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TWIN CROSS interview
- SPECIAL -

TWIN CROSS interview

沖縄発、要注目ボーカル、MCユニットのTWIN CROSS。 ハートフルな至極の癒し声と、シャイな二人の緊張しながらも一生懸命に話す沖縄弁全開MCが笑顔を誘うライブが人気を呼び、地元沖縄で今、最も注目されている新人シンガーとなった彼等。未だに慣れないと言う東京で、多忙なレコーディングをこなす二人はインタビュー中、終始おだやかな沖縄口調で、かつ熱く、意思のこもった想いを聞かせてくれた。

interviewer:鞘師至

「ツインクロス(流)の音楽で沖縄を表現したい」

–eggmanのイベントではよく顔を合わせてますが、今日は初めてゆっくり話せますね。今回リリースしたアルバムについて聞かせてくださいよろしくお願いします。

TOSHI:よろしくお願いします。

DAN:よろしくお願いしますーなんか改めてこうやって話すとなると緊張するね。

–普段はライブハウスでしか会わなかったからね。今日はいつものMCみたいにアガらなくても、お客さんいないから安心して(笑)。まずは結成のきっかけを教えてください。

DAN:18歳の時に看護の専門学校でTOSHIと出会って、そこからですね。 僕は昔バンドをやっていて、それこそ高校の時はHYとかMONGOL800とかのコピーバンドでボーカルをやってたんですけど、「あ、これは僕がやってはいけない音楽だ(笑)」と思って何か別のことをやろうと考えていた時に、TOSHIに出会ったんだよね?

TOSHI:そう。僕の出身地沖縄市辺りの本島中部はブラックミュージックがすごく根付いてる街で、朝も昼も夜も、街でHip HopやR&Bが流れているような場所なんで、小さい頃からずっとそういう音楽を聴いてたんですよ。逆にバンドミュージックは聴いたことがないくらい。公園でラジカセからトラック流してラップしてライブしてる人とかが沢山いるんですよ。その人達がCD配ってたりして、そういうのを小学校くらいから聴いて育ったんで、自然にカッコいいものとして、普段からクラブミュージックを聴いていて。 その後、自分が歌うようになったのはこのユニットが初めてなんですけど、専門学校時代にカラオケにDANと行ったことから始まるんですよ。

DAN:元々僕Hip Hopがあんまりなじみが無かったんだけど、TOSHIとカラオケに行く機会があって、その時初めてTOSHIのラップを聴いて、「Hip Hopなのにやさしいな」と思ったんですよ。ラップってこんなに歌詞が入ってくる音楽なんだって気づいて、それがきっかけでHip Hop, R&Bを聴くようになって、一緒に何かやりたいなと思ってTOSHIを誘って、TWIN CROSSを始めました。彼はそれくらい僕の音楽人生を覆した人ですね。

–このアルバム、どの歌も前向きな、聴く人の背中を押してくれるような歌ですが、どんな想いが詰まっていますか?

DAN:曲を書く時に「セツナあたたかい」っていうキーワードがいつも頭の中にあって、僕はいつもけっこう切ないんだよね。 あ、僕が切ないっていうとナルシストみたいか(笑)。

TOSHI:いや、大丈夫。続けて(笑)。

DAN:僕は沖縄に住んでいて、基地のアメリカ人とも接する機会がたくさんある生活をしてて感じるんだけど、日本人は「切ない部分」っていうのが、人間の人格形成の根本に存在してるんじゃないかなと思っていて、またその切ない部分があるからこそ、ひとの痛みが分かって、ひとにやさしくできる、っていうあたたかさもある。そういう日本人の奥ゆかしさを歌える「切ないんだけど暖かくなれる曲」っていうのを目指して書いてます。あとこの「セツナあたたかい」っていうのは、「沖縄」を伝えるひとつの手段だとも思ってます。 沖縄アーティストっていうと、太陽粲粲と降り注いでて、三線が鳴り響けば、おばー(おばあちゃん)はかちゃーしー(沖縄特有の踊り)すぐやるし、明るくて、楽しいイメージがとても強いと思うんですよ。 でも沖縄は戦争で唯一、地上戦を経験したっていう歴史だとかもあって、悲しかったり切なかったりする想いっていうのが、沖縄の血に流れている気がするんですよね。 おじー、おばーも自分が経験した切なさとか、身内が亡くなってしまった悲しみとかをこらえて、「じゃあ自分はひとの為に何ができるだろう」っていう考えから、明るく生きることを率先してやっていて、そういうおじーおばーの言葉を聞く度に「あ、これが沖縄だな」って思うんですよね。 ただ明るいだけじゃない、せつなさを知った上でのあたたかさ。これが僕らが伝えられる沖縄かな、と思ってます。

–沖縄と東京で感じる一番の差は?

DAN:東京は眠らない街だし、時計を見るタイミングがすごく多いですね。沖縄だと電車もないし、モノレールの駅にも時計ないし。

–え!駅に時計ないの?

DAN:うん、なんか「来たら乗る」みたいな感じ。だから東京に来ると、ほんと僕は時間を守れないなーと思ってしまうタイミングがよくあります。だからその、時間の流れですかね。 僕は東京にレコーディングとかで数日いると、段々沖縄が恋しくなりますね。

–これからの挑戦は?

DAN:三線とかみたいな沖縄音楽の素材を使わなくても、僕らがやってる音楽で、沖縄をもっと表現できるようになっていきたいです。コード感とかメロディーとかの「セツナあたたかい」感じを軸にしながらね。

–本紙で初めてTWIN CROSSを知る人達へメッセージをお願いします。

TOSHI:ぼくらの名前TWIN CROSSっていうのは2つの意味が込められていて、ひとつは僕とDANの歌声がクロスして、響き渡るということ。もうひとつは、ぼくらの歌に載せた想いが、お客さんとクロスして、繋がって行けたらいいな、という事。今回のアルバムタイトル「CROSS ROAD」は、このふたつのクロスが、ここから先ずっと続いて行って欲しいという気持ちと、今までの人生で出会った人達との繋がりへの感謝の気持ちも含めた、過去から今と、新しい僕らに続いていく、一本の道、という意味で付けたものなんで、僕らの新しいスタートとなるこのアルバムを、是非聴いて、何か共感してもらえたら嬉しいです。