－今作は“はじまりのベストアルバム”ということですが、一般的なベストアルバムの集大成的な1枚というイメージと少し違うのかなと感じました。
MADOKA(Vo,Gt 写真中央 以下…M)：今までたんこぶちんの集大成の1枚という意味はもちろんありますが、今回収録されている曲も含めてようやく自分たちの曲としてしっかり吸収できている感覚もあって、そういった意味ではやっとここからスタートで、たんこぶちんというバンドに様々な色をつけて進んでいけるんじゃないかなと思って、今回は“はじまりのベストアルバム”という1枚になりました。
－なるほど。たんこぶちんというバンドの過去と未来を感じられる1枚なんですね。歴史を知ることができるし、成長を感じる部分もたくさんありますね。一番変わったなと思うメンバーをそれぞれに挙げてもらおうかなと思います。
～シンキングタイム～
－では全員で一気に指を指しましょうか。せーのっ！
MADOKA→YURI
YURI→MADOKA
CHIHARU→YURI
HONOKA→NODOKA
NODOKA→HONOKA
CHIHARU(key 写真左端 以下…C)：私だけ選ばれてない！（笑）。
M：私YURIにするかCHIHARUにするかでめっちゃ迷ったよ！
－なかなか面白い結果なので一人ずつ話を伺ってみましょうか。まずはNODOKAちゃん、HONOKAちゃんは双子の姉妹でお互いを指していますね。
N：全員ビジュアルはすごく変わったとは思うので、それ以外の部分で考えました。ほのちゃん(HONOKA)は演奏面ですごく変わったと思いますね。ドラムの技術がすごく高くなったと思います。
HONOKA(Dr 写真中央右 以下…H)：のんちゃん(NODOKA)は内面がすごく変わったなと思います。今までは引っ込み思案であまり自分の意見を言わなかったんですけど、最近は自分の意志を言うようなったのでそこが変化したと思ったので選びました。
－お互いを褒め合う双子（笑）。
N&H：照れますね（笑）。
－ではもう一組お互いを指指した二人の話を伺いましょう。
YURI(Gt 写真右端 以下…Y)：このアルバムを聴けばわかるんですけど、MADOKAの声や表現がすごく変わったなと。いろいろな曲に触れていろいろな経験をして、たんこぶちんのボーカルとして表現力を磨いてくれたんだなと感じましたし、ライブパフォーマンスもどんどんカッコよくなっているなと思ったので選びました。
M：YURIはまずビジュアルの変化がすごい（笑）。どんどんアグレッシブになっていってますね。それに伴ってだと思うんですけどバンドを始めたころは目立つのが苦手だったのに今ではステージ上で一番目立つくらいになっていますもんね。あとは私がリーダーではあるんですが、たんこぶちんというバンドを引っ張ってくれる存在にもなっていてすごく頼もしいです。
C：私もMADOKAと同じなのですが、ビジュアル面を振り切って変化させた勇気もすごいですし、中身も含めて一番バンドマンらしくなったのがYURIかなと思います。
Y：嬉しいけど照れるね（笑）。MADOKAは私とちー(CHIHARU)どっちにするか迷ったみたいだから話聞いてみたいな。
M：高校生くらいまでちー(CHIHARU)が天然キャラだということを知らなかったんですよ。中学校が一人だけ違ったので他のメンバーに比べると会う機会が少なくて。
H：高校生くらいから本領発揮してたよね（笑）。
M：でも実はバンドの事を一番客観的に見て冷静に物事捉えてくれていて、そこが変わったなって思います。
C：私も褒めてもらえてよかった（笑）。
－そんなメンバーぞれぞれの様々な変化を感じることもできる今作の最後に収録されている曲が「はじまりのうた」。待望の音源化でもありますし、タイトル通り“はじまりのベストアルバム”という今作においてすごく大切な1曲だと思います。
M：まさにその通りです。すごく大切な曲。ライブではじめてやってから2年くらい経っていますが、メンバー全員が絶対に音源化したいと思っていた楽曲ですからね。
－しかも今までライブでやっていたアレンジからガラリと変化していますね。
Y：すごく壮大な世界観になりました。
M：この曲を作った時に私の頭の中でイメージしていた理想の形に仕上がりました。今回アレンジをakkinさんとやらせてもらって、自分たちだけではまだ到達できなかったこの形を作り上げることができました。
