―今回の新曲「raise the tomorrow」。どんな曲ですか?
キラナ(以下…キ):“明日を掲げる”という意味を込めた曲です。日々生きていく事って結構大変なことだと思うんです。落ち込むこともあれば、しんどいこともあったりするし、でももちろん楽しいこともあって。現実逃避的な想いではなく、明日の為にも今日を頑張って生きようという私なりの明日へのメッセージソングという感じです。でもこれって絞り出して出てきた想いとかメッセージというわけではなくて、自然にでてきたんです。自分の為にやっていたことが、結果として誰かの為になっているということをここ最近とても強く想うようになってきて、そういうタイミングでこの曲ができて、とても自分の気持ちとリンクしたんです。
―このタイミングでそういった曲ができあがるというのは、ライブでも弾いてもらっていて、楽曲提供もしてくれているTATSUKIとの阿吽の呼吸的なものを感じました。
キ:もう10年くらいの付き合いですからね。おそらく全部わかられてしまっているのかなと(笑)。きっと私の今の心情を感じ取ってこういう楽曲を書いてくれたんだと思います。とにかく前向きにハッピーでいたいんですよね。それはバカみたいになにも考えずにそうしたいということではなく、酸いも甘いも知った上で明日を意識して前向きに生きていたくて。一時期負のループに巻き込まれていたときがあって、それを乗り越えられたのってこういう曲があったからで。ライブができることだって当たり前じゃないし、こうやって音源を作ることもそうだし、もっと大きく言えば今日があって明日があることって本当に当たり前じゃないんだなって強く想うようになったんですよね。
―それは年齢を重ねたからですかね。
キ:それも大きいと思います。あとは去年からこの活動を始めたからというのが一番大きかったかなと。今まであまり意識してこなかったことがどんどん明確になっていったような印象がありますね。この曲に関することで言えば、“明日を意識して今日という日をしっかり生きよう”というのは本当にここ最近想うようになったことです。
―歌詞の内容もなにか無理に特別な言葉を使ったりするわけでなくというのがとても合っているかなという印象を持ちました。
キ:みんな想っているようなことだけれども、こうやって口に出して発信することで成立するのかなという気もします。想っているけど口に出していないことって結構あると思うんです。明日について話すことって滅多にないし、でも時間が経てば明日は来るし。当たり前だけど当たり前じゃない。この曲を聴いているとなんだか時が止まったような感覚になるんですよね。聴いてくださる方にもそんな感覚になってもらえたら嬉しいなって思います。
―曲調も今までのキラナ fr. SILC set Heavenとは雰囲気が違いますよね。
キ:確かに今までリリースした曲から考えると変化球的な印象を持つとは思いますが、個人的にはすごく好きな曲調だし、奇をてらったわけでもなく、今の自分には合っているかなと思います。野外で歌うのが好きなんですけど、この曲は空が似合うようなイメージがあるので、この曲がパッと放たれたらとても気持ち良いだろうなって。あとはこの曲はとても可能性が広がる曲なんじゃないかなと思っています。私自身としてもキラナ fr. SILC set Heavenとしても。勢いも大事だけどそうじゃないしっかりと聴かせる、魅せる曲というのも今後増やしていきたいと思っていたので、そこの第一歩になる曲かななんて思っています。バンドの流れが目に見えて変わる時ってあるんです。SILC set Heavenとして活動していた時に作った「>>>DISTANCE<<<」という曲があって、この曲を初めてライブでやった時のお客さんの表情が忘れられなくて。明らかにその時何かが変わったんですよ。その時に感じた感覚がこの曲にはあるので、私にとってとても大切な1曲になっていくんだろうなって思っていますし、そういった意味でも可能性が広がる曲です。1枚目から聴いてもらったそんな流れも感じてもらえるんじゃないかなと。
―そして今号は2020年最初の号なので抱負的な物を聞かせてもらいたいと思います。
キ:この形で活動を始めて、半年くらいなのですが本当に早かったのできっと2020年も一瞬で過ぎるんだろうなとは思います。正直この半年は勢いでバーっと進んだ部分もあるので、2020年はその一瞬一瞬をしっかりと感じて、明日の為に生きていきたいです。一つ一つに意味を持って。