ー バイリンジボーイらしいラブソングが詰まった作品ですね。アルバムタイトルの由来を教えてください。

梅林寺 連太郎(Gt/Vo)：今作のコンセプトとして、バイリンジボーイを今知ってくれてる人には更に好きになってもらえるように、そしてこれから出会う人にはこのミニアルバムを聴けばバイリンジボーイが1発で分かる名刺代わりのようなアルバムにしようと思ったんです。僕たちのことを知った上で愛してほしいという意味を込めて、「僕を愛してくれ」という意味そのままでこのタイトルを付けました。

― このメンバーでは初めてのアルバムですもんね。

梅林寺：サポート期間も含めるとウメちゃん(ウメダリュウタ/Ba)と出会って、ほぼ1年だったので、この3人での1stアルバムの気持ちで作りました。

― ジャケットも疾走感あって素敵です。これは梅林寺くん？

梅林寺：そうです！このジャケットめちゃくちゃ気に入ってます。

ウメダリュウタ(Ba)：運動音痴すぎて何回も何回も撮ってたよね（笑）
カメラを向けられるとどうしても手と足が一緒に出ちゃうんだよね（笑）

梅林寺：本当に大変だったんですけど、最終的にかっこいいジャケットになってよかったです（笑）撮影した場所が「かそくのきせつに」というシングルのジャケットやそのシングルに収録されている「56km」という曲のMVを撮った場所と同じ場所なんです。このタイミングで初心に帰って改めてやっていきたいと思ったので、同じ場所を選びました。

― 「知りたいだけ」(M-1)の頭からたたみかける感じ最高ですね！

梅林寺：俺たちの代表曲で「cry cry cry」という曲があって、お客さんもすごく求めてくれるライブの定番曲で、バイリンジボーイらしい曲だと思ってるんですけど、自分的にそういう激しくてライブでブチ上がる曲がもっと欲しいなと思って作りました。ショートチューンが良いなと思って、頭を空っぽにして、歌詞も素直な気持ちをとにかくストレートに書きました。

― 初期衝動感というか、今すぐライブに行きたくなるような曲だなと。

石塚 清春(Dr)：レコーディングも、この曲だけクリック（テンポのガイドとなる音）を聴かずに３人でせーのっで演奏して録ったんですけど、まさしく初期衝動というか、テンション高く演奏したその場の空気をそのままパッケージできた曲だと思います。これからのバイリンジボーイのアンセムになるような、自分の中でもイチオシの曲になりました。

― 「オーマイラブリー」(M-3)はド直球でバイリンジボーイらしい曲ですが、メロディに深みが増したというか、バンドとしてネクストステージに向かっている印象を受けました。

梅林寺：今作のリード曲が「オーマイラブリー」なのですが、リード曲を決める話し合いの中で、「オーマイラブリー」ともう１曲でマネージャーと喧嘩するぐらい意見が割れてしまったんです。メンバーは最初はもう１曲の方がいいんじゃないかと思ってたんですけど、色々あり「オーマイラブリー」がリード曲に決まって、この曲を選ぶならもっと納得できるメロディがあるはずだと思って、歌詞も含めてレコーディングギリギリまでで悩んで作りました。今までは曲が形になって後からメロディを変えるってことがなかったので大変でしたけど、悩んで苦労した分いいものを作れた感触がありました。メロディは”泣きどころ”があるメロディを意識してこだわっていつも作ってるんですけど、「オーマイラブリー」は聴けば聴くほど染みてくる曲で、今までの曲を超えられたと自分でも思えるような1曲になりました。

ウメダ：意見が割れた後に妥協して進むわけじゃなく、選ぶからには自分たちが納得できる曲にしなきゃと思って制作しました。
最終的にメンバーみんなが納得できる曲にできて、バンドとして大きく成長を感じられた1曲になりました。

― 今後の代表曲になっていきそうですね。

梅林寺：そうですね！ベースラインが特にすごいんで、ぜひ聴いて欲しいです！

ウメダ：連太郎のギターソロも聴いてもらわなきゃね。

梅林寺：そう、今まではフレーズとしてギターソロを入れたことがなかったのですが、この曲で初めてギターソロらしいギターソロを弾きました！レコーディング直前までフレーズが思いつかなくてどうしようってなってたんですけど、ウメちゃんと、共通のバンド仲間に助けてもらってなんとか完成させて、レコーディング当日もそのバンド仲間に来てもらって「もっと激しく弾いた方がいいよ！」とかアドバイスもらいながら完成させました。

