－今回のリリースされる『５』（ファイブ）ですが、２枚目のアルバムで４カ月連続リリースの最後を飾る作品ですよね。５という数字に関連づいたものが見当たらなかったのですが、タイトルを『５』にした理由から聞かせていただきたいです。

蒼山幸子(Vo,Key/以下…蒼山)：いろいろなタイトル候補が挙がった中で今作に対する想いが強すぎてすごく悩んだ末にこのタイトルに辿り着きました。前のアルバム『ex Negoto』は私たち自身の初期衝動だったり、やりたいことを詰め込んだ意味合いが強かったんですけど、今作の『５』に収録されている楽曲はそこからもう一歩踏み込んでいて、どうやったら人に届くんだろう、どうやったら人に伝わるだろうってすごく悩んで悩んで作った曲たちなんです。そうした制作過程の中で私たちの音楽を聴いてくれたりライブに来てくれるファンの方々、支えてくれるスタッフチームや関係者の方々などさまざまな人たちともっともっと強く繋がりたいという想いが増してきたんです。だからねごとはもう４人だけの物ではないなと思って、私たち４にそういった方々を1としてプラスした『５』という数字に想いを込めてタイトルにしました。

－メンバーやチームで相当話し合って決めた感じですか？

藤咲佑(Ba/以下…藤咲)：そうですね。いろいろな候補があった中でこのタイトルに決めるのはすごく悩みました。先ほども話に出た意味を込めているのはもちろんなんですが、タイトルにシンプルなインパクトを持たせたかったという側面もありますし、ドンドン進んでいきたいという意味も込めて「GO」とも読める、このタイトルに決めました。

－そんな強い想いが込められているアルバムの中で敢えて１曲オススメを選んでもらえますか？

蒼山：どの曲も思い入れが強いので選ぶのは難しいですが６曲目の「街」ですかね。この曲は実は初期の頃に作った楽曲で、ライブでは演奏していたので昔からライブに来てくれているファンの方からは音源化希望の声を聞いていた曲なんです。曲の世界観としては近未来をイメージしていて、直接的なメッセージがなくても音から私たちの魅力である切なさと温かさが同居する情景というものが目に浮かぶ曲だなと思いますし、ライブ映えする曲でもあると思うので私たちのライブに来てくれる方々に一緒にその情景を楽しんでもらえたら嬉しいですね。

－初期の頃の曲ということですが、当時とアレンジとかは変わっているんですか？

蒼山：メロディや構成などはほとんど変わっていないですがよりブラッシュアップされたと思います。

藤咲：作った当時の私たちではできなかった世界観を表現できたと思います。

－沙田さんはどうですか？

沙田瑞紀(Gt/以下…沙田)：私は「街」の次に収録されている「潜在証明」ですね。この曲はファーストアルバムで私たちを知って今作を聴く方々にも馴染みやすい曲だと思います。今作の楽曲は様々な作り方をしたんですが、この曲は唯一スタジオでみんなで作った曲なんです。そういう作り方をしたのもあって、私たちの純粋な部分が表れているかなと。メロディはみんなでアイディアを出し合ったんですけど、ドラムの小夜子が作ったメロディがこの曲の疾走感をうまく表現してくれていたので、自分たちでもワクワクしながら制作できたことが印象に残っています。

藤咲：私はアルバムの最後を飾る曲でもある「flower」です。2ndアルバムを作ることになった時に漠然とではあったんですけど、flowerというコンセプトが浮かんだんですよ。アルバムの最後の曲にもなっているので思い入れが強い作品です。しかもこの曲はライブで魅せることを考えて制作途中で間奏部分が増えたんですよ。どうやって演奏するんだろうとか想像しながら聴いてもらって、さらに実際のライブで見て欲しいですね。

－ライブをイメージして制作することって多いですか？

蒼山：はい。今作は特にライブをイメージして制作した傾向が強いですね。

沙田：ここで手挙げてほしいなとか一緒に歌って欲しいなとか想像していったら自然にそうなっていきましたね。

藤咲：アルバムタイトルにも込めたように私たち４プラス１で一緒にライブを作っていきたいなと。

澤村小夜子(Dr/以下…澤村)：みんなシングル曲じゃなくてアルバムの曲を挙げてるね。

－確かにそうですね。シングル曲を挙げる人がいない（笑）。

澤村：でも私もアルバム曲を挙げます（笑）。８曲目の「メイドミー…」ですね。この曲はツインボーカルで、ねごとの中で一番古いと言えるくらい昔からある曲で、最近リアレンジしたんです。ちょっとひねくれた感じだったりオシャレなコード感だったりアルバムの中でも異彩を放つ曲だと思います。アレンジを変えてからはまだライブでやったことがないので是非ライブでこのツインボーカルを体感してほしいですね。ちなみにものすごい低い声は瑞紀が担当です（笑）。

