ー どんな経緯でスタートしたバンドなんですか?
佐々木 直人(Vo & Ba):元々、木田(Guitar & Cho)と僕が小中学校の同級生で一緒にサッカーをやるような友達で、高校は別々だったんですけど、そのあたりからそれぞれ楽器をやり始めて。各々の高校の軽音楽部でコピーバンドとかはやっていたんですけど、オリジナル曲をやりたいよねって話になって。高一の時に組んだのが始まりです。そこから 2016年に宏二朗(Drums)が加入して現在の形になりました。
ー「リアクション ザ ブッタ」というバンド名の由来は?
木田健太郎(Guitar& Cho):実は、意味とか由来とか全くないんです。フェスの出演者を中学生の頃に見て、当時、英語のバンド名が多くて自分の目当てのバンドがなかなか見つけられなくて。カタカナとか平仮名とか漢字だったらすぐ見つけられるかなって考えていて。バンドを組むことになって、インパクトあるやつ何かないかなと思っていたら、突然「リアクション ザ ブッタだ!」って閃きました(笑)
佐々木:始めた当初は、いかついバンドだと思われていることも多かったです(笑)
木田:歌モノのギターロックをやっているのに、バパンクバンドっぽい名前だな、みたいな感じで一旦保留にしておこうかってなったんですけど。それ以降出すバンド名の候補が「リアクション ザ ブッタ」のインパクトにどれも勝てなくて、、、
佐々木:気付いたらそのまま16年経っていました(笑)人生の半分以上「リアクション ザ ブッタです!」って言っています。
― コロナ禍真っ只中、「ドラマのあとで」がTikTokを中心にバズったのは大きな転機だったかと思います。実際にどんな変化がありましたか?
佐々木: 2022年6月ぐらいにTikTokで聴かれ始めて、そこから数ヶ月してからだったと思うんですけど、今まで見たことない顔ぶれの、10代〜20代前半ぐらいの人がたくさん来てくれるようになって。大きなイベントやサーキットでも今までは埋まらなかった会場も埋まるようになってきて、新しいお客さんが増えたことをそこで実感しました。
― 一昨年に開催したeggmanでのフリーライブ形式でのワンマンは、キャパシティの4倍近い申し込みがありました。
木田:その時も、普段音楽は聴くけどライブハウス自体は行ったことがないような人が、ブッタをきっかけにライブハウス1歩目を踏み出してくれたりして。長く続けてきて、このタイミングでそういった人に届いたのが嬉しかったです。
佐々木: 本当に僕らの中では大きな出来事で、もちろん同世代に響くのは嬉しいことなんですけど、下の世代に共感してもらえるって嬉しくて。バンドとしてまだまだ生きていける理由になるし、何より元気をもらっています。
―TikTokもその中の1つだと思うんですが、ブッタはコロナ禍でもできることを探して動き続けていたバンドだと思っていて。その中で今に繋がっているようなものってありますか?
佐々木: YouTubeで「THE FIRST BUTTHA」という企画を立ち上げて、基本ピアノと僕の歌というスタイルで、いろんなアーティストさんの曲をカバーさせてもらったんです。そこでエンジニアさんもいる環境で回を重ねることによって、自分の歌の良し悪しや大事な部分が掴めてきたのは今に繋がっていると思います。
木田:制作にもたくさん向き合えた期間だったなと。
佐々木:今ライブでよくやっている「Seesaw」という曲は、コロナ禍で沈んでいる気持ちを歌うんじゃなくて、コロナが明けた後に答え合わせできるような曲にしたくて作った曲で。その頃、コロナ禍において初めて有観客でライブをやったのはeggmanだったんですけど、現場の苦しさはあったものの、気付けたことが本当にたくさんあって。いろんな制限から、開放された未来を想像しながら歌っていたことを今も思い出しますし、歌う度に、今また普通にライブができている状況のありがたさを感じています。
―昨年 11月にリリースされたアルバム「酸いも甘いも、好きも嫌いも」このタイトルに込められた想いは?
