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Amelie interview
- SPECIAL -

Amelie interview

Amelieから1st Full Single『ステップ×ステップ』が届いた。

その形態の名前通りこれはフルボリュームでのシングルで、Amelieというバンドの楽曲制作センスは底が知れないというのを改めて実感するには十二分な存在感を示している。

そんなAmelieのメインコンポーザーであるmick(Vo,Gt)と直人(Gt,Cho)に話を聞いた。

インタビュアー:ブッキングマネージャー窪田

-今回、まず気になったのは1st Full Singleという聞きなれない形態でのリリース。

mick(写真中央右 Vo,Gt):そうなりますよね(笑)。

-はい(笑)。

直人(写真中央左 Gt,Cho):レコーディング帰りの車の中で、今回の4曲の仕上がりがすごく良くて、全部リード曲みたいなイメージもあって、普通に2nd Singleとして出すよりはなにか面白い形にしたいねという話がでたのが始まりでした。
mick:シングルとして収録できる曲数のマックスだし、たくさん曲が入っているアルバムをFull Albumと表現するので、今回はFull Singleという形なんじゃないかと思ったんですよね。

-確かに1枚通して聴いてみたらその意図はすごくわかります。シングルとしてはだいぶボリューム感のある作品になってますもんね。

直人:そうですね。自信を持って今のAmelieを表現した4曲を詰め込んだFull Singleだと思います。
mick:今回の1枚に収録したい曲のイメージは4人とも共通しているものがあって、今直人さんが言ったようにまさに今のAmelieで、等身大で、バンドをしっかり表現した1枚にしたかったんです。そしてそれを経て先に進んでいきたいという気持ちがあって。それには今がベストタイミングかなと。

-だから今作はすごくコンセプティブなイメージなんですね。

mick:Amelieとしては珍しい形だったかもしれないですね。
直人:コンセプトを決めて曲を作っていったわけではないんですけど、みんなが共通したイメージがあったし、今のAmelieだからこそ歌える曲が揃ったなと。だからこそ今作のタイトルは『ステップ×ステップ』。一歩一歩これからAmelieとして進んでいきたいなと思って付けました。

-まさに等身大の1枚ですよね。Amelieというバンドをすごくイメージしやすい。そんなAmelieは2017年すごく良い年だったような印象ですが、もっと先に進みたいという想いが強いということですよね。

mick:確かに1年全体としていろいろなイベントに呼んでいただけたし、すごく充実した部分はあったとは思いますが、私たちの中でどうしてもまだ消化しきれていないのが前回のリリースツアーファイナルとして行った渋谷CLUB QUATTROでのワンマンなんです。ソールドアウトできなかったことが本当に悔しくて。たくさんの人があの場所に来てくれてもちろん本当に感謝していますし、すごく良い景色ではありました。ただ、正直な話、ソールドアウトにはできなかった。それこそあの日をステップにして、次のステップにいきたかったというのがバンドとしてはあったんです。だから今回の『ステップ × ステップ』という大事な1枚と共にAmelieは次のステップに行きたいなと思っていて、そんな想いが今作には詰まっていますね。
直人:どうやったらあと一歩次に進めるだろうって考えた結果として今のAmelieをありのまま表現した1枚です。

-そんな今作の収録曲について1曲ずつ聞いていきたいなと思います。
1曲目は「朝は来る」。

mick:みんなでスタジオに入って曲作りをしている時にメンバーの演奏に合わせて仮で歌ったメロディがあったんですけどサビの“朝が来る”というフレーズのハマりがすごく良くて、そこから膨らませて書いた曲ですね。

-冒頭部分に入っている音が印象に残りました。

mick:光をイメージした音を入れたりして、泥臭い部分はありながらもしっかり先を見据えた曲に仕上がったかなと思います。当初はもっと泥臭い曲だったんですよね。レコーディングエンジニアからのアイディアもあって、この曲がより活きる形になったと思います。
直人:今mickから話があったように、レコーディング中にどんどん変わっていった曲ですね。
mick:原型からはかなりイメージが変わりました。歌入れの時も具体的なイメージをいくつかもらって、キャッチーでポップだけどこの曲の芯にあるメッセージ性はしっかり強く存在している曲になりましたね。

-この曲をAmelieが歌うことに意味があるなと思いました。

mick:そうなんです。ド根性!って感じですよね(笑)。なにか特別なことを歌っているわけではないけど、これが今の私たちなんですよ。

-Amelieにはザ・バンドマンというイメージがあって、比較的身近で見ているのもあるから個人的にすごくグッとくるものがあります。

mick:そう言ってもらえると嬉しいですね。

-特にラスト部分にこの曲のすべてが集約されていますよね。

mick:まさにです。この曲のすごく大事なポイントです。というかこの曲においてだけじゃなく今作1曲目のこの部分にこれがあることがすごく大きいですかね。

-そして2曲目の「エラー」。これはもう完全に直人節という感じですよね。キタキタ!みたいな感覚(笑)。

直人:この曲は完全に衝動で書いた曲ですね。今までもこういうタイプの曲は書いていても、最終的にmickが歌うというのを考えて作っていたんですが、今回はそういうことを一切抜きにして感情そのままに最初から最後まで衝動のままに書きました。だからそういう意味では自分らしい曲ができたと思いますし、僕自身の作曲の根底がここなのかもしれません。

-そういう側面があるからか、今作の収録曲の中では少し違う角度の曲かなと感じました。

直人:そうですね。ただ、こういう曲を唐突のやったわけではないし、Amelieがずっとやってきた色の一つで、今までの積み重ねがあるから、このくらい振り切った曲が1曲入っていてもきっと大丈夫だろうという気持ちはありましたね。
mick:この曲が入ることで4曲のバランスがすごく良くなっているかなと思います。あとはこの曲は直人さんが歌う部分もポイントの一つですよね。
直人:今までで一番、でしゃばりました(笑)。

