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UVERworld interview
- SPECIAL -

UVERworld interview

自分たちを認める仲間を増やしていく事に全熱量を注いでひた走るUVERworld、8月にリリースを発表したフルアルバムからの先行シングルとなる『DECIDED』には、長年に渡り根強いファンを沸かせている漫画『銀魂』の実写化にて上映される映画『銀魂』の主題歌、RedBull主催のボックスカートレースCM曲を含む3曲が収録されたが、書き下ろしのタイアップでバンドと別のストーリーがテーマとなっても、中身を切り開いてみれば楽曲も歌詞も、確かにバンドの意思の上で成り立っているものばかりだ。 自分に嘘がない表現に強力なこだわりを持つフロントマンのTAKUYA∞が生み出すことばで、今作も例外なく周囲の核心を捉えてリスナーのバイブスを上げていくような、人間力が注ぎ込まれた楽曲。 こういう音楽がポーザーの音楽を打ち砕いて上へ上がっていく様は、いつ見ても心が洗われる。

Interview & Text : 鞘師 至

常に張り巡らせているアンテナと大量のメモ

ー 本誌では相当お久しぶりですが、今年の1月にあった新宿スワンⅡのライブでUVERworldのライブを拝見してました。 あの時会場で初めて「PRAYING RUN」を聴いたんですけど、また久しぶりにライブ見て思いっきりぶっ飛ばされた瞬間でした。 

■TAKUYA∞ (以下 “T”): あの時連絡くれたよな、ありがとう。

ー 漫画キングダムに出てくる英雄みたいでした(笑)。

■TAKUYA∞ (以下 “T”): あぁ、俺キングダム読んでないねん。 でもあれめっちゃいいらしいな、信人とかめっちゃ勧めてくる。 ずっと気にはなってたんよ、キングダム。 

ー 男からの支持率高いアツい漫画なんですけど、物語の中でよく戦国武将が戦の前とかに壇上で兵士を煽るんですよ、士気を上げるために。 1月のライブ、「PRAYING RUN」での観客との歌の掛け合いの光景が熱量ハンパなくて、そういう武将と兵士の気持ちのぶつけ合いみたいなものを連想させました。 どこの時代のどういうリーダーも、やってる事は一緒なんだな、って。

■T: あれいいやろ、最近いい曲結構あんねん。

ー 最高でした。 またライブ行かせてください。

■T: もちろん。 これからちょうどツアーも始まってライブ決まってるから。 また小さいライブハウスでもやるけど、今回はエッグマンじゃなかったな(笑)。 

ー そうですね(笑)、いつでもハコ空けるんでまたエッグマンにも来てください!

■T: ほんまに頼むで、空けてな(笑)

ー 約束します! ちなみに自分は久々に喰らったライブがその新宿スワンⅡライブだったんですが、最近ライブがかっこよかったアーティストっていますか?

■T: この前行ったスティーブン・タイラー(エアロスミスのボーカリスト)のライブとかめっちゃくちゃ良かったな。 あとは最近だったらアルカラがかっこよかった。 アルカラいいよな、ああいうバンドはやっぱりライブが強いな、と思うな。

ー アルカラいいですよね、しかし本当にいろんな種類の現場に顔を出してるんですね。

■T: 何かのイベントでたまたま見たんやけど、こりゃ良いと言われるわと思ったな。 確か俺、同い年位なんよ。 

ー そうなんですね、これだけ音楽にドープに向き合ってる人が今良いと思う音楽ってどんなものなんだろう、と思って。

■T: でもな、確かに音楽に感動できる瞬間はどんどん減っていってる。 だから凹まないように元々他人の音楽にあんまり期待しないようにしてるよ。 それでも良いと思う音楽に出会うと嬉しいからな。 そういえばこの前、雨のパレードを聴いた時は良いと思った。 なんかな、新しいものだなって感じがして、自分の感覚も再確認できたっていうか。 やっぱりこういう瞬間って感動すんねんな、って。 逆に同じようなものの焼き回しみたいな音楽をやってるようなやつらは売れてるやつらにも沢山いるけど、やっぱり理解できん。 「対バンしてくれ」って頼みに行きたいもんな、全然お互いを知らない人ばっかり会場に集めて、どっちがかっこいいか勝負付けてもらおうや、って。 もう俺音楽好きじゃなくなってしまったのかな、って思ってしまうくらいに感動できる瞬間は少なくなってきてるんやけど、ごく稀に、それこそアルカラとか雨パレとかみたいな “新しい” って思えるような音楽と出会うとドキッとするから今はそういう出会いを常に求めてるな。 

ー 自分が積み重ねてきてる分、やっぱり感動の基準値は上がっちゃいますからね、摂理ですよね。 音楽以外から感化される事はまだまだありますか?