佐々木:出来上がった曲を並べて聞聴いた時に、曲の主人公たちが良いこともあれば辛いこともある主人公たちで「酸いも甘いも」だなと思って。更に恋愛の曲も多く入っているので「好きも嫌いも」を付け足して。今まで日本語の長いタイトルのアルバムもなかったので、今回このタイトルになりました。
― 今作は今までのブッタらしい曲もありつつ、アレンジ面でも音数も増えてバリエーション豊かな作品だと感じました。
佐々木:これまでアレンジの軸は木田がずっとやってきていたんですけど、最近はその軸に加えてプロデューサーに宮田“レフティ”リョウさんに入ってもらって、コライト(バンド内だけで完結せず、アーティスト複数人共同で1つの楽曲制作を行う手法)で曲を書いたりしています。レフティさん含め4人でスタジオに集まって、なんとなくテーマだけを決めて、その場で、4〜5時間で1曲完成させる、みたいな形で。今作の中で言うと「 lowkey」「クッキーアンドクリーム」「Wet & Dry」がそうですね。僕らの音楽性に今までなかった要素が入ってきて、楽しみながら作れました。
木田:このアルバム、あんまり俺はアレンジしていなくて。コライトと、あとは自分たちで作った簡単なメモみたいなものを、レフティさんに渡してアレンジしてもらうっていう。音数が増えたり雰囲気が変わったり、他の人にアレンジしてもらったことで良い反応が起きていると思います。
― 「クッキーアンドクリーム」を初めて聴いた時は衝撃でした。こんな曲もやるんだ?!って。
佐々木:ちょっと意外だったんですけどバンドマンから「あの曲めっちゃいいです」と言ってもらえることが多くて。
木田:キメだったりコード進行だったり、コライトでレフティさんのエッセンスが結構ふんだんに入っているんで、多分バンドマンだけじゃ作れない楽曲になっているのかなって。
大野宏二朗(Drums):メンバーだけで作ろうとすると「こうじゃなきゃいけない」と思い込んでしまうようなところが、レフティさんが入ったことによって、この曲はもちろん、今作の弾け方が見えた感覚でした。
― その上で、終わり方にバンドマンとしての譲れない部分みたいなところが詰まってそうで、そこも良いですよね。
木田:ライブで初めて見るお客さんだと、あのセクションで「きょとん」としちゃうことがありますね(笑)
― どの曲を聴いても、どんどんスリーピースの域を超えていきますね。
佐々木:最近は特に、3人だから、スリーピースだからこうっていう縛りみたいなものはあんまり考えていないかもしれないです。
― ベースボーカルでこれだけ弾き倒せるのは強みですよね。
佐々木:自分で作っていても難しくなることは今までも結構あったんですけど、今回レフティさんが入ったことにより更にレベルが上がってしまって(笑)実際、やったことのないようなフレーズを後々歌と合わせるようなところは難しかったです。でも、そういうテクニックソングみたいなところは、今後もやっていきたいですね。
― 全国10箇所のツアーを昨年12月に終えましたが、どんなツアーでしたか?
佐々木:初日の千葉LOOKはアルバム発売直後だったんですけど、新曲なのにみんな口ずさんでいて、聞聴き込んできてくれた感触がありました。事前に配信で「lowkey」はタオルを回してみよう、と発信していたら当日すごい景色になって。あと、札幌・福岡・高松はツアーでは4年ぶりに行くことができたんですけど、たくさんの人が待っていてくれて。福岡はソールドアウトすることができて、MCで聞いたら来てくれたほとんどが九州の人でした。各地で待っていてくれる人がいることを実感できて、良いツアーになりました。
ー 2月からは東名阪のワンマンツアーが始まりますね。ツアーファイナルの会場となる渋谷CLUB QUATTRO。みなさんにとってどんな場所ですか?
佐々木:いろんな先輩や仲間、同年代や後輩を見てきた場所で、その度いろんな景色を見てきましたけど、やっぱりここでやりたいなって思うライブハウスです。クアトロでやっているバンドはみんなかっこよかったし、自分たちもそこに立ちたいとずっと思っていたので、やっと実現できます。
木田:バンドにとって、ライブハウスのキャパシティが増えていく階段みたいなものがあると思うんですけど、その中でもクアトロっていうのは、1番ぐらい重要な場所なんじゃないかなって感じています。ここで良いワンマンができたら、またその先へ良いスタートが切れると思っているので、必ず成功させたいです。
大野:先輩や友達のライブを見に行って、仲間がそこに辿り着いたことを嬉しく思いつつ、いつ俺らの番が回ってくるんだろうっていう悔しさをずっと抱えてここまできたので。やっと俺らの番が回ってきたなっていう嬉しさがかなり大きいです。やってみて、もし自分たちの望む結果になんなかったとしても、その後に考えようっていう気持ちで、今はクアトロでワンマンができる喜びを噛み締めています。
ー 今回のアルバムの収録曲も、クアトロやその先の大きなステージを見据えた楽曲に感じます。今後の皆さんの目標を教えてください。
佐々木:まずはこのワンマンツアーを成功させたいです。その先で思い浮かぶことで言えば、対バンツアーもワンマンツアーも、今回以上に規模を大きくして、他の土地でもやってみたいですね。あとはここ最近で改めて実感したんですけど、歌詞や音楽に共感してもらえるっていう部分は僕らの武器の1つだと思うんで、SNSでもそれ以外でも、そんな作品やトピックを自分たちから投げかけられるよう、更に楽しんで自由に進んでいきたいと思います。
木田:バンドでずっと目標なのが、埼玉で結成したバンドなので、さいたまスーパーアリーナワンマンをやりたいっていうところが、最終に近い目標です。あとは、個人的な目標で言うと、たくさん稼いでヴィンテージギターをたくさん欲しいです(笑)それを持って、スーパーアリーナのステージに立ちたいですね。
大野:去年、一昨年の「ドラマのあとで」のことで、たくさんの人に出会うチャンスをもらったと強く感じていて、ライブだったりリリースだったりのこれまでの流れは大事にしつつ、更にいろんな人に出会いたいです。聴いてもらって出会ってもらって、そんな人たちを巻き込んで最終的にどこまで行けるのか、まだまだこの先も楽しみたいと思います。
⚫︎リリース情報
New Digital Album
「酸いも甘いも、好きも嫌いも」
2023.11.01 wed Release
M1 一目惚れかき消して
M2 lowkey
M3 Voyager
M4 クッキーアンドクリーム
M5 あいかぎ
M6 Wet & Dry
M7 泣きたくなるほど
M8 彗星
⚫︎ライブ情報
リアクション ザ ブッタ ONEMAN TOUR 2024
2月3日(土)大阪梅田Shangri-La
2月4日(日)愛知名古屋ell.FITSALL
リアクション ザ ブッタ ONEMAN TOUR 2024 FINAL “Give me more distortion”
3月17日(日)東京渋谷CLUBQUATTRO