ご無沙汰しております。サカキナオでございます。
太陽がサンサンというより、 ガンガン照りつける今⽇この頃。 もはや刺さるような⽇差し、いや「⽇刺し」を全⾝に浴び、そして溶けながら、「ヴァンパイアの気持ちってこんな感じかーー」と⻄洋の魔物に同情したフリをしつつ、 現実の灼熱に阿⿐叫喚って感じなのであります。
地球壊れちゃってるんじゃないの。
そして灼熱に引っ張られて蘇るあの記憶、、、。
ああ、思えばあの⽇も暑かった、、、。
それでは⼩噺を。
あれはワタクシが 4 つ、5 つの歳の頃だろうか。これから踏み⼊れる未知の領域に絶賛、武者震っているガキが 1 匹。なんでも今までの経験値からは想像のできない挑戦が眼前に据えられているゆえ仕⽅のないことでございます。
そしてそこら中に響く「バタン」「ガシャン」といった物々しい⾳、膝⼩僧には⾎。いやはや⼩僧、⾚く⼤泣きでございます。
「終わる?終わっちゃう?もうやめちゃう????」
⽗上のその声⾊は⼼配なんて要素を微塵も感じさせない。補助輪を外したばかりの⼩さな⾃転⾞とともに倒れたワタクシを、満⾜そうなニコニコ顔で⾒ているのです、、、。
今思えば少年のような純粋気な⽗上の良いところがネリネリ練り込まれた美しい表情なのですが、そのときのワタクシには味⽅に思えなく、⽴ち向かう対象だったのであります。
てか、そんなことより痛い。いや、本当に。
いやいや、 皆さまも同じように幼少期に越えた⼭なのは重々承知しておりますとも。あの補助輪を外した⾃転⾞に乗っているときの⼀⼭越えた感、同世代の未だ補助輪に⽀えられた、 ⾃転⾞に⽢んじている⾯々を横⽬に「勝った」と確信するあの感じ。 補助輪が外れるってのはまさに「おとなのかいだんのっぼるーー」なのであります。
そしてその過程で皆さまが痛い思いしてきているのはもちろんわかっているのですが、 どこでその訓練をされましたか?
そう、そこが重要なのです。たとえば転んでも⼤怪我は避けられそうな草っ原。 近くの公園の⼟の上、、、(江⽃背⻁)
ワタクシがこの⼤⼈への登⻯⾨として誘われたのはコンクリートの上、しかもなんか⼩⽯を集合させ、 加⼯されたゴツゴツしたとっても頑丈で攻撃⼒の⾼そうな舞台なのであります。いやはや今回のミッションには明らか不向き、ノットマッチ 。
もうすでに膝⼩僧⼤泣き、 ⾚い涙を流しているワタクシは挑戦的な笑顔で煽ってくる⽗上(おいどん主観)との勝負に「やるしかない」と腹を括っているのでありました。
「ここで終わるなんて男として終わりってことだぞ」
そう⽗上に問いかけられているような、そんなワケないような、、、。まぁ兎にも⾓にもやるしかない。
ここからギアを⼊れ替えたワタクシ。 何度ともなく転び、 膝はおろか全⾝傷だらけなのですが、 ⽌まりません⽌まりません。もはや痛みなんぞ⼀切感じず突き進んでいくのでした。それが男ってもんだろおお。(よい⼦のみんなはマネしないでね)
それからどれほどの時間が経ったのでしょうか。あのサンサンと、、、いや、 ガンガンと照りつける太陽もオヤスミモードに⼊る宵の頃。ついに感動の瞬間が訪れたのでございます。
何度⽬になるか、n 回⽬のバランスゲームのことでした。
サドルにお尻を乗せ、いざ出発!!
そのとき、 シーソーが丁度⽔平に保たれたあの⼀瞬のようなフーーシギな感覚。 いやはや永遠に感じましたね。時が⽌まったように真っ直ぐ地⾯に突き刺すよう垂直を保ったワタクシ。
「乗れた乗れた!!ついに乗れた!!」
時間にすればほんの数秒のことだったでしょう。 急に重⼒が戻ってきたように⾃転⾞は傾きはじめました。
しかしそれはそれは感動の瞬間でありました。もちろん現在のおいどんはスイスイーーと漕いでいるのですが、すべてはこの暑き⽇の満⾝創痍が基盤となっているのであります。
後⽇譚として。
⾝体の感覚なんてのは不思議なもので、あんなに四苦⼋苦していた脱補助輪も箸の持ち⽅を正したときのように忘れることなく、 ワタクシの⽇常の「普通」 に溶け込んでいったのでした。
⼀⽅⽗上は「⾼みを⽬指せ」と伝えたかったのか後⽇、 脱補助輪に成功した幼きワタクシの隣を颯爽とママチャリで追い抜き、「遅いゾウううう」と発破をかけてくるのであります。
ああ⽗上。 あの頃はなんて⼤⼈気ないこと、、、なんて思って申し訳ない。 ⾃転⾞を通じて「こんなところで踏みとどまるな」って⼈⽣の処世術を教えてくれたのね。ありがとう。
然れどゴツゴツアスファルトは痛かったヨ、、、。
ゴツゴツ 。痛タタタタ。