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井上苑子 interview
- SPECIAL -

井上苑子 interview

井上苑子10代最後の作品となる『JUKE BOX』。

どこから切り取っても楽しめるいろいろな表情をもったバラエティに富んだ作品に仕上がっている。アーティスト井上苑子の成長を感じることができる今作はまさに10代最後にふさわしくこの先の未来も楽しみになるような1枚。

インタビュアー:ブッキングマネージャー窪田

-2ndフルアルバム『JUKE BOX』発売決定おめでとうございます。非常に大ボリュームで濃密で、JUKE BOXという名にふさわしい良い作品ですね。

井上苑子:そう言ってもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!ありがとうございます。タイトルは19歳ともかけていて、20歳になる前の今でしかつけられないし、井上苑子10代最後の作品ですしすごく思い入れの強い1枚になりました。

-1stアルバムはインディーズ時代の作品も多く入っていましたが、今作はメジャーデビュー以降の作品が多く収録されていて、ある意味1stアルバム的な今の苑子ちゃんのイメージもあります。

井上苑子:この作品をリリースして1週間も経たずで20歳を迎えるので、改めてこれから先もさらに頑張っていくぞ!という前向きな気持ちも込めて、いろいろな表情を持った楽曲を入れた1枚にしたかったので、結構いろいろなジャンルの曲も入っていますし、今の私、そしてこの先の私を感じることができる作品に仕上がったと思います。

-最初に苑子ちゃんに会ったのが16歳とかだったからもう4年くらい経ちますね。

井上苑子:私が初めてエレキギターを弾いてライブしたときでしたもんね。懐かしいなぁ。

-年齢を重ねて歌のバリエーションも多くなってきたような印象があります。

井上苑子:自分ではそんなに実感がないですが、そういう部分もあるかもしれないですね。支えてくださるスタッフさんや私を応援してくれる方々が増えていくにつれて悩むようになったところもあります。もちろんそれは本当に嬉しいことではあって、数年前の私では考えられないほどの愛情をいろいろな方からもらっているんですが、その分そういった人たちにどうやったら恩返しができるんだろう、どうやったらもっと私の音楽が伝わるだろうということを考えることが多くなりましたね。

-それはきっとアーティストとしての成長だと思いますよ。そのくらい今作のボリューム感は非常に面白いですし、そんな悩みを吹っ飛ばすくらいパワーを感じます。

井上苑子:ありがとうございます。私自身良い作品を10代最後に作ることができたと思えているのですごく嬉しいです。

-そんなアルバムの収録曲についても聞いていきたいと思います。まずアルバムの最初を飾るのは先日シングルとしてもリリースした「せかいでいちばん」。いきものがかりの水野さんからの提供曲ですね。発表になったとき驚きました。

井上苑子:多分私が一番驚きましたよ(笑)。小さい頃から本当に大好きで、車の中で歌を熱唱するのが習慣だったんですけど、必ずいきものがかりさんの曲は歌っていて。まさか私が水野さんの曲を歌うことになるなんて。しかも”あいのり”の主題歌。昔の私からは全く想像つかない世界ですよ。

-実際に歌ってみてどうでしたか?

井上苑子:私に合うように作ってくださったのがすごく良くわかって、本当に歌いやすいんです。歌詞もそうですし、私に合う音程で、ブレスの位置とか、声を張るところとか、なんでこんなにぴったりなの!?って思うくらい私に合わせてもらっていて。こんなにキャッチーでポップなのにバラードというのも難しい作りですし、一人の音楽人としてすごく勉強になりました。改めて水野さんってすごいなって。こんな曲を作れるアーティストになりたいですね。

-苑子ちゃんにとって非常に大きな1曲ですね。

井上苑子:それは間違いないですね。この曲は私にとって一生忘れられない思い出の1曲だと思います。

-新曲を中心にほかの曲についても聞いていきたいと思います。
まずは3曲目の「HeartBeat」。この曲は疾走感があるバンドサウンドでライブ感があって、ライブでの画がイメージがしやすかったです。

井上苑子:ライブ感ありますよね。私もこの曲は聞いた瞬間からライブでやりたいというイメージが湧きました。エレキギターでも面白いかなとか。早めのテンポ感だったりとか言葉が詰まっていたりとかレコーディングではコツをつかむまでに苦労した部分もありましたが、そういう部分もきっとライブ向きですよね。この曲はこれからの私のライブで重要な曲になりそうな予感がしますね。どんな反応がもらえるか楽しみです。

