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ROTTENGRAFFTY interview
- SPECIAL -

ROTTENGRAFFTY interview

活動20周年を迎えた2019年。
その20周年イヤーの締めくくりとして今回スペシャルな新作がリリースされる。
ただのベストアルバムではなく、お客さんにとってのベストな1枚。そしてメンバーにとってのベストな1枚。その2枚が合わさってROTTENGRAFFTYのベストアルバムが完成。
ライブバンドとして走り続けてきたROTTENGRAFFTYが放つベストアルバムはライブバンドにしかできない信念のこもった圧倒的な1枚。
ここまでの歩みと21年目の新しい思いを語ってもらいました。

Talking Partner : TATSUKI

—All Time Best Album「You are ROTTENGRAFFTY」リリースおめでとうございます!

2人:ありがとうございます。

—今回は、お客さんから投票を募った、ファンリクエストディスクがDisc1になっていますね。昨年末インタビューさせていただいたときはまだ 何が来るのか楽しみという段階でしたが、出揃ってみていかがでしょうか?

N∀OKI (以下:N):そうですね。「金色グラフティー」が1位じゃないんだなとかこれが入ってないんだなとか、お客さんがこういう風に思ってるんだなっていう驚きはとても大きかったですね。ちゃんと予想を裏切ってくれたなって思ってます。
NOBUYA(以下:NO):予想外だったのが、「I Believe」「Familiarize」「アイオイ」でしたね。激しい僕らではなく、ロックバラードというかメッセージの強い曲がランクインしてくるのがとても意外で、激しい曲だけでラインナップされるのかなと思っていたのでとてもびっくりしました。

—リクエストライブではなく、リクエスト音源だからこそというところもあるんでしょうか?

NO:そうですね、ライブでもあまりやらない曲なので。
ROTTENGRAFFTY(以下:ROTTEN)をコアに追いかけてくれる人ってライブにもたくさん来てくれているんだと思うんですけど、ライブではなかなかやってない曲をチョイスしてもらえるっていうのはすごいなって思いました。

—曲順にもいつもこだわりも持ってらっしゃると思うんですが、今回はランキング通りの曲順ということで、さらには予想外の曲もあるということで、この1枚を聴いてみて既存曲に対しても新鮮味もあるんじゃないでしょうか?

NO:ミックス上がった段階で聴いていたんですが、「I Believe」「Familiarize」は以前リリースした時とは違うミックスになっていて、それも凄く良くて、その当時できなかったことをやれた部分もあって、さらにこの曲が良くなったなって思えました。
N:僕らの中での名曲というか、Disc1はライブと繋がる部分も多くて景色も浮かぶんですよね。

—そしてDisc2はメンバーさんの方で選曲をしたメンバーセレクトディスクになっていますね。どういうチョイスをしていったんですか?

NO:これは、Disc1には入ってない僕らの代表曲と、「日進月歩」という曲があるんですが、これは流通にのせること自体が初めてで、今まで音源にしてこなかった曲を1曲でも2曲でも入れたかったので、その中でこの曲たちをチョイスしました。
N:この2枚に収録されている曲は僕らのライブの半分以上、下手したらほとんどライブのセットの中心になってる曲なので、入門編というか、ここを抑えてもらったら今のROTTENはついて来てもらえるんじゃないかなって思っています。

ーメンバーセレクトの方は結構スムーズに選曲決まっていったんですか?

N:「ハレルヤ」はびっくりでしたね。あとは、NOBUYAが言ってましたが音源化されていない曲が何曲かありまして、それを収録するっていうのは俺はとても賛成してたんです。そういう楽曲を入れられたのは良かったですね。

—今回「日進月歩」が収録されたことで、まだ音源化されてない他の曲の音源化も期待しちゃいますね!そして、限定盤にのみ封入されているDisc3はカヴァー・コラボレーションディスクですね。

N:これはだいぶレアですね。

—これは20周年だからこそできる1枚という感じですね。

N:そうですね、権利を持ってる会社も楽曲によって違うと思うので、これをリリースできるのは本当にレーベルに感謝ですね。よくぞここまでできたなって思います。
NO:シングルのカップリング曲とか、あまりアルバムに収録されてないような曲を入れたかったんですよ。カップリングでもいい曲がたくさんあると思ってるので、それを知ってもらうきっかけにできればなと思っています。
あとは、去年僕らもトリビュートアルバムを作らせてもらいましていろんなアーティストにカバーしてもらったんですが、僕らも逆にトリビュートカバーを結構やらせてもらっているので、それも聴いて欲しくて今回の形になりました。

—最初のカバーが2003年のBOØWY
の「MORAL」で、先日リリースされた「ハレルヤ」に収録されていた森田童子さんの「ぼくたちの失敗」ということで、16年の歴史がここにあるわけですよね。