－先ほど今作は様々な作り方を行ったと言っていましたが具体的にはどうやって制作を進めたのですか？

蒼山：今までは瑞紀が中心にトラックを作って、それを元に私が歌詞やメロディを作っていくという方法が基本だったのですが、今回は新たに歌詞とメロディを誰が中心になって作っていくかを話し合って、全員で制作するという形の進め方に挑戦していきました。

－今作の特徴の一つに作詞・作曲のクレジットが「ねごと」となっている曲が多いのはそういった理由からなんですね。制作手法とクレジットを変えたのは理由があるんですか？

蒼山：去年１年ライブがあまりうまくいかなかったり、曲は産み続けているけどなぜかそれにあまり自信が持てなかったりした時期があったんです。それはなんでだろうと理由を考えた時に、４人の結束が足りないんじゃないかと思ったんです。誰が作詞・作曲をしたとしても４人全員が曲に想いを込めて、自分達に対して自信を持つことが大事だなと思ったのがきっかけですね。タイミング的には今回の４カ月連続リリースから作詞・作曲のクレジットを「ねごと」にしている曲が多いです。

藤咲：一人一人が提案する歌詞やメロディに対して全員が今までよりも深く考えて全員で作り上げることができるようになってきたので、今回の変更はすごく良かったと思います。

－ライブをイメージして制作した傾向が強いということでしたが、２月から始まる全国ツアーと東名阪ワンマンツアーはどういう物にしたいですか？

藤咲：今までは学生ということもあって夏休みとかの長期休みでしかライブができないことが多かったので、大学卒業を控えた今回は過去最多のライブ本数ですね。

澤村：「お口ポカーン！！」というタイトルもついているので来てくれる方々が思わずお口ポカーンしちゃうようなライブをやりたいですね。

沙田：小夜子は毎回のライブで楽しませてくれるMCコーナーをやっているんですよ。

澤村：前回のツアーでようやくみんなと一緒に作っていけている感じができてきたので今回のツアーではもっともっとひとつになりたいですね。

藤咲：今まで行くことができなかった土地も多いので、どういう方々が待ってくれていて私たちの曲でどういう反応が見せられるのか楽しみです。その土地でしか体験できないことも多いと思うのでこのツアーでいろいろなことを吸収したいですね。

蒼山：今作のアルバムタイトルに込めた意味通りのライブをしたいなと思います。初期衝動で突っ走っていたファーストアルバムの時期を経て、セカンドアルバムはよりいっそう繋がりたいという想いを込めることができたと思ってます。今の私たちが伝えたいことってもっとねごとの音楽でみんなを魅了したいし感動を与えたいんです。それを一番感じることができるのはやはり生のライブだと思いますし、今作は聴いてくれる「＋１」のみんながいてやっと完成するアルバムなのでそういった想いを込めて１本１本のライブをやっていきたいです。

沙田：音楽の魅力を一番直接的に感じることができるのはライブですからね。私たち自身がそれを実感しているからこそライブはすごく大事にしています。１本１本違うし、でもその１本にしかできない面白さを体感してもらいたいし伝えたいなと思います。これだけ本数があればアレンジが変わる曲もあるかもしれないし、さっき幸子が言った様にライブを経て完成するアルバムなのでファイナルでは今よりも成長した姿を見せられるようにしたいです。

－今とツアー初日とファイナルが終わったあとではアルバムの聴こえ方が変わるかもしれないですね。

蒼山：聴いてくれる方々とライブに来てくれる方々がそう感じてくれたら本当に嬉しいですね。

－今後の目標を教えてもらえますか？

蒼山：今年はもっとねごとの名前をいろんな方々に知ってもらいたいです。ジャンルの枠も飛び越えたいですね。あとはライブが良いと言ってもらえるバンドになっていきたいです。

沙田：音源はもちろんこだわって作っていきますが、ライブで気持ちを届けられるバンドになっていきたいです。

藤咲：お口ポカーン！！フェスをやりたいです。二人と被ってしまいますがそれに向けてライブバンドとして力を付けていきたいです！

澤村：また海外でライブしたいです。ジャンルの枠は飛び越えたいし、言葉が通じなくても音楽は通じるというのを去年海外でライブした時に実感したので、それももっともっと体感したいです。

－全国で待ってくれているファンの方々に向けて最後に一言ずつメッセージをいただけますか？

蒼山：今作を聴いて一度ライブに来て貰いたいです。今すごく良い状態でライブができると思うのでみなさんの心になにか少しでも伝えられると思います。是非私たちのライブを体感してほしいです。

沙田：みなさんと一緒にねごとを大きい物にしていきたいのでみなさん応援お願いします！アルバム聴いて下さいねー！

藤咲：今作が完成するまでに色々悩んだこともありましたが、新しいねごとワールドが出来上がったと思うので今までの私たちが好きな方もまだねごとの音楽に触れたことのない方も一度このCDを聴いてみてほしいです。

澤村：タイトルにもあるように今これを読んでくれる方々も５人目のねごとだと思います。一緒に作り上げていきましょう！

－eggmanとしてもこれからも応援させてください。今日はありがとうございました！

蒼山、沙田、藤咲、澤村：ありがとうございました！！！！