ー続く4曲目の「恋歌」はまたガラリと雰囲気が変わりますね。

井上苑子:今までになかった雰囲気の曲ですね。すごく難しかったですね。

-この曲のサウンド感とかテンポ感とか個人的にすごく好みです。

井上苑子:やった!嬉しいです!この曲は「思い、思われ、ふり、ふられ」という漫画のための書き下ろし楽曲ですね。原作では恋愛をきっかけに変わっていく主人公がでてくるので、それを歌にして恋愛をしている女の子の背中を少しでも押してあげられたらなと思って書きました。実際に漫画内にでてくるセリフを歌詞に引用したりして世界観を作ったんです。

-続いての新曲は6曲目の「可愛くなってもいいですか」。タイトルが良いですね。

井上苑子:タイトルは私も気に入っています。“これ以上可愛くなってもいいですか-。”というプリクラ機のための書き下ろし曲で、そこからタイトルは決めたんですけど、歌詞の中ではこの“可愛くなってもいいですか”という言葉を使わずにいかにこの言葉を伝えるかというところにこだわりました。

-そこが非常に良いですよね。この言葉を使っていないからこそ伝わる世界観があると思います。

井上苑子:シンプルなメロディーラインなので歌詞を載せやすかったので、ぜひ歌詞を読みながら聴いてほしいです。先ほどの「恋歌」でもそうですが、女の子は恋をするとガラリと変わるのでいろんな角度からそういう世界観を描けて面白いです。

-それでいうと全く違う角度の曲が9曲目の「テレパシー」ですよね。ラップ調の部分があったり、苑子ちゃんの新たな一面を見ました。

井上苑子:そうなんですよ。基本はバラード調なんですが、ラップ調の部分があったり、今までに歌ったことのない雰囲気の曲で、レコーディングめちゃくちゃ大変だったんですが、歌っていくにつれて自分の中にどんどん浸透していく感じがあって、ハマっていきましたね。

-ライブでどんな風に歌うのか想像がつかない部分もあってワクワクします。

井上苑子:リアルな日常の情景が描かれている曲で、自分の日常と照らし合わせて聴いてもらえるかなと思うのでそういった部分も伝わったらいいなと思っています。

-楽しみにしています。そしてその曲に続く10曲目の「SHAKE」。曲名だけ見て曲を聴いて、サビを聴いた瞬間びっくりしました。まさか鮭だとは。シェイクだと思っていたので。ある意味今作で一番の衝撃でした(笑)。

井上苑子:あはは(笑)。確かにシェイクと読んでいたらこの曲は想像つかないですよね。

-アップテンポのノリノリな曲を想像していました。

井上苑子:この曲はローソンのおにぎりのテーマソングとして書かせていただいて、おにぎりというテーマで最初に思い浮かんだのが安心感とか家族とかの温かさだったんですよね。だからそんなほっこりするような気持ちを書きました。聴いてくださる方々にもそんな気持ちになってもらえるような曲に仕上がったと思います。

-次の「ねぼう」もタイトルから想像のつかない曲でした。

井上苑子:確かにそうですね。ピアノ1本でしっとりした雰囲気なのに歌詞の内容はすごく強い気持ちを表現していて。レコーディングでも最初優しい感じで歌ったら、ディレクターさんが歌詞の内容に合わせて強い感じで歌ってほしいということだったので、強く歌ったらすごくそれがハマって。今までの私の中の固定概念が覆されましたね。こういう曲でも強く歌える曲があるんだなと。これも新しい井上苑子を体感してもらえるんじゃないかなと思います。

-そうですね。「SHAKE」とこの「ねぼう」は今作においてすごく面白いアクセントだと思います。そして今作を引っ提げてのツアーも始まりますね。

井上苑子:ツアーファイナルが誕生日なのでそこで20歳になるんですけど、そんな節目の日をみなさんとライブで過ごせるって本当に幸せです。リリースツアーでもあるので新曲はもちろんですが、10代最後のツアーとして今までの井上苑子の活動の集大成的な側面もあって、アルバム同様ボリュームたっぷりの内容になるので、みんなで最高に楽しめたらと思っています。

-本ツアーが終わると2017年もそろそろ終わりに近づきますが、2017年は苑子ちゃんにとってどんな年でしたか?

井上苑子:たくさんの人に応援していただけて、充実した1年ではありましたし、もちろん良いこともたくさんありましたが、個人的には悔しいことや悩むことが多かった1年だったかなと思います。課題もたくさん感じました。ライブの作り方とかは今年特にいろいろ考えましたね。2018年は今年感じたいろいろな課題をしっかり一つずつクリアして井上苑子というアーティストをもっともっと進化させたいと思っています。

-成長したからこそ感じる課題もありますもんね。苑子ちゃんのそのモチベーションの高さというのはすごく大事だと思いますし、それがあるからきっとみんな応援したくなるんだと思います。

井上苑子:ありがとうございます。もっともっと頑張っていきたいです。

-これからも楽しみにしてますね。

井上苑子:これからも応援お願いします!

-もちろんです!今日はありがとうございました。

井上苑子:こちらこそありがとうございました!