■T: そうやな、絶対に欠かさず続けてるのは例えば映画見たり、本読んだりとか、人と会ったりとか、そういう音楽以外の事。 曲作るにも家に閉じこもって机に向かっても出てくるはずもなくて、やっぱり外に出ていろんな人と喋ったりして、出来事を起こしていって、そこで初めて自分の感覚が生まれるから。 

ー 感受性からの作曲って事は、曲作りは曲より歌詞が先にできるんですか?

■T: うん、俺は大概歌詞が先やな。 携帯に大量のメモが入ってる。 その瞬間に思った事とか、思いついた歌詞のメモ。 

ー それこそ走ってる時って、考えとか発想が出てきません?

■T: めっちゃ出てくるし、考えがまとまるよな。 今回のシングルの後に出すアルバム、3年振りのアルバムなんやけど、要は結構時間がかかった訳よ。 ファンの中では「あんた走ってる時間あるんやったら曲作れ!」みたいに言うやつもいんねんけど、いやいや逆ですよ、と。 走りながら曲作ってんねん!と(笑)。

ー 走ってる時間って想像力そうとう高まる瞬間ですよね。 僕も普段ライブハウスにいて現場でいろんな音楽と出会うんですけど、稀に新しく好きになった音楽に出会って、その音源を携帯に入れて走ってる時とかが一番気持ちが乗ってて感覚が研ぎ澄まされた状態になって、普段自分の考えてた事とかが整頓されてくんですよね。 

■T: そうやねんな、走ってる最中こそ歌詞が出来る瞬間やから、ライブへ向けた体力的な準備としてだけやなく、曲作りとしても今回のシングルにも、次のアルバムにも、走ってる事がちゃんとリンクしてる。

全力で生きてるから作れる曲

ー ちなみにその最新シングル『DECIDED』は映画「銀魂」の主題歌になってますが、漫画の銀魂はこの主題歌の話になる前から知ってました?

■T: 前から読んでたし、なんなら今も少年ジャンプ買って読んでる。 今日のスタジオ(本取材日は都内スタジオにて)にも買ってきたジャンプあってさっきちょうど読んでた(笑)。

 

ー どんなイメージを持ってました?

■T: しっかりと熱烈なファンがついてる漫画、っていう印象。 しかも今回何よりも、映画として実写化するに当たってのキャスティングとか、話を聞いた時のスタッフの気合の入り方がハンパじゃなかった。 「今年の夏はもうこれでいこうと思ってます」みたいな、この映画に掛けてる熱量がバシバシ伝わってきたし、それでキャスティングを見てみたら錚々たる名前が連なってるし、気合入ったね。

ー 気合入ってる映画ですよね。 漫画で人気の作品を実写化って、ファンからすれば原作を越えられない可能性も秘めた諸刃の剣だったりするけど、この映画は期待値高いですよね。

■T: うん、俺ら今までいろんな映画とかドラマとかの主題歌をやってきて、「あぁ、今回の映画よかったな、携われてよかったな」みたいな気持ちになるのは毎回やったけど、躊躇なくいろんな人に勧めたのは今回が初めてやねん。 人によって好き嫌いもあるんやけど、それでも見に行ったら絶対おもしろかった!って思って帰れる映画やと思うから、今回は結構周りに勧めてんねん。

 

ー そして2曲目はRedBull主催のカートレースのCM曲ですね。 RedBullとの最初の関わりは、TAKUYA∞さんが個人的に去年参加したRedBull主催のマラソンだったとか。

■T: そう、WORLD RUNっていうマラソンで走ったんよ。

ー あれ凄く個性的なルールのマラソンですよね、しかし_距離が100kmなんでしたっけ…?