― 「白い睫毛」(M-5)は昔からあった曲なんですね。

ウメダ：そんなに頻繁にやる曲ではないのですが、自主企画の日とかちょっと特別な日にやる曲だったんです。

梅林寺：自分の中では音源にするつもりはあまりなかった曲なんです。でもウメちゃんがこの曲をすごい気に入ってくれていて、今回のミニアルバムを作るにあたって推してくれたので、、節目節目でやってきた曲でもあるし、アレンジを変えて歌詞もちょっとだけ変えたりして入れることにしました。

― これまでにないテンポ感で、リズム隊のアレンジにもこだわりを感じました。

石塚：今までやってなかったことをやってみようと思って、2番のBメロの部分でジャズっぽいフレーズを入れてみたりして、「バイリンジボーイでそれやるの？」みたいなドラムのフレーズだと思っているので、聴いた人に気付いてもらえたら嬉しいです。

ウメダ：俺が推して収録することになった曲なのもあって、ベースラインを考えることにめちゃくちゃ時間を費やしました。完成した曲を連太郎が仲間のバンドマンに聴かせたりしたら、そのバンドマンから俺に「この曲ベースいい！」って連絡が来たりして。やっぱり頑張っただけ評価されるんだなって、素直に嬉しかったですね。

― アルバム通して、バンドとしての成長を感じる一枚だと思いました。

石塚：レコーディングで2人がライブみたいに気持ちよくギターやベースを弾いたりできるのって、自分のドラムにかかってると思っていて、そこは意識して叩きました。気持ちをちゃんと乗せて演奏できるように、今までのレコーディングよりライブに近い感覚で、頭振って大振りで叩きました。いつも以上に楽しいレコ―ディングでした。

ウメダ：今年の春にリリースした3ヶ月連続リリース企画の時は、レコーディングするタイミングではまだ俺は加入してなくて、曲に対して自分が何かを言うことが気まずい気持ちがあったんです。そこから正式加入して、半年ぐらいたって、曲に対してこうしたい、ああしたい、って言えるようにもなって、自分の中でも納得できるミニアルバムにできたと感じています。そんな俺の気持ちも含めて1枚にパッケージされたミニアルバムなので、それも感じて楽しんで聴いてもらえたら嬉しいなって思います。

梅林寺：初心に戻るじゃないですけど、初めて作る作品の気持ちで全て挑みました。「オーマイラブリー」に”歳をとって君が居なくても思い出す夜が何度もあるのかな？”という歌詞があるんですけど、このミニアルバムを聴いた人が、何年後かにまたこのミニアルバムを聴いて、当時聴いていた時の大事な思い出とかを一緒に思い出すような作品になって欲しいです。ずっと長く聴いてもらえるような曲たちだと思ってるので、大事に聴いてもらえたら最高です。

― 年明けから全国6カ所のツアーが始まります。どんなツアーになりそうでしょうか？

梅林寺：これからもっともっとたくさんの人にバイリンジボーイが愛してもらえるように、まずは僕らの愛を伝えに行くツアーだと思ってます！

― 2024年がもう直ぐ終わりますが、バイリンジボーイにとってどんな1年でしたか？そして2025年はどんな1年にしたいですか？

梅林寺：2024年はウメちゃんが入ってくれて、そこからまた頑張ろうって新たに決意した１年でした。実は上半期は、なんで俺ってバンドを続けているんだろうって考えたりすることもあったんですよ。今までは自分が売れたいからとか、とにかく自分自分っていう感じで考えてたんですけど、アルバムを作りながら、やっぱり俺は自分が作った曲を誰かに届けたいんだって思いに気付いて。自分ばかりじゃなくて、誰かのために俺は歌いたいんだなという、一つの答えが出たんです。すごく大事なことに気付けた、音楽を届ける人間として成長できた1年間だったと思います。なので、2025年はバイリンジボーイというバンドとして1人でも多くの人に出会って、俺たちの曲を聴いてあったかくなるような時間を届けたいなと思ってます。

ウメダ：この１年で自分たちの作りたい曲が作れるようになったのと同時に、自分たちがやりたいライブも見えてきたと思っていて、最近、以前にも増して、これがバイリンジボーイだ！というライブができるようになってきたので、1月からのツアーもいいライブを届けるので絶対に来て欲しいです。

石塚：2025年、バイリンジボーイというバンドをさらに世に知らしめる年にしたいと思ってます！

ウメダ：あとは？痩せるんでしょ？

石塚：そうです！来年はマイナス20キロを目指します！