－ライブ映えしそうですよね。
Y：先日、唐津市民会館というホールでライブをやらせてもらった時にこのアレンジで初めてライブをやったんですがめちゃくちゃ気持ち良かったですね。大地を揺らすようなイメージでやっているんですが、ホールという環境にもそれがすごく合っていて。これからツアーでさらに成長していく曲になりそうな予感満載です。
－楽しみですね。今回の収録曲の中で特に思い入れが強い楽曲を1曲選んでもらえますか？
Y：私は4曲目の『TOUGH BOY（～TOUGH GIRL）』ですね。会場限定販売CDだったのもあってこの曲をあまり知らない方も多いかなと思いますが、高校卒業後すぐくらいのバンドとして変化が多かった時期の曲なのでレコーディングやジャケット撮影もすごく思い出深いです。今の私たちでこの曲をやったらすごくカッコよくできると思うので、ライブで久々にやりたいですね。
H：私は11曲目の『Bye Bye ～君といた春～』ですね。今までの私たちの楽曲とは雰囲気やテンポ感も違ったのでレコーディングですごく苦労したのを覚えています。レコーディング終わった時にプロデューサーさんに思わず「もう難しすぎて無理！」って言っちゃいましたもん（笑）。
CHIHARU：私はデビュー曲の『ドレミFUN LIFE』ですね。この曲のデモを初めて聴いた時にキーボードソロがあってすごくテンションが上がりました。あとMV撮影の時が6
月なのにすごく寒かったんですよ。確か20℃とか？
M：それってすごく適温じゃない？（笑）。
～一同爆笑～
Y：数字で聞いちゃうとそうでもないですが実際風とかも強かったんで体感温度は結構寒かったもんね。
C：それが言いたかった（笑）。あと靴下を反対で履いていたというを事実を撮影が終わってから気付くという事件もあったね（笑）。
M：えっ！それは知らなかった！改めて見てみようっと。
－CHIHARUちゃんさすがのエピソードですね（笑）。
N：私『遠距離恋愛爆撃ミサイル』がすごく思い入れがあります。ちー(CHIHARU)と同じ理由ですが、この曲にはベースソロがあるので。初めてデモを聴いた時からよっしゃ！やっている！目立ってやるぞ！って思いました。ライブでは少しアレンジを変えてベースソロが長くなっているので個人的には一番の見せどころかなと。
M：私は先ほども少しお話させてもらいましたが『はじまりのうた』ですね。2016年の3月に渋谷CLUB QUATTROという今までワンマンやった場所では一番大きいライブハウスでやったんですけど、この先たんこぶちんというバンドとしてどうやって進んでいこうかという話をしたときに、でもそんなことよりはまず自分たちで自信が持てる曲を作ろうということになったんですよ。今までありがたいことに楽曲提供をしてもらったりしていたんですが、もっと自分たちで作詞作曲をしたオリジナル曲を増やしていかないとバンドとして成長していけないなって。そんな時にガムシャラに前だけを見て楽曲制作をし始めたタイミングでこの曲ができて。メンバー全員のエネルギーがこの曲には凝縮されていますし、自分たち自身でもこの曲を聴いて前に進んでいこうという気持ちになるし、この曲を聴いてくださる方々の背中を少しでも押せたらと思っています。
－渋谷CLUB QUATTROでのワンマンは演出面を自分たちで考えたりなど、バンドとして大きな変化をし始めた時期ですもんね。
M：そうですね。たんこぶちんというバンドを語るには切っても切れない時期ですね。この『はじまりのうた』という曲がなければ今の私たちはいないかもしれないです。この曲があるから次に進んでいけるんじゃないかなと思えるんですよね。これからもずっとずっと大切にしていきたい曲です。
－きっとそうなっていくでしょうね。今作は3タイプに分かれていて、Type-Bには特典CDがつきますが、このCDすごく豪華じゃないですか？
M：豪華ですよね。私がヒロインを務めさせてもらった映画の『二度めの夏、二度と会えない君』のアナザーストーリーとして出来た新曲に加えて再録音した2曲も入っていますからね。
－再録音はどうでしたか？
C：すごく楽しかったですね。
H：ホントに楽しかったよね。
M：ずっとライブでもやってきている2曲ですしね。