-直人さんが吐き出した感情をmickだけじゃなく直人さん自身が歌うことに意味がありますよね。

mick:歌詞の内容も直人さんの言葉というか、結構強めの言葉を使っている箇所もありますしね。

-でもただのヘイトではなく、曲としてしっかり成立していますし、ライブではすごく盛り上がりそうな曲に仕上がってますよね。

mick:感情を吐き出してグワーッっとライブでは楽しみたいですね。
そしてそんな曲に続くのは「step!」。歌詞の内容がまさにAmelieですよね。
直人:今のAmelieをそのまんま曲にしようと思って作った曲です。先ほどの「エラー」みたいに衝動で曲を作ることが多いんですが、この曲に関しては事前にイメージがあって、さらにみんなの曲にしたいなと思ったのでシンガロングを入れてなど、ミドルチューンでみんなで盛り上がれる曲というコンセプトを元に制作をした曲です。

-曲名が歌詞の中にでてこないのがAmelieの作品としては珍しいなという印象を持ちました。

直人:確かに言われてみると珍しいかもしれないですね。特に意図してそういう形にしたわけではないですが、この曲に関してはこの歌詞でこのタイトルですごくしっくりきていて、この曲ができたから今作のタイトルにも繋がっていて、これからのAmelieにとっても新しいすごく大事な1曲になるんじゃないかなと思います。
mick:この曲で“いくつものドラマで溢れているんだ”という歌詞がでてきていて、前作ドラマチックからの繋がりも実はあって、そういった側面でもAmelieというバンドの歴史を繋ぐ曲でもあるかもしれないですね。

-個人的に2A部分の音色やリズム感はすごく新鮮でした。

直人:意識した部分なのでそう言ってもらえて嬉しいです。Amelieはいろいろなことをやれるバンドだからどんどんチャレンジしたいんですよね。ここの部分の音色が特殊なのは「朝は来る」と同様にこの部分もレコーディングエンジニアのアイディアで、昔のパイプオルガンのスピーカーに繋いで鳴らしたんですよ。

-だから聴き慣れない音だったんですね。

直人:前作などもそうですが、レコーディングの場でのアイディアでいろいろ作っていくのはすごく楽しいですね。これからもいろいろなことを試していきたいなと思っています。
mick:エンジニアさんのアイディアとはフィーリングもすごく合うし、彼のアイディアにはすごく助かっています。

-良い関係性ですね。そして今作の最後を飾る曲は「サイクル」。これもサイクルという言葉は歌詞に出てこないですね。

mick:歌詞の中に出てくる輪廻というタイトルで最初作っていたんですが、漢字のタイトルだと堅いイメージがあるしこのタイトルにしました。

-この曲は Amelieを客観視しているようなイメージを持ちました。

mick:この曲は私が憧れているバンドの方から“女性ボーカルで楽器陣が男性3人というバンド形態の系譜を継ぐのがAmelieになってくれたら嬉しい”と言われて、それが本当に嬉しくて。私はそのバンドに出会っていなければ歌をバンドはやっていなかったかもしれなくて、ということはAmelieはなかったかもしれなくて。そんな方からこれ以上ないくらいのありがたい言葉をもらった時の感情で書いた曲なんです。だから自分の内情から生まれた曲というよりは他者からの言葉がきっかけで生まれた曲なのでそういった側面があるのかもしれません。そんな意味も込めて歌詞書いていて、私たちが先輩の背中を追いかけていたようにAmelieも追いかけられるような先輩になって、また新しいバンドが生まれてというサイクルがこの先も続いていったらいいなと思うし、繋げていかなきゃいけないなって思っています。

-重要な役割ですね。

mick:そういう意味でも一歩一歩しっかり進んでいきたいですね。

-前作のインタビューの時に7曲で虹みたいなイメージということを話していて、この曲の歌詞にも虹という言葉がでてきますがリンクしているんですか?

mick:リンクを特に意識したわけではないですが、振り返ってみると虹という物に対して良いイメージがあるのかもしれませんね。この曲においての虹は次のサイクルに繋がる大事な架け橋なので、きっと私の中で潜在的にある言葉なんでしょうね。

-今作を引っ提げてのツアーも発表になりましたが、初日は久々のAmelie企画でeggmanですね。

mick:よろしくお願いします!前回は地元越谷スタートでしたが、今回はホームであるeggmanで久々の企画ということで特別な気持ちもありますね。しかもすごく面白い3マンになっているのでここでたくさんパワーをもらってツアーに出発したいと思います。

-どんなツアーにしたいですか?

mick:各地いろいろなところで待ってくれている人がいて、その人たちに会えるのはもちろん楽しみですし、最高のライブを各地でやってきたいなとは思っていますが、今回のツアーファイナルで渋谷CLUB QUATTROを絶対ソールドアウトさせたいです。というかさせなきゃいけない。そのくらい強い気持ちを持っています。
直人:ソールドアウトが絶対だよね。

-強いこだわりですね。

mick:渋谷CLUB QUATTROを売り切るバンドになることってバンドにとってすごく大きいことだと思うんですよ。みんなあそこを通って次に羽ばたいていると思うので。
直人:それを経て2018年をもっともっと良い1年にしたいです。Amelieが見据える先に向けて。
mick:まさに次に向けてのステップです。『ステップ×ステップ』という音源を武器に次のステップへ。楽しみにしていてください!

-楽しみにしています。これからも応援させてください。

mick&直人:これからもよろしくお願いします!