N:もう売ってないのもあると思うんですよね。これを逃すと本当にもう手に入らないものもありますからね。

—これとても聴きごたえありました。

N:これ本当に面白いですよね。偏ってるなーとも思いましたけど、ROTTENっぽくていいなって。これ聴いてBOØWY
を好きになってくれたりGELUGUGUいいなって思ってくれたりしたらいいですよね。聴き比べしてもらっても楽しいかなって思いますし。

—今回のアルバムでお勧めしたい聴きどころを教えてください。

NO:「暴イズDE∀D」ですね。今回改めてレコーディングしたんです。これ結構前の曲なんですが、この曲を出してROTTENの未来が少し見えたんですよね。僕にとってそういう曲なので、その曲を改めて出せるのが面白いし、今でもまだ自分たちの未来を探しに行けるような感覚があります。当時できなかった歌い回しや技術的なことができるようになっていたり、逆に当時の技術に頼らない勢いや根性的な歌い回しが今はできなかったりしたのも面白かったですね。
N:「日進月歩」ですかね。初めて音源化できたことと、やっぱりDisc3ですね。
NO:2003年に収録した曲なんかは自分の声若いなーって思いましたね。このときはこういう風に思いながらアレンジしたりしてたなって思い出しながら聴いてたら面白かったですね。
N:ライブではなかなか聴けないですからね。本当にこれは逃さないで欲しいですね!

—そして今回はアニバーサリーボックスセット限定盤が販売されますね。封入されているグッズもかなり贅沢な並びですね。

N:購買意欲を掻き立てますね!笑
NO:僕ら京都のバンドなので、自分たちで主催している「ポルノ超特急」というイベントでも金閣ステージ、銀閣ステージを設けたり京都にちなんだものをやっているんですが、去年のトリビュートアルバムでは銀だったので、今作では金のアニバーサリーボックスにしました。
N:僕やったら買いますね。もう完売間近なんじゃないですかね。驚くような売れ方して欲しいんですよ。ベストアルバムってなかなかみんな買わないと思うので。

—いわゆるシングルコレクションとかではなく、コンセプトの込められた1枚だからこそ20周年の特別感がありますよね。
20周年イヤーの2019年はどんな年でしたか?

N:2018年は47都道府県回ったりしてやりきった感もあったんですが、20周年はそれを超えましたね。年末とかもうボロボロで、大丈夫かなって思うくらい。正直しんどかったなって思いましたけど、実りのある充実した素晴らしい20周年だったと思います。
NO:20周年に向けていろんなアイデアや企画を作っていたんですけど、それが結構バチっとハマって行ってて、お客さんの高揚してる感じとかも手に取るようにわかりましたね。
僕個人的な性格もあるんですが、周年とかトリビュートとかベストアルバムって、自分がリスナーだったときはあんまり好きじゃなかったんですよね。そういうところに興奮するようなタイプではなかったので。でもこうやって年齢も重ねてきて、「そういえばあのアーティストは今、何やってるんだろう?」って調べたときにベストアルバムを出すって知るとそれを買ってる自分がいたんです。それがすごく楽しかったりしてて、なんか興奮できるようになったんですよね。
だから今回自分たちがやったらどうなるんだろうって思っていたし、自分が昔かっこよくないって思っていたように、同じことを思われてしまうのかなって思ったりもしてたんですが、全然そんなこともなくて。全てやって良かったなと思いました。

—2019年のベストライブってどのライブでしたか?

N:Pizza of Deathが主催する「SATANIC CARNIVAL」ですね。あのライブはすごく良かった。Ken YokoyamaさんからWANIMAで僕らがトリだったんですけど、WANIMAの時に会場全員が一体になって歌ってたのも印象的でした。もう終電近かったのもあって自分たちの時にはもうお客さん帰り始めるんじゃないかって心配してたんですが、たくさんの人が残ってくれてそれに応えるライブもできたんじゃないかなって思ってますね。
NO:京都の世界遺産東寺でライブをやらせてもらったことですね。演奏とかライブの内容ではなく、あの場所でライブがやれたということが。
あの場所でやりたいっていう思いは僕の中でずっと頭の中にあったんですが、絶対に無理だろうなって思ってたのでバンドのミーティングでもこのアイデアを口にできてなかったんです。そしたらある時KAƵUOMIから、「こういうところでライブやれたら面白いんじゃない?」っていう意見が出てきてたんです。
俺らみたいなロックバンドができるところじゃないよなって思ってたけど、いろんな縁があって東寺でやらせてもらえることになって嬉しかったですね。
ROTTENのライブはモッシュやダイブが当たり前で、それが全部できないってことではあったんですが、それでもお客さんは喜んでくれたし、俺らもモッシュやダイブがなくてもいいライブを見せられたと思えたので、本当に印象に残る一本でしたし、とても幸せなことだなって思えましたね。

—20年前ってどんなバンドになりたいと思っていたんですか?