■T: いや、あれは最初に自分で距離を決めんねん、自分のゴールを自分で設定するっていうルール。 あの時俺は毎日走るって決めてたから、翌日走れなくならんようにハーフマラソンにしようと思って、21kmを本気で走った。 タイムは1時間半くらいやった。 あの時はまさかこのCM曲の話になるとは思ってなかったけど、RedBullのスタッフの人たちも一緒にマラソン走ってて、その時に俺が走ってるのを見ててくれたみたいで、このタイミングで繋がれた、っていうね。 曲的には短いデモが数曲出来ていて、その中でRedBullの人たちがこの曲がいい、と指定してくれたから、そこから膨らませていって作った曲。

ー 走る事は日課になってると思いますし、こうやって仕事にも繋がってますが、普段それ以外ってどういう生活を送ってるんですか? 先週たまたま某所スタジオでバッタリお会いした時に、日常的にこうやってスタジオ作業してて、レコーディングもライブもガンガン入ってるし、それ以外の時間ってあるのかな…と思ったんですよね。

■T: 俺は常に全力で生きてるで。 遊びにも行くし、人と会いに行くし。 時間があったらとにかく何か行動を起こしてる、いろんな場所に行ってな。 家にいたら何にも起こらへんし、思考が昨日と同じで停滞してしまうから。 制作で行き詰まったなーと思って次の日にまた机に向かっても、その間に良い事でも悪い事でも、何かが起こってなければことばは出て_こないし、歌詞1行も進まへんからな。 

ー やっぱり人と会う事が一番ですか?

■T: うん、家の中に居る事はない。 人会ってない時は例えばとりあえず街に出て、究極の人間観察やったりとか(笑)。 街行く人の容姿を見てるだけやないねん、その人のドラマとか勝手に想像して、その人の人生を感じ取んねん。

ー 確かに本当に街のその辺に居たりしますもんね(笑)。 変装皆無でいきなりエッグマン来てくれたり、先週のスタジオなんかも偶然普通の一般スタジオで会いましたし(笑)。 しかもファンの人もその日常的にTAKUYA∞さんが現れる状況を理解してるのが面白いですよね、あんまり騒がずに静かに「握手してください…」みたいな(笑)。 

■T: こんな性格やし、自分に降りかかる火の粉は自分でなんとか出来るからな。 しかも剥がれないから。 日常でお化粧したり着飾ったりしてる訳じゃないから、いきなり撮られたりしても全然平気やしな。 もうそのままで生きてるよ。

ー その”そのまま感”は3曲目「DIS is TEKI」にがっつり反映されてますね。 信人さんとの口喧嘩をラップバトル的な切り口でやり合う曲ですけど、互いを罵るぶっちゃけ方がまた振り切ってますね…

■T: あぁ、あれ聴いちゃった(笑)? 俺らよく札幌で合宿をするんやけど、そこでブースからみんなにどんどん曲を投げていくんよ、出来上がった都度。 普段そこでメンバーみんなに引っかかった素材を盛り上げていって曲を作っていくねんけど、ある時何気なく普通の良い曲作った感じの振り方でこの曲を聴かせたらみんなウケてて(笑)、それに対して信人に「アンサーしてくれ」って頼んだんやけど、信人は歌詞作りが苦手やから、俺が自分の思いつく自分のディス(罵倒)を書いて、それを信人に歌ってもらって。 けっこう面白くなったからノリで「ビデオ撮ろうぜ」って事になってMVも作ったんよ。 それもまだ全然名前が出てきてない後輩の映像業界を目指してるやつを呼んできて、そいつに撮ってもらって超低予算で作ったビデオやねんけど、再生数が伸びに伸びて、お金かけて丁寧に作ったMVの再生数を超えてしまうっていうな。

ー いやーあれおもしろかったです(笑)。 

■T: 今回の映画『銀魂』を見て、UVERworldのアルバムは買わんけど主題歌の入った今回のシングルを買う銀魂ファンがいる可能性がある訳で、その人たちに3曲しか聴かせられへんとしたら、この3曲目で「この人たち正気を失ってるな…」くらい思わせられる方が、印象に残っていいな、と思って入れた曲がこの曲。 ほんまはもうちょっとまともな曲を入れるはずやってん(笑)。 でもスタッフに夜中にメールして「ごめん!どうしてもこっちの曲入れたいから収録曲変えさせて!」ってお願いしたら「ちょっと考えさえてください」って返ってきた(笑)。 

ー 本気の遊びですね…(笑)。

■T: 傑作やで、銀魂の3曲目はこれしかないと思う。 

ー そして信人さんのラップっていうのがまた斬新で。 しかも偶然の産物なんだと思いますけど、アクセントの入れ方がどことなくMC漢に似てる時があるんですよね(笑)。 キャラがかけ離れ過ぎたこのクロスオーバーが自分的に勝手にツボでした。

