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NOISE FILETER:#1 banbi
- SPECIAL -

NOISE FILETER:#1 banbi

小さなライブハウスで言葉を曲に乗せて発している数多のバンドの中から、eggmanが一押しするアーティストをピックアップ。
世の中の雑音(NOISE)に埋もれぬようにインタビュー(FILTER)を通じてそのバンドの想いや言葉を世の中に広めようと始まった企画。
記念すべき第1回目は、2月22日に「ポルカドットの言葉と心」をリリースする4ピースバンド「banbi」です。

interviewer:YUMA

–前回のシングルからは約1年半、アルバムとしては約4年ぶりのリリースになりますが、banbiとしての気持ちはどうですか?

片岡(banbi Vo.Gt):2008年に出した『sound forest』は初期衝動というか、バンドを始めた時の熱みたいなものをそのまま荒削りに突っ込んだ感じで。今回はそれから4年も経っているので、割と洗練されたというか、武器みたいな物を吟味しながら、より明確になっているので、これがbanbiとしての名刺というイメージがあるんじゃないかと思います。

–アルバムを出すのが4年も空いたのは何かあるんですか?

片岡:2010年に『グローランプ』を出して、『sumika』(banbi主催イベント)をやってワンマンをやって、テンポ的にはそのまま2011年の夏前ぐらいに出そうかと思っていたんですが、震災があってRECの予定が全部飛んでしまって。その期間で、もう一度曲を見直してみようって事になって、いやこれじゃ駄目じゃない?ってのに気付いて、ほとんどの曲を書き直しました。

–そうなんですね。でも今回のアルバムに入っている『こどものけんか』は結構前からありますよね?

片岡:2007年に作った曲なんですけど、今まで音源に入れられず、なかなか報われない感じだったんですが、どうにかしてやっと入れられました。

–アルバムのタイトルにもなってる『ポルカドット』ってなんだろうと思って調べたら、普通の大きさのドットという意味で、それより大きいものを『コインドット』、小さいものを『ピンドット』と言うそうですね。今作のジャケットにもドットが使われていますが、この言葉を使ったのはどういう意味があるんですか?

片岡:ジャケットの、黒い部分が情報で、白かったりいろんな色が埋まってるドットの部分が真実とか伝えたいことで、黒く塗りつぶされた中に、知りたい事だったり伝えたい事だったりが溢れているので、それを汲み取ってちゃんと人に受け継いでいこうってイメージで、その真実は大きくもないし小さすぎるわけでもないから、『ポルカドット』っていうサイズが一番最適だなと思いました。

–ポルカドットや、前作のグローランプ(ランプの一種)もそうですが、普段人が気にしない言葉や余り使わない言葉をbanbiは使っていますよね。

片岡:多くの人と伝えたいものを共有するにあたって、なるべく言葉を狭めておきたい。ピンポイントで言えれば、伝わりやすい可能性もあって。その中で解釈が変わるのはより面白いし、ロマンがある気がすると思うんですよね。

–今回のアルバムで1曲目と最後の8曲目のタイトルが『言葉と心』『ことばとこころ』という、漢字かひらがなの違いで、歌詞も違いますよね?どうしてですか?

片岡:音源という物が家だとして、音源聞くぞって家に向かって行って、まず家の入口っていうのは俺のイメージ的に馬鹿デカい門であってほしい。多くの人が入れるようになるべく門は大きくしておきたいってイメージがあって、歩いていって出て行くまでの過程として、進んで行けば行くほど狭い部屋になっていって、一番最後がちっちゃい小部屋で、お茶室みたいなところで1対1で話すみたいな。最初何千何万という人を招き入れて、一番最後はお茶でも飲みながら1対1で話しましょう。では、次の所にお行きなさいってその奥から扉が開いて出て行けるみたいなのを想像していて。だから一曲目って、より広くいろんな人に対して聴かせて、いろんな人の答えにあてあまるような言葉選びをしていて、俺はこう思うけど、俺以外の人も当てはまるんじゃないかって伝え方をしていて、逆に8曲目の方はよりパーソナルなんですよ。俺はこう思うよっていうすごく狭めた表現をして、次に送り出していくってイメージだから、すごい範囲が違うんですよ。伝える円というか。

–そういう意味があるんですね。banbiは『君』って言葉をとても良く使うじゃないですか。その『君』って誰ですか?(笑)

片岡:『君』っていうのはbanbi的には聴いてくれている人でもあり、俺の身の周りにいる人でもあるけど、聴いてくれた人にとっては、曲の中の『僕』が自分であってほしいから、聴いてくれた人にとっての『君』が自分の大事な人ですよね。俺にとってもそうですけど。そう思い浮かべて聴いてもらうのが一番いいんじゃないですかね。俺に歌ってもらっている意識で聴くよりかは自分の大事な人を想像して曲の中の主人公を自分に当てはめて『君』ってものを想像した方が良い気がします。曲の楽しみ方としては。

–それ今度やってみます!banbiは『伝える』事をすごく大事にするじゃないですか。そういう聴き方をするとまた新たな一面も見れますね。では、最後に締めていいですか。banbiにとって『言葉』とはなんですか?

片岡:うわぁーうぜー(笑)

一同:あはははは!!(笑)

片岡:『心』になりきれないけど、それが無いと人に伝える事ができないから・・・。ごはんとかパンみたいなもんじゃないですかね。

–『心』はなんですか?

片岡:『心』は ごはんですよとかピーナッツクリームとかじゃないですかね。塗れるものというか、ごはんにのっけたから美味しいみたいな。セットで、心はそれだけじゃ持ち運べなくて、それが『言葉と心』の関係性なのかなと思います。

–改めてアルバム聞いてみます。ありがとうございました!

片岡:ありがとうございました!