■「365日中360日」…イチロー並みの努力家はアイドル/ガールズバンドにも存在する
2016年、メジャー3000安打を達成したイチロー選手。彼は小学生の頃、こんな作文を書いている。「活躍できるようになるためには練習が必要です。」「365日中360日は激しい練習をやっています。」
努力は継続により実を結び、ドラマを生む。そんなドラマチックな努力家は群雄割拠のアイドルシーン、ガールズバンドシーンにも存在し、その存在をかけて日々凌ぎを削っている。そこからこれまでにはない(新たなユニットが生まれた。それが11月23日(水)にシングル「Dead or Drive / マボロシリアル」をリリースする3人組ユニットτ(-TAU-)だ。
■オリコン1位獲得、Perfume直属後輩アイドル「まなみのりさ」メンバーら3人で結成
τ-TAU-はルミ(Caramel)、もんてろ(絶叫する60度)、みのり(まなみのりさ)の3人で結成した期間限定ユニットだ。
ルミは若手ガールズバンド注目筆頭株・Caramelのボーカルとして3日に1回のペースで全国を駆け巡り、ライブを敢行。そのステージは全国のライブハウスを中心に路上ライブから大型フェスまで多種多様。またアイドルイベントから男性ロックバンドとの対バンまで、その出演ジャンルを問わず幅広く、常に会場を盛り上げるそのパフォーマンスは圧巻。アイドルとバンドを繋ぐ、ガールズと下北系を繋ぐバンドとして出演オファーが絶えることがない。自主企画では「7日間連続出演の主催ライブ」や「1日4回のワンマンライブ」と常に新しい挑戦を続けている。更に驚くべきは、今まで一切の音源を発売していないにも関わらず、全国TBS系「生き物にサンキュー!」のエンディングテーマソングにも抜擢されたことである。幅広くエモーショナルでハイクオリティな楽曲と全力ライブを武器とし、アイデアに満ちあふれたステージングはライブハウスシーンを賑わせ、BARKSの「2016年注目したいガールズバンド10選」でTOP選出とその存在が注目されている。
もんてろは、絶叫する60度with6% is MINEとしてバンドのフロントマンとしてデビュー。またバンドとしてだけではなくラウド系ロックアイドル絶叫する60度として脅威の年間300本を超えるライブを行っており、パフォーマンスする場所はライブハウスだけに留まらず「鳥取砂丘」や「男鹿半島」で行った一切の事前告知なしで行われた自主企画は既に伝説。1stシングルはノンプロモーションで異例の6,000枚に達し、2ndシングルは初期出荷3,000枚を2週で完売!そのファンである「えっふー」と作り上げたタワーレコードでのインストアライブは愛情とアディアに溢れ観る者を圧倒した。本数やその企画性に目がいきがちのライブだが、その1本1本の熱量は凄まじく、人生を掛ける2人の姿に胸を打つファンが続出中!!アイドルとバンドの進化系ハイブリットユニットとして、そのジャンルこそが「絶叫する60度」とデビューから支持を一気に拡大。この10月から自身初のワンマンライブとして大阪、名古屋、東京と3ヵ所のクアトロツアーを控えている。
みのりはアクターズスクール広島出身の元祖ご当地アイドル・まなみのりさの一員として2007年にCDデビュー。”Perfumeの後輩”という触れ込みを裏切らない、トライアングルフォーメーションから繰り出される切れ味抜群のダンスと耳馴染みの良い楽曲が持ち味。2012年のメジャーデビュー後、一度はインディーズに戻るという苦境に陥るも、2015年12月に再メジャー契約を果たし、「νポラリスAb/逆襲のポラリス」ではオリコンデイリーチャート2位。さらに続く前作「真夏のエイプリルフール/Results」では自身初となるオリコンシングルデイリーランキング1位獲得を果たす。結成10年目にしてなおもその人気は衰えを知らず進化し続ける。結成10年目にして一切のメンバーチェンジがなく、その結束力の強さと積み上げてきたからこそなし得る完成度の高いパフォーマンスと楽曲のクオリティが生み出す光景は圧巻でライブバンドをも完全に凌駕する。
■生き様とは、全力、本気の先が見たい
バンドとアイドルが共に同じステージに立つ今、お互いの存在を認め合う存在だからこそ誕生したτ(-TAU-)。本文でも幾度となく使ったが、この3人に共通する「生き様」、「全力」、「本気」といったキーワードはもしかすると今さら目新しくないかもしれない。しかしながら、彼女たちのステージには、そうしたお決まりのプロモーション的な言葉を1つ1つを凌駕するものがある。たとえばCaramelのステージは、実験や手探りとは一線を画す「予定調和へのアンチテーゼ」が満載である。普段やっている曲を超高速にしたり、もう1回繰り返したり、さらにもう1回繰り返したり、日々歌うパートが変わったり…音を鳴らし、ステージに上がり続けるごとに新しいものを作り上げ、2〜3ヶ月観ないだけで全く別物になっていく。
絶叫する60度の2人は以前ドキュメンタリー番組で「毎日最高を塗り替える」とライブへの思いを語っていた。年間300本以上のライブを行い、ほとんど家に帰れない日々だというが、それでも1回1回のステージがマンネリ化せず、「日々、自己ベスト更新」を続けるのはアスリート魂そのもの。
まなみのりさは、言葉は悪いがつい数年前までは完成度は高いがどこか無機質で無難なアイドルの枠を超えない「(もしかしたら)どこにでもいるようなアイドル」だったのかもしれない。それが近年徐々にそのライブに対する想いがパフォーマンスに溢れ出し、気づけばそこには観る者を熱く焦がすような熱量を生み出すようになった。
昨今は「フェスで盛り上がる四つ打ち」など、体育化する音楽とそれへの批判が喧伝されるが、肉体的に限られた期間の中で本気で競技に打ち込むアスリートの身体からは、芸術的美しさを感じることができるように、ジャンルは違えど、今を賭け本気で夢を追い求めるバンド、アイドル等のステージに上がる面々の姿にもアスリートような輝きがきっとあるはず。この3組からはそういったものを強く感じずにはいられない。この3組が更なる進化を遂げる為の1つの形として誕生したτ(-TAU-)。「全力」「本気」という言葉を超えた、その先の「生き様」を彼女たちは見せてくれるはずだ。
シングル「Dead or Drive」は、そんな彼女たちをそのまま音楽にした4分間だ。「踊れ 踊れ 自分を取り戻すため」―この音楽を体感した「大人達」は、何か突き上がるものを感じられずにはいられないであろう。そんな確信に近いものを感じた。