■T: a.k.a GAMIって人よな? そうなんや(笑)。 

ー 新宿のドン的なリアルハーコーラッパーとUVERworld信人さんの共通項はヤバいです(笑)。

■T: しかしラッパーの人たちって凄いよな。 般若とかも自分のことばを持ってるって感じが凄いと思う。 

ー やっぱりTAKUYA∞さんはことばに反応するんですね。

■T: そうやね、自分の強みも日本語である事やと思ってるし。

ー そういう意味では「DIS is TEKI」はそのことばを普段とは別角度から料理してる感じですね。 されどTAKUYA∞さんらしい、ことばの産物である事は変わらないという。

全てを受け入れて、先は考え過ぎずにその瞬間を精一杯生き抜く

ー 今後の動きについてまず聞きたかったのが、今度テレビ番組に数年振りで出演される件なんですが、出演に踏み切ったきっかけってどんなものだったんですか?

■T: 今年は出るタイミングかな、と思って。 結構悩んだけどな。 事務所にこの話を持ちかけられて、最初の1~2回は断ったんやけど “もうそろそろそれも楽しんでみようかな” となんとなく思えたから決めた。 来年は出ないと思うけどな、今年は出ようかな、って。 

ー このテレビ出演もそうですけど、長年このバンドを続けてますがこれからも変化していく事ってあると思うんです。 メンバーそれぞれのプライベートの生活に変化が訪れる可能性とかも含めて、バンドマンとして以外にも人間的な成熟過程に則した変化も含めて。 この先UVERworldの音楽性はそれに伴って変化していくと思いますか?

■T: いくかもな。 ただ、環境が変わった事だったりで自分の考えが変わっていく事があっても、自然体でやりたい音楽をやる事は続いていくと思うねんな。 若くなかったらあかん、とかいうものでもないし、とにかく俺は自然に歳をとって行きたい。 そりゃ身体は鍛えるで? いいパフォーマンスをする為に。 でも自然に歳をとって、自然に変わっていきたいとは思ってる。 昔はな、やっぱり先の事って自分にとっては未知の部分やから、変わっていく事への恐怖がある時もあったけど、やってきてみて意外と何も変わらへんな、っていう事も分かったから、何か直近でガラリと音楽性が変わったりするような事はないと思う。 あとはあんまり先の事は考え過ぎずに、せいぜい3ヶ月先位まで考えて、その時その時を精一杯生きていけば、良い変化と良い普遍性はおのずと手に入ると思ってる。 その為の切符を俺は持ってると思ってるしな。

ー 前回本誌で取材させてもらった時が5年前で、ちょうどその時に「5年後どうなってるイメージですか?」って訊いたんです。 その時も先の目標じゃなくて、目の前にある壁をひたすら登って、認めてない奴がいればとっ捕まえてライブ見せて敵を味方に変えていくっていう小さい作業をひたすら続けたい、って言ってました。

■T: 今も同じやで。 だから今回の「RANGE」の歌詞にも入ってるけど、分るやつだけに分かってもらえれば良い、なんて思ってないもんな。 ずいぶん昔は、自分の音楽を分かる人にだけ分かってもらえれば良い、と思ってた時期もあったけど、ここ7~8年とかは全然違うな。 みんなに分かってもらえるって信じてる。 ライブを見てもらえれば、好き嫌いはあっても響かへんはずがない、と思ってるからな。 ナメてくるやつが減ってきたという事実は多少おもしろくないけどな(笑)。

ー やっぱりそうなんですね(笑)。

■T: 味方ばっかりやったらつまらんやん? 

ー でも味方だからカッコ悪いところ見せられねえ!的な味方に対するタスクっていうのも別であったりしません?

■T: それはあるな。 仲間を大事にするって事が俺の人生だと思ってるから、そいつらがっかりさせないように、常に光ってたいっていう思いはあるな。 “今こいつら俺の事めっちゃ好きやな” って伝わるねん、俺もみんなのこと好きやし。 その好きって状態って、人の能力に惚れての好意やから、俺は俺でこの能力を常にギラギラさせて常に仲間を惹き付けたいと思ってるな。

ー 敵が減ってきても、イコール味方や仲間が増えるって事で、その人たちに魅せ続けるっていう使命感はどんどん新たに出来てくるのかもしれないですね。

■T: うん、でもまだ全然敵残ってるから暫くは退屈せえへんけどな(笑)。 そりゃ5年前と比べたら、身近な人たちは大分俺を理解してしまったけどな(笑)。 でもまだまだ攻めるのみやで。