第5回「人の目回遊」

こちら東京を拠点に活動する都市型ミュージック集団EmeraldのVo.中野です。

人目を避けて行動するようになった。

マスクをして生活することに限界を感じている。
しかし、マスクをしなければ、人の目があるところを歩けないときた。色とりどりのマスク。雨の日の傘に例えるなら。ずっと雨の日々である。

雨は傘を刺さずに濡れて歩く酔狂も許されるが、ウィルスとなればそうはいかない。誰もが他者を思いやり、マスクをつけて外へ出る。異常な光景にもあっという間に慣れていくのをみて、すごいなと思う。

暑がりな自分は、マスクをしているだけで暑くて汗が吹き出す。だからできるだけマスクをしたくないのだ。そしてただでさえ真面目な日本人がマスクで口を覆い、目だけがこちらを見ているあの状態が実は恐ろしいのだ。目と口。これらは連動して人の印象を作っていたのだと実感する。

基本は1人で行動。移動は徒歩か自転車。
ということになる。どこか雨宿りできる(マスクを外して憩える)場所は？？と思うのだが、もしマスクなしで過ごせる場所があったとして、公の場所で公言することは憚られる。

つまり、家にいることが増える。

すると不思議とその環境の充実を図るのが人間だ。オーディオを充実させたり、デスク周りを充実させたりそんなことに励み出してしまう。戸惑いながらもリモートで曲は作りづづけてる。

今週末(8/29)は配信ライブで、サニーデイサービス、環ROYと共演である。

取り立て音沙汰のないEmeraldに出演依頼が来たことにメンバー一同奮起し、今はそこに向け、人目を避けた回遊をしながら、ひたすら感覚を研ぎ澄ませてみる。絶対にいつも通りの最高の演奏をしてみせる。

コロナに罹患し味覚を失う夢を見た。夢だから味覚を感じるわけがない。目が覚めるとカラカラに乾いた喉。水に甘みを感じた時の安堵感と言ったらなかった。

生きている。

絶対に諦めない。状況を良くする為なら、なんだってしたい。心と身体に目を向け、研ぎ澄まそう。

Emerald Vo. 中野陽介

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【ライブ情報】
https://www.moonromantic-channel.com/0829