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フジタカコ interview
- SPECIAL -

フジタカコ interview

東京都出身のシンガーソングライター・フジタカコが1stフルアルバム「HEROINE」をリリースした。昨年7ヶ月連続リリースされた楽曲に更に新曲を加え、9人のヒロインたちを描いた本作。伸びやかな歌声とシンガーソングライターの枠にとらわれない聴きごたえある楽曲で、彼女の可能性にワクワクせずにはいられない。eggmanでのツーマン企画に向けて、アルバム、そしてライブへの思いを語ってもらった。

Interview&Text:渡邊直人

― どんな経緯で音楽を始められたんですか?

歌そのものへの始まりは、親に勧められて中学1年の時に合唱部に入った時です。思いの他自分の声がよく出たので、「私、才能あるかも!」と思ってしまって(笑)最初は入部するつもりもなかったのに、そのまま中高6年間合唱部を続けました。

― 自分で曲を作り始めたのは?

確かギターを始めたのが中学3年の頃だったんですけど、たまたまおばあちゃんの家にあったギターを借りて帰ってきて弾くようになったんです。その頃SNSで繋がっている人たちがみんな自分の曲を歌っていて、「私も作らなきゃいけないんだ」みたいな使命感で曲を作り始めました。

― 音楽に本腰を入れるキッカケって何かあったんでしょうか?

始めはSNSで発信したりするだけだったんですけど、中学校3年生の頃にネット経由で誘ってもらったライブに出て、その頃から音楽を仕事にしたいっていう感情が芽生えました。事務所に入らなきゃと思って高校1年の頃にオーディションを受けて、そこから養成所で色々教わっているうちに、ライブをもっとやらなきゃいけないんだと思うようになって、知り合いに紹介してもらったりしながら、ライブ活動を始めました。

― 昨年10月のeggmanワンマンでは、繊細さと力強さが共存するような姿が印象的でした。ライブにおいて大事にしていることってありますか?

作曲にも関係しているんですけど。私の曲を聴いてる間、自分のことを主人公って思ってもらいたいんです。なんて言うんだろう、、、自分の人生に諦める瞬間って多分みんなあると思っていて。「自分は主役じゃないんだ」とか「あの子の方が」みたいに思っちゃう時に、私の音楽を聞いて、「いや、自分やっぱ主人公だったわ」みたいに思ってほしい。これがずっと一貫して私の中のテーマとしてあって、ライブはそれを感じてもらえる1番わかりやすい場所だと思ってます。

― 2023年には7ヶ月連続リリースを行なってましたが、この制作は大変でしたか?

よく言われるんですけど、全然周りが思っているよりしんどくなくて。いっぱいデモ曲を書いたっていうよりかは、もう、1曲1曲狙い打ちというか。「こういう曲作りたい」をどんどん体現していった7ヶ月だったので、あっという間でした。

― そして、連続リリースの楽曲プラス新曲を収録した1st Album「HEROINE」が2月にリリースされました。このタイトルにはどんな意味があるんでしょうか?

1曲1曲に、1人ずつ女の子の主人公を立てたんです。その子たちがそれぞれの生活の中で、ヒロイン(主人公)になる過程を全部の曲で描いていて、そんな、自分がヒロインなんだって気付く瞬間を切り取った曲を集めたアルバムなので「HEROINE」というタイトルにしました。私の音楽の根本的なテーマにもある「主人公」っていうキーワードを、わかりやすくタイトルにできたと思います。

― 「スポットから逃げて」は今作初収録の新曲でMVも公開されていますね。反応はいかがですか?

正直この曲の歌詞は、あまり理解してもらえないと思ったんですよ。ステージに立っている人がステージから逃げていく曲なので、音楽やってない人たちからしたら共感できないんじゃないかなと。でも思ったよりもずっと共感してもらえたみたいで、SNSだとサビだけとかAメロだけみたいな、断片的に歌詞が切り取られることも多いじゃないですか。そういう聴き方だけじゃなくて、しっかり歌詞のストーリーも含めて読み取ってくれるような聴き方をしてもらえたのが、嬉しかったです。

― 「私が髪を切るときは」も今作初収録ですね。こちらはどんな曲ですか?

これは確か高校3年ぐらいの時に書いて、ライブでもたまにやってた曲なんです。シンプルに女の子が髪を切る曲なんで、「スポットから逃げて」とは全く逆で、めちゃめちゃ共感してもらえるとしたらこういう曲かなって思ってます。うん。でもどうなんだろう?(笑)

― たくさん共感される曲だと思いますよ!ちなみに他に今作で、ここだけは聴いて欲しいというポイントがあれば教えてください。

この「HEROINE」というアルバム、絶対CDにしたいと思ったんです。このアルバムには9人の主人公がいて、その子たち1人1人に対してストーリーがあって、そのコンセプトを知ってもらった上で、もう1回、頭から終わりまで通して聞いてほしいなって思っています。1曲目に「ho-pe」というインスト曲が入っているんですけど、9人分の声、9種類のコーラスを入れているんです。そこの導入から含めて1枚の作品なので、バラバラに聴かれることが多い時代だとは思うんですが、ぜひ通して聞いてほしいです。

― 5/24にはeggmanでリリース記念ツーマンライブ“覚めないようにめをとじて”が開催されます。

“覚めないようにめをとじて”っていうコンセプトは、元々夢から覚めたくないっていう意味合いでつけたんですけど、その「めをとじて」は、全部ひらがななんです。その「め」が、物理的な目でも、心の目でも、みんながまだ見ていたい夢があるなら、それを信じ続けるために来てほしいなっていう気持ちがあってつけました。

― 対バンの坂口有望さんとはどんな繋がりが?

繋がりはあまりなくて、お話しするのはほぼ初めてなんです。高校生の時からずっと聴いていた方だったので。めちゃめちゃ楽しみです。ツーマンでバチバチにやるっていうよりかは、あったかい日になればいいなと思っています。

─ この先も様々な活動を予定されていると思いますが、今後の展望を教えてください。

もっとみんなの身近にいるような、距離感の近い曲をたくさん書いていきたいと思っています。弾き語りが軸ではあるんですけど、シンガーソングライターっていう形に囚われすぎないで、ワクワクする音楽だけをずっと作り続けていきたいですね。あと、これまでライブハウスでたくさん音楽を吸収させてもらってきたので、もっともっとライブハウスに出たいし、いつか日比谷と大阪の野音で、夏にライブをやりたいです。野外が好きで、自分の声は野外に合うと思ってるので、実現させたいですね。


◾️リリース情報
1st Full Album「HEROINE」

<収録曲>
1.ho-pe
2.夢見るだけなら
3.スポットからにげて
4.かなしくないよ
5.天使になったら
6.怪物
7.グッドラックが聞こえな
8.私が髪を切るときは
9.シスター
10.koi

発売日:2024年02月14日 

◾️ライブ情報
5/11(土) MiMiNOKOROCK FES JAPAN in 吉祥寺 2024
5/24(金)shibuya eggman
フジタ カコ 1st Full Album「HEROINE」リリース記念ツーマンライブ
“覚めないようにめをとじて”
w)坂口有望
OPEN/18:30 START/19:00 ADV/¥3,500(+1D)