N:武道館に行けるとか目指してるとかって思ってなかったし、20年も続くなんて想像もしてなかったですかね。何かを目指してたっていうのは具体的にはなかったのかもしれないです。2010年の再出発からいろんなものを目指せるようになったって感じですね。
NO:CD出したいなとか地元のライブハウス埋めたいなとかそうでしかなかったですね。自分が音楽を始めたときはテレビにもガンガン出て大きな会場もどんどん埋めていくような活動をイメージしてたんです。エンターテイメントとエモーショナルな部分を両極で持ってるようなアーティストが好きだったので。でも5人でROTTENとして活動していく中でそれは諦めないといけないんじゃないかなって思ったりもしたんですよ。そういうスタンスのバンドでもないと思ってたので。そんな中、日本武道館でライブをできたっていうのは本当に大きかったですね。このバンドを続けて良かったと思える事件でしたね。目指してたわけじゃないけどやり続けたら子供の頃に夢に見てた武道館のステージにたどり着けたんだって。

—「ハレルヤ」リリースツアーはどんなツアーでしたか?

N:初めましてのライブハウスや初めましてのバンドがいたり、フェスでは一緒だったけどライブハウスでの対バンは初めてだったりとかあって楽しかったですね!
GOOD4NOTHINGとか20年来の友人ですが、大阪で2マンをやるってことはほとんどなかったですし、新鮮でした。
彼らもメンバーが変わったばっかりで、やってやるって意気込みは20年前に結成した時のものと変わらなかったなって思いますし、そういうエネルギーをもらえたなって思います。「ハレルヤ」もライブを重ねるごとにどんどん形になっていくのを感じられますし、お客さんの反応もどんどんよくなってきて、曲ってこんなに成長するんだって改めて思えました。
NO:20周年イヤーで前半も後半もツアーをやらせてもらいましたが、少し身の丈より上の規模感でのライブでチャレンジのツアーをしてきたんです。その中でちゃんと応えてくれるゲストのバンドやお客さんがいてくれてとってもいいツアーになったなって思っていたんですが、今回は久しぶりに200〜300キャパくらいのライブハウスを選んでみました。対バンも今まで一緒にやったことのないバンドを選んだりもしましたし、今からもう1ステップ上がりたがっているバンドや、今ライブハウスを攻め散らかしている若手バンドとやれたのですごく刺激になりました。お客さんとの距離もかなり近かったので初心にも戻れるいいツアーになりましたね。これこれ!って。背伸びをせずにROTTENらしいツアーになったなって思います。
「ハレルヤ」は今までシングルをリリースしてきた中で、KAƵUOMIがどういう風に思っていて、それにメンバーがどう応えようとしてるのかというやりとりがあったと思うんですが、20周年の集大成が「ハレルヤ」だと思っているので、このタイミングでしっかりそれにふさわしい曲を作ってきたKAƵUOMIをすごいなって思えたし、それに絶対応えたいと思っているバイブレーションをお客さんに伝えたかったんですよね。僕らの代名詞のような「金色グラフティー」という曲を超えるような楽曲に「ハレルヤ」はなると思っているので、今みんなで育てていってるところですね。

—今回の作品を手にとってくださる方にメッセージをお願いします。

N:ライブバンドなので、月並みですけど「ライブを見にきて欲しい」ってところですね。
NO:仕事や家庭や学校の都合でライブハウスやバンドやROTTENから離れていった人もいると思うんですが、そういう人たちに今回のアルバムが届けばいいなって思っています。音源買うだけでもいいし、今でもROTTENってかっこいいんだなって思ってもらえたらライブハウスに戻ってきてもらうのもすごく嬉しいし、今も現役で追いかけてきてくれてる人たちにとっても面白いものになっているので、20年の活動の中でROTTENに少しでも触れてくれた人たちに届いて欲しいです。

—最後になりますが、21周年はどんな1年にしたいですか?

N:攻めます!具体的にはわからないですが、20周年以上に攻めます。
NO:今回たくさんのバンドに助けてもらったので、そのバンド達が何かやるときは必ず出て行けるようにしたいですね。そしてそういう人たちとライブハウスシーンを改めて作ったりとか、今回のツアーみたいに、知ってたけど一緒にやれてなかった人と一緒にやっていきたいし、トータルしてライブハウスシーンの最先端を突っ走ってたいです。仲間達と切磋琢磨していけたら21年目もいろんなことが生まれていくと思います。

—ありがとうございました!