手くミックスしたいんです。現代の80年代の音楽=武藤彩未ってなれたら一番嬉しいですね。