Y：『We Gonna ROCK』とかもはやライブそのものだよね（笑）。
－曲の冒頭にはYURIちゃんの気合の声も入ってますもんね。
Y：当初あの声は入れる予定はなかったんですけど、あの声から始まることでメンバー全員のテンションも上がるし、この曲への感情がグッと高まるんですよ。
M：2曲ともずっとライブでやってきている曲ですが、改めてレコーディングすることで曲への理解が深まった感覚もあります。
Y：アレンジも当時と変えている部分もありますし、変化を聞き比べてほしいですね。
－今回ファンクラブでの投票で再録音する2曲を決めましたが、あと1曲追加で再録音をできることになったらメンバーそれぞれどの曲を選びますか？
N：難しすぎます（笑）。
－そこをなんとか（笑）。
N：考えるので時間ください（笑）。
H：じゃあ私から。『TOUGH BOY（～TOUGH GIRL）』ですかね。さっきYURIも言っていましたが、もし今の私たちでこの曲をやったらどうなるかなというのを考えるとワクワクします。
Y：私は“シアワセタランチュラ”というシングルのカップリング曲『TABOO』ですね。ほとんどライブでもやらない曲なんですが、この曲が個人的にすごく好きで。疾走感があってカッコいいし、コーラスもたくさんあるし、今の私たちでやってみたいですね。
N：すごく悩みましたが1st Albumの「TANCOBUCHIN」に収録されている『ヒカリ』ですね。今のMADOKAの歌声で聴いてみたいなと思いました。
M：私は「ナシ」でもいいですか？この2曲をファンクラブのみんなに選んでもらえたことが嬉しいし、この2曲だから再録音したことに意味があるかなと思うので。
－それは確かにあるかもですね。すごくしっくりくる2曲ですもん。
C：30年後に『ドレミFUN LIFE』を再録音したいですね。
M：あー、それはわかる！
Y：52歳の『ドレミFUN LIFE』を想像するとすごいね（笑）。
C：でもそこまで続けることができたら幸せだよね。
M：そうだね。続けていきたいね。
－こうやって話を聞いていくと今作に収録されていない楽曲もまだまだたくさんありますね。
Y：ツアーを楽しみにしてほしいです！
－Type-CにはこれまでのMV8本がメンバーのコメンタリー付きで収録されているとのことでこれはすごく面白そうですね。
M：メンバー全員で改めてMVを観ることってなかったですし、恥ずかしかったですね（笑）。
N：『シアワセタランチュラ』での最後で他のメンバーはみんな決めているのにYURIだけ手をブラブラさせていたりね（笑）。
M：MVは演奏も含めてライブ以上に魅せるということに特化したものだから慣れるまで時間がかかったよね。
H：ビジュアル面など含めてメンバー全員の成長を感じることができるDVDですね。
Y：オフショットやドキュメント映像も面白い内容が収録されているのでぜひ見てほしいです。
－Type-BもCも欲しくなりますね。DVDと言えば同日発売でライブツアーDVDもリリースされますね。
M：ここまでコンセプトがあったライブは今までなかったですし、このツアーにはこのツアーにしかない良さがあったと思うので、それをぜひ映像でも体感してもらえたら嬉しいですね。
Y：このDVDにもオフショットが収録されていて、それも面白いです。楽屋に1つカメラをずっと置いていたんですよ。
M：そのカメラに話しかけるのんちゃん(NODOKA)が可愛いです。
N：だってせっかくカメラがあるのに誰も話しかけないから積極的に話しかけたよ（笑）。
－素の状態のメンバーの様子が楽しめるわけですね。これも必見ですね。最後になりますが3月にはツアーが予定されているのでその意気込みを聞かせてもらいたいです。
M：久々の対バンでのツアーなので空気感がすごく楽しみな部分はありつつ、ライバルたちに絶対に負けないライブをやりたいと思っています。
Y：ベストアルバムのツアーではありますが、たんこぶちんというバンドとしてのベストを出して、やりたいことを全て詰め込んだツアーにしたいので、いろいろな楽曲をやる予定ですのでそれも楽しみにしてほしいですね。
M：一ヵ月で8カ所9公演という凝縮されたツアーですし、今作のツアーを経てまた一歩成長できると思うので、この先も含めて期待していてほしいです。
－期待していますね。これからもよろしくお願いします。