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vivid undress interview
- SPECIAL -

vivid undress interview

vivid undressの新作“赤裸々”は非常にレベルの高い良作だ。元々持ち合わせていたバンドのポテンシャルが最大級に引き出せている印象で、更なる高みに上っていくんだろうなという次への期待も抱かせてもらえた。今vivid undressはどんなモードなのだろうか。ボーカルkiila、キーボードrioに話を聞いた。

インタビュアー:ブッキングマネージャー窪田

―今作の“赤裸々”というタイトル。歌詞の内容見て納得です。まさにって感じですよね。

kiila:まさにですね。私自身としても、バンドとしても内面をさらけ出した感じです。

―これはタイトル・コンセプトから決めたんですか?

kiila:いや、全くそういうわけではないんです。曲を作っていく中でこれは全部さらけ出しているなと(笑)。

―なかなかこの歌詞は書けないですよ。そういうモードだったんですかね?

kiila:思い返してみたらきっとそういうモードだったんだろうなっていう感じです。意識的にこういう内容を書こうと思って書いたわけではないんですけど、自然にこうなっていたというか。

―元々vivid undressは歌詞の世界観が非常に強いイメージはあったけど今作はさらに強い印象で、4枚目の作品だけど初期衝動のようなものも感じました。

kiila:今年の3月にドラムが脱退をして、実はそのタイミングで私もこのバンドを続けるか悩んでいて、みんなで話し合って立ち直ったんです。そこで一気に振り切ることができたというか、失うものも怖いものもないし猪突猛進でいこうって決めたので、そういう部分はあるかもしれないですね。非常にありたいことではあったんですが、結成半年でタワーレコード限定でCD販売があったり、まだバンドとして固まりきっていない段階からたくさんの人が関わることが多くて、そこから自分たちの意思が明確でないまま進んでいくような感覚、自分たちのバンドなのに自分たちで進められていないような状態で受動的な所も多かったんです。その後所属事務所がなくなったりとかもあって、自分たちで進めていこうという事になって、そこで一気にバンドとしてのモードが切り替わったのも大きかったかなと思います。

―確かに結成してすぐに一気に進んだ印象はありました。

kiila:えっ?えっ!?って思っている間になにか進んでいるみたいな感じでしたね(笑)。どんどん流れる流れの早さについていけていなかったです。

―今は自分たちのペースで突き進めているということですね。きっかけはあったのですか?

kiila:私たちを好きでいてくれる方々の存在にすごく助けれました。昨年3月に初めてワンマンをやって、たくさんの人が応援してくれたことが自信になって、これだけ愛をもらっているならもっと頑張らなきゃって。

―なるほど。とはいえ今作を生み出すのに相当なエネルギーを使ったんじゃないですか?

kiila:精神的に追い詰められましたね(笑)。迷いとかはなかったのですが、かなりの難産でした。
rio:制作に使える物理的な時間が少なかったというのも一つの要因でしたね。ただバンドとしての経験値も貯まってきていたのでその中でも効率的には作れたかなとは思っています。あと先ほどkiilaから話があったように、自分たちでバンドを進めるようになって、僕は事務作業の面だとか、プロモーションの面だとか、バンドをどう見せたいか、客観視をしてという部分は変化したかなとは思っています。バンドとしてさらに新しい経験を重ねることができました。

―vivid undressの楽曲はアレンジが非常に複雑だなという印象があります。どうやって制作を進めているのですか?

kiila:メンバー全員が作曲ができるので各々が大枠作って、そこから各パート毎にアレンジを決めていったりが多いですかね。

―さらに今作では曲ごとにドラマーを変えていますよね。

kiila:そこは今作の重要ポイントの一つだと思います。曲を作りながらこの曲はこの人にお願いしようみたいなところで固めていった感じですね。

―正規メンバーがいないからこそ、曲ごとに変えられるという強みは逆にありますよね。

kiila:そうなんです!めちゃくちゃ楽しかったです。ドラムだけで曲ってこんなに変わるんだっていうのは今のこの状況だから味わえたことだし、メンバーだけじゃないいろいろな人の感性が混ざり合ったことで勉強になった部分もたくさんありました。

―バンドとして新たな感覚ですね。今作の収録曲の中でそれぞれのお気に入りの1曲を挙げてもらいたいです。

kiila:私は3曲目の『劣等者の逆襲』ですね。まさに今のvivid undressを表しているんです。正直、外野ではなにを言われているかわからないですが、自分たちは自分たちを信じてこれから進んでいくんだというバンドしての意思表示の曲です。私としては作品全体のコンセプトとしても“逆襲”というイメージがあるんです。やったるぞ!って感じです。曲の最後に“これから未来でさぁどうやって暴れてやろう”というフレーズもあるんですが、自分たちでもまだ想像のつかない未来にワクワクしているんです。vivid undressという劣等者による前向きな逆襲の始まりですね。

―僕の勝手なイメージですが劣等者という印象は全くないですよ。

kiila:いやー、劣等者ですよ(笑)。
rio:あっはっはっは!
~一同爆笑~
kiila:人としてなにかが欠けている人たちの集まりです(笑)。
rio:確かに欠けてるねー(笑)。
kiila:でしょ(笑)。でもみんなそういう部分を見せたくない人たちでもあるんです。カッコつけてます(笑)。でもそれは劣等者と思われたくないからという意識の表れでもあって。

―こうやって曲名にそのワードをつかえるようになったというのはバンドして大きな一歩なんじゃないですか?

kiila:そうですね。殻を破れた感覚は自分の中でありますね。

―rioさんのお気に入りの1曲も聞かせてください。

rio:僕は1曲目の『スクランブル』ですね。この曲は元々僕がボーカルとして活動していたバンドの時に作ったものなんです。もう10年前ですね。それをvivid undressの曲として新たに構築していったので生まれ変わっていく様子がすごく楽しめました。

―今のタイミングでこの曲を新たに構築しようと思った理由はあったのですか?

rio:この曲がバンドの未来に繋がったらいいなという想いからでした。
kiila:今回この曲に関してはプロデューサー的な立ち位置の方がいてくださったので、自分たちだけの価値観じゃなく、しかも生まれはvivid undressじゃなくというところで、今までにないバランスの曲に仕上がったなと思っています。作品の最初のインパクトとして非常に大事な曲です。

―そして本作をひっさげてツアー、そしてツアーファイナルはバンドとして2回目のワンマンライブがありますね。

kiila:自分たちの大きな転機になったワンマンというものをまたやれるというのは嬉しいですし、また次に繋がるライブにできたらと思っています。みなさんにはレベルアップした私たちの音楽を楽しんでもらえたらと思います。

―このインタビューが掲載されるのが1月号なので、2019年どんな1年にしたいかを伺いたいです。

kiila:2018年は精算の年だったと思っていて、メンバー全員が引越しをして物理的に環境が変わったりとか、いろいろな変化がありました。別れもたくさんあったけど、出会いもたくさんあって、2019年は育てる年ですかね。2年後とかに大きく花開くようにしっかりと準備をしたいなと思います。

―楽しみにしています!これからも応援させてください!